お嬢様のわんこ

第二章・わんこ、お嬢様への愛を叫ぶ・9

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 家を建て、落ち着いた生活を始めてから一年が過ぎた。
 お嬢様はますます綺麗で可愛くなった。
 体もすっかり大人びてしまい、一緒にお風呂に入ると自身の欲望が隠せなくなってきて困った。
 お嬢様には生理的なものだと説明したものの、こうなってしまうととうとう入浴も別になってしまうかと悲しくなってしまった。
 しかし、それからもお嬢様は拒むことなく俺をお風呂で洗ってくれた。
 大振りの果実のような瑞々しい双乳と、張りのあるむっちりしたお尻を目にすると、我慢できずに股間が熱く反応する。
 怒られると青くなったが、予想に反してお嬢様は心配そうな顔で俺の前にしゃがみこんだ。

「出さないと苦しいのでしょう? 手伝ってあげる」

 お嬢様は俺の昂ぶった肉棒を恐る恐る触り、両手で包み込むようにして上下に擦り始めた。

「えっと、舐めたりするのだったかしら? 食堂のお客さん達が言っていたのよ」

 その上、舌で先っぽの方をぺろぺろと舐められる。
 かと思えば口に含み、ちゅぱちゅぱ音を立てて吸い上げたりされた。
 うああああああっ!
 お嬢様が俺の息子を握ってしゃぶってるうう!
 自分で処理するのよりも、何倍も気持ち良い!

 お嬢様に卑猥な言葉を聞かせたのは許せんが、この快楽の前では怒りよりも喜びが勝った。
 食堂のお客さんよ、感謝する。
 だが、お嬢様に手を出そうとするなら、その命はないと思え。

 たどたどしい愛撫だったが、お嬢様に翻弄されるその光景が俺には刺激が強すぎた。
 あっという間に興奮が高まり、息子は白濁を吐き出して、お嬢様を汚す。

「きゃあっ」
「うわあああっ! 申し訳ございません、お嬢様!」

 俺の精液がお嬢様の顔や胸、太腿などに飛び散っている。
 口では謝りながらも、征服欲を満たされて、俺の興奮はまだ冷めない。

「大丈夫よ、洗い流せばいいもの。今度はクロが私を洗う番よ」

 お嬢様、これはご褒美でしょうか、それとも試練でしょうか。
 体を洗うついでに、あちらこちらを触りまくりながら、それでも最後までできない無念さに俺は涙を呑んだ。




 それからも穏やかな日々が続いた。
 お嬢様はいつも俺が無事に帰ってくるか心配しているけど、経験を積み、魔法も覚えた俺にとって、魔獣を狩ることはさほど危険な行為ではない。
 王国の連中も、常に二、三人は誰かしらついてくるし、爺さんは過剰なまでに守ろうとしてくる。
 パトリスは博識で、魔法以外にも色んな事を教えてくれる。
 だけど、世界情勢とか国の内情とか別に知らなくてもいいことまで教えこもうとしてくるので油断がならない。俺の好奇心につけこんで、王子に必要な知識も入れようとしているのが丸わかりなんだよ。
 鬱陶しいと思いながらも追い払わないのは、何だかんだ言ってもこいつらを気に入っているからだ。
 一緒に月日を過ごすうちに情も湧いてきて、俺が王子だと公表しないでくれるなら、一度ぐらい父親に会いに行ってもいいかなと思い始めていた。

 ある日、狩りを終えると珍しく気落ちした様子で爺さんが言った。

「殿下、爺はしばらく国に戻ることになりまして、狩りのお供ができませぬ。ああ、心配だ、儂が離れている間に殿下に万が一のことがあれば、陛下にも亡き王妃様にも顔向けできぬ!」

 なんだ、国に帰るのか。
 出会ってからずっと俺がいる街に滞在していたわけだし、国にいる家族にだって会いたいだろうしな。
 いつもそこにいるのが当たり前になっていただけに、明日から会えなくなると知ってちょっとだけ寂しくなった。

