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ウズメノ神社の一室で、巫女服を着た黒い髪の少女イブキが山賊団から奪った品物を手に、黒い着物を着ている管理人さんと交渉していた。
「その竹篭の中の品は、全部で1000万円だよ!値段を正確に評価できてごめんね!」
「えー、もう少しあげてなー。この剣とかええで。」
小さな宝石によって装飾されている短剣を、イブキが手に持つ。
「宝石のサイズが小さすぎるよ!ゴミさんだよ!価値が低いね!20万円で購入してあげるよ!」
「なら!これでどうや!アイちゃんの履いているパンティーみたいに力があるかもしれへんで!」
白色のパンティーを手に取って、管理人の顔の前に突きつけるイブキ。
「そのパンティーからは、何の力も感じられないよ!ただの絹製品だよ!でも、高級品だから1万円で購入してあげるよ!感謝してね!というかアイのアイテム鑑定使ってね!二度手間だよ!」
その後、アイを呼んで、竹篭の品物全てにアイテム鑑定を使用した後の二人の交渉は、1時間続いた。イブキは、鋼鉄の精神を持っている管理人さんから、最初の1000万円から2000万円まで値上げさせるという快挙を果たしたのである。
残り借金10億8000万円。
第12話「スキル確認をする巫女さん達」
道は雪に埋もれ、辺り一帯の光景を雪化粧へと染める頃、イブキとアイはウズメノ神社の寝室にいた。2人とも巫女服を着て、畳の上で足を崩して向かい合っている。春になってからの借金返済の旅のために、お互いの戦力を確認しようとしているのだ。
「アイちゃん。ステータスを確認してや。ここを旅立ってから、確認してへんやろ?」
「わかったのですよ。ステータス オン!」
アイの前に青い色の画面が投影される。そこには旅立つ前とは違った詳細が表示されていた。
アイ LV6 EXP320 霊力 600/600 消費霊力 小1 中10 大100
装備品 巫女服(E) 祝福された呪いの青と白の縞々パンティーlv1(E) 安物の短剣(E)
最高の付与霊術師lv18 武器の斬れ味をあげるよ!よかったね!
基本スキル 斬れ味強化 斬撃系武器の威力を上げる。 36%強化 呪文「○○よ!斬れ味を強化せよ!」 霊力消費大
特殊スキル 炎属性付与 氷属性付与 雷属性付与
炎属性付与 炎を纏わせる。 呪文「○○よ!炎を身に纏え!」効果時間10分 霊力消費大
氷属性付与 氷を纏わせる。 呪文「○○よ!氷を身に纏え!」効果時間10分 霊力消費大
雷属性付与 雷を纏わせる。 呪文「○○よ!雷を身に纏え!」効果時間10分 霊力消費大
治癒霊術師lv6 時間をかければ、重傷を負っても治せるよ!よかったね!
基本スキル 治療 重ね掛けをすれば、重傷の傷も治せる。 呪文「○○の身体の傷を癒せ!治癒!」 霊力消費 中
特殊スキル 毒治療
毒治療 毒を治療する。 呪文「○○の中にある毒を浄化せよ!毒治癒!」 霊力消費 中
特技 アイテム鑑定
アイは、新しく表示されている項目に戸惑いながら、イブキへと内容を説明する。
「新しいスキルと呪文が追加されているのですよ。レベルが一気に5も上がってるのですよ・・・あははは・・・」
小さな村で男達にひたすら犯される日々のことを思い出すアイ。イブキは、それを気にせずに、解説と確認を進める。
「スキルはレベル5ごとに追加されるらしいで。まぁ、うちは身体能力強化やから、関係ないんやけどな。1つ1つ話してや。」
イブキの言葉に、アイは納得し、ステータスに表示されている内容を言っていく。
「まず、最高の付与霊術師なのですが、レベル18になっているのです。 斬れ味強化は36%。 スキルに炎・氷・雷の3つのスキルが追加されたのですよ。」
「強化は、武器の斬れ味の事やね。序盤は無駄に霊力を大量に消費するだけの役立たずやけど・・・斬れ味が36%も上がるなら、実戦に使えそうやわ。」
「やっと・・・やっと・・・役に立てる子になったのですよ・・・」
何気に、大蜘蛛討伐の時からお荷物になっているという自覚はあるらしく、アイは、イブキの役に立てることに喜んでいた。
「次に、炎・氷・雷の3つのスキルやけど・・・うちもわからんわ。実際にアイちゃんの短剣に使ってみてや。」
「わかったのですよ!」
アイは、右手で腰から短剣を抜き、ステータス欄の呪文欄の内容を確認してから、呪文を唱える。
「短剣よ!炎を身に纏え!」
アイの身体から大量の霊力が消費され、持っている短剣から炎が吹き出した。しばらくの間、アイとイブキは、短剣から吹き出る炎を見ていたのだが
「これ・・・どうやって止めるのですか?」
「うちもわからん。」
1分が経過しても、短剣からは炎が吹き出たままだ。少女達は沈黙して、吹き出る炎を見ている。
「ううう・・・右手が少し熱いのです・・・」
「おっ落とさんといてや!神社が燃えるで!」
