首筋の契約 20


 ファミリーレストランを出るとすぐに、私は自分が『敵』に囲まれていることを知った。
 私の前を歩く黒崎、私の後ろにいる久住、そこに他の吸血鬼たちが私を取り囲み、どうやっても逃げ場など見つけられるはずもなかった。
 逃げ出そうという気力すら失った私は、彼らと一緒に大通りから外れて街灯の少ない脇道へと足を踏み入れる。
 人通りの少ない道路。
 それでも、大声を上げれば誰かは気づくだろう。
 ただ、誰かがその声を聞きつけて駆けつけてくる頃には、きっと私は殺されているだろうと解っていた。
「全くもう、もっと早くに呼んでくれればよかったのに」
 そんな、明るい声が飛んでくるまでは、私の指先は冷たいままだった。
 気づくと我々の前方には、見覚えのある人影が二つあった。
 ミツルとアキラ。
 双子の吸血鬼。
 何かあったら、呼べと言われていた相手。その存在を思い出してそれほど時間は経っていない。
 彼らが夜道に姿を現したのだと知った時、私の肩から安堵のあまり力が抜けていた。足を止め、彼らを見つめる私の表情は、さぞかし情けないものであったろう。
 彼らは天真爛漫な笑顔を私に向け、ミツルだかアキラだか見分けはつかないが、どちらかが笑いながら言ったのだ。
「蓮川さん、帰りましょうか?」
 無造作に差し伸べられる彼らの手。
 私は彼らのそばに駆け寄りたいくらいであったが、いつの間にか私の手首には久住の手がかけられていて、逃げられるような状況にはなかった。
「残念ですが」
 久住の冷ややかな声が私の耳元で響いた。「あなたはここで死んでもらわなくてはいけません」
 それは、とても『残念』に思っているような声ではなかったし、それどころか私を殺すことを待ち望んでいるかのようにすら思えて仕方なかった。
「なぜ、お前たちがここに?」
 そこに黒崎の声が低く響く。
 そしてそれは、少しだけ楽しげでもあった。彼の唇も、明確に笑みの形を作っていた。しかし、瞳だけは本音を映し出している。少しもこの状況を楽しんでいる様子はないどころか、苛立ちすら見える。
「なぜって」
 双子の片割れが笑う。
「当たり前なことを訊くんだねえ?」
 もう一人も笑う。
 そして、頭を掻きながら続けた。
「潤様の提供者候補だもんね、助けるのは当然じゃない?」

「提供者候補、ね」
 やがてため息と同時に黒崎が小さく苦笑して、ちらりと私に視線を投げた。「そういうのは先に言ってもらわなきゃ、こっちも解らないんだぜ? それとも狙ってたのか? 提供者候補を殺したことで、俺たちの立場を悪くさせようって?」
 一瞬、彼が何のことを言っているのか解らなかった。
 しかし、よく考えれば彼が懸念していることが何なのか明らかだった。
 提供者は殺さないルールなのだ、と彼は言っていた。
 それが味方にせよ、敵にせよ、吸血鬼の側に立つ『提供者』は彼らにとって特別な存在なのだろう。そういう人間を殺すことは、吸血鬼たちの中でも異質なのに違いない。そしておそらく、提供者候補を殺された吸血鬼は、完全に彼らにとって敵となる。
 今でさえ黒崎と秋葉は敵対している立場。
 だが、きっとそれは私という提供者候補――もちろん、候補でも何でもないのだが――を殺したことで、さらに悪化する。
「提供者じゃない、とお前は言った。でも、提供者候補なんだな? 秋葉潤の提供者になる、その可能性はあるんだな?」
 私はぎこちない動きながらも、その問いに頷いた。
 本当は提供者になどなるつもりはない。家族を捨てるつもりなど毛頭ない。
 だが、可能性があるかないかという問いになら、躊躇いなく「ある」と答えるだろう。少なくとも、この身を守るためには、こんな嘘の一つや二つ、簡単に吐ける。
「面倒な男だな」
 やがて、黒崎が疲れたように笑った。
 しかし、私の手首にかけられた久住の手は緩むことがなかった。
「信用するんですか?」
 久住は納得していないというような声音で黒崎に訊いた。「どちらにせよ、我々に嘘をついた人間です。生かしておいても何の得もありません」
「だが、秋葉を無用に刺激するのも得策ではない」
 黒崎の視線は久住に向くことなく、ただ私を見つめていた。その視線は慎重に私を見定めるかのようで、酷く居心地の悪いものであった。
「解った、この場は引こう」
 黒崎は軽く手を上げ、その場にいた他の吸血鬼たちに目配せする。途端、ぴんと張り詰めていた辺りの空気が和らぎ、ぽつぽつと男たちの姿が消えていく。まるで今までもそこに存在していなかったかのように、空気が動く気配すらないまま、いつの間にかここにいるのは黒崎と久住、私と双子だけ。
「納得できません」
 だが久住の声だけは緊張感を保ったままだった。「たかが人間じゃないですか。所詮、人間の提供者など信頼に足る存在ではありません。いつ我々の側を裏切るか解らない」
「黙れ、久住」
 黒崎はそこでやっと久住に目をやって、薄く微笑んだ。「そろそろ帰るぞ」
 そう言われてもなお、彼の手は私の腕を掴んだままだった。しかも、いきなり強く握られて彼の爪が私の手首に食い込んで鋭い痛みが走る。
 反射的に彼の手を振り払うと、そこで久住がやっとその口元に笑みを浮かべ、私を自由にした。
「人間のくせに」
 ふと、久住が小さく呟いたのが聞こえる。
 身体を強ばらせたまま彼を見つめると、久住はどこか私を蔑んだかのような目で見つめた後、その手を自分の口元に寄せた。
 先ほどまで私を掴んでいた手。
 その爪先が、わずかに赤い。
 素早く自分の腕を見下ろすと、爪を立てられた場所にひっかき傷を残されていることに気づいた。
 もう一度目を上げると、久住が私の血で汚れた爪をぺろりと舐めているところだった。本能的に危機感を感じて、私は思わず後退る。
「帰りましょう、蓮川さん」
 途端、私の目の前に立ったアキラとミツル。
 彼らもまた、久住の様子に警戒して睨みつけたままだった。その背中に守られた形になった私は、やっとそこで秋葉潤のことを頭に思い浮かべる。
 もしも彼にアキラとミツルのことを紹介されていなかったら、多分自分は死んでいただろう、と思う。
 そういう意味では感謝しなくてはならない。
 だが。
 今後のことも不安だった。
 提供者にならないままでいいのか、という戸惑いと。
 久住という吸血鬼に対する恐れと。
「大丈夫ですか? 歩けます?」
 黒崎たちがその場から消えた後、心配そうに私の顔を覗き込んできた双子の笑顔を見つめ返しつつ、ただ私は頷くことしかできなかった。
 これからどうしたらいいのか解らない。
 ひどく自分が無力な感じがして仕方がなかったのだ。

