2. 脱☆童貞宣言
「んっ……ふ……っ!」
重ねあった唇から、濡れた音と熱っぽい吐息が漏れる。
手首を縛られたりだとか、押さえ込まれているわけでもないのに、何故だか祐介に抵抗することが出来なかった。
あまりにもキスが濃くて、気力を根こそぎ奪れてしまったのかもしれない。
唇を離すと絡み合った証拠である糸が引いて、それがすごくいやらしく思えた。
「……服、脱がすからな?」
祐介は濃厚な口付けにぼーっとしている俺の服を脱がせにかかった。
恥ずかしいのにやっぱり抵抗は出来なくって、すんなりと、彼に上着を脱がされてしまった。
「……今更やめる気はないけど、抵抗しないんだな。…意外だ」
「したくても、うまく力が身体に入らない……」
「そっか。キスで、力抜けちゃったんだ……?」
祐介の笑みと言葉は、俺の経験不足を馬鹿にしているように感じられた。
ムッとして睨み付けると、彼は困ったように笑った。
「気に障ったなら謝るよ。ただ、可愛いなって……純粋にそう思っただけ」
「可愛いなんて言われたって、嬉しくない……」
「そうだな」
拗ねる俺の機嫌をとるように、祐介が頭を撫でてきた。
その手は頬へと下がり、胸元へと滑り落ちていく。
肌を撫でられる感触に微かに震えていると、彼の指が、胸の飾りに触れた。
「んっ……!」
ぴくっと肩をすくめると、祐介が笑みを色濃いものへと変えた。
それから、ツンと尖っているそこを、何度も指先で突付いてきた。
硬くなっているそれは、その度に彼の指を押し返そうとする。
そして俺は、たったこれだけの行為に、身体が火照っていくのを感じていた。
「純はここを弄られるのが好きみたいだね」
「そ、んなとこが好きなわけないだろ……ッ! 女じゃあるまいしっ」
「なら、試してみようか?」
「え……? やっ、あぁあっ!?」
祐介の言葉を理解する前に、全身に耐え難い喜悦が走った。
「あぁんっ、あっ……や、何これ……!?」
身体を硬くし、シーツをぎゅっと強く握り締める。
思わず閉じていた瞼を薄く開くと、胸に舌を這わす祐介の姿が見えた。
「な、何して……!?」
「だから、試してるんだ。純が本当にここで感じないのかどうか」
「そんなことしなくたって……ぁあっ!」
祐介の舌が、乳輪をなぞるように動いた。
それから尖った先端部分を、指の腹で軽く擦られる。
「あっ、……そこ、やだぁ……っ」
左右に首を振るものの、祐介はやめてくれない。
そればかりか乳首を摘むと、軽く引っ張ってきた。
そのまま上下に揺さぶられ、捻るようにされると、耐え切れずに甘い声が漏れる。
「ふぁっ、あ……」
「気持ち良い?」
歯で挟まれ、コリッと噛まれて俺は大きく仰け反った。
祐介は俺の反応を愉しむように、乳首を弄り続ける。
「もっ、やだぁ……そこ、だめ……っ」
「気持ち良いんだろ?」
「んっ、はっ……んぅ、いい……良いから、もうやめてぇ……ッ」
泣きそうになりながら何度も頷くと、祐介が優しく微笑んだ。
それから彼は、やんわりと、ズボンの上から俺の股間に手を置いた。
「あっ……!」
そこはとっくに大きくなっているわけで、完璧に感じていたことが祐介にバレてしまって死にたくなった。
恥ずかしさに目を瞑って耐えていると、下着の中に手が滑りこんできた。
びっくりして腰を跳ね上げると、ベッドが大きく揺れた。
祐介はいつの間にか俺のベルトを外し、ズボンの前を肌蹴ていたのだ。
「純のここ、すごく濡れてる……」
「言わないでぇ……ぁっ、ん……んっ!」
大きな手で包み込まれ、揉みしだかれて、これ以上なく熱くなっていると思っていた自身と顔がますます熱を持っていく。
「や、揉んじゃ駄目……」
「その駄目って言うのは、もっと、って考えても良いんだよね?」
「ちがっ……!」
自分勝手な解釈をして、祐介は上下に揺する手の動きを早めた。
「あっ、あぁあッ!!」
彼の手が動くたびに身体がびくびくと震え、いやらしい水音がする。
きっと祐介の手は、俺の先走りで濡れそぼっているのだろう。
涙に霞んだ視界のまま祐介を見上げると、彼は薄っすらと頬を上気させていた。
「純のここ、ぴくぴく震えてて、すごく可愛いよ……」
何でこういう、恥ずかしいことを言ってくるんだろう……っ。
彼の言葉は羞恥心を煽り、感度をいたずらに高めてくる。
祐介は顔をますます赤くした俺の反応を愉しそうに眺めた。
それから、片方の口の端を上げて意地悪く笑って見せた。
「ココとココを同時に弄られると、純はどうなっちゃうのかな?」
「……ぁっ!」
祐介は乳首を吸い上げながら、優しく俺自身を擦った。
同時に与えられた甘い痺れは、混ざり合って強い快感に変わる。
「あん、ぁっ、あ……だめ……」
とどまることなく与えられる快感に、目の前と頭の中が白く霞んでいく。
どうしよう、気持ち良い……。
我慢しないといけないのに、出来ない……ッ。
「あぁ……ゆう……すけぇ……っ!」
いつの間にか、自分から腰を動かしていた。
彼の掌に自身を擦りつけるようにすると、祐介がクスッと小さく声を上げて笑った。
そんな笑みが気にかからないくらいに、気持ち良かった。
もっともっと気持ち良くなりたくて大胆に腰を動かしだすと、祐介が耳元に口を寄せてきた。
「一度、イこうか……」
甘い囁きにぞくんっと身体を震わすと、強く、亀頭を擦られた。
「……あっ、やっ、あぁああッ!」
大きく自身が脈打ち、祐介の掌の中に、白濁を吐き出してしまった。