わたしの黒騎士様
エピソード6・4
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足を使って包囲をかわし、一撃を見舞って距離を置く。
そんな戦法で粘ったけど、次第に体が重くなってきた。
悔しい。
力の足りない自分を、これほど口惜しく思ったことはない。
でも、弱音は吐けない。
ここで諦めたら、ナタリーさんや子供達が危険に晒される。
「お兄ちゃん!」
「だめよ、ケイ! 出てはいけない!」
二人の声を耳が捉えた。
意識が逸れる。
だめ、出てきては……。
家の方を振り返った瞬間、右腕に鎖が巻き付いていた。
しまった!
「うあぁっ!」
鎖が腕に食い込み、締め上げてくる。
苦痛で顔が歪んだ。
「やっと捕まえたぜ。手間かけさせてくれたな」
わたしを捕まえた鎖は、殺し屋の一人が持っていた変な武器のものだった。
地面の上に引き倒されて、動けないように背中を踏まれた。
「よくやった。さあ、ガキ共を家から引きずり出して馬車に乗せるんだ」
バクターの命じる声と、男達の足音が聞こえ、ナタリーさんの叫び声が上がった。
「やめて、子供達には手を出さないで!」
「うるさい、どけ!」
「きゃあっ!」
ぱんっと頬を叩く音と共に、人が倒れこむ気配がした。
「ナタリーに何するんだよ!」
「こっちに来るな!」
子供達が怯えながらも抵抗している。
助けなくちゃ。
鎖に捕らわれて動かない腕も、足一本で押さえ込まれている体にも、もどかしくて怒りしか浮かばない。
強くなりたいって、この時ほど強く願ったことはなかった。
馬の嘶きが遠くで聞こえた。
地面を駆ける地響きも。
これは何?
幻聴じゃない。
幾つも重なって聞こえてくる。
「時間がねぇと言っただろうが、お前ら早くガキ共を積み込め! 朝になる前に、王都を出なくちゃならねぇんだ!」
「離せよ! ちくしょう!」
「お姉ちゃーん!」
男が仲間を急かす声と、子供達の悲鳴が交互に響く。
「さて、お前も一緒に来てもらおうか」
わたしの上から声が降ってきた。
背中を押さえ込んでいた重みが消えると同時にわき腹を蹴られた。
「ぐうっ」
鈍い痛みが襲ってくる。
右腕は鎖に捕まったままだ。
横たわって呻くわたしを、鎖の先にいる男が残虐な笑みを浮かべて見つめていた。
その笑みが、次第にひきつったものに変わる。
うっすらと見えていたはずの視界が闇で閉ざされた。
正確には闇ではない。
黒い影がわたしと男の間に割り込んできたんだ。
わたしと男を繋いでいた鎖が、黒い鎧に覆われた足によって粉々に踏み砕かれる。
持ち主の意思を通さなくなった鎖は緩み、簡単に腕から外れた。
痺れて動かない腕を庇いながら身を起こす。
ゆっくりと見上げて、その後姿を確認した。
胸には安堵と喜びが湧く。
来てくれたんだ。
顔が見えなくても、誰かなんて、確かめなくてもわかる。
「レオン」
わたしは彼の名を呼んだ。
振り向いた彼は、険しい表情を少しだけ緩めて、笑いかけてくれた。
「後は任せろ。お前はそこで見ていればいい」
「うん」
わたしが頷くと、レオンの登場で止まっていた空気が再び動き出した。
「ちっ、黒騎士か! だが、相手は一人! 四人でかかれば……」
「よっぽど慌てているんだね。残念だけど、君達はもう包囲されてるよ」
孤児院の建物の影から、白い鎧を身につけた騎士が現れる。
アーサー様だ。
馬車の周囲にも、白と黒の騎士の姿がたくさん見えた。
「な、なぜ、ここが……。手がまわるにしても早すぎるじゃねぇか! 内通者がいやがったのか!?」
バクターが狼狽して喚いた。
その問いに答えたのは、新たに現れた白騎士だった。
「てめぇのようなクソ野郎の考えることなんざ、お見通しだ。逃げるにしても、一度目をつけた獲物は残さず掻っ攫っていくだろうってな。てめぇの誤算は、ここでオレと一度でも顔を合わせたことだ。こう見えても記憶力だけはいいんでな、気にくわねぇ野郎でも顔と名前は一発で覚えちまう」
この柄の悪いしゃべり方はオスカー様だ。
でも、あれ?
