本日の魔王様 番外編1-5


「一体、私が不在中の間に何があったんだ?」
 神官――バートラムは俺たちの空気を読んだのか、神殿から戻ってくるなりそう言った。
 俺はギルバートを見かければどうしても攻撃してしまうし、苛立ちも隠せてはいない。クレイグは相変わらず俺の苛立ちを見るたびに気遣うような態度で接してくるし、銀色の魔物を見れば――というわけだ。
「別に、どうってことはない。ただ、早く退治してこんなところから離れたいだけだ」
 俺は宿の壁にもたれかかりながら応えた。
 クレイグはベッドに腰を下ろし、どこか疲れたように頭を掻いてバートラムに問いかけた。
「そっちはどうだった? 神殿で何を?」
「ああ、少し奇妙なことになっていてね」
 と、神官は苦笑を漏らし、近くにあった椅子を引いて腰を下ろした。「我々の仕事は魔王討伐のはずだったが、変更がある」
「変更?」
 クレイグが奇妙な目つきでバートラムを見つめ直すと、彼は曖昧に微笑んだ。
「別に、我々が魔王を殺すことに手間取っているから……ということが理由ではないらしいが、まずは魔王が持つ統率力、配下の弱体化を狙う……ということらしい」
「らしい、ね」
 俺は言葉を吐き捨てるように発音すると、バートラムが困ったように俺を見た。
「君は納得いかんだろうがね、コンラッド」
「当たり前だ」
「何故、急に?」
 クレイグが俺たちの会話を遮り、疑問を口にした。「もともと、この仕事は神殿からギルドへと下りた依頼だった。膨大な報酬と、神殿による協力を約束して」
「確かにその通りだし、納得いかないのも私にだって理解できる」
 バートラムはクレイグに申し訳なさそうな視線を投げた後で、少しだけ表情を曇らせた。「だが、今までだって『勇者』と呼ばれる存在はその都度現れた。そして、魔王討伐に失敗して帰ってきた。今の魔王を倒そうとして森に入った人間がどれだけいると思うかね? それらは全て失敗してきたのだよ。魔王の手を煩わせる前に、その配下が我々人間を追い払ってきた。その意味では、君が気にかけている、銀の魔物が一番優秀だったんだろう」
「あいつが、か」
「だから、だ」
 バートラムはクレイグに言い聞かせるように続けた。「銀の魔物を魔王のそばから引き離す。これが神殿の第一目標となった」

 クレイグはしばらく、何も言わずにバートラムを見つめていた。
 明らかに困惑しているような輝きをその目に浮かべ、やがて口を開く。
「……どうやって?」
「さて」
 そこで、バートラムは小さく唸る。「近々、山の神殿から神官長がここへやってくる、という話だ。畏れ多い話だね」
「わざわざ?」
 俺は眉を顰めて小さく言う。すると、バートラムもどこか奇妙な目つきで俺を見つめ直し、僅かに首を傾げて見せた。
「詳しくは私にも教えてくれないようでね。しょせん、私は小さな村の神殿の神官レベル……ということなんだろう。上の人間の考えていることはよく解らん。ただ、そこで詳しく説明されるだろう。この後、どうすべきかを」
「シェリルを……あの銀の魔物を引き離して、それからどうするっていうんだ?」
 そこにクレイグの言葉が響いたが、どうやらそれは神官に対しての質問ではないようだった。クレイグは宙を見つめたまま、何か自分の考えに沈んでいるようだ。
 しかし、バートラムはこう続けた。
「魔王の配下たちが分断されてしまえば、攻撃は簡単になる、と言われたよ」
 俺はバートラムの横顔を観察し、その表情にどこか浮かないものがあるようにも思えた。
 バートラムは何か、悩んでいる。
 それは一体何なのか。
 彼はどこかはっきりしない表情のまま、まるで自分に言い聞かせるように続けた。
「銀の魔物や他の配下たちを上手く言いくるめ、魔王から引き離してしまえば、魔王は殺せるはずだ、と。少なくとも、魔王と戦う以前に配下とやりあって足止めを食らうという、今の現状は抜け出せる、と。だからどんな手を使ってでも、銀の魔物だけでも神殿の人間の手で捕まえ、その力を封印する、と」
「……そんなことができるのか」
 クレイグがぽつりと呟く。
 俺はそんなクレイグに笑いかけ、自分でも皮肉げに聞こえるだろう声音で言った。
「よかったな、あの魔物を殺さなくてもすみそうじゃないか。殺したくなかったんだろ?」
「……理由のない虐殺はしない、それだけだ」
 クレイグは俺を見ないまま応えた。
 ――そうだろうな、と思う。
 お前はそういう奴だ、と。
 俺は違う。
 理由など……なくても、魔物なら殺す。ギルバートが言った通り、虫けらを殺すのと同じように。