 翌日、私はいつものように仕事に行き、ただ自分の仕事をこなすことだけに没頭していた。それは、現実逃避とも言えるようなことだった。
 仕事以外のことは何も考えたくない。そうして無我夢中になっているうちに、自分がなぜこんなにも馬鹿馬鹿しい状況に陥ってしまったのだろうと不安になる。
 本当に一瞬だけ、今の仕事をやめて地元に帰ってしまったら、この状況から逃げて平和に暮らせるようになるのだろうかとすらも考えた。黒崎や久住といった吸血鬼の存在を忘れ、元の生活に戻れるのではないかと幻想を抱きそうになる。
 でも多分、それは無理なのだろう。
 久住のあの視線を思い出して、私は仕事中、幾度か悪寒に襲われた。
 そして、あと一歩で殺されたかもしれないあの時のことを思い出して、仕事をする手がとまってしまう。そんな私の様子に気づいたのか、松下が心配そうに声をかけてきた。
「気分でも悪いのか?」
「いや」
 そこで我に返った私は、また仕事のことだけに集中しようとして、同じところをぐるぐると堂々周りを繰り返すことになるのだ。
 結局、私はその日、まともな会話も松下と交わすことができないまま、仕事を終えた。
 そして定時になって帰途につく。
 一人きりの帰り道。
 アパートまでの道のりをこれほどまでに遠く感じたことはない。
 私はいつの間にか、ひどく緊張していた。
 だから、なのだろうか?
 新しい我が家となったアパートの階段で、秋葉の姿を見た時に胸が苦しくなったのは。
 これは一体なんだろう? ただの安堵?
 一人ではなく、誰かがそばにいてくれるということが、これほどまでに安心できるから。ただ、それだけだったのだろうか?
「ごめん」
 秋葉は階段に腰を下ろして私を待っていたようだったが、私の姿に気がつくと力なく微笑みながらそう言った。「ミツルたちに聞いたよ。黒崎たちが大介を殺そうとしたかもしれないって。あの二人に頼んでおいてよかった」
「……いや」
 私は何て応えたらいいのか解らず、ただその場に立ちつくしていた。混乱していたせいか、彼に感謝の言葉を述べるよりも先に、「真治は一緒にきているのか?」と辺りを見回してしまって、自己嫌悪に陥った。なぜなら、その直後に見た秋葉の目が、絶望にも似た色に染まったことに気づいたからだ。
「一人でいるのがつらいなら、真治をここに寄越すよ。本当にごめん」
 秋葉はゆっくりと立ち上がって、そのまま私の横をすり抜け、歩いて行こうとした。
 私は思わず彼の手首を掴んで、慌てて言った。
「違う! その、礼を言いたかったんだ。真治ではなく、その、君に。その、一度ゆっくり話を……したいと」
 自分の声は掠れている。
 そして、秋葉を正面から見つめることもできずにいる。
 黒いアスファルトの地面を見下ろしながら、ただ次の言葉を探す。でも、この場に相応しい言葉なんて何も見つからない。
 それもそうだ。自分が今、何を感じて何を言いたいのか、それすらも解っていないのだから。
「お礼を言われることなんて、何一つしてない」
 秋葉は静かに言う。「むしろ、大介は俺を好きなだけ責めていいんだ。もう、いいんだよ」
「何がいいと言うんだ」
 私は理由も解らず、秋葉をこのまま帰してはいけないと思った。
 だから、彼の腕を引いたまま、階段を上がる。秋葉は少しだけ戸惑ったようだったが、私の手を振り払う様子もなく一緒についてきた。
「まだ散らかってるんだが、お茶くらいは入れられる」
 アパートの鍵を開け、秋葉に中に入るように促した。それでもやっぱり、私は彼の顔を見つめることができないままで。
 私が部屋の中に入っても、秋葉は玄関先で靴も脱がないまま立ちつくしていた。
「いいから、上がってくれ」
 私が彼の前に戻って重ねて言うと、秋葉の表情が少しだけ苦しそうに歪んだ。
 もしかしたら、私も彼と似たような表情をしていたのかもしれない。
 秋葉が――いや、潤が私から目をそらして、ドアの外に出ようとした時にそう思った。
「潤、待ってくれ」
 思わずそう声をかけると、秋葉の足が止まった。私が彼を『秋葉』ではなく『潤』と呼んだのは、これが初めてだった。
 秋葉はひどく苦しげな表情のまま私に視線を向け、悲しげに微笑む。
「反則だなあ、それ」
「いいから、上がってくれ、潤」
 もう一度彼の名前を呼ぶと、秋葉――潤は小さく頷いた。

