弱者である子供オークが、強敵である親オークに勝つにはどうすればいいのだろうか?まずは、お互いに有利な点、不利な点をあげていきたい。
使用している武器・・・子供オークの武器は竹槍で、親オークは鉄の槍である。竹槍は、日本に生えている竹を斜めに切ったものであるため、先が尖っている。簡単に作れるため、子供オーク全員に行き渡っている主要武器だ。竹の中身は空洞であるため、重量が軽い所も素晴らしい。
それに対して鉄槍は、非常に丈夫であり、鉄製の棍として運用している親オークには、最適の武器だ。質の面では竹槍に完全に勝っている。妖怪同士での殺し合いでは、竹槍の殺傷力は低すぎる上に、鈍器として使おうにも脆いので、武器の面では親オークが有利だと見てもいいだろう。
戦場の地形・・・数の利を完全に壊される細長い通路である。集団でかからなければ、容易く確固撃破される子供オーク達には、鬼門といってもいい。親オーク達は深追いをしないので、子供オーク達は不利な地形で戦わないといけない。
大多数の子供オークが行方不明になることを覚悟で、他の通路を探せば、有利な地形で戦える可能性がある。
集団としての錬度・・・長年、親オーク達は、自分の子供達を皆殺しにして、保存食にするために、相当の訓練を積んでいて、連携訓練も万全である。錬度は、完全に負けている。
個人としての強さ・・・圧倒的なレベル差による理不尽な強さ。個人としても完全に負けている。
補給・・・巫女さんを犯せば、妖力回復、お腹満腹状態になるため、篭城している親オーク達が圧倒的に有利である。
地形、武器、集団の錬度、個人の強さ、補給、全てに置いて負けている子供オーク達に残された最後の手段は、知恵を振り絞って、逆転できるような作戦を考えるしかない。
だが、生まれてから1年も経過していない子供オーク達に、堅実な作戦とかを立案できる訳がない。そのため、彼らが考案する策は、閃きに頼った奇策か、無謀な作戦になる。
第8話 「三つ巴の戦いA〜無謀すぎる作戦〜」
9匹の子供オークが、長の部屋へと繋ぐ通路に近い部屋で、会議を行っている。この9匹は、子供オークの集団でのリーダー的な存在であり、自らの事をオーク10賢者と自称している。10賢者なのに一人足りないのは、無謀な突撃を何度も繰り返して失敗してしまったために、他の子供オーク達の怒りを逸らすための生贄にされたのである。
ここは陵辱エロゲー世界。陵辱する側の絆は、強くて儚くて脆いのだ。
9匹となってしまった彼らは、どのように巫女さんを奪うか、親オーク達を倒すかを議論している。だが、次々と議論されて提案される案が
『群れ一番の投石の名手であるヤヨ様に任せるんだぜ!一撃離脱戦法を見せてやるんだぜ!』
『200匹の部隊を率いて、長オークの部屋へと繋がる新しい通路を探し、そこから奇襲攻撃をかける!』
『ウンコでも投げればいいんじゃね?』
『味方の死体を盾にして、接近するのはどうだろうか?』
『巫女さん諦めて、他の女を犯そうぜ・・・』
積極的なのやら、消極的なのやら、提案を纏める立場のものがいないため、会議は混乱をきたしたのだ。
誰かの案に賛成しても、それが失敗すれば、この会議での立場が低くなるから、他者の提案に賛成もできず、その結果・・・提案者が、提案した作戦を実行することに決まったのである。
失敗すれば、提案者が責任をとることになるが、逆に成功すれば、群れの支配権争いで大きくリードすることになる・・・というより、巫女さんを優先的に犯せる権力が欲しいだけである。
そのため、それぞれの提案の責任者になった子供オーク達は、巫女さんを優先的に犯せる未来を信じて、自らの戦場へと向かうのだった。
『巫女さんを独占する外道は死ぬんだぜ!』
