瀬人様総受け物語10〜海馬邸(バクラ)編〜
「あんたの心の闇って凄いんだな。」
少年…の声…?
どこかで聞いた…
「貴様!誰だ!俺に何をした!」
「何って、別に?俺は何もしてないぜ?」
そういわれてはっと辺りを見回す。
上に乗っていたはずの剛三郎の姿はなく、俺も裸ではなくパジャマを着てベッドの上で眠っていた。
何だ…?何が起きていたんだ…?
「あんたの心の闇を見ていたんだよ。心に巣食う闇をね。」
声がゆっくりと近づいてくる。
部屋が暗くてよく見えないが、背の高い男だ。
「心の闇だと!?」
「そうさ。あんた、引き取られた義理の父親にいいように弄ばれてたんだな。」
「!!」
「見ていて興奮したぜ?あの海馬瀬人が懇願してるんだもんな。」
イかせて下さいって。
くすくす笑いながらどすんとベッドに座る衝撃。
これは…確かに現実…
夢なのか現実なのかわからなくなっていく…
「海馬社長。俺、あんたの闇を見て興奮した。」
だから犯らせろよ。さっきみたいにいい声で鳴いて聞かせろ。
冷たい手が俺の顔に伸びていく。
パシッとその手を払い落とし、俺はベッドから飛び降り部屋の明かりをつけた。
ぱぁっと明かりが部屋中を包み込む。
ベッドの上に一人の少年が座っていた。
「貴様…見た事あるぞ!遊戯と一緒に居た…」
「獏良了。俺を知っててくれたのか。ありがたいね。」
にやっと笑うその表情は、俺が見た人物とはとても同一人物とは思えない、黒い微笑だった。
俺がこいつを見たのは学校の教室でだ。
遊戯や城之内達と一緒に何やら話しているのを見かけた。
その時のこいつの顔は穏やかで…そう、もう一つの遊戯の時の様に屈託のない笑顔で笑っていた。
「何人の事ジロジロ見てんだ?そんなに俺が気になるか?」
にやりと笑うその顔は、穏やかなあの笑顔ではない。
別人か…?いや、違う。同じ…
「だから何一人でぶつぶつ言ってんだ!」
いきなり眼の前にバクラが迫り、バン、俺を壁に押し付けた。
突然の事で俺は一瞬身動きがとれず、バクラは俺の顔のすぐ横の壁に手を付いた。
「綺麗なブルーの瞳だな。」
純粋に輝くその瞳を快楽に浸して濁らせるのも面白い。
そう囁きながら、奴の顔が俺の方へと近づいてきた…
バクラが俺の唇を奪うが如き迫ってきた。
俺はその顔を押しのけようとぐっとその胸を押す。
だがその腕を逆に取られ、俺はそのままベッドへと放り投げられてしまった。
スプリングの効いたベッドは俺を優しく受け止める。
俺はきっと睨み付けながらバクラの方に振り返った。
奴は余裕で俺の背後に立っている。
「貴様!」
「いけないなぁ〜あんまり暴れると俺だって色々手を使わせて貰うぜ?」
さっきの闇の中のあんたみたいに大人しく犯られろよ…
その言葉と共に、俺の部屋の灯りがすぅ〜っと消えていく。
停電?違う、停電ならこんな消え方じゃない。
まるで世界がやみに染まっていくように灯りが消えていく。
「何だ!今何をした!」
「別に。あんたと俺の周りを闇に沈めただけだ。」
だが俺は闇の住人。この闇の中では自由に動く。
「あんたはどうかな…海馬社長。」
心の闇が深ければ深い程、この闇に囚われ動けなくなる。
クククという笑い声と共に、俺の周りは真っ暗になり、完全に何も見えなくなった。
「馬鹿馬鹿しい!下らんオカルト話に付き合うほど俺は暇じゃないんだ!」
俺は立ち上がろうと両手に力を入れる。
!?
立てない…?
腕には力を込めているのに、何かに押さえつけられているようにびくともしない!
「どうして…」
「だから言っただろう?心の闇があんたを縛り付けているんだぜ?」
身動き一つ取れないだろう。凄まじい闇があんたを縛り付けている。
「俺にとっては好都合だけどな。」
バクラの声が俺のすぐ横に聞こえてくる。
冷たい手が俺の首筋を伝い、身体の線をなぞる様に下へと降りていく。
感触はあるのに…何故動かせない!?
