どれくらい時が過ぎたのだろう。
もしかしたら数秒かもしれない。
しかし宏雪にとっては数時間にも感じるほど長く感じられた。
不意にキスを止めると、雪那の方から顔を少し離してきた。
唇が触れるだけの軽いキス。
それでも宏雪には威力十分だった。
さっきまでの威勢はどこへやらといった様子ですっかりぼーっと呆けてしまった。
だが理性を失っていたわけではなかった。
姉弟でこんなことはいけないという常識的思考からハッと我に返ると、慌てて肩を掴んで自分から引き剥がしにかかる。
「ダ、タメだよ・・・、姉弟でこんなこと・・・」
「なに? まだあたしに逆らう気?」
抗議の声を弱々しく上げてみるも全く効き目がないようだ。
完全にスイッチが入ってしまったのだろう。
それどころか今まで見たこともないような艶のある蠱惑的な笑みを浮かべた雪那が上から見下ろしていた。
このままではマズいと直感的に感じたが、一方でこれから起こるであろう出来事に対する興味と期待も大きくなってきていた。
どこか焦点の定まらない瞳は潤み、奥底からは妖しい光が宿って見える。
一度は理性を取り戻しかけていた宏雪だったが、雪那の妖しく熱っぽいながらもどこか儚げな視線で見つめられ、なんだか理性に霞がかかってきた。
「ふふふ、ヒロ、あんたはあたしのモノよ・・・んむっ・・・ふん、ぁむ」
そう言うと再び顔を近づけ口付けてきた。
――ち、ちゅっ、れりゅ・・・、くちゅる
今度は唇をこじ開けるように舌を割り込ませようとしてくる雪那。
姉の思わぬ攻勢に驚き舌を入れさせまいと抵抗し、顔を左右にのけ反らせて逃れようともがく。
「だぁめ、逃がさないわよ」
一度口を離してそう言うと、もがく宏雪の頬を両手で挟んで動かないように固定し、またしても勢いよく覆いかぶさると唇を押し付け再び舌を挿入してきた。
それでも歯を食いしばり抵抗する。
しかし、今度は歯ぐきや歯をなぞるように舐め回す。
時に優しく時に激しくうごめく舌に刺激され不意に口を開いてしまった。
それを逃すまいと素早く舌を滑り込ませると、舌を絡めとろうと口腔内にまで侵入して嬲り回してくる。
「・・・はむっ、むぅ・・・んぁ・・・」
口腔内のあらゆるところを刺激され、感じたこともない快感に意識が朦朧としてしまう。
激しく吸い付かれ、歯ぐきという歯ぐきを嬲られ、さらには舌を絡められる。
顔にかかるセミロングの艶やかな黒髪からはシャンプーの優しい香りが鼻腔をくすぐる。
甘い痺れのような快感が全身を駆け巡り今にもとろけてしまいそうだ。
ついさっきまでかろうじて保っていた理性はつゆと消えてしまいそうになっていた。
さらに唾液までも流し込まれる。
一方で激しく舌で掻き回してくるため二人の唾液が混ざり合う。
次々と流れ込んでくる雪那の唾液をはじめは受け止めていたが、次第に口腔内に溜まってどうしようもなくなってきた。
あふれそうになり慌てて飲み込もうとするが間に合わず、口からあふれ出て口元を伝い頬に垂れてしまう。
息をすることも忘れ体を擦り付けあい激しく求め合う二人。
淫らな水音が響き渡りそれが二人をより一層興奮させる。
完全に理性を失った雪那の淫靡な雰囲気に呑まれ、風前の灯となっていた宏雪の常識的倫理観も完全に崩れてしまった。
自らの両腕を愛しの姉の背中に回すと、より体を密着させる。
抱き心地も抜群の柔らかい身体を抱きしめ、胸板に押し付けられている巨乳を感じるていると、もう今すぐにでも果ててしまいそうになってくる。
たっぷりとキスを堪能するとどちらからともなく一旦唇を離す。
唾液の糸が二人の間に垂れ、月明かりに照らされ銀色に煌めくと、ゆっくりと伸びていきぷつっと切れて垂れ落ちる。