それならどうしてわたしの名前は覚えてなかったの?
釈然としなかったけど、今はそんなこと気にしている場合じゃない。
わたしはおとなしく成り行きを見守った。
「オスカー、助けて!」
「お兄ちゃん!」
子供達も彼に気づいて、助けを求めた。
「おう、もう少しだけ我慢しろ。すぐに一人残らずぶっ飛ばして終わらせるからよ」
オスカー様の力強い言葉に、子供達の顔が輝いた。
彼らは揺るぎない信頼で結ばれている。
「終わるのは貴様らの方だ! 騎士だ何だと大層に持て囃されても所詮は平和ボケした国の兵隊だ! 裏の世界で名の知れたお前達の敵じゃねぇ、やっちまえ!」
往生際悪く、彼らは抵抗する気だ。
バクターの命令で四人の殺し屋が動く。
「そりゃあっ!」
鎖使いの男が、レオンに向けて鎖を投げつける。
わたしの時と同じく、鎖がレオンの右腕を捕らえた。
危ない!
「はははっ、これで動けまい!」
男は勝ち誇って笑ったが、レオンは眉一つ動かさなかった。
無言のまま左手で鎖を掴み、力任せに引きちぎる。
そして逆に鎖を掴み、腕を大きく振って相手を引き寄せた。
「うおっ!」
引っ張られた男が飛んでくると、間髪入れず、右拳で顔面に一撃入れる。
骨を砕かんばかりの一撃を食らい、すっかり人相の変わった男は白目を剥いて地面に崩れ落ちた。
「これで名の知れた使い手なのか? 裏の世界も底が浅いな」
レオンは気を失った男を足で無造作に蹴り転がした。
彼は静かに怒っていた。
その怒りに、男がわたしを足蹴にしていたことが含まれていると感じたのは、思い違いではないだろう。
「くそ! こんなところで捕まってたまるか!」
「死ねぇ!」
仲間のあっけない敗北を見るなり、他の三人が一斉に武器を構えた。
二本の剣を抜いて突進してきた男に相対したのはアーサー様だ。
彼は同時に振り下ろされた剣を、刀身で受け止め、鮮やかに上へと払った。
そして、間を置くことなく懐に入り込み、肘で胸元を打つ。
「がはぁ!」
肺を直撃され、倒れかけたところに止めとばかりに、後頭部への回し蹴り。
男は勢い良く地面に叩きつけられ、泡を吹いて沈黙した。
アーサー様も優しい顔して容赦がないな。
残りの斧を持った男と大剣の男も、ほぼ同時にレオンとオスカー様の手によって沈められていた。
捕縛のためか、三人とも主な攻撃は体術によるものだ。
剣を使うまでもなく、彼らは敵を圧倒した。
これが一級騎士の実力……。
「ま、待て、貴様ら! この女がどうなってもいいのか!?」
最後に残ったバクターが、ナタリーさんを捕らえて首にナイフを当てていた。
人質を取るなんてどこまで卑怯なんだ。
動きの止まったわたし達を見回し、バクターは要求を口にした。
「馬車にガキ共を乗せて離れろ。さもなきゃ、今この場でこいつの喉を掻き切ってやるぜ」
ナタリーさんの白い喉に今にも食い込みそうなほどナイフが近づけられる。
戸惑っていた子供達だが、それを見て馬車に向かって歩き始めた。
「行ってはだめ! その必要はないわ、あなた達の家はここなのよ!」
声を上げたのはナタリーさんだ。
「何言ってやがる! 命が惜しくないのか!」
苛立った口調でバクターが彼女を怒鳴りつける。
ナタリーさんは毅然と男を睨み返し、ナイフを持つ手を掴んだ。
「殺せばいい! ここにいる子供達は誰一人として役立たずなんかじゃない、私の命より大事な宝物よ! あの子達のためなら、この身がどうなろうと構わない! あなたの思い通りにはさせない!」
彼女は本気だ。
バクターは一瞬怯んだが、怒気を顔に滲ませると、ナイフを振り上げた。
