3. 麻薬のような貴方
約束をしたものの、ローターを入れたまま授業を受けるなんて、やっぱり無理だった。
それも体育の授業となれば、特別。
小刻みに振動を与えてくるソレは、到底耐えられるようなものではない。
「ぁあっ……!」
気を抜くとこうして、声が出てしまう。
僕は唇を噛み締めて、運動場に蹲ってしまった。
それを見て心配した体育科の教師が駆け寄ってきた。
「大丈夫か、大分辛そうだが……」
「はっ……と、いれ……行ってもいいですかぁ……?」
「ああ。行って来い」
教師に許可を貰った僕は、フラフラとした足取りのままトイレへと向かった。
正直、話すのも辛いくらいだった。
苦しくて、熱くって、可笑しくなりそう…。
僕は個室に入って鍵を閉めると、ズボンを脱いだ。
下着は恐ろしいくらいに張り詰めていて、濡れていた。
僕は下着を脱ぐことさえ煩わしく思えて、上から揉みしだいた。
「あっ……ぁあっ……!!」
焦らされていたせいか、全身に強い快感が走る。
思わず座り込みそうになって、僕は便座の蓋に座ることにした。
「んぁ……あっ……はぁ、は……」
ぎゅっ、ぎゅっと揉むたびに呼息が荒くなっていく。
瞼を閉じてひたすら刺激を与え続けるものの、達せられるほどの快感は得られなかった。
やっぱり、下着の上からじゃ満足出来ない…っ。
僕は下着を膝あたりまで下ろすと、いきり勃っている自身を掴んだ。
滲み出ていた粘膜が指先に纏わりつくのを感じながら、指を荒々しく動かす。
「ふぁっ……あはっ、はぁ……!」
夢中になって、上下に何度も扱く。
それでも、足りない。
僕自身はひくつくだけで、絶頂には上りつめれない。
「やぁっ……自分じゃ、だめ……先生……!」
思わず先生を呼んでいた。
だって先生はこんな触り方、しないんだ。
もっともっと、焦らして、的確に感じるところに触れてきて、それで……!!
「あぁっ……せんせぇっ、せんせぇーッ!!」
「声を上げすぎだな」
「え? あっ……あァ―――……ッ!!」
ドア越しに聞こえてきた先生の声に、僕は達してしまった。
心臓が痛いくらいにドキンドキンと鳴っている。
今、確かに先生の声が聞こえたはず……。
「ここを開けるんだ」
「んっ……」
再び聞こえてきた先生の声に身震いをする。
それはバレてしまった恐怖からか、それとも高揚のせいか……。
滑り、震える手で鍵を開け、ドアを開く。
そこには冷たい眼差しの水野先生が立っていて。
ゾクリ、と身体に再び熱い震えが走った。
「……せ、せんせぇ……どうして?」
「職員室の窓から、お前の授業風景を見ていたからな。追いかけてきたんだ」
先生はそう言いながら、個室の中に入ってきた。
「せ、先生。僕……あっ!」
「ローターは……入れてるらしいな」
脚を開かされ、後孔を見つめられて顔が熱くなる。
先生にはとっくに全てを見られているのに、こういうことをされると恥ずかしくて仕方がない。
「……授業中に独りでしたりして。いけない子だな」
「あぅ……ごめんなさぁい……。せんせぇ、ぼく、ぼくぅ……っ」
僕は涙をぼろぼろと零しながら、先生のスーツを握った。
やっぱり、だめ。
一度イクだけじゃ満足なんて出来ない。
「せん…せぇ。僕、いけない子なんですぅ。だから、お仕置き……して……くださぁいっ」
「お仕置きを望む子にしたところで、それはお仕置きとなるのか?」
「そんなぁっ。せんせ……ぼ、く……もぉ……」
冷ややかな先生の瞳は、僕を蔑むように見ていた。
僕はしゃっくりを上げながら、我慢出来なくって自身を弄り始めた。
蕾に指を入れて、クチュクチュと掻き回す。
少し奥に指を入れると、硬い感触がした。
ローターだ。
「ふぁああっ、あぁんっ……んあぁっ!」
先生が目の前にいることも忘れて、自慰にふける。
ううん、先生がいるからこそなのかもしれない。
さっき独りでしていたときとは、比べものにならないほどの快感が僕を襲っていた。
「あぁっ、気持ちいい、気持ちいいよぉ……っ」
「……困った子だな、本当に」
きゅっと、先生の綺麗な指が、僕自身を掴んだ。
「ぁあああっ!」
その瞬間、僕はビュクッビュクッと先生の手にエッチな汁を吐き出してしまった。
「気持ちいぃ……っ、あぁ……せんせぇ……」
顔を上げると、先生と目が合った。
先生の目はいつものように冷たい光を湛えていたけれど。
けれどいつもとは違って、熱っぽくもあった。
僕に、欲情してくれている…?
「せ、ん……せぇ……。お願い、しまぁす……」
僕は手で尻を割り開き、ひくついている後孔を見せた。
恥ずかしいけれど、先生に見られるのは……平気なんだ。
僕は指で蕾を少しだけ開いた。
「せんせぇ、ここに……くださぁい。先生の、おっきぃので……僕を…気持ちよくしてぇ……?」
「いやらしいな」
「あぁっ、はい……いやらしいんです。僕、いやらしぃから……先生のじゃないと、満足出来ないんですぅ……っ」
僕が言い切ると、先生はズボンの前をくつろげた。
そこから現れた怒張を、うっとりと眺める。
「せんせぇの、格好いいよぉ……。逞しくって……はぅっ」
先生のソレが、あてがわれた。
僕はブルリとその熱さに震えてから、先生の背に腕をまわした。
背広をぎゅっと握り締めて、先生の顔を見る。
「欲しいんです……せんせぇ」
「仕方がないから、挿れてやる」
「ああぁぁッ!!」
先生の一突きで、僕の中に熱が入り込んできた。
先生のものとローターが、僕の中を掻き回す。
それは意識が飛びそうになるほどに気持ちよくて、僕は無我夢中で腰を振った。
「せんせぇっ、しゅごぃよぉ……せんせぇ……!!」
「っ……は」
「あぁっ、やぁっ……ひぁあああんっ!!」
襞を擦りあげられ、震わされ、僕は先生にしがみつきながら達してしまった。
先生も達したのか、中に熱い飛沫が注がれる。
その感覚はクセになりそうなほど気持ちよくて…ううん、もうクセになっていた。
「せんせぇっ、出してぇ……もっと、もっとぉ……あぁああっ!」
先生のものを、絞り上げるように僕の後孔が締まる。
先生は気持ちよさそうに目を細めると、ぐぐっと更に奥に突き入れてきた。
腸内が先生の出したもので満たされていく。
気持ちよくて、幸せで、僕は瞼を閉じた。
「せんせぇ……だいしゅきぃ……」
意識が遠のくなか、先生がキスをしてくれた……気がした。