夜、夕食はユーシス一家と、レオノアと俺で食べる。

公務が残ってる場合、ユーシスとレオノアはいない事もあるけどね。

王族ファミリーで楽しく食事をとるのが、ユーシス流らしい。

俺は、ついついユーシスを見てしまう。

ユーシスは絶対、政略結婚なんてしないはずだから

騎士時代のシャーレンさんを好きになった、という事だよな。


「ショウゴ、言いたい事があるならハッキリ言っていいぞ。
先ほどからレオノアが落ち着かないようだ。」

「あ、…うん。ごめん。」


レオノアを見ると、確かにおかしな感じになってる。

見た目は相変わらずだけど、背景が違うって感じ?

俺、だいぶレオノアの事わかってきてると思うぜ?

そんな事考えてたら、シャーレンさんが笑いはじめた。


「ショーゴは、男の私をどうやって王妃にしたか
そんなような事が気になってるんだよね?」

「う、うん。
シャーレンさんって、王の直属騎士団の副長だったっていうからさ。
ユーシスより年上なんだよね?」

「女性に年の話は失礼だぞ。
要は、馴れ初めが聞きたいのか?」


そうそう、そうだなんだよ。


「僕も聞きたいです。」


この声はユーリだ。

キーアじゃなく、ユーリがのってくるのは珍しいな。


「別に隠すことでもないからいいが
つまらない話だ。」


いいから話せ!

目で語ると、ユーシスが葡萄酒を口に含んでから話はじめた。


「シャーレンとは幼少時から面識があった。
シャーレンの家が騎士の家系だからな。
その頃はまだ、娘として紹介された。
時が経つにつれ、シャーレンは少し小柄な青年にしか見えなくなった。
だが不思議な事に、私にとっては女性にしか見えない。
しかも成長するにつれ、恋心が芽生えてしまっていた。
私も悩んだ。
娶れば苦労をかけるのは、わかっていたからな。
そんな時、他の者がシャーレンに想いを寄せてるらしいと聞いた。
私はすぐに、シャーレンにプロポーズした。
それだけだ。」

「私はね、元からユーシスを守る為に騎士になった訳だから。
王妃になって、バッチリサポートしようと了承した。」


ユーシスとシャーレンさんがお互い見つめ合って笑ってる。

なんだよ、元から両想いのラブラブなんじゃないか!

ユーシスの目が、だからつまらない話だと言ったろう?って語ってる。

なんか悔しい。

俺だってレオノアとラブラブしてやる!


「…僕にも、そんなに好きになれる人ができるんでしょうか…。」


ユーリの小さな呟きに、毒気が抜かれた。


「誰でも、いつかは恋をするものだ。
ユーリはまだ9歳だろう?
心配しなくていい。」


ユーシスが優しい顔で言う。


「はい、父上。」


ユーリは嬉しそうに笑った。

キーアも、嬉しそうなユーリを見て笑ってる。

恋に憧れる年なのかな?

そういえば俺、キーアの初恋の相手なのか?

ユーリは、キーアに先を越されて不安になったのかもな。

勉強ができても、情緒が育つ速度は別だしな。


「なぁ、レオノアの初恋はどんな相手?」

やっぱり気になるじゃん?

レオノアは俺をじっと見てる。


「お前だ。」


固まる俺。

怖い話でさ、最後のオチが「お前だ!!」ってやつが頭をよぎる。

いやいや、まて。

レオノアの初恋が、俺!?

ヤバい、顔が熱い!!

途端に、ユーシスとシャーレンさんが吹き出して笑いはじめた。

レオノアも、うっすら笑ってる。

何となく俺も笑った。





夕食後、部屋でジーナにお茶をいれてもらい下がってもらった。


「明日の事だが、兄上とヴァフィト殿も同席する。
ショウゴが使命を果たす時が近いからな。
これからの事が話されるだろう。」

「うん。
もう全身に模様が出てるんだし。
よいよか…。」


緊張しないわけではないけど、大丈夫だと思う。

なんたって俺には、レオノアがついててくれるから。

俺ができる事を精一杯やるしかないじゃん。

そういえば、風の精霊フィルは寝てばかりいる。

あいつ、やる気あんのかな…。

本当にマイペースなやつだよ。

今も、籠の中で寝返りうって足出てるしさ。

フィルのかけ布を直してから、俺も寝る事にした。

レオノアは…、既に寝てるし。

疲れてるんだよな、やっぱり。

でも俺がベットに入ると、無意識に俺の事抱え込むんだ。

うわっ、恥ずかしいな!!

俺も寝よっ!



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次から本題に入っていく予定です;
ヴァフィト主役の話が、13年くらい前に作ってあるので
機会があれば番外編でお届けしたいです^^

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