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雪が降り始める前に、イブキは、ウズメノ神社へと到着していた。そこで、アイに、死ぬまで陵辱された事について何度も何度も非難されたのだが、アイを懐柔するために、アイの借金を全額返済してやると発言してしまったために・・・イブキは、一文無しになっていた。
「この竹篭の品と、イブキの貯金じゃ1億にしかならないよ!あと11億払ってね!100年以内でいいよ!」
「は?あと11億必要やて?」
莫大な金額に、イブキは疑問の声を上げる。
「ううう・・・死んだせいで、10億。新しい巫女服に1億かかったのですよ・・・」
「・・・管理人はん、1億にまけてくれへんか?」
イブキは、管理人さん相手に値下げ交渉をするのだが
「馬鹿なの?死ぬの?借金さんは返済しないといけないんだよ?理解したら、金を稼いでね!100年以内でいいよ!」
そもそも、鋼鉄の精神を持っている管理人さんに値切り交渉なんてものが通じるはずもなかったのである。
「11億ってどうやって稼げばいいのですか?」
11億という巨額に、呆然としているイブキに、アイは無慈悲にも金稼ぎの方法を聞いてきた。しかも、この巨額の借金を作った原因は、イブキなので、素直に答えるしかない。
「うちな、この5年で2億稼いだんよ。その稼ぎ方なんやけどな?」
「うん。」
「最初は、村や町で、身体売って金を稼いだんやけど、一般庶民の稼ぎが悪すぎて、金払いが悪すぎるんや。」
「へ?」
「だからな、うちらが大金を稼ごうと思ったら、妖怪退治にお金をだせる裕福な村や街の依頼を受けるか。もしくは、都市国家にでもいって、そこで依頼を受けるぐらいしかないんよ。」
無論、村や町を襲うなどの例外がある。
「そんでな、裕福な村や町なんてものは、大抵、都市国家と契約結んどるんよ。だから、うちらが金を稼ごうと思ったら、必然的に都市国家いかんとあかんのやけど・・・問題があるんや。」
アイは、唾を飲みながら、次の質問を待つ。
「兵隊とか、関所とかの国家権力という名の化け物があるから、お金にならない陵辱イベントに遭遇しやすいんや。」
陵辱エロゲー世界の法則。 国家権力を傘に、陵辱する奴は多いである。 国家権力の前に、逆らう事ができるヒロインは本当に少ないのだ。特に治安が悪い作品とか、ファンタジー世界系の陵辱エロゲーヒロイン達にとっては、国家権力とは、鬼門なのである。ちなみに、この作品は、和風ファンタジーさんなので、法則が発動しやすいのである。
アイは、イブキの発言を理解した。しかし、お金を稼げないと大変なことになりそうだという事は把握している。
「イブキさん、私は陵辱エロゲーヒロインやめて、真っ当に生きる事にします。」
把握したが、11億という巨額の前に、現実逃避したのである。清純派ヒロインとしては、お金を稼ぐために、陵辱をされるのは、嫌なのである。
「そうや!いい事考えついたわ!これなら、お金を稼げるで!」
現実逃避しているアイの目の前で、イブキは名案を閃いたのだった。
第9話「初めての恋」
「訳がわからないのですよ・・・私が1人で森の中の道を歩けば、お金を稼げるなんて意味不明なのです。」
物々とイブキに対する文句を言いながら、森の中にある道をアイは歩いている。
「ううう・・・寒いのですよ・・・」
雪が降りそうな時期に、巫女服一枚で歩いているのだ。寒いに決まっている。
「なら、俺達が暖かいとこに連れてってやろうか?お嬢ちゃん。」
「ふぇ?」
いつのまにか、アイは、ボロボロの服を着た男達に囲まれていた。そして、男達は、口を開き
「女の子の1人旅は大変だぜ!俺達の家で休んでいきなよ!」
「でっかいおっぱいだな!誘ってるのか!」
「見ろよ。すげぇ上玉だぜ。高く売れるんじゃないか?」
陵辱エロゲー世界の法則。ヒロインを一番陵辱しているのは賊の類かもしれないである。陵辱エロゲーの世界には、山賊や、海賊など、多数の賊が存在する。彼らはヒロインを陵辱するために、どこにでも現れ、陵辱するのだ。場合によっては、ヒロインの悲しい過去とやらを演出する場合にも使われるため、陵辱エロゲー以外の作品にもでる事が多い人気キャラクターなのである。ちなみに、一度発動すると、彼らは出番が長い間失われたり、二度とでない事が多い。
(どうしよう・・・)
アイは、必死に考える。この状況を回避するには、どうすればいいのかと。そして、彼女が選んだのは
「もうやだ!おうちにかえる!」
来た道を引き返す事だった。
「あっ!」
「俺達と気持ちいい事しようぜ!」
