瀬人様総受け物語16〜理科準備室(御伽)編〜
久しぶりの学校。
それは楽しい物でもなんでもない。
表の遊戯が笑いかけ、凡骨が挑発し、金目当ての女性とたちが黄色い声を上げる。
くだらない。実にくだらない。
さっさと終わらせて会社に行きたいものだ。
「…という事で、出席番号…5番の男子。これを理科室準備までしまってくるように。えーっと、5番は…」
そう言った教師の声が一瞬止まる。
5番…それは…確か…
「海馬じゃねーか!ちゃんと仕舞えるのか?コイツに」
馬鹿にした様に笑う凡骨城の内。一緒に行こうか?と声をかける遊戯。私も一緒に、という女ども。
「ええい!煩いわ!俺一人で行く!」
煩わしい付き合いよりもずっとこっちの方が楽だ。
俺がこんな人体人形を運ぶ事自体煩わしいのだが。
「じゃ、じゃあ頼むよ、海馬君」
申し訳なさそうに頭を下げる教師を無視して、俺は人形を担ぎ上げた。
結構重いな。理科準備室はどこだ…?
「重そうだね。手伝おうか?」
背後から声が聞こえてきた。
誰だ?どこかで聞いたことがある…
「僕の事覚えて無いだろうね。あんまり話さなかったし。」
「…?何処かで会ったか?」
「くすっ。会ったよ。バトルシティの時僕は遊戯君たちとずっと一緒にいたから。」
そうだったか?気が付かなかった…
「まぁ、君は僕の事なんて全然見てなかったから気が付かなくても仕方が無いけどね。」
ずっと遊戯君や城の内君しか見てなかったから。
そう言ってそいつは人体人形にすっと手を添えた。
重かった人形が少し軽くなる。
「理科準備室だったよね。」
「あ、ああ。」
「くす。本当に君は興味ない人間に冷たいんだね。」
僕は御伽龍児。宜しく。
さて。ここが理科準備室。来るのは初めてだろう?」
「…まぁな。」
にこやかに笑いながら語りかける。馴れ馴れしい奴だ。
ガラと音を立てながらドアを開け、俺と御伽は理科準備室に人体人形を置いた。
「やれやれ。結構重かったね、海馬君。」
「もう用は無い。帰る。」
こんな所さっさと抜け出して、俺は会社に行きたかった。
どうも小さい頃から大人の人間と過ごしたせいか、同年代の人間と過ごすのが苦手だ。
ドアに手をかけようとした時、お伽がそれを遮った。
「もうちょっと話さない?折角の機会だし。」
「無駄な時間を過ごすほど暇ではない。」
「つれないね。新しいDDMの話を聞いて欲しかったのに。」
そうか。どこかで聞いた事あると思ったら、こいつはDDMの発案者だったか。
ペガサスから貰った資料で見た事があるぞ。
「…少しだけだ。」
「ちょっと興味を持ってくれたんだね。」
嬉しいよ、海馬君。
そう言いながら、お伽がドアに鍵をかけたのに、俺は気がつくのが遅かった。
「海馬君、ダイスは得意かい?」
御伽がにこにこ笑いながらポケットから二つのダイスを取り出した。
「DDMにはダイスが使用されるんだよ。」
「判っている。さっさと用件を言え。」
「つれないなぁ。折角二人っきりなのにさ。」
「俺は忙しいんだ。貴様の為に貴重な時間を割いてやっているんだぞ。」
用が無いのなら帰らせてもらうぞ。
そういって席を立とうとすると、御伽がダイスを机に放った。
ころころと転がりながら、ダイスは二つとも1を示す。
「ゾロ目、出すの難しいんだよ。」
「ふん、下らん。」
「流石の海馬君もこれは出来ないだろう?」
馬鹿にするな!ゲームと名の付く物に俺が負ける事など無い!
「要は手首の回転、指の使い方、力の加減で好きな目が出せる。それだけだ。」
「その通り。僅かな狂いがそれを拒む。どう?やってみない?」
互いが指定した目を出し合うってゲーム。
にやりと笑いながらダイスを再び手の中で転がし始める。
「DDMの話じゃなかったのか。」
「こうでもしないと僕と勝負してくれないでしょ?」
まさか僕の挑戦を受けずに無様に立ち去るなんて事は無いよね。
俺に挑戦するだと?
ニヤニヤ笑う御伽を俺はキッと睨みつけた。
「やる?やらない?」
「俺が素直に受けると思ったか?」
「君は受けるよ。だって君はあの海馬瀬人だろう?」
カードの貴公子、ゲームの達人、そう呼ばれているあの海馬瀬人だろう?
