cc-sky4.0 花束行進曲

                   「出来たわよー。はい!ご開帳ね!」
                   朱鷺の声が聞えるけど…良いんだ、ぼく、思い切り
                  拗ねてるから抵抗してやる!ドア、内側から押さえち
                  ゃうもんね!
                   でも、結局其れは無駄な抵抗どころか、自分から加
                  勢してしまう羽目って事になった。なんとなればドア
                  が外開きになってたから。
                   「大丈夫?香澄君」
                   「…うわっ、化けた…」
                   「やっぱ親子やねぇ」
                   発言順に秋さん、ヒロ、国松。そして、里奈が留め
                  を刺してくれた。
                   「綺麗ね。僕がお嫁に欲しいぐらい」
                   …京介が抵抗した気持ち、良く判る。

                   なんでこう言う運びになったのかって言うと、以前
                  京介が主演したジュエリーアカネのCMで、急遽追加
                  になった奴、あったでしょ?(「桜戦線前途洋々」参
                  照)
                   ぼくと京介が喋ってて、深春の歌が被さるって奴。
                   どうもあれがシリーズ中でも異例のヒットだったら
                  しい。深春も実はあの後何社かのレコード会社から打
                  診があったみたい。まあ、彼の事だからおいそれとは
                  飛びつかず、相変わらずカメラマン助手をメインに仕
                  事をしていた。
                   あの続篇をって声が多かった…と言うのが朱鷺から
                  受けた説明。でも、其れで何でぼくがウェディングド
                  レス着なきゃいけない訳?
                   「似合うからに決まってるじゃない」
                   「朱鷺。ぼくの性別判って発言してる?」
                   「あたしが見たいというのも半分在るんだけど…さ
                  てはあの嘆願書、目を通してないわね?」
                   「あの…あれ?」
                   「そう、あれ」
                   あの京介CM登板の嘆願書?(「桜戦線異常勃発」
                  参照)後から蔵内Jrに聞いたら、ぼくと京介の2シ
                  ョットが添付された上で廻ってたって、あれ?
                   「あの中にあったリクエスト第2位って、君のウェ
                  ディングドレス姿、だったのよね」
                   ねぇ朱鷺。ぼく此の侭何処かに意識、飛ばして良い?

                   で、抵抗空しく当日を迎える事になった。今回も音
                  楽は国松ことPINY-GATEプロデュースで歌は深春。そ
                  う、cc-skyの出番は無い、筈…なのになんで皆此処に
                  居る訳?
                   「僕は雑誌の取材で」
                   秋さんは…まあ、編集方針だから許そう。
                   「俺は国松に来てくれって言われてギターの助っ人」
                   ヒロも筋は通ってる。
                   「僕のCM音楽は現場で作業するって知っとるやろ
                  ?」
                   国松は、仕方が無い。
                   で、問題はこのお嬢さん。
                   「僕?保護者参観って所かなぁ」
                   「里奈…ぼくってそんなに子供っぽく見えるの?」
                   「あ、誤解があったんだ。僕の関係者も今回参加す
                  るの。だからよ」
                   さらりと笑う。なんかさ…里奈も不思議な雰囲気を
                  持った女の子、なんだよね。大抵の一人称は「僕」。
                  それでいて男の子っぽいッ娘なのかなと思うと実は凄
                  く繊細。cc-skyの曲でピアノソロが必要な時は彼女が
                  弾くと言う不文律が出来てるほど。お父さんがミュー
                  ジシャンらしいんだけど、其の辺りはぼくもヒロも知
                  らない。秋さんは少し知ってるみたいだけど。
                   あれ?なんかスタジオの雰囲気、慌しくなってない
                  ?と思ったら、ヒロと深春がドアの向こうからくる人
                  影を見て固まってた。
                   「こんにちわ。どもども」
                   やって来たのは脱色した髪を肩まで伸ばして、物凄
                  く人懐こそうな微笑を浮かべたスタジャン姿の小父さ
                  ん。40歳ぐらいかな?(後で聞いたら何と60歳少
                  し前だった!若い!)
                   「ああ、すんません。お呼び立てしてしもて」
                   「イヤイヤ。あのCMソング歌った本人に会えるの
                  が嬉しくてさ…。リハの時間、あるでしょ?」
                   「そら確り。あれ?ヒロに栗山さん、何固まってん
                  の?」
                   「どうもこうも…。この人と俺、競演するんか?」
                   「不服?」
                   「ニャロ!光栄すぎるんだよ!」
                   「…栗山さん?」
                   「ああああああの…セセセセバババババ」
                   「セバスチャンで良いよ」
                   「俺、『下宿屋賛歌』の頃からファンでした!」
                   「光栄だねぇ。僕も君に会いたくてさぁ。後で一寸
                  合わせて見てよ。『夜空ノムコウ』辺りでさ」
                   …え…誰?戸惑う僕に秋さんが耳打ちしてくれる。
                   「テレビで見て知ってるよね。セバスチャン松永さ
                  ん」
                   「…って、あの『バタフライ6』の?」
                   「そう、あの」
                   そう言われればぼくも知ってる。グループサウンズ
                  の中でも異色の天才グループだったバタフライ6。現
                  在司会者の蓑下俊さんに俳優の高居貴空さん、それか
                  ら今ぼく等が国松を通じでお世話になってる浜辺プロ
                  の社長、浜辺歩さん、アニメ音楽の大御所小原銀二さ
                  ん、アドリブ連発の異才ヴァイオリニストの池端明さ
                  ん、そして、セバスチャンの愛称であらゆる年代のミ
                  ュージシャンからも慕われる松永始さん。
                   でもなんで松永さんが此処に?と思ってたら里奈が
                  歩み寄ってた。
                   「おひさ」
                   「相変わらず美人だね」
                   「遺伝子が良いから」
                   「両方?」
                   「そう言うことにしておこうかしら。伝言。『今夜
                  は牛テールシチューだからなるべく早くネ』って」
                   「OKOK!」
                   呆然とするぼく等の視線に気付き、ああと気付いて
                  セバスチャンさんの肩に手を置いて一言。
                   「僕の親父さんです」
                   どよめきは中々止まなかった。
                                   
                             (続いてしまう^^;)


              《コメント》
                 山崎あゆみさんから戴いたイラストを見て、すっと
                 降りてきたイメージで突っ走ったcc-sky最新作です。
                 歌う深春…このシリーズで再登場するか判らなかっ
                 たのでパラレル物で登場させましたが、見事復帰し
                 ましたね。愛着のある設定です。
                 セバスチャン松永、バタフライ6…これははっきり
                 モデルが存在します。文中の説明で、察し、着きま
                 すよね?1話完結を目指しましたが…早い事続き、
                 書きます(宣言)



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