 コーヒーの準備をしている間、私はただ彼に何て言葉をかけるか必死に考えていた。
 助けてくれてありがとう、ただそれだけが言いたいわけじゃないと思う。
 かといって、他に何て声をかければいいんだ?
 ダンボール箱がまだ積んだままになっているリビングに戻り、ソファに腰を下ろしていた潤の前に真っ白なマグカップを置くと、私はその向かい側に腰を下ろして彼を見つめる。
 そして、自分の分のマグカップを手にしたままじっと考え込んでいると、潤が先に口を開いた。
「姉貴の言う通りだった。もう、俺はあんたに関わらない方がいいんだ。俺じゃなくて他に最適な誰かを……たとえば真治とかを、そばに置いた方がいいと思う」
「そばに?」
「そうだよ。真治じゃなくても、あんたを守ってくれるヤツなら誰でもいい。これ以上、危険な目に遭いたくないだろ?」
「それは……」
 もちろん、危険な目に遭いたくなどない。もう、昨日のようなことになるのはごめんだと思う。そして多分、まだ終わったわけでないということも理解していた。
「だが、私よりも潤の方が危険なのかもしれない。もう知っているのかもしれないが、あの黒崎という男の目的は」
 必死に会話を探してそう言いかけると、潤は「うん」と頷く。
「じいさんが目的なんだろ? 解ってる」
「そう、か」
 穏やかに頷かれてしまって、私は少しだけ拍子抜けした。きっと、潤だって身に危険があると思うのに。
「いざとなったら俺だって姉貴だって、戦うしかないって解ってる。黙ってやられるつもりはないし、それにもしも俺たちが死んだとしても、あのじいさんだけは殺したって死なないと思うぜ。大丈夫だ」
「大丈夫……って」
「いいんだ、大介は何も心配しなくていい」
 そこで潤はコーヒーに口をつけないまま立ち上がり、またここを出ていこうとする。
「潤!」
 私は自分でも解らない衝動に駆られたまま、また彼の腕を掴んで呼び止める。
「大介」
 潤は優しく私の手を振り払うと、困ったように眉根を寄せて見せる。「困るよ、それ」
「何がだ」
「俺、あんたが好きなんだよ?」
 私はつい、言葉に詰まって息を呑んだ。そんな私の様子を見つめながら、彼は笑うのだ。
「俺、馬鹿だから誤解するよ。そんなふうに呼ばれたら、絶対に誤解するし……またあんたを傷つけるに決まってる。だって俺は」
 潤は後退るようにドアの方に近付いていき、私から視線を引きはがして俯いた。「何で、恋とか愛とかって、性欲と切り離せないんだろーな?」