二人の口元では、顎にかけてべったりとついた唾液が妖しく光っている。
それでも体は密着させたまま見つめ合う。
「・・・どぉお・・・・・・上手でしょう?」
雪那はにまぁ〜と笑いながら耳元で満足気にそう囁いた。
「ふう〜・・・、なんだか暑いわね・・・」
そう言って身体を起こすと突然服を脱ぎ始めた。
雪那の下着姿を早く拝みたいとばかりにその様子を食い入るように見つめる宏雪。
見目美しい巨乳を大きく揺らしながらパジャマの上を脱ぐと、そのまますっと立ち上がり下も脱ぎ、まとめて床に放り投げる。
白地にレースをあしらったブラジャーとショーツだけを身につけた裸体が露わになる。
以外に純白で清楚な下着を身に付けていたことが分かって一瞬面食らってしまったが、雪那の魅力を最大限に引き出していると宏雪は思った。
視線はそのあまりに美しすぎるほどの肉体にくぎ付けになったまま逸らすことができない。
出るべきところはしっかりと出て、くびれるべきところはしっかりとくびれた身体は想像以上だった。
肌はきめ細やかで、脇腹からふくらはぎにかけての線はまるで美しい美術品のようである。
月明かりに照らされた雪那は幻想的で、まるで宏雪だけの女神のようにさえ思える。
宏雪の熱っぽすぎる視線に気付くと勝ち誇ったような笑みを浮かべると、しばらくは腰に手を当てて見せ付けるようにポーズをとったりしていた。
しかし、あまりにいやらしい視線に恥ずかしさを覚えるとその場にへたり込んでしまった。
「あ、あんたも脱ぎないよ。あ、あたしだけじゃ不公平でしょ」
「ちょっ、わっ・・・何を・・・?」
恥ずかしさを紛らわすように宏雪の服に手をかけると勢いよく脱がせ始めた。
あっという間にトランクス一枚に剥かれてしまった。
「今度は・・・、な、何を?」
「ちょっと、なに期待したような声出してるのよ?」
「・・・え、いや、これは・・・」
「・・・ふーん・・・」
「こ、ここまできたら・・・フツー・・・、きっ期待するだろ?」
「何を?」
「な、何って・・・・・・その、いろいろだよ・・・・・・」
目の前の美体であんなことやこんなことを想像してしまい真っ赤になってしまう。
正直に物を言う顔のおかげで雪那には宏雪の考えていることが手に取るように分かる。
「顔真っ赤よ、あんた」
いかにも楽しげにそう言いながら雪那はベッド横に腰を下ろすと、ベッドにのっている宏雪の体に目を移す。
「ヒロって、以外にいい体してるわね」
弟に対してひ弱なイメージしか持っていなかったため、思っていたよりもしっかりした体つきはとても以外だった。
筋肉質ではないが、しなやかで引き締まった体付きは雪那の好みにぴったりだった。
宏雪の首筋にすっと手を伸ばし、喉元に人差し指を添えると、一つ一つを確かめるようにゆっくりと下へ下へと指先を滑らせていく。
「・・・は、はひゃ・・・」
冷たい指先の刺激に不意を突かれ素っ頓狂な声を出してしまう。
だが、雪那には聞こえていなかった。
指を宏雪の胸やお腹に這わせながらうっとりとしたため息を漏らすと、今度は下半身へ指を滑らせる。
そこではトランクスが押し上げられんばかりに盛り上がっていた。
「ふふっ、あたしのキス、そんなに気持ちよかった?」
切れ長の目で見下ろすように向けられた視線や表情には、さっきまでは悪戯っぽさが残っていた。
だが今や視線は熱っぽくなり、頬を上気させ熱に浮かされたような表情に変わってしまっている。
精気を吸い取られてしまいそうなほどの色っぽい表情の雪那に魅入られてしまった宏雪は、もう完全に呆けてしまっていた。
「それじゃ、下も脱がすわよ」
そう声を掛けると、トランクスの腰元に手を掛けてきた。
雪那の期待に満ちた表情から雰囲気が伝わったのか、宏雪もわずかに腰を浮かせ脱がせやすくする。