何も見えない闇の中。
俺は必死で身体を動かそうとしてみたが、何かとてつもなく重いものを背負わされているかのように、
俺の身体は動かなかった。
「くっ!いい加減にしろ!こんな馬鹿げた事をして何になる!」
「何も?ただ俺の性欲が満足するだけさ。」
そしてお前の心の闇を俺の糧とし、俺は更にパワーアップする。
「俺の闇の中で一生飼い殺してあげるよ。海馬社長。」
そういうとバクラは俺の背後から圧し掛かり、耳元に冷たい息を吹きかける。
嫌悪感で顔を歪ませるが、俺は顔を背ける事も出来ずにされるがままだ。
パジャマの前を解かれ、肌に直接触れてくる。
その指先はとても冷たく、人の暖かさをしていないようだ。
するすると指が俺の胸を這い、突起に到達するとそれをきゅっと摘み上げた。
「んっあ…」
「さっきの闇の中での情事の余韻が残ってるんだろう?感じやすそうだぜ…」
あれは夢ではなく、過去の残影。あんたが経験してきた事を頭の中で再生した様なもの。
「だから実際あんたはあの剛三郎とSEXしたようなもんだ。」
勿論精液も出てないし、中に出された訳でもない。
それでも…
「身体は疼いてるんだろう…?」
冷たい指先が俺の下腹部へと伸びていく。
俺自身に到達し、その先端に滑りを確認すると、バクラは一気に俺のズボンを引き剥がした。
下腹部にひんやりと外気が伝わってくる。
更に冷たい手が俺の腰をぐっと掴み引き寄せていく。
「あんたの中は暖かいかな…」
後孔のぐぐっと指を入れ、中の暖かさを確かめるようにぐりっと捻る。
「んっああ…」
「いい声。指一本でこれかよ。」
堪らんな。もう俺イちゃいそうだぜ。
耳元で囁きながら、俺自身を左手で弄ぶ。
滑りを指に絡め、根元から扱いて、快楽を引き立たせていく。
「やぁああ!」
「やじゃねぇだろう?気持ちよくて腰振ってるぜ?」
更に指を増やし、中を広げて掻き乱していく。
嫌悪感でいっぱいになる筈なのに、俺の身体はまるで火が点いた様に熱く、バクラの指を締め付けていった。
足りない…指なんかじゃ…
そんな心とは反対の感情が俺の中を支配していく…
「足りねーだろ?俺様の指だけじゃ。」
バクラがくすくす笑いながら、俺の中をえぐる様に指をくねらせる。
「あっああ…」
まるで女の様な声だ…
それ程俺は快楽にすがる奴隷に成り下がっているのか…
頭の中はやけに冷静だが、身体はもう完全にスイッチが入ってしまっている。
この疼きを何とかして欲しくて、その気はないのに俺は淫らに腰をくねらせる。
「随分と良さそうだな。指3本で満足か?」
ならここで止めておくか。
蔑む笑い声と共に、3本の指が俺の中を掻き毟る。
足りないんだ…それでは…もう。
「入れて欲しいんならちゃんとおねだりしろよ。」
さっきのおっさんにしていた様に。
中を貪りながら、バクラは前にも手を伸ばし、俺の陰茎を掴み始めた。
「ひっんん!」
夢の中で剛三郎に焦らされ、そして今現実におあずけを喰らってる。
俺は…この闇に完全に喰われてしまったのか…?
ほら…快楽を受け入れると、あれほど重かった俺の身体が軽くなり、身体の向きを変え、
俺の両手が眼の前の男をを捕まえようとしている。
抱きしめて、唇に吸い付き、貪る様にその奉仕を求める。
そして俺は、こいつの奴隷の様に懇願するんだ。
「して…欲しい…」
「何をどうして欲しいんだ?」
「いれて…俺のこの疼きを解放して…」
お願いだから…
「いいぜ。その調子だ。俺に従順なペットでいろよ。」
バクラが俺の腰を掴み、両足を抱えてぐっと前進した。
衝撃と共に、とてつもない快楽が俺の中を襲ってきた。
「そう、いい子だ。大人しくすればいい思いが出来るぜ?」
バクラがぐっと腰を打ち付けてくる。
俺の足を掲げ、俺自身を掴み、快楽を最大限に引き出していく。
もう…どうでもいい…
俺はこの闇に囚われたんだ…
後はお前の好きにすればいい。
剛三郎に引き取られた時に俺はすでにこの闇に囚われていたのかもしれない。
「あんん…」
バクラの激しい突き上げが最奥のポイントを刺激し、俺は夢中でバクラにしがみ付いた。
息を合わせて快楽を共有していく。
「あっあっ!!もっと…」
「いいねぇ、その声、その言葉。」
あんたはもう、俺の物だ。
ずっと昔から…俺の物だ…
バクラが俺の髪をなで、そっと唇にキスをする。
俺は静かに目を閉じ、この冷たい闇に意識を合わせていった。
…ト… セ…ト…
誰だ…?俺の頭の中で誰かが叫んでる。
「海馬!闇に囚われるな!」
…何で…ここにお前が…?
「海馬…それにお前はバクラ…」
「これはこれは、王様じゃねぇか。」
「何故貴様がここにいる?」
そして今お前は何をしているんだ…?
遊戯の顔が闇で良く見えない…
だが、口調で怒っているのがわかる。
それはそうだな…今、俺はまさにバクラに身を委ねようとしていた…
お前と言う存在を消し、この闇に沈もうとしていたんだ。
「誰も入れない闇のはずだったんだがなぁ。」
「ふん、俺だって闇の住人。こんな闇ぐらい動作もない。」
気配がゆっくりと近づいてくる。
遊戯の顔が…うっすらと視界に入ってきた。
「ゆ…うぎ…」
「海馬。これは後でゆっくり聞いてやる。今はこいつを排除するから待ってろ。」
「それより…王様はどうしてここにいるんだ?」
ここは海馬社長の部屋だぜ?
「そういうお前こそ何でここにいる。」
「俺はそりゃ、夜這い目的で忍び込んだだけだぜ?」
「ふん、それは俺だって。」
「成る程、目的は同じだったと言うわけだ。」
「俺の場合はお前のように卑怯なやり方ではないがな。」
海馬に闇を見せ付けさせ、その弱さに漬け込み己の物にしようとは。
「怒るなよ。こいつを犯したいなら一緒にやろうぜ。ほら、もう準備は万端だ。」
バクラが笑いながら俺への突き上げを再開する。
いきなりの動きに、俺は耐える事が出来ずに甘い声を上げてしまう。
「あっああ!」
「ほら、いい声。あんたも聞きたいだろう?」
グチュグチュと中を掻き回すように挿抽を繰り返す。
俺の口は半開き状態で、虚ろな瞳で遊戯を見つめていた。
こんな俺を…あいつが許すはずがない。
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