俺は急いで起き上がると、ズボンとシャツ、ベストを身に付けて
レギウスたちのいる居間へと向かった。
居間のテーブルにはユーシス、ダ〇ブルドア似のじいさん
知らないお兄さんがいた。
レギウスは扉が開いたと同時に俺の方に来て、乱れた髪を直してくれてる。
「レオノア殿とショウゴ殿は仲睦まじい、よい夫婦になりますな。
ほっほっほっ。」
「グラールの言うとおりだな。
こんなに幸せそうなレオノアが見れて俺は満足だ。」
ううっ…。機嫌よさげなユーシスがむかつく!!
そう思いながら俺も席に着いた。
大体があれが婚約の儀だった事もだまし討ちだったんだ。
ユーシスを無言で睨んでいると、本人がニヤリと笑い返してきた。
「婚約者の兄に随分熱い視線をむけてくれるな。
レオノアが嫉妬したら困るじゃないか。」
「怒りの視線の間違いだ!ユーシスの兄バカ!!。」
俺の反論にユーシスが爆笑して、他の三人は苦笑してる。
「俺ユーシスに騙されたり、利用されてた気がするんだけど?」
「ああ。ショウゴにはすまなかったと思っている。
レギウスには前からレオノアとして、俺の傍で働いて欲しかったんだ。
そうしたら護衛もつけられるからな。だがショウゴがレギウスと共にいるのを見て
いいチャンスだと思ったんだよ。」
「見たって何!?」
「俺は水の精霊の加護が強い。
お前達を水鏡で覗かせてもらった。」
いくら王様でも覗きはダメだろう!!?
レギウスが落ち着けと言わんばかりに背中を撫でてくれた。
こんな兄でも庇うあたり、レギウスは本当にいい奴だ…。
「まぁ聞け。役目をおった異世界人を伴侶にすれば
正式に王族として顔見せができ、加護の力が増すから身の危険も減る。
そして何より、レオノアが想いをよせる者と結婚できるだろう?
兄として、レオノアの幸せを望んでのことだったんだ。
許してくれるか?ショウゴ。」
「結果としてレギウといられるならいい。
…そういう事にしてやるよ。」
兄として、か。
本当に大事にしてんの、わかるからさ。
俺も許すしかない。
「ありがとう。これからも弟を頼む。
それと、城や公の場での呼び方はレオノアと呼ぶんだ。」
「どうして?」
「王家の者の二番目の名は変装して身分を偽る時の名だ。
敵にばれたら意味が無い。」
「ユーシスもあるんだ?」
「ある。ショウゴには教えておこう。
俺の二番目の名前はユリウスだ。」
なんか法則がわかりやすいな。…覚えとこう。
あぁ。…レオノアって呼ぶの、ちょっと違和感あるよな。
「陛下、そろそろ本題に入りませんとお時間がなくなります。」
「ああ。そうだな。その前に紹介しよう。
こっちが元宰相で、今は相談役として仕えてくれているグラールだ。」
やっと紹介してくれたよ。遅い!
ダンブル〇ア似のじいさんはグラールさんか。
宰相って凄いんじゃないか!?
「そして祭儀官のナーヴァ。
ナーヴァはこれからショウゴにとって師となる。
ちゃんと言う事聞いて仲良くするんだ。」
ストレートの長い藍色の髪が印象的な人がナーヴァさんね。
線が細くて、凄く綺麗な人だ!目なんかオレンジ色だし。
でも胸無から、男なんだな。
「師?俺、婚礼でなんかやるの?」
「私から説明します。
ショウゴ様には舞を覚えていただきます。
竜に名前と使命を刻む時に必要なものなので
真剣に取り組んでいただかなくてはなりません。
覚悟しておいてくださいね。」
「よ、よろしくお願いします。」
ひぃ〜〜〜!
ナーヴァさんがキラーンってしたよ…。
「二人共、婚礼の儀を一ヵ月後に行う。
婚礼の衣装の採寸は明日してもらうぞ。
レオノアはしばらく公務と夜会での顔見せが忙しくなるだろう。
ショウゴはその間ナーヴァに舞の指導と、礼儀作法を習ってくれ。」
「わかった。」
やるって決めたことは逃げずに頑張る!!
そう決めてここに来たんだから。
「あんまり力んでも身体に毒ですぞ。
たまには私とお茶をお付き合いください。」
「うん。俺もグラールさんに聞いてほしいこと
でてきそうだし。」
グラールさんは話しやすい。
物腰の柔らかい人だから、本当のおじいさんみたいに甘えちゃいそう。
「俺はそろそろ戻る。
レオノアは今日はゆっくりしていいぞ。」
「はい。兄上。」
ユーシスが満足そうに微笑んでる。
さっきから思ったんだけど、兄上って呼ぶように脅されてんじゃないか!?
レギウ…違った。レオノア可哀想…。
3人が出て行った部屋はなんだか寂しくなった。
「ショウゴ。」
「…レオノア、って呼ぶんだよな。
早く慣れる様にたくさん呼ばなきゃ。」
俺が笑って言うと、レオノアが俺に軽いキスをくれた。
さっきユーシスに邪魔されて引っ込んだ熱が、再びジワジワと
俺の身体を駆け巡り始めた。
どうしていいか救いを求めてレオノアの首に腕を絡めた。
今度は俺からキスしちゃったよ。
触れるだけのキスしかできなかったんだけど、唇が離れるのを追って
レオノアが再度キスをしかけてきた。
唇が食われてる…。
そんなキスをされてる。
また抱き上げられてベットまで運ばれてしまった。
「怖いか?」
「正直少し怖いけど、レオノアなら大丈夫。」
俺は自分からシャツを脱ぎ捨てた。
レギウスは優しく笑って抱きしめてくれた。
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Hは次回に持ち越しです;すいません。
うちはPCが並んで置いてあります。
久々に生活時間が合ってしまったダンナの隣でH描写を書くのは
さすがに落ち着かなかったので、ごめんなさい;
(奴はゲーマーなのでオンラインゲーム三昧です)