異世界へ行く理由 1−6


「城内を案内しよう」
 食事が終わると、レインが俺にそう言った。彼は椅子から立ち上がりながら、辺りをゆっくりと見回している。それまで一緒に話をしていたユージンは、これで会話は終わりだといったようにレインに頭を下げ、部屋を出ていってしまう。
 俺はしばらくテーブルに肘をついて威嚇するかのように唸っていたが、レインの落ち着いた表情を見ているとだんだん色々考えている自分が馬鹿らしくなってきた。
 しかし、やっぱり気になることもある。
 だから訊いてみた。
「どこまで本気だ?」
「何がだ」
「俺を口説くとか何とかほざいてんじゃん」
 すると、レインが興味深そうに俺を見つめ、にやりと笑った。
「冗談ではないことだけを伝えておこう」
「ふうん。聞かなかったことにしておこう」
 俺はあっさりとドアを開けて廊下に出ようとしたが、後ろでレインが続けていた。
「私は今まで、コウジみたいな人間には会ったことがない。私の周りには私に従う人間しかいなかったし、ここまで乱暴な口調で私と会話する者も初めてだ。つまり、本音で会話することができるという意味で、とても興味深い」
「あっそう。……敬語で話そうか?」
「いや、結構」
「……城内を案内して下さい」
 とりあえず、敬語で話をしようとしてみた。
 でも、その努力は五分と続かなかった。
 何だかいつの間にか、俺は相変わらず乱暴な口調に戻っていたし、レインはそんな俺の態度の方が気に入っているらしく、俺の冗談にも快活に笑う。
 うーん、まあいいか。

「ここは城内の図書室だ」
 色々と城内を歩き回った後で、レインは俺を大きな部屋へと案内した。
 城の高いほうにある塔。螺旋状の石造りの階段を上がった先に、随分と広い部屋があった。しかし、壁一面に並んだ本は、あまりにも圧迫感があって、そんなに広いという気がしなかった。
 本棚は随分と上の方にまで続いている。上方の本を取るには、可動式の階段を使うらしい。レインが近くにあった階段に手をかけると、それは滑らかに横にスライドした。そして彼は、階段の右側にあった鉤状のものでがちりと固定し、それがしっかりととまったことを確認すると、「昇るか?」と笑った。
「日本には馬鹿と何とやらは高いところが好きだという格言があるが」
 俺は小さく唸りながらそう呟く。「俺は高いところが好きだ」
 そして俺は何の意味もないのに階段を上がり、途中で足をとめて下を見下ろした。それから、広い図書室を。
 高いところから見下ろすと、何でも面白く見えるから不思議だ。
「お前のその右手の方に、我が国の歴史について書かれた本がある」
 やがて、レインが部屋の壁側にあった椅子に腰を下ろし、静かに言った。それは大きな声ではなかったが、部屋が静かすぎるからだろうか、ひどく辺りに響いて聞こえる。
「歴史ねえ」
 俺はレインが言った方へ視線を投げ、読めない文字で書かれた背表紙を眺める。どれもこれも分厚い本ばかりで、その中から一冊だけ棚から取ってぱらぱらとめくってみるも、細かい文字で埋め尽くされたそれを見て眩暈を覚える。
 無理。
 俺は無言で本を棚に戻す。
 たとえこの文字が読めたとしても、読み始めて五分経ったら寝ている自信がある。
 俺はひどく急な階段にもたれかかるようにして、首を傾げて見せた。すると、レインが小さく笑いながら続ける。
「我が国も昔、戦があった。お前の父親に聞いたが、ニホンとかいう国にも戦があったらしいな」
「俺は経験してないけどな」
「経験しないで済むのは幸せなことだ」
 レインがふと、真剣な眼差しをこちらに向けた。そうしていると、やっぱり一国の王なんだな、という実感がわいてくる。彼は椅子の肘掛けで頬杖をつき、宙を見つめている。その表情は、その顔立ちが整っていることも手伝ってか、ひどく非現実的な雰囲気があった。
「我が国も今は平和だ。戦も絶えて久しい。しかし、何もかもが平穏といったわけではない。随分前より冷戦状態となっている国もあるし、何とか国交を取り戻したいとも思う。以前はその国との貿易もうまくいっていたのだから」
「ふーん」
 俺は相槌を打ったが、どうでもいいと言えばどうでもいい内容だった。
 しょせん、俺の国のことじゃないしな、という思いがあったのは事実だ。他人事にしか思えない。
 しかし、レインは静かに続けている。俺が話を聞いているのかどうかすら、確認しないままで。
「政治というのは難しい。そして、本当の意味での平和を手に入れるのも。だから、ケイトの予言は本当に大きな意味があった」
「んん?」
 俺はふと、我に返る。何だか話題が急に俺の予言に関することになったか?
「お前を手に入れれば、この国を手に入れることができる。そして、本当の意味での平和を手に入れることができる。その予言が事実なら、誰もがお前の存在を欲しがるだろう」
「予言とか言うけど、眉唾じゃねえ?」
 俺は頭を掻きながら言う。「俺はただの高校生だし、特別な力もない。この世界を平和にしたり救ったりどこでもドアを出したりできるわけじゃないしな」
「だが、ケイトの予言は当たるのだ」
「……うーん」
 唸りながら首を傾げていると、俺はどこか頭の片隅にひっかかったものがあることに気づく。何が気になっているんだろう。何か気にしなくちゃいけないことがあるような気がする。
「ケイトの予言を知り、そしてこの国を手に入れたいと考える人間がもしもいるとしたら、おそらくお前を狙うだろう。お前を手に入れようとする」
「俺の貞操の危機」
 俺はわざと冗談めかして言ったが、そこで気づくのだ。
 ああ、そうか、と。
 そして、少しだけムカついた。
「お前もそれが狙いだったよな」
 俺はゆっくりと階段を降りながら言った。「俺に近づいたのも、その予言があったからだ。口説くとか言ってるのも、それが頭にあるからだろ?」
 俺はレインの目の前に立って、椅子に座っている彼を見下ろして笑う。彼はそんな俺を見上げながら、ただ静かな瞳を見せている。
「やっぱりお前って厭なヤツかも」
 俺がそう言った瞬間、彼が手を伸ばして俺の手首を取った。
「なぜそう思う?」
 レインが低く囁くように言って、俺は彼の手を振り払う。
「なぜって、理由は簡単じゃん。俺に興味があると言ってるけど、結局は俺の人間性に興味があるわけじゃないってこと。誰でもいいんだろ、お前。予言の相手なら誰でも」
「それは違う」
 レインが少しだけ、楽しげに笑う。
 くそ、気に入らねえ。口では何とでも言えるんだよな、こういうのって。
「私はお前が好きだ」
 急に、レインが突拍子もないを言う。
 馬鹿か?
 俺は鼻で笑ってから肩をすくめた。
「国を手に入れられるというおまけがついているからだろ?」
 そう言うと。
 レインがゆっくりと立ち上がって俺を見下ろした。
「コウジ、私を好きになってくれないか」