そのまま勢い良く引き下ろそうとするが、そそり立っている逸物が引っかかりなかなか下がらない。
「あれ・・・・・・ちょっと、どこに引っかかってるのよ」
「わっ、んひゃ・・・ちょっ、と、先っぽがっ、引っかかってるって」
なぜ途中から下がらないのか分からない雪那は、どうにかして下ろしてしまおうと力を込めてグイグイ引っ張ろうとする。
だが、ペニスがググッと無理やり下に向けられるだけでなかなか脱がせない。
グイグイと力が掛けられるたびに先端にしびれるような刺激が襲ってくる。
最も敏感な部分に突然強い刺激が走り我に返ると、声を上げて訴える宏雪。
「なら、無理やりにでも・・・、せーの、それっ!!」
トランクスが破れるほどに勢い良く引っ張ると、ペニスが限界まで下に向いたところで一気にずり下がった。
思いっきり敏感な部分をこすり上げられたため、頭まで突き抜けるような強い刺激が全身を駆け巡る。
押さえつけられていた反動で勢い良く反り返ると、まるで猛りを自己顕示するように逸物がそそり立った。
「・・・・・・す、すごい・・・」
想像していたほどはグロテスクではなかったが、大きさは細身の身体に似つかわしくないほどだ。
宏雪の持っているものの大きさに驚きつつも、初めて見る男性器を食い入るように見つめる雪那。
無意識の内に思わずゴクリと喉が鳴ってしまう。
時折ビクビクッと震える様子を見つめていると、お腹の奥底に甘くどこか切ない疼きが湧き上がってくる。
(ああ・・・、これは弟のモノなのに・・・、なんでこんなに切ない気持ちがこみ上げてくるの?)
そう思うと余計にいたたまれない気持ちになってしまうが、何かに憑り付かれように視線だけは離すことができない。
「・・・ゆ、雪姉・・・そ、そんなに見なくても・・・」
「え――ッ!? あ、う・・・」
恥ずかしさに堪えられなくなった宏雪が声を上げる。
弟の声に我に返ると猛烈な恥ずかしさが雪那を襲う。
いったいどのくらいの間視線を逸らせずにいたのだろうか。
あんなに凝視してしまっては、宏雪に変態とかスケベとか言っている自分こそよっぽど変態でスケベではないか。
そう思うと余計に恥ずかしくなってきた。
顔から火を吹きそうなほどだ。
「なっ、何よ・・・・・・、見られて興奮してたんじゃないの? あんた変態だもんね」
「そんなこと、あるわけないだろ」
「ふーん。こんなにガチガチにしてビクビクさせてるのに?」
「あふっ、んはぅ・・・何を・・・」
恥ずかしさを隠すように慌てて強気に宏雪を責める。
さらに、いつものようにいちいち反論してくる宏雪のペニスを右手でギュッと握り締めて黙らせる。
全く予期していなかった責めに思わず喘ぐような声を出して脱力してしまう。
それに気を良くしたのか雪那は大胆な行動をし始めた。
「あはっ♪ すごいビクンビクンしてる。ふふ、そんなにさわって欲しかったの?」
ゾッとするほどの艶やかで妖しい笑顔でそう言うと、添えた手をゆっくりとしごき始める。
始めは潤滑液も何もなかったためぎこちない動きでしかなかったが、すぐに動きはスムーズになり始めた。
「気持ちいいのね? もうガマン汁があふれてきたわよ」
「はっ、ぁ・・・、くっ・・・ひっ」
自分でするのとは桁違いの気持ちよさに音にならない声を上げるしかない。
ひんやりとした五本の指を絡め、包み込むように上下に擦り込み愛撫する雪那。
先端からあふれてくるガマン汁が白く細い手指を濡らしていく。
次第に淫らな水音が部屋中に響き始める。
――ずちゅっ、にちゅ、ぐちゅっ、ぬち、ずにっちゅ
「ああ・・・ダメ、そんなにしたら・・・・・・はひっ、ダメだって」
「ダメなの? じゃあ、ダメならやめようか?」
