瀬人様総受け物語8〜海馬邸(モクバ)編〜
ここは…
俺は柔らかい感触に眼を覚ます。
あのデュエルマシーンの上ではない…
ベッド…?
ここは…俺の部屋?
あれから俺は気を失い、そのまま家に帰ってきたのか?
モクバが連れて帰ってくれたのか?
「んっ…」
気だるい身体を起こして辺りを見回す。
身体の節々が痛い。まだ熱もあるようだ…
どうも汗っぽい。風呂にも入らず寝かされたようだ。
「シャワーでも浴びるか…」
部屋に設定されているシャワールームに向かう。
何度も中で出され、その処理もしてないまま眠っていたようだ。
「うっ…」
歩く度に腹の中でグルグル鳴っている感覚。
クッ…城之内や遊戯、ペガサスが調子に乗って何度もするからだ。
コックを捻り、熱いお湯に身体を浸す。
ああ、気持ちい。生き返るようだ。
兎に角中のモノを出そう。
でないと気持ち悪い。
シャワーの水音が、俺の部屋のドアが開くのをかき消していた。
もし知っていたらすぐにでも鍵を閉めただろうに…
温かいお湯が疲れきった身体を癒していく。
ある程度身体を洗った後、俺はバスタブにお湯を溜め始めた。
お湯が溜まるまでの間に…中の物を取り除こう…
俺は顔を少し赤らめながら、腕を後孔にまわした。
トントントン!
ビクッと身体が反応する。
誰だ!?まさか遊戯が…
「兄さま?居るの?俺だよ、モクバだよ」
「モクバ?どうしたこんな遅くに…」
「うん、兄さまが心配で見に来たら居ないから…で、シャワールームから音がしたからここかなと思って。」
屈託のない声で答えるモクバに、俺は気をすっかり許してシャワールームのドアを開けた。
「ああ、ここに居る。シャワーを浴びていたんだ。」
「じゃ、俺も一緒に入る!兄さまの背中流してあげるよ!」
「あ、いや、今は一人で…」
俺が言う前にモクバはシャワールームのドアを閉め、ガチャリと鍵をかけてしまった。
モクバ…?
何だか今日は違う人物に感じるぞ…?
「兄さま、疲れたでしょ?俺、いいもの持ってきたんだ。」
そう言ってモクバは小さなビンを取り出した。
蓋を開け、お湯がいっぱいになったバスタブにそれを持っていく。
「モクバ?」
「これ、リラックスするハーブオイル。お湯の中に入れるといい香りがして気分がリラックス出来るんだって。」
ハーブオイル?女じゃあるまいし。
そんなのいい、と言う前にモクバはそのビンを逆さにして2〜3滴お湯の中に入れてしまった。
途端にいい香りがシャワールームの中に充満する。
「…ん、良い香りだな…」
「そうでしょ?さ、お湯の中に入って。」
モクバにそう言われ、俺は進められるままにお湯の中に身を沈める。
熱いお湯と、ハーブのいい香りが俺の心を身体を癒していく。
モクバがバスタブの淵にちょこんと腰掛ける。
危ないぞ?そんな所に腰掛けていると…
「ね?どう。効いて来た?俺はすぐ効果あったんだけどさ。」
最初はモクバのその言葉の意味が良く理解できなかった。
その身体の中心にあるモノを見せ付けられるまでは…
「!!モクバ…」
「うん。もう俺ビンビンだぜ?」
このハーブオイルのお蔭で。
ばしゃんとバスタブの中に飛び込むと、モクバは俺の首に纏わりついてきた。
そして何気に腰を押し付ける。
「このハーブオイルってね。興奮剤の効果もあるんだって。」
「モクバっ!?リラックスするオイルだって…」
「そ。SEXして気持ちをリラックスさせるためのハーブオイル。恋人向けらしいよ。」
にっこりと無邪気な笑いを浮かべながら、恐ろしい事を口走る。
今何て言った?モクバ…
「兄さま…俺、最初は兄さまがいい…」
驚く俺の右手を掴み、お湯の中のモクバ自身へと誘導した。
俺にどうしろと…
「イかせてよ…兄さま…」
その眼は俺の知ってる純粋無垢なモクバの眼ではなかった…
イかせてよ…
モクバのその言葉に、俺の思考は狂わされていく。
どうして!?実の弟にそんな事出来る筈がないじゃないか!