「まさか僕とのダイスゲームが怖くて受けないなって事無いよね。」
「貴様!俺が貴様なんかに負けるとでも思っているのか!」
「じゃ、やるね。」
「ちっ。貴様の挑戦受けてやる。」
単純だね。海馬君。
君のプライドを揺るがせば絶対逃げないと思ったよ。
「じゃ、最初は僕がダイスを振るよ。海馬君、好きな数字を言ってよ。」
「…ふん。7だ。」
「OK,7だね。」
そう言って、御伽は右手を振りかざす。
御伽の手にあるダイスがコロコロと机を転がっていく。
そしてそれは3と4を出した。
「7だ。僕の勝ち。次は海馬君だ。僕が示す数字は4だ。」
4、か。俺は机の上のダイスをとり、掌で転がした。
そして机に向かって右手を振りかざす。
二つのダイスは転がり、1と3を示した。
「4だ。」
「流石だ。でももしかしたら偶然かもしれない。」
「俺を愚弄するのか!」
「まさか。でも僕だってダイスに関しては自身があるからね。」
もう一度だ。そうだ、今度は何か賭けてみようか。
御伽のその提案に、俺は拒否すればよかったんだ…
「何を賭けるって?」
「だから。負けた方が言う事聞くって。」
「海馬君が勝てば、この勝負を終えてここから出て行けばいいじゃない。」
それとも自信ない?
そう言われてしまったら、俺は受けざるを得ない。
海馬瀬人が勝負を恐れ引き下がったとあれば、俺の名に傷が付く。
それはすぐ会社の信用に直結するんだ。
「いいだろう。」
「じゃ、僕が最初。何を出そうか?」
「11だ。」
5と6以外出せない数字。出せる確立は低い。
だが御伽はにやりと笑い、手の中のダイスをコロコロ転がし、机に放った。
出た目は…5と6…
「僕の勝ち。次は海馬君だよ。僕は…2だ。」
これもぞろ目じゃないと駄目な数字だ。
俺は机の上のダイスを手に取り、手の中で転がしていく。
意を決して机に放る。
転がっていくダイスの一つは1を示す。もう一つは…
「!?」
机の上を転がったダイスは、無情にもそこから落ちてしまっていた。
御伽が床に落ちたダイスを拾い上げる。
「2だ。惜しかったね、海馬君。」
「くっ…」
「じゃ、僕の言う事聞いてもらおうか。」
まずはその唇を貰うよ。
そう言って御伽は俺の手を掴み、強引にキスを奪ってきた。
海馬君の性格を計算すれば、こんな事は容易かった。
彼のプライドを刺激すればゲームに乗り、更に挑発すれば、絶対に堕ちていくと。
案の定、彼は冷静さを失い、僕のゲームに負けた。
「くっ」
「まずはその唇を貰おうか。」
そう言って僕は海馬君の腕を掴み、僕に引き寄せる。そのまま後頭部を捕らえ、驚く海馬君にキスをした。
「貴様!」
「だめだめ。これは僕が勝ったゲームなんだから。」
暴れて離れようとする海馬君を僕は抑えようと腰を引き寄せる。
その拍子に足元のバランスを崩し、僕らはそのまま倒れこんだ。
「いてて。大丈夫?海馬君…」
腕を擦りながら彼を覗き込む。
…?海馬君?
目を閉じ、ピクリともしない。
どうも倒れこんだ時に打ち所を悪くして気を失ってしまったらしい。
本来ならすぐに先生を呼びに行くんだが…
これはチャンスと見ていいかな。
まずは拘束。これは鉄則。
だって海馬君は腕っ節もいいからね。
ちょうど手ごろな場所がある。窓の近くの手洗い場だ。
両手を紐で縛り、その先を水道の蛇口に括り付ける。
これでちょっとやそっとじゃ逃げ出せない。
「ん…」
「海馬君?」
…起きたかと思ったよ。でもその仕草が妙に色っぽい。
ドキドキしてくる。事が終わった後どうなるかなんて今考えられなかった。
ぐったり気を失っている海馬君の学生服のボタンを外していく。
起きていたら触れるだけできっと殴られただろう。
首筋から見える白い肌に、僕の鼓動は高鳴るばっかりだ。
「綺麗だ…本当に。」
男なのに。同性なのに。
何でこんなに綺麗と感じるんだろう。
そしてこの綺麗な身体を汚してみたいと誰もが思うはずだ。
今の僕みたいに。
静かに、静かに、海馬君のシャツの中に手を入れていく。
冷たい肌の感触に、僕の心臓はさっきから鳴りっぱなしだ。
端正な顔立ち。うっすらと濡れてる唇。
瞳は…今は見えないけど、透き通るようなブルーなんだよね。
外国の血が流れているのだろうか。
目の前でもう一度見てみたい。
その為には起さないといけないのだが…
起きる前に食らいつきそうな首筋にキスを…
「んっ…」
やばい、目を覚ました?