全体的にガマン汁が馴染んできたところで一旦手を止めてみる。
「ああっ? ・・・なんで・・・?」
口ではダメと言いながらも、ゾクゾクするほどの快感に身をゆだねていた宏雪は、突然止められたことに戸惑いの声を上げる。
それには何も答えず雪那は立ち上がると、ベッドに上り宏雪の足元に腰を下ろす。
弟の男性器に魅入られた姉は、顔をゆっくりと近づけると自分の目と鼻の先で再び扱きはじめた。
もはや目の前にあるものしか見えてはいない。
今度はより強めに刺激を加える。
右手を幹部に添え強めに扱きつつ、左手は亀頭を包み込むように優しく擦りつける。
手のひらを押し付けるようにして刺激したり、時々指先で先端を抉るようにしたりすると、宏雪は身体を震わせて反応する。
その反応が面白く、次々とペニスを弄り刺激していく。
その刺激に合わせるように身体をワナワナと震わせると、まるで女の子のような喘ぎ声が宏雪の口から漏れてきた。
「あっ、あっ・・・いひっ、あふ・・・・・・んんっ」
「んふ、可愛い声出しちゃってぇ。あたしよりも女の子みたいなんじゃない?」
「そん、な・・・わけぇ、なはっ」
「なーんか腹が立つわね・・・」
少し不機嫌そうに眉間を寄せると、亀頭を攻めるのをやめ裏筋やカリを嬲るようにいじりはじめた。
裏筋に指の腹を擦り付けたたかと思うと、指先で引っかいたり爪を軽く引っ掛けたりする。
段々と増してくるペニスへの刺激に次第に切羽詰りはじめ、宏雪の呼吸も荒く激しくなってくる。
さらに親指と人差し指でカリ首を挟みこみキュッと絞ると、手首を動かしてグリグリと動かして刺激を強める。
増してくる刺激にガマン汁が次から次へと、まるで噴水のようにピュピュッとあふれてくる。
――にゅち、にぢゃっ、ぷちゅっ、ぎゅぢ、ずにゅち
(すごいっ! 自分でやるのとは比べられないくらい気持ちいいっ! 雪姉に扱いてもらっていると思うと、それだけで・・・・・・もう、もう出そうだ!)
「ビクビクしてきたわよ。うふふ、もう出そうなの?」
「は、はひ・・・」
「そう、出そうなのね」
そう言うと突然手を止めてしまう雪那。
「・・・はれ・・・そ、そんな・・・」
「なに、イカせて欲しいわけ? でもまだダメよ。まだイカせないわよ」
そう言うとペニスの付け根を思いっきり握り締めた。
射精しそうになっていたところでいきなり邪魔され、切羽詰った表情で悶える宏雪。
その様子を上から見下ろし苦悶の表情を楽しむように眺める。
その時雪那にあるアイデアがひらめいた。
意味ありげな笑顔で何度も頷くと、つとめて平静さを装う。
「まぁ、ここまでしといてイカせないのは可哀想だから、今からあたしの言う通りにするならイカせてあげてもいいわよ」
「分かった、言うとおりに、するから・・・」
「本当ね? 本当に言うとおりにするのね?」
「するするする! 言われた通りにするから・・・、だから、お願いします・・・」
こういう時はろくなことを思い付いていないことには間違いない。
いつもの精神状態ならばそんな雪那の企みにすぐ気付いただろう。
だが、今の宏雪にとってそれどころではない。
全ての感覚が股間に集中しているのではないかと思うほど猛ってしまっている状況では、どうにかして収めてもらいたいという気持ちで頭がいっぱいでしかない。
姉にイカせてもらえることを期待してか何度も何度も肉竿が脈動する。
自分手ではやくイカせてみたい衝動を、姉としてのプライドで抑えゆっくりと考えを実行に移す。
「それじゃぁ・・・どうしてもらいたいか言いなさい」
「な――ッ、どっどうして欲しいかなんて、そんなこと・・・言えるわけ・・・」
消え入りそうな声で言うと、顔を真っ赤にしてもじもじとしてしまう。