だが混乱している俺を見て、モクバはふっと笑うと、俺の首に抱きついてそっと耳打ちをする。
「兄さま…俺、初めては兄さまがいい。」
「モクバ!俺はそんな事!」
「兄さま。兄さまが出来ないなら俺、他の人に童貞奪って貰うよ?」
何処の馬の骨ともわからない女につかまされるより、兄さまがしてくれた方が安全だと思わない?
そういいながら俺の下腹部にモクバ自身を押し付けていく。
その強度は増し、脈打ってさえいた。
「だが…」
「もう!兄さま!どうするの!やるのやらないの?」
モクバはさっとお湯から上がり、バスタブの淵に腰掛ける。
そして俺の腕を掴むとグイッと自分の足の間に引き寄せた。
「兄さまがやってくれないのなら俺、遊戯やペガサスにやって貰うぜ?」
な…!?
「兄さま…舐めてイかせて…」
モクバの言葉に絶句する…
俺に…何をしろと…
「早く!自分で出来ないなら俺手伝ってあげようか?」
そう言うとモクバは俺の後頭部を掴み、俺に口元にモクバ自身を押し付けてきた。
熱く…大きく肥大した…
「して…兄さま…」
モクバが手を伸ばし、俺の口元に指を入れる。
優しくなぞる様に唇に触れ、そのまま歯列を割って指が進入してくる。
僅かに開いた口元に、モクバは迷う事無く先端を押し付けた。
「ふっん…」
少し触れただけでモクバの甘い声が響く。
こんな声を…ペガサスや遊戯が聞いたら…
「兄さま…」
ドクンと脈打つそれは、熱を帯び、今にもはちきれんばかりだった。
「早く解放してよ。俺だって辛いんだから…」
モクバのその言葉に、俺は静かに眼を閉じる。
モクバの小さな若木に俺はそっと口付けをする。
モクバの身体がビクッと震えると、俺の髪を優しくなで始めた。
「兄さま…愛してるよ…」
その言葉に何も応えず、俺は口の中に含ませていく。
咥内で歓喜に打ち震えるそれは、ドンドン大きく脈打っていった。
舌先でそれを刺激しながら、快楽を引き出していく。
「あっ凄い…兄さま…」
前かがみになりながら、それでもモクバの手は俺の顔を離さない。
もっと奥へと押し込む様に、身体を前に押し付ける。
出し入れを繰り返しながら、遊戯やペガサスにしたように、丁寧に奉仕を続けていく。
根元から先へ。括れを舐め、舌先で先端を突く。
そしてまたすっぽりと、舌で包み込むように咥え込み、挿出を繰り返す。
遊戯ならこれでは物足りないだろうが、初体験のモクバには充分すぎるほどの刺激だった。
「あっもう…」
ドクン…と震えだすと、生暖かい駅が俺の咥内に広がっていく。
俺は…なんて事を…
「兄さま!おれ凄く嬉しい!」
モクバが俺の首筋に抱きついてくる。
嬉々とした表情は、俺を更に罪悪感に苛まれせた。
「兄さま!今度は俺の番ね!」
モクバは器用に俺の背後に回ると、浴槽の壁の押し付けた。
「まずは背中を流してあげるからね。」
モクバの手が俺の身体を撫で回していった…
「やっ、モクバ!止め…」
「兄さま…辛いんでしょ?遊戯もペガサスも皆中に出してたから。」
だから俺が手伝ってあげる。
モクバはそういうと、俺の内腿に手を入れてきた。
そのまま中へと滑る様に這わせていく。
「あっふ…」
モクバの指が後孔に達すると、俺は思わず声をあげてしまった。
「ふふ、兄さまの声、やっぱりいいね…」
パソコンから聞こえてきたあの声、凄く興奮したモン…
何の…声だって?
