瀬人様総受け物語13〜古代編(マハード)〜
















ここは…俺は一体…



眼が覚め、辺りを見回そうと身体を起こす。



!?身体が!?

「お目覚めですか?セト殿。」

「貴様!これは一体なんだ!」

「申し訳ないですが、拘束させて頂きました。」

淡々と話すこの男。

何故無表情で俺を見ているんだ…?



「貴様、俺に何か恨みでもあるのか!?」

「恨み…?」

マハードの口調が静かに変わっていく。

何の感情もないのかと思ったが…



「あなた以外を恨まないで誰を恨めと…?」

「俺は恨まれる覚えはないぞ!」

当たり前だ。俺は海馬瀬人であって、お前の言うセトではない。

と言っても理解できるだろうか。



何故アテムは俺がセトではないと判ったんだろうか。



「あなたが本物であろうとなかろうとどうでもいい事です。」

「なっ!?」

要は…あなたのその姿。声。性格。そして魂。





すべてが私を苦しめるんです…セト…











俺の存在がお前を苦しめるだと!?

言いがかりも程々にしろ!



「冗談じゃない!被害妄想も甚だしい!さっさと俺を解放しろ!」

「開放…?そんな事する訳ないじゃないですか。」



マハードはゆっくり俺に近づき、俺のすぐ脇に腰を下ろした。

ブラウンの瞳が俺を見つめる。なんだか…悲しそうだ。



「あなたさえいなければ…ファラオは記憶を取り戻し、私は永遠にファラオに

仕える精霊として側に居られたのに。」

「何を訳判らん事を…!?」

いきなりマハードは俺の顎を掴み、顔を俺に近づける。



身体に覆い被さり、腰の辺りを弄り始める。

「やっめろ!」

「何故あなたは思い出さない…?過去の幻影に取り込んでもあなたは記憶を取り戻さない。」

「何故アテム様はあなたがセトではないとわかった…?」

「何故…私ではなくあなたの呼びかけでないとファラオは目覚めない…」



何故ファラオは私ではなくあなたを愛した…











「何訳の判らない事を言ってる!俺は貴様の事など知らん!」

「さっさとここから出せ!元の世界に戻せ!」

俺の身体に圧し掛かって来るマハードを避けようと腰を捻らせる。

不意にマハードが、俺の手首を拘束していた紐をするっと解いた。



良かった、やっと判ってくれたのか。

そう思った矢先、マハードは俺の手首を掴んでそのままシーツに押し付けた。



「何を!」

「ファラオは…アテム様の父君はあなたを所望しておいででした。」

「その美しい肌を是非とも物にしたいと毎日の様にあなたを眺めていたのです。」



マハードの手が俺の胸を撫でていく。

肌の温もりを確かめる様にそっと触れていく。



「ファラオは、あなたとアテム様が恋仲だとはお気づきになっていなかったようでした。」

恋仲…!?

この世界でも俺と遊戯はそういう中だったのか。



だからアテムは俺とセトの違いが判ったのだな…

だが…アテムと遊戯は同じ気配を感じた。

同じ魂だと感じた…



「私が…ファラオにあなたを売ったのです。」



耳元でそう囁きながらマハードは俺の首筋に唇を落としていった。











「やっああ!」

「ファラオがあなたを愛人の一人にすれば、流石のアテム様も手が出せまい。」

「一度だけファラオのお相手を。さすればあなたの村を焼き払った盗賊の事を

調べて下さるだろうと。」

そう誘惑し、あなたの承諾を得た。



本当は一生あの部屋から出さないおつもりだったようだが。



服をたくし上げ、足の付け根に手を回してくる。

胸に舌を這わせ、弱い所を確実に攻めてくる。



「んっあ…」

「一度…ファラオの手が付いた者は一生奥のハーレムから出る事は出来ない。」

「だから…あなたをファラオの捧げたのに。」



両足を開かせ、一気に己を挿入する。

十分に慣らされていなかったから、その痛みは一際だ。

マハードは…今、俺に対する感情は憎しみしかない。

「うぁああ!やめ!」

「そうすればアテム様はあなたを諦めただろう。」

「私に振り向いてくれただろう。」



私の…アテム様だけになっていただろう…

あの時も、こんな風にアテム様はあなたを助け、そして二人の絆が深まっていった。



「もう私がアテム様に近づくには精霊になるしかなかった…だから私は…」

ズッ、ズッと挿抽を繰り返す。

愛情などひとかけらもない行為。

憎しみを欲望に変え、支配する為だけの行為。

俺の陰茎も意志と反比例して起ち上がり、先走りの液を流し始めていた。



「私はアテム様の魂と共に蘇り、永遠にアテム様の側に居るはずだった。」

何故…あなたがこの現世にまで存在するのだ…



現世…?



やはりここは過去じゃないのか?



「お前はっ!ああっ!」

お前は誰だと言いかけて、奴の肉棒が俺の最奥を突き上げ、言葉を消し去った。



何故…あなたは何も思い出さないのだ。





あなたの呼びかけがないと、あの方は記憶を取り戻さない…











「お前は!?ここは!?」



今まであった古代エジプトらしい風景は一変し、あたりは暗い闇に包まれる。



この感覚…どこかで感じたぞ…



「ここは闇の世界。私達精霊が集う闇の中。」

闇の世界!バクラが俺に見せたあの世界!

どうしてそんな所にまた俺が引き込まれた!?



「バクラがあなたを闇に引き込み、その影響でか、私の居る闇にもあなたの魂は入ってきました。」

ファラオと二人だけの世界の闇に、あなたはまた邪魔をしに来た。



それならあなたの記憶を取り戻させよう。

そう思って過去のビジョンを見せたのだが。



「何か思い出しましたか?セト。」

「何を馬鹿な事を言ってる!早く俺を元の世界に出せ!」

「やはり何も思い出せないのですね。」

ではここから出すわけには行きません。



冗談じゃない!過去だの闇だの、愚かな言動についていけるか!

「離せっんああ!!」

暴れる俺をマハードはひょいと抱き上げ、ずぶずぶと俺に己を押し込んで行った。



「ひっああんん!!」

「あなたの中は暖かいのですね。ファラオが惹かれるはずだ。」

淫乱で。気位が高くて。そんなあなたを大勢の貴族が欲した。

アテム様の父君でさえあなたを手に入れようと躍起になって。



「それでも心を許したのはアテム様ただ一人。それなのに何故忘れてしまったのです。」

忘れる…?俺は忘れてなどいない…





「俺は忘れたんじゃない。新たに覚えただけだ。」

アテムではなく…遊戯を。






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