最初の一番手は、群れ一番の投石の名手である子供オークのヤヨである。遠心力を利用した紐状の投石器スリングを使って、投げた石を標的に命中させる狩りの名人さんだ。
ヤヨが使っているスリングは、石を載せやすいように作られた割れ目がある小さな板の両端に、獣の皮で作った紐を繋げ、紐の部分を振り回す事で、十分なエネルギーをのせた投石を可能にした道具である。普段から、狩りに使っているため、ヤヨにとって、最も信頼できる武器なのだ。
ヤホは、自信満々の笑みを浮かべながら、通路の遥か先にいる親オークを倒すために、使い慣れたスリングの紐を片手で持ち、木の板の部分に石を載せ、スリングを回転させながら、走り出す。スリングの有効射程距離まで走って、必殺の一撃を叩き込むためだ。
そして、一撃を叩き込んた後は、竹槍を装備して待ち構えている味方がいる後方まで急いで逃げて、追いかけてこなかったら再度攻撃をかけて、敵を削る一撃離脱戦法の考案者でもある。
『親は、子供のために死ぬんだぜ!そして、巫女さんを抱か』
『ふん!』
親オークが、片手に持っている石を、勢いよくヤヨに向けて投げ、ヤヨの頭に風穴を開ける。
妖怪の最大の弱点である頭をやられたことによって、ヤヨは即死し、頭から大量の血を出血させて、地面へと倒れる。痛みがない最後だったことが、彼の唯一の救いだ。
ヤヨの失策を上げるとするならば、子供オークと親オークとの間に広がる絶望的なほどに開きがある力の差である。力があれば、単純に石を投げるだけでも、十分な脅威になるのである。それに、妖術による遠距離攻撃をされれば、声を上げて近づく前に、ヤヨは死んでいたのだ。妖力の無駄遣いをしたくないという親オーク達による配慮の結果が、投石によるヤヨの即死という結末に繋がったのだ。
『他の通路から奇襲攻撃をかけるぞ!俺についてこい!』
『『『わかったんだぜ!ウガを信じるんだぜ!』』』
二番手は、長の部屋へと繋がる別の通路を発見し、そこから集団で奇襲攻撃をかけるという提案をしたウガという名前の子供オークさんである。そして、ヤヨよりも利発そうな豚面を見せている。
彼は200匹の子供オークの集団を率いて、未探索区域へと、足を進め・・・集団全員を、一度迷えば、脱け出す事ができないような迷宮構造を持つ洞窟で迷わせたのだった。
『こご!どこなのぉおおおおおおおおお!!!?!?!』
『リーダーのせいだろおおおおお!!!?!何やってんの!!!』
『こんな奴を信頼した俺が間違いだったんだぜ!』
ウガと子供オークの集団が叫ぶ。道に迷ってしまった事で、来た道を戻る事もできず、持参した水と食料も尽き、餓死するのも時間の問題となっている。
そして、水と食料がないのなら、共食いで解決するのが、妖怪さんの伝統だ。
『『『『役立たずはじねええええ!!!!』』』』』
『やべでえええ!!!ごろざないでええ!!!!』
集団の怒りの矛先は、ウガに向けられた。飢えた子供オーク達は、ウガの血と肉で飢えを満たし、リーダーを殺した事で統制を取れなくなった彼らは、共食いを経験した事で、相手が自分を殺して食べるかもしれないという疑心暗鬼に陥って、壮絶な殺し合いを始め、一匹もオークの巣へと戻る事はなかった。
ウガの失策を上げるとするならば、迷宮構造の洞窟を舐めていた事と、自分達が通ってきた道がわかるように目印をつけなかったことだ。妖怪も人と同じで失敗は学習できるのだが、それは、失敗した経験を持って生きて帰ることができたらの話である。
『俺のウンコをぐら』
『うわ!汚ぇ!』
『いでぇ・・・・・ブハッ!』
3番手のボガンザ君は、自分の排泄物であるウンコを手に持って、親オークに近づこうとしたのだが、親オークの投石で胸に風穴を開けられ、胸から大量の血を出血させ、口からも血を吐いて苦しみながら死亡した。