「あの会場で遊戯とペガサスが兄さまとヤってた映像。俺、録画して何度も見返して勉強してきたんだ。」
だから初めてだけど上手くやれる。必ず兄さまを満足させてあげられる
「モクバ!お前一体何を、あっあ!!」
振り返ろうとした時、モクバの指が俺の中へと進入してきた。
ぐっと付け根まで入れ、くいっと指を曲げ、肉壁に擦り付ける様に中を掻き回していく。
身動き取れないように壁に押し付けると更に奥まで指を押し込んでいく。
「あっやぁ…止め…モクバ…」
「一本じゃ足りないんでしょ?兄さま。」
そう言って後孔をぐっと広げるともう一本追加させる。
「すぐに中の物出してあげるから。」
モクバの指が更に増えようとしていた…
「あっはああんん!」
モクバの指が俺の中深く進入する。
グリッと指を曲げ、中の異物を絡め取る。
「はぅ!」
お湯が中に進入し、残っていた白濁液を洗い流すようにモクバの指と共に外へと出されていく。
モクバはそれを湯船から掻き出すと、俺の両手を押さえながらキスを求めてきた。
「兄さま…キスして…」
「モクバ…」
前の様な兄弟のキスではない。お互いの呼吸を分かち合う大人のキスだ。
そう…俺と遊戯がする…恋人同士のキス…
「んっ…」
ぴちゃぴちゃと舌を絡めあう音が浴室に響き、俺の耳を犯していく。
長く執拗なキスを終えた時、モクバがはっとなって俺の顔を覗き込んだ。
「兄さま…泣いてるの…?」
泣いてる…?この俺が…?
「兄さま…俺、兄さまを悲しませた…?」
「モクバ…」
「俺…泣かせる様な事したの…?」
頬を伝っていく涙を、モクバが唇で拭っていく。
そして険しい表情でもう一度俺の唇を塞いだ。
「兄さま…愛してる…だからここで止めておく…」
でも絶対今度は…俺が兄さまを愛してあげる…
兄さまを一番愛しているのは俺なんだから…
「モクバ…」
「兄さま…」
モクバがすっと俺から離れ、バスタブから出て行く。
そのまま横に立ち、俺をじっと見つめている。
「モクバ。風邪を引く…」
「くす。こんな状況なのに俺の事心配してくれるんだ。」
俺は兄さまを抱こうとしたのに。
「当然だろう。お前は俺のたった一人の弟なんだから。」
立ち尽くすモクバに手を伸ばす。
モクバは震えながらも俺の手をとり、指にキスを落とした。
「俺、部屋に戻るよ。」
「体をちゃんと拭くんだぞ。」
「判ってますって。」
にっこり笑いながら、モクバは横にあったバスタオルを頭からかけ、もう一度俺のそばに近づいた。
「兄さま…大好きだよ…」
そのまま俺の唇を塞ぎ、静かに目を閉じる。
俺は抵抗はせず、モクバの求めに応じて舌を絡めた。
俺はこれくらいの事しか出来ないから…
長いディープキスの後、モクバは少し悲しそうに微笑む。
「兄さまも早くあがって、寝ないとだめだぞ?」
「生意気な事言うな。」
「はーい。お休みなさい。」
いつもの様に屈託のない笑顔に戻ったモクバは、バスタオルを肩にかけながらバスルームを出て行った。
疲れた…
甘い香りが俺の中を浸していく。
暫く湯に使って今日の疲れを取ろう…
湯船に浸かっていると、そのアロマオイルの香りに頭がくらくらしてくる。
気持ちいいのかそうでないのか…
「駄目だ。ちゃんと寝よう。」
そう思って俺は湯船から出て、髪を拭き、バスローブを羽織ってバスルームを出る。
部屋に常備されている酒のビンに手を伸ばした。
剛三郎が生きていたときからの癖だ。眠れない夜にはいい薬だった。
グラスにほんの少しウイスキーを注ぐ。
未成年だから本当はいけなのだが…
くいっとすべてを飲み干すと、俺はベッドの上にごろりと寝転がった。
アルコール度の高いウィスキーは、ホンの少し口にしただけで俺を眠りに誘い込んでくれる。
静かに眼を閉じると、辺りは闇に消えていった。
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