お嬢様のわんこ

第一章・お嬢様と可愛いわんこ・3

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「お嬢様、戻りました」

 今日もクロは無事に帰ってきてくれた。
 一日の成果が詰まった重い革袋を渡される。
 また金貨が数枚混ざっていた。
 すごく強い相手だったのかな。

「ご苦労様、お風呂は洗っておいたから、さっそく入りましょうね」

 汚れたマントや衣服を脱がせて、洗い物を洗濯カゴに放り込む。
 浴槽のお湯はクロが魔法で出してくれる。
 クロは冒険者の活動をする傍ら、魔法も習得していた。
 どこで覚えたのかと聞けば、ギルドで閲覧できる書物で知識を得て、同業者が魔法を使用する所を盗み見ながら練習したそうだ。
 魔法の習得って難しいと聞いたことがあるのだけど、クロは何をやらせてもすぐに覚えたことを思い出して、クロだからかと納得した。
 魔法は自分が持つ魔力を代償に、六種の精霊に力を貸してもらって行使するものだという。
 自然と共に生きる獣の血を引く獣人は精霊に好かれやすく、人族よりも魔法を使える人がたくさんいるそうだ。
 クロは水の精霊に浴槽を満たすほどの水を出してもらい、火の精霊にそれを温めてもらった。
 私は魔法が使えないから、井戸から水を汲んで、火も火打石を使って起こすけど、ちょっとでも魔法が使えたら便利だなとは思った。
 クロに私も覚えたいって言ったら、私には魔力がほとんどないから無理だと返された。
 うすうすそんな気がしていたけど、はっきり言われて落ち込んだ。

 お風呂場は石材の壁と木の屋根で造られていて、陶器でできた置き型の浴槽を備えてある。
 浴槽は一人が寝ころべる長さがあって、幅もゆったりしている。
 洗い場の床に全裸になったクロが胡坐をかいて座った。
 青年になったクロは一般の男性よりも遥かに大きい。
 私と彼では、座って貰わないと頭に手が届かないぐらい身長差がある。
 私も服を脱いで、中に入る。

 浴槽のお湯を少し桶に移して、クロを濡らしてから石鹸で泡立て始めた。
 髪と耳と尻尾のふさふさした黒い毛が濡れて萎んでいく。
 一日外で奮闘していた体は、汗と埃にまみれていて、泡が濁った。
 泡のついた手で、褐色の肌を撫でて傷がないことを確かめる。
 贅肉がなく、盛り上がった筋肉で覆われた体。
 どこもかしこも固い彼の体に比べて、私の体はぷよぷよしたお肉があちこちについていて恥ずかくなる。
 お腹が出ていないのは幸いだけど、特に胸とお尻が成長するごとに大きくなっていくのが悩みの種だった。

 食堂で給仕をしていると、冗談でお尻を触ろうとしたり、胸が大きいことをからかってくる人がいるのも困る。
 夜の給仕を担当している女性達に言わせると、それだけならまだ可愛いもので、夜の酔客は酔っぱらっていることを免罪符に、お尻を鷲掴みにしたり、胸を揉んだり、果ては襲われそうになることもあるという。
 特に私のような体つきの非力な若い娘など、夜の給仕をすればあっという間に不埒者の餌食だと言い聞かされた。
 夜担当の彼女達は、討伐系の冒険者の経験があり、腕に覚えがあるものばかりが雇われていた。
 手を出されても自衛ができる人を夜に、普通の女性は昼にと、適材適所で配置されているのだ。
 ちなみに夜の給仕は面倒事が多いので、その分はしっかり給金に反映されるため、夜担当の女性陣から不満が出ることはない。