ボガンザの失策は、ヤヨが失敗するところを見なかった。それだけである。見ても学習しないかもしれない。
『ははははは!ヤヨとボガンザは失敗した!だが、我らには死んだ同胞という盾がある!親の攻撃にも恐れず、前に進み、竹槍で串刺しをするのだ!』
『頼れるリーダーなんだぜ!信頼できるんだぜ!』
『ユッグリなら安心できるんだぜ!』
4番手は、ユッグリという子供オークさんだ。彼は、前列部隊の子供オーク達に、味方の死体を持たせて盾とし、親オークに近づいたら、死体を親オークに向けて投げるという役割を持たせ、死体を投げた後は、後列にいる子供オーク達から竹槍を受け取って、親オークを串刺しにするという作戦を、集団に伝達している。
そして、彼本人も、最前列で、子供オークの死体を両手で担いでいる。指揮する本人も危険地帯にいないと、訓練されていない集団は動いてくれないのだ。
『いくぞ!突撃だぁあああ!!!』
ユッグリは、前列部隊とともに、ゆっくりと前進していく。死体が重くて、ゆっくりとしか前進できないのだ。だが、親オーク達が呆れた目で彼らを見ていたために、細長い通路の半分まで進む事に成功したのだが
『後少しだあぁあああ!!!頑張れえええええ!!!!ユゲェッ!』
『『『『りぃだぁあがああああああ!!!負けちゃったあああああ!!!!』』』』
鉄の槍を構えながら走ってきた親オークによって、渾身の力を篭められた槍の柄が、ユッグリを持っている死体ごと吹き飛ばす。そして、吹き飛ばされたユッグリは、後列を巻き込んで、地面へと転がり
『やべろおおおお!!おでざまをふむなああああ!!ユガァッ!ユビィッ!』
リーダーが敗北する所を見た子供オークの集団が、我さきにと逃げ始めた事によって、集団に踏み潰されて圧死したのである。
ユッグリの失策を上げるとするならば、死体は重くて、持って運ぶのに向いていないということである。盾は、持ち運びが不便だと、拠点防御ぐらいにしか使用できないのだ。
無謀な集団突撃という名前の波状攻撃による失敗を入れると、計5回の失敗を重ねた4匹となったオーク10賢者は、失敗から学んで、議論に議論を重ねていた。数が1匹足りないのは、親オークに反抗するのが怖くなって、女達を陵辱する大部屋の一つに、子供のオークの集団の一部を率いて、引き篭もったからである。
『どうすればいいんだよ!このままじゃ、不満を持った仲間達に殺されるぞ!』
このオーバーなリアクションで慌てている子供オークさんの名前は、ウレギという。10賢者の中でも、消極的なお方であり、自分の意見を持たない妖怪さんである。
『次で成功しなければ・・・恐らく、俺達は全員殺されるな。だが、次を成功させれば、いいだけだ。』
冷静に現在の状況を判断している雰囲気を醸しだしている子供オークのさんの名前は、ユウギという。10賢者の中で、最も賢者らしい素振りを見せる妖怪さんである。
『でもよ!失敗したら、嬲り殺しにされるぞ!最初の突撃の責任を取らせて、生贄にしたパアフンを見ただろ!?』
バアフンとは、最初の無謀な突撃による波状攻撃の失敗の責任を取らされた子供オークさんである。彼が作戦を提案した訳ではないのだが、オーク10賢者で一番立場が低かったために、生贄にされたのだ。
彼は、怒り狂った子供オークの集団によって、竹槍でプスプス刑が執行され、全身を竹槍で刺される痛みで苦しみながら、オーク十賢者の事を呪って死んだのである。
バアフンの死に様を見ている4匹は、あの悲惨すぎる光景が自分達にもやってくる事を想像して身震いする。だが、この状況から逃げる事は、将来の破滅を意味をしているため、逃げることはできない。そして、オーク10賢者の一匹が、右手を挙げて、新しい提案をした。