「だったら殺してやる! どうせ破滅するなら、お前も道連れにしてやる!」
だめだ、間に合わない。
「ナタリー、動くな!」
鋭く放たれた声と共に、瞬きする間もなく、オスカー様が二人の眼前に移動していた。
その動きは、野生に生きる獣が獲物を捕らえる瞬間と同じだった。
ナイフを振り上げていた腕は押さえ込まれ、バクターの瞳は驚愕で見開いている。
「地獄には、てめぇ一人で逝け!」
オスカー様の拳がバクターの腹にめり込んだ。
掴んだ腕ごと、男の体を地面に打ち付ける。
あれは骨までいったかも。
バクターは血を吐いて、ぴくぴくと痙攣を起こしていた。
オスカー様、本気で殺す気だったんじゃ……。
解放されたナタリーさんが、膝を折って座り込んだ。
子供達が彼女に駆け寄り、抱きついていく。
「お姉ちゃん、お姉ちゃんー!」
「うわああんっ、怖かったよぉ!」
助かった安堵から、子供達は泣き出した。
ナタリーさんは彼らをしっかりと抱きしめて、目に涙を浮かべていた。
バクターを頭とする男達は人身売買の仲介をする犯罪組織の者で、最近になって王都に流れてきたそうだ。
ナタリーさんに近づいたのも、彼女自身に目をつけたこともあるが、本来は子供達を狙ってのこと。
孤児院を隠れ蓑に、迎え入れた子供達を里子に出す振りをして、人買いに売るシステムを考えていたらしい。
ただ彼らは新参者だったゆえに、王都に潜む古参の闇組織からは疎ましがられており、そのために騎士団に様々な情報が流され、近く摘発されるところだった。
バクターは捜査の手が自分に及んでいることに気づいて、王都から逃げ出す途中に孤児院を襲ったんだ。
手ぶらで立ち去るわけにはいかないと、欲に駆られて。
騎士団は情報を元に割り出したアジトを連日警戒していたが、今日の夕刻に急に動き出し、このような捕り物劇が繰り広げられたというわけだ。
王都に張り巡らされた包囲網で、一味は頭目以下、一網打尽となった。
子供達が落ち着くまでの間、わたしはそれらの経緯をレオンから説明された。
「よく頑張ったな。キャロルが時間を稼いでくれたから間に合ったんだ」
レオンはわたしの傷を診ながら、労わってくれた。
少しでも役に立てた?
悔しかった気持ちが、少しだけ晴れる。
「偶然に居合わせたとしても、手柄は手柄だ。ケガの見舞い代わりに、特別手当つけといてやるよ」
オスカー様がそう言ってわたしの肩を軽く叩いた。
あ、そうだ。
ナタリーさんと、ちゃんと話し合ってもらわないと。
「オスカー様、ナタリーさんと本音で話し合ってください。二人とも、お互いのことが好きなんでしょう? ナタリーさんも黙っていては伝わりませんよ」
わたしはオスカー様とナタリーさんに声をかけた。
オスカー様は顔をしかめ、子供達が二人を交互に見て、不安そうな顔をしている。
ナタリーさんは俯いて、首を横に振った。
「キャロルさん、それは違います。前にも言ったでしょう、オスカーは私を愛してはいない。これ以上、彼を同情で縛り付けることには耐えられないんです」
オスカー様は怪訝な面持ちで、ナタリーさんに向き直った。
「同情? 何のことだ。オレがいつ、そんなことを言った」
「言ってはいない。でも、私は見たのよ。あなたが綺麗な女性と仲良く腕を組んで街を歩いているところを。年も同じぐらいで、とてもお似合いだったわ。私なんかよりずっと……」
思い出しているのか、ナタリーさんは口元を押さえて嗚咽を堪えた。
わたし達は白い目をオスカー様に向ける。
信じられない!