「何を、言って」
 私が呟くように言った時、潤が鋭い視線をこちらに向けた。
「ほら、そう思うだろ? 馬鹿馬鹿しいことじゃないか。あんたは俺のことを絶対に愛してくれない。友人としてさえも、好きになってくれないはずだ。だって、もう触られたくないって言ったよな? もう二度と触れるなって。でも、俺はあんたのことが好きで仕方ない。このままだと、また同じことをする。あんたを抱きしめて、無理矢理押し倒して……そして」
 そこで、彼は露悪的に笑う。それは、どこかわざとらしさを感じた。
「で、強姦する」

「潤」
「潤って呼ぶな!」
 突然、目の前に潤の姿があった。本当にすぐ近くに。
 いつの間にか潤の手が私の顎にかけられていた。まるで、これからキスでもしようかというような態勢。
「逃げろよ」
 潤は無表情だった。
 でも、その声は微かに震えている。
「犯されたい?」
 続けられた言葉は、いつもの私だったらすぐに拒否反応を示していただろうと思う。
 そうだ、触るな、と叫んで振り払っていたはずだ。
 それなのに。
「優しくなんかしないぜ? 無理矢理突っ込んで、大介が痛いって泣き叫んでも平然と笑っていられると思う」
 ――それは、嘘だ。そんなこと、絶対にないだろう。
 一体、どうしたんだ私は。
 何がしたいんだ。何をしたくないんだ。
 どうすればいいんだ?
 拒否、しろ。
 潤を、以前と同じように。
 嫌いだ、とはねつけてしまえ。

 そう思っても。

「抵抗してくれ」
 潤の目尻から涙がこぼれるのを見て、訳が解らなくなった。
 私は潤のことが好きなわけじゃない。そうだろう?

「あんたは混乱してるだけなんだよ」
 突然、乱暴に手で突き放されて私はよろめいた。潤は低く笑いながら私を見つめている。さっきまでの様子とは全然違う。まるで、冗談を言った直後のように、少しだけ仰々しい仕草で両腕を広げ、皮肉げな笑みをその唇に乗せている。
「生命の危機に遭った直後だから、精神的におかしくなってるだけ。早く立ち直ってくんないと、俺も困るな。だって、俺のせいだもんな?」
「そんなことは」
「あんた、早く結婚しろよ」
 それはあまりにも突然で、現実味のない響きだった。
 結婚?
 なぜ、急に?
「あんたが結婚しても、あんたの奥さんが子供を産んでも、俺はあんたのことを死ぬまで黒崎から守ってやる。それが俺の責任の取り方だ」
「責任の……?」
「人間の一生くらい、短いもんだよ。俺が死なない限り、あんたを守ってやる。約束する」
 私が困惑して首を傾げていると、潤はくくく、と声を上げて笑った。「だから早く結婚してくれ。もういいよ。もう、いいや。早く幸せになって、俺を自由にしてくれよ」
 意味が解らない。
 潤は一体どうしたというんだ?
「外にいる女でいいじゃん? あんたのこと、好きなのかも?」
「一体、何を」
 本当に意味が解らなくて彼に手を伸ばそうとした時、インターフォンが鳴った。
 あまりにもびっくりしたせいで、心臓が厭な音を立てる。
 潤が素早く靴を履いてドアを開けた。すると、そこには松下とさやかさんの姿があった。松下がぎょっとしたように潤を見つめた後、「あれ、ここって蓮川の」と小さく呟くのが聞こえる。そしてその直後、身体を強ばらせて立っていた私の姿に気がつき、ほっとしたように笑って見せた。
「よう! 引っ越ししたばかりだって言ってたから、何か手伝えないかと」
 そう言った松下の後ろで、さやかさんがばつの悪そうな表情で軽く首を振った。
「やっぱり、いきなりくるのは迷惑だって言ったでしょう? 今夜は帰った方が」
 そう彼女が言いかけた時、潤が明るく笑って軽く手を上げた。
「俺は帰るところー。どうぞ、ごゆっくり」
「おい!」
 私が潤を止めようとしても、彼の足音が遠ざかってしまう。そして、その場に残されていた我々は、お互いどこか困惑している表情を隠せなかった。
「帰ろうか?」
 松下がぎこちなく言うのが聞こえて、私はただ首を横に振ることしかできない。
「とにかく、お茶を入れる」
 すると、松下が頭を掻きながら笑った。
「まさか、あれがお前の弟? 確か、弟がいるって言ったよな?」
「いや」
 私は首を振りかけ、すぐに苦笑して見せた。「弟じゃない。私に弟がいるのは事実だが」
「じゃあ、誰だ?」
 興味津々といった表情で私を覗き込んでくる松下と、困惑した表情のままで動きを止めているさやかさん。
 私は何とか言葉を探した。
「私を助けてくれた人の、弟」
 少しだけ、微妙な空気が辺りに流れた。
 本当に、どうしたらいいのか解らない。
 私はため息をついた。

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