cc-sky2.0/ケーキ狂想曲
先ず、18cmのケーキが八分割された。この時点では皆普通。
で、それぞれにマグカップが渡る。中身はコーヒー若しくは
紅茶。これも普通。
問題は此処から。
ケーキサーバーを器用に動かして八分割の内2切を先ず皿に。
この段階では非難の目こそあれ、驚愕はされない。
そして、紅茶の中に砂糖を入れる。1杯、2杯、3杯…4杯…
5杯。掻き混ぜてしっかりと溶かし込む。此処からどよめきが始ま
る。
そして極めつけ。
佐々木国松は、2切のフルーツケーキ(デコレーションではなく、
混ぜ込んで焼いた奴)の上に、たっぷりとメープルシロップをかけ
て、幸せそうに頬張ったのである。
「国ちゃん。良かったら食べる?」
ベースの秋さん(本業はBL雑誌の編集者)が自分の取り分を
国松の前に差し出す。
「宜しいのん?」
「国ちゃんの食べっぷりを見てたら、満腹してしまった」
だろうな〜。僕だって慣れてなきゃ驚くよ、と蒼は一人ごちる。
何しろ学祭のケーキバイキングで1日に3回通い、其れも平均12個
は平らげてゆくものだから、出店者が赤字に泣いたと言う現場も
見ているし、先日も大阪に遊びに行った時に、
「前から挑戦したかったのよ」
と、洗面器大程あるフルーツパフェの早食いに挑戦して見事ク
リアーした挙句、其の後皿に苺パフェを平らげ、其の上、夕食は
蒼と一緒に焼肉バイキングに行ったのだ。
「幸せそうよねー」
里奈の台詞に一同只頷くしかない。ぼくも食べるけど…甘いも
のを此処までは極められないよ。
「信じらんね」
気持ちはわかるけど、ヒロ、君が言っても説得力が無い!あの
カレーの辛さ、しっかり記憶しているからね。病み付きになっち
ゃったじゃないか。
…ぼくの周りって、どうしてこう変わり者ばっかなんだろ?京
介だけで充分だよ。
「1切残ったか…。貰ていい?」
そんなに犬の様に瞳を輝かせなくても…いいよ。あげるよ、もう。
あーあ、クリスマスが今から怖いよー。ウェディングケーキ程あ
るケーキにかぶりつく国松を想像しただけで……止めよう。
思わず思考停止した蒼であった。
(FIN)
《コメント》
正月後の鏡開きまで置いておこうと思ったのですが、
Xmasにも甘いものはあるので強引に書き下ろしました。
実際に葡萄瓜もケーキバイキング15個、ミルクティー
5杯の記録を持ってますが…、流石にその後の食欲は落ちました^^;
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