「少し出かけてくる」
 俺は神官との会話が終わった後で、宿から外出しようとした。すると、クレイグが心配そうに俺を見つめ、「俺もいこうか」などと言ってくる。
 どうも、ギルバートとのあの一件があってからというもの、クレイグは俺を必要以上に心配し、気遣ってくる。最初はありがたいと思ったその行為も、行き過ぎれば迷惑にすら思えてくるものだ。
「薬草を買ってくるだけだ。それほど時間はかからない」
 俺はそう短く応え、外へと出た。
 陽は高く、村の様子は平穏だ。村人らしくない人々、旅商人たちの姿も多い。魔王の森が近いというのに、これだけ旅人らしき姿でにぎわっているのは、少し意外でもある。

「いらっしゃい」
 サンドラの店への道のりは、それほど遠いわけではなかった。店の扉を開けると、カウンターの中にいたサンドラの目がこちらに向いた。そして、おや、という表情になる。
「一人かい」
「俺はいつも一人で行動する」
 そう応えながら、素早く店の中を見回して、そこに客の姿がないことを確認した。裏通りにある薬屋など、客がいないのも当たり前なのかもしれない。
「この間、ライルに聞いた薬草が欲しい」
 そう言いながら、カウンターの方へ近づくと、彼女は小さく笑いながら自分の背後にある大きな棚へと手を伸ばした。そこに並んでいた瓶の一つを取り、ある程度細かく刻まれた葉を覗き込み、軽く瓶を振る。葉が瓶に当たる時の乾いた音が響く。
「解毒作用のあるヤツだね。これはかなり高価だけど……まあ、安くしておくよ。あの子の知り合いならね」
 サンドラは瓶の蓋を開け、近くに置いてあった匙で中身を掬い、小さな小瓶へと移し替える。その小瓶を俺の方に無造作に投げ、「これは無料。次からは覚悟しときな」と目を細めてみせた。
「恩を売られるのは苦手だ」
 俺は思い切り顔を顰めると、彼女は声を上げて笑った。
「恩を売るんじゃない、迷惑料代わりだよ。あれに懐かれたんだろう? あれは厄介な子供だ」
「懐かれたわけじゃない。俺は……」
「まあ、お前さんは逃げた方がいいよ。あたしみたいに懐かれて、突き放すのが難しくなると厄介なんでね」
 サンドラがくくく、と笑う。
 俺は何となく、その場の流れでだと思うが彼女に質問したくなった。
「何故、あんたはあいつに関わってる?」
「ただの成り行きだよ」
 彼女はカウンターに寄りかかり、肩をすくめる。そして、俺に椅子を勧めてきた。カウンターの前にある木の椅子。俺がそれに腰を下ろすと、彼女はまた口を開く。
「あの子を見かけたのは随分昔のことでね。まだ本当に子供の頃だね。お腹を空かせていたし、怪我をしていたんで食事を与えたのがきっかけだ。そうしたら懐かれた」
「餌付けか」
「そういうことさね」
 サンドラの片眉が跳ね上がる。あまり女性らしいという感じの仕草ではない。
「あれは……親がいないと言った。確かに、礼儀とか常識とか全く持ち合わせてなかったからね、育ちが悪いんだろうとは思ったよ。まともな仕事もしていないらしいし、気が向いたら薬草を森で取ってきては小銭を稼ぐ、といった感じかねえ」
「あんたは、その」
 ――あれが獣人だと知っているんだろうか。
 俺はそう言おうとして、すぐに思い直す。だから、別のことを訊いた。
「あいつに、聞いたんだが、あんたは夫を……」
「ああ」
 そこで、彼女の目から輝きが消えた。「この店はもともと、夫のものでね。昔はかなり精力的に仕事をしていたんで、目をつけられたんだろう。強盗に襲われて、金も命も、街では手に入らない貴重な薬草も奪われたってわけでね。あの時はギルバートもかなり……」