 俺はレインの腹に一発グーでパンチを入れてから、図書室から飛び出した。
 駄目だ、頭の中がぐるぐる回っているような気がする。
 何だ、さっきの馬鹿な台詞は。何が目的だ。あれがあいつの言う『口説く』ってことか。
 足早に階段を降りていき、どこかの廊下に出る。とりあえず適当に歩いていくと、行き違う人たちが俺に頭を下げていくことに気づく。
 そうか、俺が『予言』の男だからか。
 だから皆、俺を歓迎してるってワケか。
 じゃなきゃ、誰だって俺にこんな風に接しないよな。俺が『特別』だからだ。
 何だか急に、自分の家に帰りたくなった。
 レインの野郎にもムカつくし、通りすがる皆の礼儀正しさにもムカつくし、何で自分がこんなに苛立っているのか解らないことにもムカつく。
 何なんだ、俺。

 ……悪いヤツじゃないと思ってたんだけどな。
 ふと、俺は廊下の真ん中で足をとめた。そして考え込む。
 俺の家に現れたレインは、最初は変な男にしか見えなかったし、何とかしてヤツが俺の世界にやってくるのをやめさせたいと思っていた。だって、あいつは男を口説こうという変態なわけで、俺は生まれつき女の子の方が好きなわけで。
 でも、そのうちレインの様子が変わった。うちのオヤジと会話している様子は、意外に真面目だと思ったけど、でも。
 でも、でも。
「……もう、本当にわっかんねえ」
 俺は乱暴に髪の毛を掻き回しながら唸る。そんな俺に気づいて、戸惑いながらも頭を下げて通り過ぎていく使用人たち。
 くそ。
「実家に帰る」
 俺がむかむかしながらそう呟いたとき。
「コウジ殿、少しお時間をいただけますか」
 そう、後ろから声がかかった。