『・・・皆。俺に秘策があるんだが、作戦を成功させるように協力してくれねぇか?』
新しい提案をする子供オークさんの名前はゴウメイという。10賢者の中でも、一番頭がいいと思われる妖怪さんだ。
一番頼りになれるゴウメイが、秘策があるといったことで、3匹のオーク10賢者は、ゴウメイへと注意を向ける。そして、ゴウメイの口から話される作戦案は、あまりにも斬新すぎて、失敗しても子供オークの集団の被害は最小限に抑えられる素晴らしい案だった。
戦いには役に立たないと思っていたものが、強靭な親オークを倒すための必殺の武器へと変わるのである。この発想の転換に、彼らは驚いたのだ。
そして、信頼できる作戦案をだしたゴウメイに尊敬の念を3匹は抱き、ゴウメイの作戦に協力する旨を伝えたのである。
少ししか生きていないことによる経験のなさによって、無謀な作戦は多数生まれたが、その失敗の経験は、ゴウメイの糧となり、新しい作戦を生み出す事に繋がるのだ。若さとは、頭が柔軟という意味であり、豊富な経験を積んだ親にも想像できない作戦を考えて実行できるのが、若者の強みなのである。
「なんや、この洞窟・・・迷宮みたいやんか。妖怪とも遭遇せぇへんし。どないしよ・・・」
子供オーク達が、無謀な作戦で次々死んでいった頃、青と白の縞々パンティーを被っている前衛巫女さんのイブキは、洞窟の中を迷っていた。迷った原因は、縞々パンティーでは、大体の方角しか分らないため、真っ直ぐ向かうことができない迷宮構造の洞窟では、迷ってしまうのである。アイの元に迷いながら近づいているのは確かだが、イブキがアイと合流するには、まだまだ時間がかかるだろうと思われる。
洞窟の中は真っ暗闇だが、体内にある霊力を消費することで、自身が明りとなるため、洞窟の中でも行動できるのだ。それが不幸中の幸いである。
「迷わんように目印せぇへんとな。ほりゃっ!」
時折、壁に自分が来た方向がわかる目印を大太刀で刻んでは、洞窟の奥へと進んでいく。そして、アイが今どのような事になっているのかを妄想した。
「アイちゃん・・・どんな風に犯されとるやろうな。やっぱり、腹ボコプレイやろか?」
妄想しながら歩いているが、洞窟に目印をつけたり、足取りはしっかりとしたものである。ヘッポコ後衛巫女であるアイとは違い、たくさんの経験を積んでいるからだ。
「そんで、赤ん坊を出産しながら、犯されて・・・興奮してきたわ。でも、救助される目処がないのに、妖怪に陵辱されたら、10年100年単位で犯されるやろな・・・」
さすがにエッチ大好きのビッチヒロインであるイブキでも、超長時間の陵辱は嫌なのである。
「京都のフグ料理、アイス、ケーキ、饅頭食べたいしな・・・エッチよりも、食事のほうが好きやから、今回犯されるのはやめへんとあかんわ。」
意外なことに、イブキは、性欲よりも食欲のほうが欲求として高いのである。もし、ここで性欲を優先していたら、100年ほどアイと一緒に仲良く犯されるという道を選んだかもしれない。
経験豊富で集団戦でも強さを見せる親オーク。経験は足りないが、突飛な発想と膨大な物量がある子供オーク。単体戦力では、この中では最強である前衛巫女イブキ。
最終的に、この3勢力の誰が勝利するにせよ。この迷宮構造を持つ洞窟での戦いは、醜くて、悲惨なものになることは間違いなかった。
なぜならば、ここは陵辱エロゲー世界。陵辱する側には、陵辱される側以上の冷酷さを、時には見せる残酷な世界なのだから。
あとがき
ヒャッハー!次で大量に殺してやんよ!
余談ですが、オリジナル版の鬼畜装甲キルボーグが完結しましたね。キルボーグの力押しの展開と周りのキャラのノリが好きな作品でした。
1年前に読み始めたと思ったら、あっとうまに1年間が経過している事に気づくと、寂寥感を感じますね・・・。