遠くから見ても凄かった城は近くで見ると言葉も出ないくらい大きかった。

入り口の門を入ると、まだ城本体まで距離がある。

レギウスは緊張する俺に、気づかうように肩に手をかけてくれた。

しばらく歩いて城の中に入ると、学者風のお爺さんがいた。


「レギウス殿、ご無事で何より。
ここからは私もご一緒しますぞ。」


レギウスは丁寧にお辞儀してる。

ってか、ヒゲ長っ!!

ヒゲ見てたら爺さんが俺にもにっこり挨拶してくれた。


「異世界からようこそ。
陛下が楽しみにお待ちですぞ。」


あ、魔法学校の校長のダン〇ルドアに似てるんだ!

しかし、国王が楽しみにしてるって何?

俺の事知ってるの?

頭に?マークつきまくりで歩いていくと、思ってたより

小さめの部屋に入った。

中には金髪が緩くウェーブした、いかにも国王ですって感じに

派手な男がいた。

レギウスと年が近そうで、背も同じくらいある。

でもレギウスとは対照的な感じだな。


「よく戻ったな、レギウス。
早速その少年を紹介してくれ。」

「はい。異世界人のショウゴです。
彼はこう見えても17です。」

「もうすぐ成人か。
…で、お前のなんだ?」


意地の悪い笑みに見えるのは俺だけか!?

何だって何だ!!

レギウスが困った顔してる…。

でも、レギウスにとっての俺って…何だ?


「ショウゴといったな?
こちらの都合で悪いが、黒髪・黒目の異世界人なので
此処にしばらく居てもらうことになる。
王家の伝承では王族か、その近い親族が伴侶として迎える掟があるのだ。
よって相手が決まるまでの仮住まいだな。」

「えっ!?
俺、レギウスの家に居たいんですけど…。」

「拒否権は無い。諦めるんだな。
暮らしは保証する。
レギウス、よく保護して連れ帰ってくれた。」


レギウスを見ると眉間にシワ寄ってて、ちょっと怖い顔してるよ。

頼む、レギウス助けてくれ!

このままじゃ王様の身内と無理やり結婚させられる!!

少なくとも俺はレギウスと離れたくないから。

もうホモになってもいい!!それくらい切羽詰まってます。

王様は侍女を呼んで俺を部屋に案内するように命じた。

部屋をでる時レギウスが目で語っていた。


大丈夫だ。俺を信じろって…。

待ってるからな!!

俺は泣く泣くレギウスと別れて侍女についていった。





案内された部屋は豪華だった。

高級宿屋と同じで、入ってすぐの部屋から他の二つの部屋に

繋がってるタイプだ。

でも広さが倍ある。

そしてバルコニーもある。


「ショーゴ様の身の回りのお世話をさせていただく事になりました。
ジーナと申します。何かお持ちしましょうか?」

「…俺はこの部屋から出れないの?」

「いいえ、そのような事はございません。
ですが迷われてしまいますので私がお供いたします。」


ちょっと安心したよ。腹へったな…。


「ジーナさん、夕食はもうすぐ?」

「どうぞジーナと呼び捨てで。
お食事は陛下とご一緒になりますので間もなく支度が整うかと
思います。」

「…そうなんだ。王様ってどんな人?」


王様と食事なんて食欲落ちそうだよ。


「陛下はとても慕われていらっしゃるお方です。
まだご即位されて三年程ですが賢君として国を治めておいでです。」


ジーナは嘘のない笑顔で語ってる。

とにかく、本人にいろいろ聞いていくしかないからな…。

とりあえず飲み物を頼んでしばらく部屋でボーっとしてた。

考えてもわかんないしさ。




ジーナに案内されて食事する部屋に入った。

長いテーブルの上には食べきれるのか!?ってくらい料理がある。

王様はやっぱり上座のお誕生席にいた。


「話づらいのでここに座るがいい。」


王様は斜め右側の席を指差した。

食卓に他の人はいないのか?

俺は座りながら驚いた。


「作法など気にせづ気楽に食べていいぞ。
発育不足のようだから遠慮しないでたくさん食べなさい。」

「俺のいた国では俺くらいが普通です。
王様達がでかすぎるんだと思う。」


俺言いたい事は言うもんね。


「私の事はユーシスと呼んでかまわん。
何しろ我が弟の伴侶になるのだから。」

「は!?
いつの間に決まったんだよ!!?」

「つい先ほどな。三日後に対面する事になる。
楽しみにしてるがいい。」


俺は唖然と王様ことユーシスを見てしまった。

弟って、男だろう―が!!

だったら尚更レギウスの方がいい!!


「ふっ、レギウスは何も出来ない。
弟は私が唯一認める男だ。ショウゴも会えば気に入る。」


そんな笑顔でひでー事言うな!

もう俺は半分はヤケ食い状態になっていた。

ユーシスは楽しそうにしてたけどな。

レギウスに会いたいよ。

いつも守ってくれたけど、さすがに仕える王様には逆らえないよな…。

部屋に戻った俺はこの世界に来て四度目の涙を流した。


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やっと王様・ユーシスが出せました。気さくな人です。



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