しかし、逃げようとしたが山賊達に捕まったのである。人気キャラクターの力を舐めてはいけないのだ。
山賊達にヒロインが陵辱される場合、森の中か、山賊のアジトが多い。しかし、外は寒いので、山賊のアジトへとアイは招待されていた。
山賊達のアジトは、洞窟を使用したものであり、アイは、巫女服を奪われて、捕虜を入れる牢屋らしき部屋で、腕を後ろ手に縄で縛って、放置されていた。
「ううう・・・なぜ、こんな目にあうのですか・・・」
しばらくの間、アイは自分に起こっている悲劇に嘆いていると、牢屋の扉が開き、3人の男達が入ってくる。そして、1人の男が口を開き
「牢屋をでて、俺についてこい。」
「ううう・・・私は、これから、変態さん達に犯されるのですね・・・不幸なのです・・・でも、自殺したら、借金が増えるのですよ・・・」
アイは男の言葉に従い、男の後ろをついていく。アイの後ろには二人の男がアイの逃亡を防ぐために一緒に歩いていた。
洞窟の通路を少しの間、歩くと、かがり火に照らされた大きな部屋で、大勢の男達が、酒や肉を食べていた。
(これから陵辱イベントなのですか・・・清純派ヒロインの地位が遠のいていくのですよ・・・)
男達の中から、身長190cmはあろうかという巨漢の男が、アイの目の前まで歩き、アイに話しかける。
「お嬢ちゃん。済まなかったな。」
「ふぇっ?」
巨漢の男の以外な態度に、アイは不思議に思っていた。
「うちのもんが勝手な事をして悪かったな。縄を解くから待ってくれ。」
そういうと、その男は、アイの後ろにいる男達に命令し、アイの縄を解かさせた。
(何が起こっているのですか・・・でも、陵辱されなくて、よさそうなのですよ。)
「俺の名はな、ダガンっていうんだ。ここで山賊団のボスをやっている。よろしくな。お嬢ちゃん。」
「はっはい。よろしくお願いしますなのです!」
突然、自己紹介をされたが、アイはなんとか返事を返すことができた。
「お詫びといってはなんだがな、食事を用意したんだ。食べていってくれ。」
ダガンは、親切そうな笑顔で、アイに話しかけている。アイは、ダガンの様子から、身の安全が確保できたのだと安心し・・・服が欲しい事を告げた。
(ううう・・・男の人達が私の裸を見ているのですよ・・・服がないと安心できないのです。)
「あー、あんたの服なんだがな・・・安物だと思って、現場に放置したままなんだよ。だから、これを履いて我慢してくれ。」
ダガンはそういうと、他の男から、小さな木箱を受け取り、その木箱から・・・青と白の縞々パンティーを取り出した。
(縞々パンティーなのですよ!あの履きこごち感!フィット感を忘れた日はないのです!)
「下着しかないんだ。後で、男物でよかったら、服を用意するんだが・・・」
「それが欲しいのですよ!ありがたいのです!」
アイは、ダガンから縞々パンティーを奪い、綺麗な両足を通して、縞々パンティーを履く。その様子を、周りの男達が凝視していたが、縞々パンティーに夢中で気づいていない。
(この履きごこち感。絹素材の柔らかさ。身体にぴったりのフィット感・・・素晴らしい品なのですよ・・・)
もし、彼女が、この縞々パンティーにアイテム鑑定をかけていたら、これが罠だと気づいただろう。この縞々パンティーにアイテム鑑定を使えば、このような文字が表示される。
呪いの縞々パンティー
着用した女性は、着用した瞬間に、目の前にいる男に強制的に惚れてしまう。男の命令は何でも聞く愛の奴隷となる。
といっても、気づいていても、取り押さえて、強制的に履かせてしまえばいいだけの話であるので、結果はかわらないのだ。
アイは、目の前にいる男性ダガンを見る。すると
(あれ?ダガンさんの顔を見ると、ドキドキするのですよ・・・)
「ん?俺を見つめてどうしたんだ?」
(まさか、これは・・・恋!?私、初めて、男の人を好きになったのですか!)
「お嬢ちゃん。飯が冷めるから、早く食べたほうがいいぞ・・・・体力をつけないと、後で大変なことになるからな。」
「わっわかりましたのですよ!あの・・・私の名前を聞いてくれませんか?」
アイは、自分が惚れた相手に、自分の名前を知って欲しかった。
「ああ。聞こう。なんていう名前なんだ?」
「アイが私の名前なのですよ!人を愛すると書いて、アイなのです!」
アイは、山賊団のボス ダガンに惚れてしまった。心の底から、惚れてしまったのだった。それが、強制的な物だとしても、これが、彼女の最初の恋だったのである。
あとがき
激しい陵辱やりたいなーアイの心の中の葛藤を聞きたいなーと考えたら、こんなネタになった。
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