その反応が面白くてしょうがない雪那はさらに意地悪をしてみる。
「あっそう、それなら何もしてあげないけど・・・・・・いいの?」
「そ、そんなぁ・・・言わないとダメなの?」
「当たり前でしょ。あんたはしてもらうんだから」
すると宏雪はすがるような視線を向けて上目遣いで訴えかけてきた。
本人は無意識でやっているのだろうが、その瞳は潤みどこか甘えているような感じさえしてしまう。
その目に不覚にもドキッとしてしまった雪那は慌てて目をそむける。
正直なところ、宏雪のことは好きで好きでたまらない。
でも、かわいがりたいというよりも困らせてやりたいという気持ちばかりが先に立ってしまい、いつもいつも意地の悪いことをしたりすぐに手を出したりしてしまう。
そうはいっても、かわいい弟であることは間違いない。
だからこそあんな目で見られると動揺しまうし、心がキュンとしてしまう。
ゆっくりと視線を戻しもう一度表情を窺う。
またしても目が合ってしまいやっぱりドキリとしてしまう。
なんだかその視線に妙に熱いものを感じてしまうのは気のせいだろうか。
もしかしたらおあずけを食っていたからかもしれない。
宏雪のあの表情にこの沈黙。
なんだか自分の方が恥ずかしくなってきた。
この場に居た堪れなくなり声を発しようとしたその時だった。
「・・・その・・・・・・ゆ、雪姉に・・・・・・く、口で、その・・・・・・フェラ、してもらいたい・・・です」
「フ、フェラ――ッ!?」
顔はもちろん耳まで真っ赤にして、それでも目は逸らさず、言いよどみながらも宏雪は言い切った。
流れ的にはそうくるとは思っていた。
でも、実際にやるというとなるとなんだか身構えてしまう。
再びゆっくりと猛る熱竿に顔を近づけていくと、それに呼応したようにビクリとひときわ大きく跳ね上がる。
迷っていても仕方ないので一度深く深呼吸をする。
意を決すると、ペニスの先端に軽く口づけ亀頭を口に含んでいく。
「うあっ、はぁ、ああぁ・・・」
張りがありそれでいて柔らかな濃い桜色の唇が先端に触れただけで、ため息が出そうなほどの気持ち良さが襲う。
亀頭だけを含むと舌先を恐る恐ると伸ばしおずおずと舐め上げる。
ぬめぬめとした温かな粘膜に包まれ、まるでとろけてしまいそうだ。
たどたどしい動きだが初めての快感に宏雪の腰は痺れそうになる。
だが、この程度ならまだまだ我慢できるくらいの感覚だ。
そう高をくくったのが間違いだった。
最初こそもごもごとしていたが、雪那はすぐに弱点を見付けだし責め始めた。
舌先を窄め裏筋にあてがうと何度も広げたり窄めたりする。
そのまま舌先を先端の鈴口にずらしていくと、舌を鋭く尖らせ内部に差し入れるように抉り上げる。
「はぁっ・・・・・・んふぅ・・・、あっ、ひ・・・? ひゃう、ああぅん」
「んふ、ほほがふぃふぃのふぇ?」
「いひぃぃ、いい、です・・・きもちいいぃでしぃ」
今まで感じたことのない気持ちよさに一瞬戸惑いの声を上げる宏雪。
次の瞬間、押し寄せる快感の波に女の子のような嬌声を上げ身を捩じらせる。
鈴口が弱点と分かるや、雪那は唇や舌を駆使してそこを重点的に嬲り回す。
そのまま一通り舐め上げると今度は頭を前後に振りたて亀頭を出し入れする。
舌を絡め裏筋を擦り上げながら唇をグッと窄め圧迫しつつ、時に素早く時にゆっくりと出し入れする。
口の中を出入りするその瞬間の快感がたまらない。
ずるるると引き出されていく時に窄めた唇がエラに引っ掛かり、舌全体が裏側をこすり上げる。
じゅるんと押し込まれていく時には、唇が先端に触れ摩擦するように亀頭が飲み込まれる。
電撃のような快感が脳全体を包み込み、まるで電気ショックを受け続けたように身体がワナワナと震えてしまう。