 そこで、サンドラが唇を噛んだ。
 面倒なことを訊いたか、と俺は一瞬だけ思う。
 しかし、サンドラはやがて困ったように笑って続けた。
「あたしは夫のことが本当に好きだったからね、断れなかったのさ」
「……何がだ」
「ギルバートが、強盗を殺して仇を討ってくるって言った時にね、頼む、と言ってしまった。その負い目がある」
 俺はただ、サンドラを見つめていた。
 サンドラも俺を見つめ返していた。静かな表情で、その口調も酷く淡々としたもので。
「あの子は約束通り、あたしの願いをかなえてくれた。奪われたあの人の指輪も取り返してきてくれた。仇を討ってくれた。しかし、人を殺させてしまった」
 その声に含まれた苦痛の響きに、俺は苦笑を返す。
「気にすることはない」
「気にするさ。当然だろう?」
 サンドラは眉間に皺を寄せ、俺を真剣な眼差しで見つめている。「あれは本当に子供だった。大人であるあたしが何とかしなきゃいけない問題だった。でも、あたしじゃ何もできないことが解ってた。だから、あの子を利用したんだよ。そして余計に……つながりを作ってしまった」
「つながり?」
「あれは親がいないからこそ、あたしと夫に『家族』のようなものを求めたんだろう。あれからずっと、ギルバートは何くれとなくあたしに関わってきてね、色々と守ろうとしてくれている。どうもね、捨て犬を拾った気分になるんだよ。一度拾ってしまったから、責任は持たないといけない」
「言いえて妙だと思うね」
 俺は小さく呟いた。
 捨て犬か。獣なのは間違いないわけだ。
「あんたは関わらない方がいい。これはあれをよく知る人間からの忠告だけれども」
 ふと、サンドラの声が低くなった。
 俺が改めて彼女を見つめ直すと、サンドラは何か考え込んだ後にこう続けた。
「あんたは魔法使いなんだろう? こんな村にいるんじゃなく、街へお行き。ライルがいる街、ルーズベリーなら、きっともっといい職も見つかる。こんな村にいれば、ギルバートにまとわりつかれて逃げられなくなるよ。もうかなり、気に入られてるんだろう?」
「迷惑な話だ」
 俺は鼻を鳴らして不満を露わにしつつ、頭を掻いた。「だが、これ以上関わるつもりはない」
 ――それに、これ以上まとわりつかれるくらいなら、その前に殺すだろうし。
 そう内心で呟くと、サンドラはまるで俺の心を読んだかのように言った。
「あいつはね、おそらく『家族』にこだわりを持ってると思う。一度身内として受け入れた相手には固執するだろう。だから、あんたには早くここを離れてもらいたい。今以上にあの子があんたとつながりを持つ前にね。……あんなバカな子供でも、あたしには可愛いと感じるのさ。夫との間に子供がいないからこそ、あたしもギルバートに関しては……甘いんだろうねえ」
 酷くすまなそうな目つきで俺を見つめる彼女に、だんだんと俺は居心地の悪さを感じ始めていた。
「……仕事が終われば、すぐに村を出て行くつもりだ」
 そう俺が言うと、彼女は安堵したように微笑んだが、何とも複雑な感情が俺の中にあった。
 ギルバートが死ねば、サンドラは悲しむだろう。
 だが、だからといって諦めるつもりはない。確かにギルバートにはこれ以上関わりたくないし、村を出ていってしまえばもう二度と会うことはないだろう。
 しかし、機会さえあればいつだって俺はあいつを――。