でも僕の勢いはもう止まらない。
薄っすらと明けられていくその瞼の奥から、宝石のような青が見えてきた。
その瞳に僕を捕らえると、一気に焦点が合っていく。
「貴様!!!何を、あっんっ!」
怒鳴り声を聞かされる前に、もう一度その口を塞いで黙らせた。
咥内に舌を入れてディープキスを求めると、海馬君も反応してきた。
というより、反射的に僕の舌を絡めたというか…
手馴れているのだろうか?上手いよ。流石だ。
「くっ、貴様!離せ!」
「そんな事できる訳ないじゃないか。これから楽しい事しようとしているのに。」
海馬君が抵抗しないなんてありえないからね。
肌蹴た制服の下に手を滑らせ、身体の線をなぞりながら下腹部の方に顔を近づける。
「や、止めろ!」
「何を怖がってるのさ。初めてじゃないくせに。」
「貴様!後で殺してやる!」
「その前に僕が昇天させてあげるさ。」
ズボンのチャックを下ろし、ボクサーパンツに手をかけると、海馬君の身体がビクンと震えた。
触れるだけでこれだけの反応。
なら、これだったらどうかな?
「うぅああ!」
少し頭を持ち上げた海馬君自身の頭にそっとキスを落とす。
そしてそのまま根元まで下をずらしていったら、とたんに大きく脈打ちながら上を向いた。
「ふ〜ん…随分と感度がいいんだね。」
ほのかに顔を赤らめる海馬君が可愛く見えてきた。
御伽の口が俺自身をすっぽり咥え込んでいる。
嫌悪感でいっぱいなのに身体が反応してしまうのはいつもの事だ。
何だっていつもこんな目に遭うんだ。
遊戯がいつも言っていた。俺はその気のある人から見ればフェロモンを撒き散らしているんだと。
そんなの俺の知ったこっちゃ無い!
向こうが勝手に欲情するだけだ!
「あっあんん…」
「いい声。僕の下半身を刺激する。」
ほら、こいつも欲情している。
その内俺はイかされ、欲情しきったこいつのモノを挿れられて。
唇を噛み締めながら、それでも身体は反応して喘いで。
「あっあああ!」
ゴクン…御伽が俺の出した精を飲み干す喉の音が響く。
唇を拭きながらにやりと笑うその表情。
俺を犯してきた奴と全く同じ。
「素敵だよ、海馬君。僕も気持ちよくしてよ。」
すっと立ち上がって、いきり立つ己を取り出し俺の目の前に見せ付ける。
「うっあっ」
俺の前髪を掴み上げ無理やり口に宛がった。
「ね、海馬君。口でしてよ。」
あの飛行船の中で遊戯君にしていたように。
「うっ…」
唇に押し当てられ、歯列に押し付けられていく。
生臭い臭いに吐きそうだ。
「どうしたの?舐めてイかせてよ。出来ないなら直接海馬君に挿れるよ?」
あ、そっちのほうがいいかな。
くすくす笑いながら、やつは俺の鼻を摘んで、ぐっと持ち上げた。
痛みに思わず顔をしかめ、その内息が苦しくなって口を開けてしまった。
その拍子に生暖かいモノが俺の咥内に押し込められた。
「うん、いい子だ。噛まないでよ。」
そしたら僕は海馬君をお仕置きしないといけないから。
喉の奥まで押し込まれ、舌を使ってそれを押し止めなければならない。
否応無しに御伽のモノに奉仕する形となるんだ。
「うっぐ…んん…」
「ハァ…気持ちいよ。海馬君は口でも上手いんだね。」
遊戯君が羨ましい。ちょっとぐらいおこぼれ貰っても別にバチはあたらないよね。
恍惚の表情を浮かべながら、御伽は俺の咥内に自身を出し入れしていく。
中の肉棒が段々太さを増し、ドクンと脈を打っていく。限界が近づいてきたか…
「くっ、凄いよ…もうイきそうだ。全部飲んでくれるかな。」
俺の後頭部を掴み、更に奥を突上げる。
むせ返る俺の事など構わず、やつの動きは小刻みになっていく。
「ああっ!!」
その瞬間、俺の喉に生暖かい液体が注ぎ込まれた。
口端から白い筋が流れていく。
ここで…終わる筈がない。
こいつもきっと最後までしたがる。何とかしないと…
ドンドンドン!!!
「海馬君!いるの?何してるの?次の授業が始まるよ!」
いきなりドアを叩く音に、そして聞きなれた声が響き渡った。
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