瀬人様総受け物語13〜闇の世界(アテム)編〜
「アテムっ!」
「すまない…暫くこうさせてくれ…」
俺を抱き締めたまま、アテムは眼を閉じる。
誰かの代わり…それは判っている。
そしてコイツも遊戯ではない。だが。
「セト…キスしてもいいか…」
そう遊戯の顔で、遊戯の声で言われて、俺が拒めるはずがない。
黙って眼を閉じればそれを了承と取り、アテムは俺の頬に手を添え唇を合わせた。
「んっ…」
キスも同じ。いや、少し優しいか…?
俺の咥内でアテムの舌と俺の舌とが絡み合い、吐息を共有していく。
「セト…」
「俺はセトじゃないぞ。」
「ああ、判っている。だがお前も辛いだろう。」
マハードやクリボーに散々焦らされた。それにまだお前イってないだろう?
くすっと笑いながら下半身に手を伸ばす
しっかりと頭を持ち上げていた俺自身をきゅっと締め上げ、優しく擦りあげていく。
「これは遊戯の闇の中。現世じゃない。」
息を荒げながら、早く戻せと無駄なお願いを試みる。
「ああ、戻すよ。記憶も消してね。だがその前に…」
俺と一つになろう。瀬人。いずれ俺はお前の遊戯と一つになる。
その時、アテムか遊戯か。どちらになっても、お前の身体がその両方を
覚えていられるように。
冷たい石床に横たわり、アテムが俺に覆いかぶさる。
胸にキスの嵐を浴びせ、紅い跡を付けていく。
「んっあ…」
「参ったな。喘ぎ声まで一緒か。」
ソレはこっちの台詞だ。
キスの仕方も同じ。胸に触れる手の温もりも同じ。
でもお前は遊戯じゃない…
「瀬人。今は何も考えずに俺を受け入れるがいい。」
両足を抱え、俺の中心に顔を近づけていく。
先端に舌が触れ、すっぽり咥内に収まった時、俺は堪らず声を上げてイってしまった。
「ハァハァ…すまない…」
「そんなに我慢してたのか?マハードの奴。苛め過ぎだ。」
哀れむような口調のはずなのに顔が笑っているぞ?
「まぁ、仕方がない。俺のも育ててくれないか?」
そういって顔を跨ぎ、まだうな垂れてるアテム自身を差し出した。
震える手でそれに触れ、先端にそっとキスを落とす。
「あっ…」
くびれ部分を丹念に舐めると、堪らなくなったのか俺の後頭部を掴んでぐっと
咥内に押し込んだ。
「うっぐ…」
「悪い。苦しかったか。だがもう我慢できなくてね。」
その可愛らしい口ですべてを飲み干してくれ。
そういって出し入れを繰り返す。
俺は舌を使って必死で受け入れるしかなかった。
遊戯はこんなに切羽詰らんぞ?
そう頭の中で苦笑しながら、咥内に放たれた液をすべて飲み干した。
ハァハァと息を整えながら、俺は口端から流れ出る精を腕で拭った。
その行為にアテムは更に興奮していく。
「堪んないぜ、全く。セトより色気がある。」
「お前は遊戯と違ってせっかちだな。」
そうか?と言ってくすくす笑うと、アテムは俺の腕を掴んで身体を起こさせた。
そのまま腰を掴み、ぐんと下方へ引き寄せた。
「ああっあ!」
「大分我慢していたのか。後ろがぐちゅぐちゅだからすんなり挿ったぞ?」
違うっ、それはマハードが…
そう言おうとするがアテムの激しい突き上げに息をするのがやっとだった。
最奥を擦るアテム自身に俺の中は愛しそうに締め付けていく。
「瀬人…キスを。」
互いの吐息を合わせよう。
この一瞬を決して忘れないように…
そっと唇が触れ、そのまま咥内にアテムの舌が侵入していく。
それを優しく絡ませ、互いの呼吸を共有した。
キスを死ながらも、アテムの腰の動きは休む事無く俺を攻め立てていく。
「あっあ…」
「何だ、もう限界か?
くすっと笑いながら俺を静かに床に寝かせる。
ぐっと足首を持ち上げ、更に奥へと腰を押し付けた。
「んっあっ!!」
「一緒に行こう、瀬人。俺達は常に一つだ。」
過去も未来も。
現世も冥界でも。
たとえその魂が違っていても。
俺達は一つ。
「ああっ、アテ…ム…」
「今度眼が覚める時、お前は俺を『遊戯』と呼ぶんだな。」
それでもいいさ。いつか俺と遊戯は一つになるんだ。
アテムでもいい。遊戯でもいい。
お前に呼ばれるなら名前など何でも…セト…
激しい突き上げに俺の意識はもう飛んでいきそうだった。
夢中でアテムの首に腕を回し、両足を腰に絡ませる。
「ああっもうイク!」
「俺も。中に出していいか?」
訳も判らず首を振ると、アテムは俺の腰を更に強く引き寄せる。
ドクン…
中が熱く感じられていく。
眠れ…そして目覚めよ。
すべてを忘れ、『遊戯』の元へ…
…ト…
瀬人…?
「海馬?どうした?」
額に触れる温もりを感じ、俺ははっと目が覚めた。
ここは…俺の部屋…俺のベッドの上…?
「どうした?悪い夢でも見たか?」
「いや…よく覚えていない…」
隣で心配そうに俺を見つめる。
この男は…遊戯…?
「遊戯…だよな。」
「何だ?俺が他の男に見えるのか?」
ちょっとむっとしたような表情に変わり、遊戯は俺の額にキスを落とす。
「お前の隣で眠るのは俺以外誰もいないだろう?」
それとも誰かいるのか?それはそれで問題だぞ。
くすっと笑いながら俺の首筋に唇を落とす。
ああ…この感覚…
「遊戯…」
「今日はやけにしおらしいな。」
遊戯の首に腕を回し、その身体の温もりを確かめる。
顔を引き寄せ、その唇に吸い付いた。
舌を絡ませ呼吸を共に。
そう、この吐息。確かに遊戯だ。
なのに何故だろう…違う感覚が俺の中で湧いてくる。
もう一人の遊戯が…遊戯の中で息づいているのを感じる…
「海馬…?泣いてるのか?」
頬を伝う雫をそっと唇で拭い、頬を優しく撫でていく。
「何でもない…思い出せない。」
そう、思い出せない…もう一人の遊戯の名前を。
「なら何も考えるな。俺だけを見ていればいい。」
遊戯の舌が俺の身体中をを這いまわる。
息が荒くなっていく中、俺ももう一度目を閉じた。
そうだ…何も考えずに遊戯を見ればいい。
いつか彼と遊戯は一つになるのだから。
夜が明ける少し前。
遊戯は服を調え、窓からそっと抜け出していく。
朝までに自分の部屋に戻らないと、もう一人の遊戯に怒られるんだとか、
訳も判らん事をいう。
「今日はちゃんと学校に来いよ。」
「別に、行く必要もないが。」
「いいから来い。お前の学生服姿も久しぶりだからな。」
それと、学校で暫くやってないし。
ぼそっと言い放った遊戯に、俺は枕を投げつけた。
この万年発情期め!
その枕をさっとかわし、遊戯は外へと飛び降りていった。
学校か…そう言えば暫く行ってないな。
大学の博士号の工程まで終えている俺に、高校の授業なんて全く意味が無いんだが。
たまにはいいか…
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