 くそ、本当に面倒な話だ。

 宿に戻ってからも、俺はただ自分の考えの中に沈んでいた。
 そして結局、自分でも納得のいく答えが出せず、ただ目下の問題に集中することにした。
 そう、最初からの目的、魔王討伐に関わることだ。

 意識さえ切り替えてしまえば、何とか問題なく毎日が過ぎていってくれる。
 バートラムが言った通り、山の神殿からは神官長とやらが姿を見せ、銀色の魔物――しかも女性体を連れてきた。銀の魔物を捕獲するというのはどうやら本気らしく、別に反対するつもりもなかったから俺は成り行きに身を任せた。
 そして、かなり意外な結末を迎えた。

 そして気づかされたのは、神殿の連中のくそっぷり、というわけだ。

 何故、銀の魔物を捕獲したかったのか。
 それが白日の下にさらされてしまうと、俺は妙に白けた気分になった。
 神殿の持つ力を強めるための道具。そのための生贄を作るための行動。
 面白いものだと思う。
 でも考えてみれば、ゴミ程度の価値しかないと思っていた魔物にも、使い道があったともいえる。その命を生贄にして、人間の役に立ってもらう。それはとても便利だと思う。
 ――そう、思うのだが。

 どうも、変な感じだった。
 何となく感じるのは、その行為はとても歪んでいるようだということだ。
 神殿の力を強めるため、という目的。それ自体は否定はしない。上に立つ人間がそう考えるのも仕方ないのかもしれない。
 人間はこの世界に置いて、強い立場にいた方がいい。そう、魔物などよりもずっと。
 しかし、人間の中で神官が一番上に立つべきなのか、と考えると悩んでしまう。
 では、国王陛下はどうなのだ。
 城の中で何をしているのだろう。神官の手のひらの上で踊らされるのは、国王陛下も、ということなのだろうか。
 前国王よりも、現在の国王の方が平和主義である、というのは周知の事実である。他の国とのいさかいは避け、平穏な国を作っている……と俺は思う。
 そんな中で、問題があるとすれば魔物の存在。
 だからこそ、魔王討伐に出てきたというのに、それすらも些細な問題のようにも思えてきた。

 神官が持っていた『神の石』とやらが壊れ、山の神殿が持つ力は地に落ちた――とは言わないまでも、かなり弱体化したのは事実だ。
 神殿長は『あの』後、神殿の中のどこかに幽閉されたという噂が聞こえてきている。
 今回の元凶は、神殿長だ。
 あのクソジジイは、神殿の力を利用してあらゆる生き物たちの上に立とうとしていた。それは、神になろうとしていた、とも言える。
 何ともバカバカしいことだ。
 そして今現在は、神殿の連中は神殿長から役職を奪い、新しい神殿長を置き、内部の立て直しに必死だという。
 バートラムもさすがに俺たちと一緒に旅を続けるというわけにはいかなくなったらしく、神殿に戻ると言い出した。もちろん、山の神殿に戻るわけではない。村にあるたくさんの神殿の中の一つに、しばらく腰を据えるらしい。
 まあ、人の口に戸は立てられないと言う。
 前神殿長がやったことはいつかは人々の耳に届き、何らかの影響が出るだろう。その時に、神殿が受ける悪影響を少なくするために、努力するということらしいが――。
 まあ、せいぜい頑張ってくれ、と言うしかない。