「俺は大丈夫だ。むしろ、爺さんの方が心配だよ。国に帰る途中で死んだりするなよ」
「爺にはまだやり遂げるべき使命が残っておるのです、簡単には死にません! パトリスよ、殿下を頼むぞ!」
「ええ、お任せください。エドモン殿もお役目を全うできることを祈っております」

 パトリスは残るらしい。
 俺とパトリスは、街の外で爺さんと別れた。
 爺さんは別れ際に、代わりに孫が来ると言った。

「儂が戻るまでの代理にディオンという我が孫をよこします。若輩者ですが、力と王家への忠誠心では誰にも負けませぬ。あやつには何があろうとも殿下をお守りするようにと言いつけてありますでな、盾でも雑用にでも遠慮なくお使い下され」

 爺さんの孫か。
 どんなヤツだろう?
 似たような暑苦しいのが来そうだな。




 しばらくして、ディオンがやってきた。
 他の騎士と同じ、銀色の鎧を着た大男だ。
 顔は血のつながりを窺わせるように爺さんをそのまま若くしたような感じで、無駄に自信に満ちた不敵な面構えをしている。

「お初にお目にかかります、ラファル殿下! 我が名はディオンと申します! 祖父の命により、これより殿下の護衛を務めさせていただきます!」

 声の大きい奴だな。
 本人は普通に喋っているつもりかもしれないが、傍で聞いていると怒鳴っているみたいだ。
 さらに言葉は敬っているようでも、口調にこちらを下に見ている気配が滲み出ていた。
 祖父の命令だから仕方なく来てやったと、語らずともその態度が物語っていた。
 奴の隣に立っているパトリスが眉を顰めている。
 パトリスが発している苛立っているような怒りに近い空気に気づいたのか、ディオンの顔に怯えが浮かんだ。
 ん?

「パトリス様、ど、どうかなされましたか?」

 ディオンはパトリスを様付けで呼び、先ほどまでの傲岸不遜な態度が吹っ飛んで、おろおろしている。
 パトリスはディオンを睨み、僅かばかり表情を和らげてこちらを向いた。

「ご不快な思いをさせてしまい申し訳ございません。エドモン殿より伝言を受け賜っております」

 爺さんからの伝言を聞く。
 孫の扱い方についての説明だった。

『不肖の孫は若くして力をつけ過ぎたが故に少々傲慢な所がございます。最初に誰が上かを体に叩き込んでわからせてやれば、殿下の従順な手足となることでございましょう。頑丈さが取り柄の男です、多少手荒に扱っても構いませぬ』

 ふむ、パトリスはさっそくこの伝言通りに行動したわけだ。
 ディオンの中で、この場における強者の順位は一番にパトリス、二番に自分、三番目に俺ということか。

「よし、わかった。これからも顔を合わせることになるのなら、躾といた方がいいよな」

 地を蹴って、ディオンの前まで飛ぶ。
 拳を握りしめ、腹を目がけて上に振りぬく。

「うらああああああっ!」
「ぐおはあああああっ!」

 腕を獣化させるまでもなく、俺の拳は鎧を砕き、ディオンの巨体を宙に吹き飛ばした。
 あ、白目剥いてる。
 やりすぎた……かも?
 すまねぇ、爺さん。
 手荒にしてもいいとは言っていても、怪我させるとマズイよな。

 倒れたディオンはパトリスが魔法で治療してくれた。
 この程度の打撲ならすぐ治るから気にしなくていいと言われたぞ。
 本当に頑丈だな。




 己を一撃で沈めた実力を認めたらしく、ディオンはあっさり俺の配下になった。
 最初の生意気な態度は消え失せて、目を輝かせて尻尾を振り、嬉しそうに後をついてくる。
 わかりやすい野郎だ。

「殿下! なんなりとご命令を! 貴方様を生涯の主君と定め、この命ある限り御奉公いたしますぞ!」

 やべぇ、厄介なのに懐かれた。
 生涯とか重いだろ、もういいからさっさと国に帰ってくれないかな。
 爺さん、早く戻ってきてくれ。
 俺、こいつ苦手だよぉ。

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