あれだけ思わせぶりな態度をとっておいて、二股をかけていただなんて!
「ちょっと待て、オレにはまったく覚えがねぇぞ。オレが女と腕を組んでただぁ? 見間違いじゃねぇのか? いつのことだよ」
「私があなたを見間違うはずがないでしょう。あなたが騎士団に入ってすぐの頃よ。相手の人の顔ははっきり覚えていないけど、プラチナブロンドの長い髪の人だった。親しげにあなたの名前を呼んで、腕を絡めて寄り添って歩いていたわ」
ナタリーさんの話を聞いて、オスカー様は何かに思い当たったようだ。
彼はなぜかアーサー様を手招きして呼んだ。
アーサー様が首を傾げつつ、近寄っていく。
「どうしたの?」
「とりあえず、一発殴らせろ」
言うが早いか、ごつんと拳がアーサー様の頭を直撃する。
アーサー様は頭を押さえて、涙目になっていた。
「いきなり殴るなんて、ひどいじゃないか。私は何もしてないのに」
「してるだろうがよ! お前のせいで、こっちは大迷惑だ! ナタリーが見たその女ってのは、てめぇのことだろうが!」
わたしを始め、全員が驚愕する。
確かにアーサー様もプラチナブロンドの長髪だけど、ナタリーさんは綺麗な女の人だって……。
「従騎士の頃のアーサーは、女と間違えてもおかしくねぇ容姿だったんだよ。体も細くて小さかったしな。おまけに寮は同室で、運命の出会いがどうこう言ってベタベタくっついてきやがるし、いちいち追っ払うのも面倒だから腕組むぐらいなら好きにさせてたんだよ。さすがにそれ以上になると、容赦なくぶっ飛ばしてたがな」
オスカー様はため息をつきながら説明した。
「ねえ、レオン。それって本当?」
レオンに確認を求めると、彼は複雑そうな顔をして頷いた。
アーサー様、あなたって人は……。
アーサー様も痛む頭を擦りながら、記憶を辿っている様子だ。
彼は「ああ」と呟いて、笑顔になった。
「そういえば従騎士の頃、何度か二人で街にお使いに行かされたよね。デートだって喜んで腕組んで、頬にキスしたら、問答無用で川に投げ込まれたりもしたっけ」
アーサー様は懐かしいと言って、とんでもない思い出を語った。
オスカー様も苦労してたんですね。
「じゃ、じゃあ、あれは誤解だったの? 本当にわたしだけだったの?」
真実を知って呆然としていたナタリーさんは、まだ半信半疑の面持ちで疑いを口にする。
オスカー様はそんな彼女を怒鳴りつけた。
「当たり前だろうが! 大体、稼いだ金の大半をあんたに貢いで、休みには必ず帰っていたこのオレのどこに、他の女を囲う余裕があるってんだ!? 少しは頭を使え、このバカ!」
「うぅ……。だって、私はあなたよりずっと年上だし、一言も愛してると言ってくれたこともなくて、その上にあんな誤解までしてたから、愛されてる自信が全然持てなかったのよぉ……」
子供達を守るために毅然と自分を殺せとまで言った彼女が、一転して弱々しくなり、しくしくと泣いている。
どうやらナタリーさんは、自分のことになると極端に控えめになってしまうようだ。
「オスカー、ナタリーを泣かすなよ」
「そうだよ、お兄ちゃん。バカって言っちゃダメ」
「お姉ちゃん、泣かないで」
さらに子供達がナタリーさんの味方についた。
「お、お前らなぁ……」
子供達に責められて、オスカー様が困っている。
何だかちょっと、オスカー様に同情の念が湧いてきた。
わたしのケガは軽い打撲で済んだ。
修練は二日ほど休んだけど、雑用や日常生活には支障はなく、痣もいずれは消えるだろうということだった。