ありえない程の感覚に恐怖さえ感じ腰を引こうとするが、雪那はそれをいち早く察知しガッチリと固定するように腰に抱きつく。
「ぷじゅっ、ぷじゅっ、ぴゅぐ、ぐちょっ、ぐぢゅるる」
「ひはっ・・・・・・かふ、うぅしゅっ、くっふ・・・・・・ぅあぁん」
「んんんっ! まっひぇ、、んぐぐぐ? んん? んぶっ、んぎゅ」
腰を抱えたことで一気に喉の奥まで咥え込んでしまう。
反射的に押し出そうとするが、吐き出しそうになるのもなんとなく気持ちいいような気がする。
涙目になりながらも深く咥え込むとスッと頭を後ろに引く。
一気にペニスが外に晒される。
ぬらぬらと照り光る様はなんとも淫らだが、雪那にはむしろ逞しく、そして美しく見えた。
覚悟を決めたように再度深々と咥え込むと勢い良く頭を振り立てる。
次から次と押し寄せる快感の荒波に全身が飲み込まれ、宏雪はあっという間に追い詰められてしまう。
室内には淫らな水音と宏雪の喘ぐ声だけが妖しく響き渡る。
「はひっ、おか、おかしくなる・・・・・・、ひぎッ・・・ぃああ」
「ずじゅるろろろろ、んふぅ、くぢゅるるるるる」
「ああっ! くる、もう出そう! はひぃっ、もっ出る!」
宏雪の切羽詰った声を聞き、より激しく頭を振りさらに追い詰めていく。
喉の奥で亀頭や鈴口を圧迫されたところで射精感が一気に高まってきた。
「ぐびゅっ、ずぢゅるるる、ぷずゅるろろ」
「もう出るっ! お姉ちゃん、このままだと・・・あっ、くぅっ!」
口を窄め全体で圧迫するように激しく吸いたてたところで違和感を突然感じる雪那。
ペニスが口腔内でググッと大きくなったかと思うと次の瞬間勢い良く爆ぜた。
「うはっ、ぁああああぁぁあああぁーっ!」
「んんんん! んむむ、んぶぷっ、むふっ・・・・・・、んふっ、んんんんん!」
突然暴発したように喉の奥に白い迸りが噴き出される。
突然喉の奥に吐き出された粘り気の強い塊に苦しさを感じ、雪那は慌てて口の中から引き抜こうとする。
だが、いつの間にか起き上がっていた宏雪に、手で頭をガッチリと固定され動かせなくなっていた。
そのため、次々と送られてくる白濁液を強制的に飲み込まされてしまう。
「ぶふっ、んぐっ・・・ごくっ、ごくっ、かはっ・・・・・・、げほげほっ!」
口は完全に塞がっているため吐き出すこともできない上呼吸もままならない。
あまりの苦しさに涙が零れ落ちる。
それでも何とか飲み干すと弛緩した宏雪の手を振り払いようやく顔を上げることができた。
涙の溜まった目で思いっきり睨み付けると、そこには余韻に浸ってにへら〜としている顔が天を仰いでいた。
それに無性に腹が立った雪那は、咳き込みながらも乱れた呼吸を整えると、力いっぱい宏雪の太腿をねじり上げる。
「はぁ〜・・・・・・気持ちよかっ、いたっ、いたたたっ! いたいいたい! な、何でつねるの?」
「あ〜ん〜た〜ね〜、何するのよ! 初めてなのに、いきなり口に出すやつがあるかっ! しかも飲んじゃたじゃない!」
「あっ・・・・・・」
「あっ・・・・・・じゃないわよっ! めちゃくちゃ苦しかったんだからっ!」
「ごめんなさい! つい気持ちよくて・・・・・・じゃなくて。いやっ、そんなことするつもりはなくて・・・・・・、無意識の不可抗力? ・・・・・・かなぁなんて」
「あらそう、じゃあ無意識の不可抗力で思いっきりつねってやるわよ!」
「いやっ、それは無意識じゃ・・・ないから・・・・・・、やっやめ・・・ちゃんと謝るから・・・・・・、それはやめてーっ!」
爪がめり込み内出血しようがお構いなしに雪那はねじり上げる。
鋭い痛みに身悶える宏雪をこれでもかと言わんばかりにつねりつづける。
宏雪の悲痛な叫びだけがむなしく響いていた。