洗濯物は昼過ぎには乾いて届くとのことだったので、受け取るまで待ち、着替えてから二人で街に繰り出した。
警邏中のローラントはすぐに見つかった。
ドラグーンメイルを身に着けた偉丈夫の姿は、どこにあっても目立つ。
「ローラントさーん!」
ヴィオラートは大きく手を振って、元気良く声をかけた。
気づいた彼が、歩み寄ってくる。
「すっかり酔いは醒めたようだな。クーゲルベアごときに遅れを取るとは、まだまだ鍛錬が必要だな」
「えへへ、ごめんなさい」
気まずそうに笑顔でごまかすヴィオラート。
「ローラントさん、ヴィオは冒険者ではないんです。守れなかったのは、護衛である俺達の落ち度ですよ」
ロードフリードが彼女の頭を撫でて、取り成すように言った。
「む、そう言えばそうだったな。お前があまりにもお転婆過ぎて、時々忘れてしまうのだ。許せ、鍛錬が必要なのは私の方だな」
「いいですよ、足手まといになりたくないから鍛えてるのは事実だし。でも、強そうだって言われると複雑になるんですけどね」
鏡を見ても、見た目がそれほど変わったとは思えないのだが、そこいらの下っ端盗賊などは、遭遇するとこちらを見ただけで敵わないと逃げて行くようになった。
ふざけて兄を殴った時などは、予想以上にダメージを与えてしまい、焦ったこともある。
「強くなってもヴィオは可愛いよ。他の男の評価なんて気にしなくていい」
背後からロードフリードが抱きしめてきた。
大きくて広い彼の腕の中に閉じ込められて、ヴィオラートは赤面した。
ローラントは呆れた顔で、街中でいちゃつき始めた二人を見やる。
「ロードフリード。昔はもっと硬派な男だと思っていたのだが、恋や愛とは人をここまで変えるものなのか、恐ろしいな」
ただ一人に向けられる深い愛情。
受け止めるヴィオラートが少しも恐れずに、嬉しそうに甘受しているのも彼には理解不能だった。
END
あとがき
R18入りで、イチャイチャしている話が書きたいな、と思ったのでできたお話です。
ロードフリードさんが少々暴走気味ですが、ゲーム本編で抑えていてあの溺愛ぶりですから、両想いになったら遠慮しないだろうなと想像したらこうなってました。
ゲーム本編はヴィオ視点なので、ロードフリードは爽やかな好青年ですが、都会に長く居た分、心の中には黒い物が渦巻いてそうな気がします。それらの感情を幼馴染兄妹とのやりとりで解消、または癒されているイメージです。
話は書き上がったものの、良いタイトルが思い浮かばなかったので困りました。
少し黒さも含むロードフリードの愛情を表現してみましたが、他に良いタイトルないかなぁ。多分思いつかないだろうから、このままにしておくか。
パーティに入れるとついてくる人気補正で、カロッテ村だけでなく、ハーフェンでも人気なロードフリード。
精錬所で名を馳せたとローラントさんが言っているので、当時からのファンもいるのかもと、それっぽい人物に絡まれる場面を入れてみました。
ローラントさんは危険地帯に行く時には必ずメンバーに入れてます。
もちろんロードフリードは外せません。竜の加護がないと怖くて移動できないよー。
この二人の協力攻撃ドラグーン・ノヴァを初めて使った時には、でかいドラゴンを召喚してきたので驚いてしまった。画面に入りきらない大きさはインパクトが有りすぎる。
ローラントさんに話しかけると、竜騎士について話してくれることがあります。
昔は竜に乗っていたらしいと伝わっているが、今はただの騎士隊でしかないと。
ドラグーン・ノヴァのアレは、竜騎士二人が圧倒的な強さで戦場を蹂躙するイメージだとして、ロードフリードの竜の加護って何なのさ?
密かに竜と守護契約したとかいう裏のストーリーでもあるのか、謎の多い竜騎士さん達です。
ローラントさんは良い人なんだけど、酷い脳筋な所が面白くて好きです。
アイゼルが錬金術士はヤバイ敵によく遭遇するという話をした時に見せた、期待に満ちた良い笑顔が忘れられません。
この人良い人だなと思ったのは、やはりバルテルと会うイベントですね。
あそこの選択肢では、いつも(生活が)厳しいを選んでしまう。
ヴィオの言い方のせいでとても深刻に聞こえてしまって、ローラントさんの顔色が変わっていく過程を楽しんで見ています。
一応農家だし、現金収入に困っているだけで、食事の面ではそう飢えるようなことにはなってないんじゃないのかな?
目頭を熱くして、ヴィオにお金を押し付けるローラントさん。あんた良い人やー。もらった3000コールはいつも有効に使わせて頂いてます(笑)