ちなみに医務室に勤めているお医者さんには性別のことはバレていた。
体を診てもらうのだから仕方がなく、向こうもわたしの事情を考慮して、他言しないと約束してくれた。
わたしが女だってことは、レオンの他にはグレン様が知っている。
これは意外だったけど、わかる人にはわかるみたい。
グレン様からは、団長にだけはバレないように注意しなさいと忠告を受けた。
女性が騎士を目指すことを、あの人は決して認めようとはしないだろうからだ。
あれから三日後。
孤児院の子供達がわたしを訪ねて来た。
ケイは心配そうに、わたしの右腕に触れた。
「お兄ちゃん、もう痛くないの?」
「うん、大したケガじゃないからね。心配しなくてもすぐ治るって」
しゃがみ込んで、ケイと目線を合わせる。
安心させようと笑いかけると、彼女もにっこり笑った。
騎士団の門前で会った時も、似たようなことしたな。
思い出して、微笑ましい気持ちになる。
わたしって子供好きなのかも。
「オスカー様とナタリーさんはどうしているの? 仲良くしてた?」
わたしが尋ねると、みんなは顔を見合わせて、はしゃぎ出した。
「うん、すごく仲良し!」
「結婚するんだって」
「今ね、結婚式の準備してるの!」
驚いた。
そんな所まで話が進んでいたんだ。
元々、夫婦も同然の関係だったから、式はケジメということらしい。
すれ違いもなくなって、これで幸せになれるよね。
他人事ながら、わたしも嬉しくなってきた。
「お姉ちゃん達の結婚式は礼拝堂でするんだって。今からウエディングドレス作ってもらうの。お店に置いてあったドレス、すごく綺麗だったよ」
ケイはドレスの注文についていって、花嫁に憧れを抱いたようだ。
ふふ、かわいい。
「あのね、お兄ちゃん」
「ん、何?」
ケイに呼ばれて返事をする。
すると彼女はわたしの首に抱きついて、頬にキスをした。
「あたし、キャロルお兄ちゃんのこと大好き。大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになりたい」
ケイは無邪気に愛の告白をしてきた。
嬉しいけど、それは無理だよ。
困ってしまって、曖昧に笑い、彼女の頭を撫でた。
子供達は元気に手を振って帰っていった。
門まで見送りに出て行って、さあ戻ろうと踵を返すと、目の前にレオンが立っていた。
飛び上がるほどびっくりした。
「わっ、どうしたの? いたんなら、声をかけてよ」
「キャロル、今ここで誓ってくれ。お前はオレと結婚するんだよな?」
ど、どうしちゃったのレオン?
すごく切羽詰った声で懇願されて、思わず頷く。
「誓うも何もそのつもりだけど、レオンが納得するなら誓うよ。わたしが伴侶に選ぶのは、あなただけです。神に誓って、約束を違えることはありません」
「キャロルはオレが幸せにする。だから、他のヤツの花嫁にはならないでくれ、花婿もだめだぞ」
花婿って……。
まさか、ケイにまでヤキモチを焼いてるの?
レオンはケイがしたのとは逆の頬にキスをした。
わたしの体をしっかりと腕の中に抱え込んで。
心配しなくても、わたしの瞳に映っているのはあなただけなのにね。
今回は誤解させるようなことがたくさんあったし、仕方ないか。
苦笑して、彼の不安を消し去るために、わたしも誓いのキスをお返しにしてあげた。
END
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