 俺に声をかけてきたのは、ライナスという老人だった。俺が振り向くと、彼は穏やかに微笑みながら、のんびりとした口調で話しかけてきた。
「私の部屋でお茶でもいかかですか。少し、陛下のことについて話をさせていただきたいのです」
「陛下」
 レインのことか。
 俺は顔色の優れない彼を見つめながら、少しだけ考え込んだ。そして、ゆっくりと頷く。
 ライナスという老人は、ほっとしたように微笑んだ後、俺の前に立って歩き出した。わずかにのんびりとした足取りだったけれど、それはおそらく、それ以上早く歩けないんじゃないか、と思わせた。
「大丈夫?」
 俺はつい、彼の横に並ぶと、その腕を取って支えようとした。すると、少しだけ彼が戸惑ったように俺を見やる。そして、苦しげに微笑んだ。
「申し訳ございません。お気を煩わせまして」
「いやいや、年長者は敬えというのが俺のオヤジの教えだ」
「それは……ご立派なお父上をお持ちで」
 彼の表情はそれまでと変わらず穏やかであったけれど、その声には少しだけ驚きが混じっていたように思う。
「立派かどうかは解らんけども」
 俺はそう小さく呟きながら、彼と一緒に廊下を歩いた。
 そして、彼に促されるままに廊下を進み、ある扉の前で足をとめる。城はとても広くて部屋もたくさんある。その中でも、広い部屋になるだろう。
 ライナスという老人の部屋は太陽の光が差し込む、南向きの部屋だった。大きな窓に白いカーテン。居心地の良さそうな肘掛け椅子が窓際にぽつんと置いてある。
 ところで、この国でも太陽というのは東から昇って西に落ちるんだろうか。
 東西南北という俺の認識は、ここでは違うんだろうか。
 そんなことを考えながら、彼の部屋を見回していると。
「どうぞ、お座り下さい」
 ライナスがそっと微笑みながら、部屋の中央にあったテーブルと椅子をその手で指し示した。

 テーブルの上には、どうやら準備したばかりらしいお茶の入ったポットと、お菓子の乗った皿があった。部屋の中に甘い香りがしたのは、おそらくそのお菓子からなんだろう。
 俺は椅子に腰を下ろしながら、まじまじとその皿の上を見つめていた。
 クッキーを大きくしたような丸いお菓子。ころころとした形を見て、つい指先でつつきたくなる。
 やがて、ライナスがテーブルの上にあったカップにお茶を入れ、俺の目の前に差しだしてきた。俺は「ありがとう」と短く言った後、それに口をつけた。
「陛下から予言の話は聞きました」
 向かい側の椅子に腰を下ろしたライナスの、開口一番の台詞。
 俺は少しだけ緊張しながら彼の顔を見つめ直す。すると、ライナスが眉根を寄せて続けた。
「コウジ殿は、その予言についてどのようにお考えですか」
「どのようにって……」
 俺は首を傾げた。「あの、ケイトとかいう子の予言は当たるんだろ?」
「その通りです」
 ライナスはすぐに頷いた。「ですから、陛下もすぐにコウジ殿をこの世界にお連れしたのでしょう」
「ま、すぐに帰るけどね」
 俺が素っ気なくそう返すと、ライナスがさらに困惑したように俺を見つめ直した。
「どういう意味でいらっしゃいますか?」
「どういう意味も何も……」
 俺はそこまで言って言葉を切る。それから、こう言葉を続けた。
「それより、『陛下』について何か話があるんだよな?」
「……その通りです」
 急に話を変えられたことに戸惑っているのがよく解る瞳をこちらに向けながらも、ライナスは頷く。「コウジ殿は、予言に導かれたお方です。ならば、陛下のことについてもよくお解りになるかと存じます」
「俺が?」
 俺はすぐに首を横に振って笑いながら、すぐに否定しようとした。俺にはレインのことなど解らないし、俺にはケイトのような特別な力もない。しかし、ライナスはそうは思ってはいないらしい。
「陛下がこの国の王として本当にふさわしいかどうか、あなた様はご存知でいらっしゃいますね?」
 そう言った彼の瞳には、少しだけ鋭い光が宿っていた。