少女達は困りながら、炎を吹き出している短剣を見つめ、短剣が炎を身に纏ってから10分後、炎は自然に消えた。
「うーん・・・自分で消せないのでしょうか?」
「まぁ、便利そうなスキルやね。火は、旅をする時に重宝するから使わせてもらうわ。霊力を大量に消費するようやけど、妖怪退治の予定がないときは火打石代わりに使うで。」
そして、次々と呪文を試していく少女達。
「短剣よ!氷を身に纏え!」
「なんか部屋が寒いわ。」
氷属性付与で短剣そのものが冷気を持つようになり。
「短剣よ!雷を身に纏え!」
「・・・なんも変わらんなー。まぁ、雷やし、スタンガンみたいなものかもしれへんな。」
雷属性付与で、外見には変化がないが、触れば何が起こるかわからないため、保留し。
「治療のために重傷を負ってください!」
「無茶いわんといてな・・・」
身体の治癒や、毒の治療などのスキルのことで、イブキに無茶苦茶なことをいい、治療関係以外の全てのスキルを使用して、性能を確かめたのだった。
「まぁ、実戦やと、斬れ味の強化や、属性付与は、うちの武器にかけてぇな。実際に生きている相手を斬らんと何が起こるかわからんし、アイちゃんの仕事は、うちの助けが入るまで、時間を稼いで、うちを支援することやしな。」
「ううう・・・後衛職は辛いのですよ・・・」
実際の所、彼女達が妖怪相手に取れる戦術は、イブキの圧倒的な身体能力で妖怪を殲滅し、アイは邪魔にならないように後方からイブキを霊術で支援するだけである。付与霊術があるため、アイ自身の武器も強化できるのだが、本人の能力が知れているため、妖怪相手では自殺行為であった。
「そうなのですよ!武器を変えればいいのです!」
アイは名案を閃いた。それに対してイブキが問う。
「どんなに武器にするん?」
「リーチの長い槍!あれなら戦えそうなのですよ!」
「アイちゃん。妖怪って、大抵、森とか建物の中とかの障害物がたくさんある場所に住んでるんやで・・・」
長い槍は、障害物が多数ある場所では、使い辛いので却下された。持ち運びも不便であるため、却下。
「弓!圧倒的に長いリーチ!これなら、接近されずに戦えるのですよ!」
「他の武器よりも訓練する必要あるし。そもそも、ウズメノ神社には弓ないで。それに、毎回毎回、矢に付与霊術使ったら、霊力の使いすぎて死ぬし、普通の弓矢やと妖怪相手には効果薄いやろ。アイちゃんは、素直に短剣に付与使って、時間稼ぎし。」
「ううう・・・巫女さんは弓のイメージがあるのですよ・・・」
弓も却下された。
「なぁ、気になったんやけど、付与って武器限定なん?
「実際に使わないとわからないのですよ・・・」
イブキは、庭に面している襖を開き、雪に覆われている庭の岩を指し示して
「あの岩に付与できるん?」
「やってみるのです・・・岩よ!炎を身に纏え!」
雪で覆われていた石が炎を吹き出し、周りの雪を溶かす。幸い、周りに燃焼するような木は生えていないため、火事の心配はなかった。
「これ、立派な攻撃手段やないか。燃費悪いけど、うちでも勝つのが難しい妖怪でてきたら、使ってほしいわ。」
「実際に使うと、全身火ダルマになるのですよ・・・」
「生きている相手で試したいわー。山賊1人ぐらい残しておくべきやったなー。」
「ふぇっ?山賊ってなんのことですか?」
「いや、何でもあらへんよ。」
お互いの手札を確認したことで、イブキは妖怪相手に戦うための戦術を、アイに話す。
「うちらの戦闘方針いうで?」
「はいなのですよ!」
さすがに妖怪相手に陵辱されたくないアイは、真面目な顔でイブキの次の言葉を待つ。
「うちらの戦闘方針はな。うちが前にでて妖怪斬りまくって、アイちゃんは、うちの命令で、付与霊術使って、うちの大太刀戦乱にかけてほしいんや。うちが傷を負った場合は、アイちゃんの判断で治癒霊術を使ってや。」
「付与霊術での攻撃はどうするのですか?」
自分でも妖怪を攻撃したいと思っているアイが、イブキに問う。
「・・・うちらが勝てんような妖怪がでた場合は、使う方針でいこうや。付与霊術は、霊力の消費量も大きいし、攻撃が持続する時間も長すぎるから、オーバーキルになってまうがな。後は、アイちゃんが妖怪に襲われて、うちが救助にいけん場合も使ってや。」
「自衛手段ができたのはいいことなのですよ・・・」
アイは安心していた。自衛手段ができたことに。だが、少女は知らない。付与霊術は、岩や金属の類にしか使用できない霊術だということを・・・
あとがき
スキルの説明回だよ!久しぶりにエロが全くない話をかけて満足したよ!次は管理人さんが大活躍するよ!
ステータスの項目をどう書くか。今回で決めました。プロローグのステータスを修正します。
イブキ レベル12 EXP 20835
アイ レベル6 EXP320
祝福された呪いの青と白の縞々パンティー レベル1 EXP0
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