cc-sky1.5/印度化計画?

                                「メシ、出来たぞー!」
  モリ・ハナエのエプロンを着けたヒロがお玉を振り回してぼくらを
                 呼んだ。
  cc-skyの記念すべきデビューライブも大成功に終わり、今日は
其の打ち上げ。とは言っても此処で珍しい事実が発覚。僕らが揃いも
揃ってそう言う居酒屋や其の系統の店に限りなく疎いと言う事。
  ドラムスの里奈(♀)に至っては、『喫茶店も適当に目の前の店に
入ってるだけ』という無頓着さ。キーボード兼プロデューサーの
PINY-GATEこと佐々木国松も『家で食ったほうが廉い!』と大阪人
らしい?発言。それじゃ、ってんでぼくの部屋で打ち上げを遣る事に
なった。京介と深春をお客様にしてね。
 で、何となく皆食べたいものが一致していた。カレーだ。不思議と
飽きないんだよね。リハーサルの時も結構レトルトの奴が多かったし、
カップ麺も態々カレー味にしたりして。
  すると俄然ヒロが張り切りだした。
  「カズミ、俺造るから!」
  「ヒロ、料理遣るの?」
  「俺抜きでカレーの話をするなよ?レトルトばっかで鬱憤、溜まって
たんだよなー。先行って飯、炊いといてくれよ。材料調達して現地合流
すっから!」
  言うが早いかぼくにギターを預けて突っ走っていった。うーん、
相変わらず行動の早い奴。じゃ、安心して任せて他の準備をしておこうか、
と和気藹々になったぼくらが甘かった。いや、ヒロにも罪は無いんだけどね。

  「何か、本格的に近くない?」
  里奈の台詞は全員の意見を代弁していた。カリの造った本場ものとは
確かに違うけど、大豆をふんだんに入れ、手羽先肉を大胆に入れ、スパ
イスの薫りが鼻を心地よく擽る。美味しそうだな…と素直に思っていた
ぼくの袖を深春が皆に隠れて曳いた。
 「何?」
 「本当に食うんだな?」
  「当然でしょ?」
 訳判んない。折角ヒロが造ってくれたんだし、ぼくらの打ち上げなん
だから、食べなくてどうしようと言うんだろ?
  「後悔しないならいいけどな。…こうなりゃ一蓮托生だ」
 何をカレーを食べる位で…と思ったぼくが馬鹿だった。
  「!」
  京介とヒロと国松を除いた全員が、カレーを一口食べた後、コップの
水を一息に飲み干したのだから。

  「結構甘味あるねぇ?」
  何処がだよっ、国松!全然辛いよっ!
  「玉葱の炒めた甘味がいいベースになってるやん」
  そもそも何でこいつが辛いの平気なんだよ?見た目と違ってアル
コールがからきし駄目で、その代わりケーキバイキングに行って平気で
15個ショートケーキ平らげる味覚の持ち主なんだぞ!
  京介が平気なのは、何となく判る。と言うよりも甘く無ければ彼は
大抵平気なのだ。
  うーん。思い切りフェイント食らってしまったね。ヒロにこんな
必殺技があるとは知らなかった。
  「大槻ケンジも歌ってたじゃん」
  そう言う問題じゃなくってね…。

  まあ、その後段々全員慣れて…今はヒロのカレーが味の基準になって
るけどね^^;


《コメント》                   軽い話に仕立てようとしたら思い切りお馬鹿になっちゃいました(爆)                   ネタの原型を思いついたのはこの夏、母が造ったガラムマサラを                   入れ過ぎたチキンカレーを食した後の事で御座います。                   あの辛さは尋常じゃなかった。トムヤムクンの方がまだ甘かったかもしれない。                   因みにタイトルの元ネタ、曲名は「日本印度化計画」、                   歌うは筋肉少女帯で御座いました。確かチェリオのCMソングだった筈です。

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