 何だろう、何か変だ。
 ふと、俺は不安になってライナスを見つめ直した。そこには、今まで俺の目の前にいたはずの優しげな風貌をした老人ではなく、どこか思い詰めたような顔つきの『男』が立っていた。
 顔色は確かに優れない。しかし、弱々しさは感じられない。
「先代の王と比べるのは、確かに酷なことなのかもしれません」
 ライナスは俺を正面から見据えながら続けた。「しかし、私は先代の王より、この国のために働けと命じられました。だから、今までできるだけのことをしてきたつもりです。ですが、死の間際になって考えました。本当に、これでよかったのか、と。他にすべきことがあったのではないか、と」
「……どういう意味?」
 俺は恐る恐る口を挟んでみた。
 すると、ライナスは小さなため息をこぼした。
「この国のために、陛下は──レイン様は本当に素晴らしい王となってくださるのかと疑問を抱くに至りました。残念ながら、今までのところ陛下は本当にこの国のことについて真剣に考えていらっしゃるのか解りません」
「考えてるだろ」
 俺は慌ててそう言った。「だって、考えているからこそ俺のことを……」
「予言に頼らねばならない。それが陛下の実力だったとしたらどうなさいます」
「予言に頼る……」
 そんなことを言われても。
 俺はレインのことを考えてみた。確かに、あいつはこの国を手に入れるために俺にちょっかいを出しているわけだ。でも、だからといってあいつが王としてふさわしくないとは言えない……言えないと思う。自信はないけど。
「でも、真面目だと思うけどな」
 俺はやがて考え込みながら言った。眼鏡がずり落ちそうになったのを、指の腹で押し上げながら。
「あいつ……いや、陛下は陛下なりに、この国のことを考えてると思う。見かけによらず真面目だよ」
「本当にそう思われますか?」
 ライナスは疲れたように額に手を置いて、その視線だけを俺に向けている。「しかし私は、陛下に失望しているのです」
「何で?」
 俺はお茶を啜りながら訊いた。何だかカップを持つ手がぎこちない。少しだけ緊張している自分に気がついて、思わず苦笑する。
「予言に頼られた陛下を見たことも理由の一つです。そして、予言のために別の世界にいき、この城でこなすべきことを疎かになさいました。それは、本末転倒と言われるべきものです」
「それは……そうかもしれないけどさ、でも」
「予言など頼らずとも、王となるべき方はご自分のなすべきことを理解していらっしゃるものです。しかし、陛下はそうではありませんでした。それが残念で仕方ありません」
「でも、そんなこと言ったってさ、あいつが王であることには変わらないだろ? だったら、あいつ──陛下のために働くのが……」
 そこまで俺が言いかけたとき、ライナスはゆっくりと椅子から立ち上がった。そして、後ずさるようにして俺から離れながら、それでいて俺を観察するかのように見つめている。
 何だか、その視線が厭だった。
 まとわりつくような視線が。

 そして、突然思いついたことがあった。
 予言。
 俺を手に入れれば、という予言。さっき、レインも言っていたじゃないか。
「まさか、自分がこの国を手に入れようとか考えているわけ?」
 そう言った瞬間、ライナスが小さなため息をこぼしながら首を横に振った。
「それは違います」
「じゃあ」
 何だっていうんだ。
 俺がそう言いかけた時、部屋のドアが叩かれたことに気づく。来客だ。
 視線をそちらに向け、俺が立ち上がろうとすると、ライナスはこう言った。
「私は、ユージン様にこの国を統治していただけないかと願っております。元は、この国の王家の血筋でありますから、問題はないでしょう」
「ちょっと待て」
 俺は訳が解らなくなりながらも、それは違うだろう、と言いたくて手を上げた。しかし、何だか眩暈がして言葉の発音すらおかしくなっていた。
 その時。
「ライナス。用があるとのことだったが……」
 そう言いながら、ドアを叩いていた人間が部屋の中に入ってきたことに俺は気づく。
 噂をすれば何とやら、ユージンだ。
「コウジ? ライナス、一体」
 俺がこの部屋にいたことに気づくと、ユージンは不審げな声を上げてドアのそばで足をとめた。そして、ライナスに鋭い視線を投げる。
「ユージン様」
 ライナスが礼儀正しく何か言いかけているのが解る。
 でも、俺は何だか身体に異変を覚えていて、頭が充分に働かなかった。喉が妙に渇くので、テーブルの上に置いてあったカップにもう一度手を伸ばす。その指が奇妙に震える。何だろう。
「コウジ殿の看病をお願い致します」
 ライナスがそう言いながらユージンに頭を下げている。
 看病って何だ。
 彼の言葉を聞いて不安に駆られるけれど、俺は何も言うことができない。椅子から立ち上がることもできそうにない。
 なぜなら。
「看病? 一体、何があったのだ」
 ユージンが驚いたように俺のところに歩み寄り、その手を俺の額に置いた。冷たい手のひらが心地よい、と思うと同時に。
「変だ」
 俺は低く呟いた。
 身体が変だ。
「ユージン様」
 ライナスが思い詰めたような声で言う。「私は、あなた様にこの国をお任せしたいと考えております。ですから、コウジ殿に薬を飲ませました」
「薬?」
 ユージンが表情を強ばらせ、テーブルの上のカップに視線を走らせた。ほとんど空になってしまっているそれ。
「何を飲ませ……」
 ユージンが顔色を変え、ライナスに詰め寄ろうとしたその時。
 俺は無意識のうちに、ユージンの服の裾を掴んで引いていた。ユージンが戸惑ったように俺を見やる。
 そして俺はと言えば。
「この、クソジジイ」
 俺は『年長者は敬え』というオヤジの教えを無視して、吐き捨てるように呟いていた。

 まずいまずいまずい。
 必死に目を閉じ、唇を噛んだ。
 でも、何でもない振りなんかできない。

「どう、しよう……」
 俺はユージンの服を掴みながら呟いた。
 椅子に座ったままで、わずかに前屈みになって、『それ』を誤魔化そうとするけれど、それは無意味だと思う。隠せるわけがないのだ。
 だんだん、俺の下半身が──その中心が、熱くなり始めていたから。



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