 クロの後ろに立って、髪と背中と尻尾を洗い、お湯をかけた。
 次は前、なのだけど、近頃はちょっと躊躇ってしまう。

「お嬢様、どうしました?」
「ううん、次は腕ね」

 腕をとって、泡立てたタオルで撫でるように擦った。
 首の回りや胸も同じようにして洗い、お湯で流す。
 ここで手を止めて深呼吸。

「足を洗うから立って」

 立ち上がると、私の視線はクロのお腹の上ぐらいまでになる。
 ちらっと下に目を向ければ、足の間にある雄の象徴が自己主張をし始めているのがわかった。
 昔はこんなことなかったのに、旅を始めたぐらいから、クロの体が変わってきた。
 変わったのは私もだけど、女性らしいお肉がついたぐらいで、彼ほどの変化はないと思う。
 こうやって固く大きくなるのは生理的なもので、自分ではどうにもできないらしい。
 本来は番と交尾をするための器官だけど、不必要な時でも準備を始めてしまうので、そうなると自らの手で精液を出さないと酷く苦しいことになるとクロは言った。
 クロが苦しむのは嫌だから、足を洗い終えた後、私はそれに手を添える。
 壊れ物を包むように撫でて、熱い昂ぶりを導いていく。

「うっ……」

 クロが苦悶の声を上げた。
 両手で包み込んだ竿の先端を舌で舐めて、口づける。
 手を離して、今度は泡をつけた両胸で挟んだ。
 食堂で飛び交う下品な冗談の中にあった行為。
 試しにやってみたら、クロが気持ちよさそうだったので時々やってあげる。
 それにクロは私の胸が好きみたい。
 以前は頭を撫でてあげるのがご褒美だったのに、この膨らんだ胸を揉んだり舐めたりしたがるようになった。
 ほら、今も……。

「んっ……、お嬢様、今日の、ご褒美を、ください……」
「いいよ、今日も胸がいいの?」
「……はいっ」

 荒い息をつきながら嬉しそうに言われると応えてあげたくなる。
 まだ勃ったままのそれから、胸を離してついていた泡を洗い流した。
 立っている私の後ろから覆いかぶさってきた彼は、胸を手の平で包み込むとゆっくりとした動作で揉み始めた。

「あっ」

 指が胸の先っぽに触れて、思わず声が出た。
 そこに触れられると、びりっと痺れる。
 二本の指で摘ままれて弄られて、また膨らみを揉みしだかれた。
 振り向かされ、正面から胸を掴んだクロは大きく口を開けて、膨らみに吸い付いた。

「ひゃあああんっ」

 唾液交じりの吸い付く音が羞恥心を煽る。
 何度されても慣れなくて大声で悶えてしまう。
 喘いでいる間にも、二つの膨らみは交互に彼の舌と口に翻弄されて、唾液に濡れながらぷるぷると揺れた。

 胸に与えられ続ける刺激が全身を伝わって、下腹部が締め付けられるような快感が襲ってきた。
 性器から愛液が滴り落ちて太腿を濡らす。
 濡れた内腿に硬く昂ぶったままだった肉棒が押し付けられた。
 さらに荒くなった息遣いが、間近で聞こえる。

「お嬢様……っ!」

 切なそうな声で呼ばれて、目の前の体に抱き付いた。
 クロが苦しがってる。
 強いクロが私に助けを求めている。
 守られてばかりでつい忘れそうになる、ご主人様としての矜持が復活した。

「出していいよ、早くいっぱい出すの」

 溜まった精液を出せば楽になるのだからと促す。
 私の声に反応したのか、クロはいっそう息を荒げてついに達した。
 内腿を彼が出した白濁が汚していく。
 しばらくそのままで抱き合っていたけど、クロが落ち着いたので浴槽に入ってのんびりとお湯に浸かった。

 浴槽にはクロが先に入って寝そべり、私はその上に座らされた。
 仕方がないのでクロを背もたれにして仰向けに入る。
 深い浴槽なので、この体勢でも、クロも私もちょうど良い具合にお湯に体を沈められた。
 手が伸びてきて、また胸を触り始めたけど放っておく。

「ねえ、クロ」
「はい」
「明日もちゃんと帰ってきてね」
「はい、必ず」

 クロの腕が私の体に絡みつく。
 こうして体ごと包み込んでもらえている時が一番安心できる。
 できれば、もっと長くこの生活が続けばいいのにな。
 いつまでもこのままではいられないことは理解していたけど、見たくない現実から目を背けた。

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