「これからどうする」
 俺はクレイグに訊いた。
 クレイグは……お笑い種だとは思うが、現在『失恋後』である。
 あの銀の魔物は他の魔物のモノになった。恋に破れた男というのは憐れだと思う。クレイグの落ち込みようは――本人は強がって隠しきれていると信じていたようだったが――、見事に周りの人間にはバレていた。
「……仕事を探しに行く」
 クレイグはどこか虚ろな目のままでそう応えてくる。
 そして、笑顔を作ろうとして失敗している。全く、みっともないとしか言いようがない。
 だから、あの魔物を犯しておけと言ったのに。
 そうすれば、少なくとも身体だけは手に入ったはずだ。
「一人でか?」
 俺がそう続けて訊くと、彼は小さく頷いた。
「しばらく一人で行動したい」
「そうか」
 俺はその言葉に頷き、彼が村を出て行くのを見送った。どうせ、彼が行く場所なら決まっている。近くの街にあるギルドだ。この辺りでは一番の大きさを誇るギルドで、仕事を探すならそこが一番便利な街だった。
 俺もまた、そこに行くだろう。
 今回の仕事では報酬を得ることができなかったのだから、早く次の仕事を見つけねば持ち金が尽きてしまうからだ。
 俺は村を出る前に、もう一度サンドラの店を覗くことにした。

 相変わらずサンドラの店は閑古鳥が鳴いていたが、あまり金に困っているようには思えなかった。おそらく、彼女が売っている薬草が高価なものが多いだけに、売れたらしばらく生活は大丈夫、といったところなのかもしれない。
「村を出ることにした」
 そう彼女に話しかけると、サンドラは少しだけ嬉しそうに微笑んだ。その笑顔を見てしまうと、どうも後ろめたい気分に駆られるのは何故なのだろう。
 結局、俺はまだギルバートを殺せてはいない。
 俺は幾度か彼を殺すつもりで攻撃した。手加減はしなかったつもりだが、ギルバートの生命力の勝利、と言うべきだろうか。
 殺せなかった理由としては、俺の心境の変化も多少は関係している。
 殺さなくてもいいか、という気分になりつつあるのだ。
 いつだって好きな時に殺せるじゃないか、と自分に言い聞かせ、今でなくてもいいのでは、と。
 別に、神殿でのことを恩に感じているわけではない。
 むしろ、たったあれだけで恩義に感じるほど甘くはない。彼が、そしてその仲間が俺を攻撃しなかったとはいえ、そんなもの、どうでもいい。
 ――どうでもいい、はずなのだ。

「まあ、来てくれてよかったよ。あんたに預かってるものがある」
 サンドラはそう言って俺に小さな紙を差し出してきた。
 俺は困惑しつつそれを受け取り、小さくたたまれたそれを開いて中を見た。
 すると、そこに書かれていたのはどこかの住所らしきもの。
「ライルから預かったんだ。あの後、また彼がここに来てね、あんたのことを探してた」
「俺を? 何故だ?」
 本気で意味が解らず首を傾げると、サンドラも同じように首を傾げて見せる。そして、適当っぽい言葉を続けた。
「仲間にしたいんじゃないのかい。ライルは街ではそこそこ有名な魔法使いらしいからね、弟子でも欲しいんだろう」
「有名ね」
 俺は小さく鼻を鳴らした。
 興味を全く惹かれない話だった。
 いや、多少は気になるのは確かではある。薬草学については誰かに学びたいとう意識だけはあるのだから。
 ただ、今はその気になれないというだけで。
「気が向いたら行ってみるさ。ルーズベリー、城のある街だな」
 紙に書かれた文字をもう一度見下ろし、小さく笑う。すると、サンドラもまた笑った。
「ああ。まあ、それはともかくとして、元気にやりな」 
「どうも」
 俺は小さな紙を服のポケットにねじ込んで、そのまま店を出た。
 ギルバートのことは彼女には訊かなかった。そしてまた、彼女も訊いてこなかった。これで終わりだ。そう思った。


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