2001年12月25日

 そこは朝の冷えこみですっかりタイルの壁面を冷たくしていた。
 衝撃と絶望の夜を味わったばかりのりなにとってそれはあまりにも辛い。
 彼女と同じく全身裸で彼女の背中にぴったりと寄り添う大司氏にゆっくりと歩かされる彼女の股間は、透明な愛液と白い精液と赤い血液にすっかり汚れきっていた。その混じり具合は、夕べの凌辱の激しさを物語っている。
 その絶望の元凶は、彼女の背筋にあの夜の姿のままぴったりとくっついて脈打っている。
 りなは実在しないサンタクロースを恨んでいた。幸せのプレゼントをくれるはずのサンタクロースは、自分に絶望を叩きつけたんだ、と。
 そう思うだけで、目から涙がこぼれてくる。
 その涙の筋も頬に何本作っているのだろうか。
「さあ、体を洗いたまえ」
 大司氏は腰かけにりなを座らせてシャワーの栓をひねってやると、タオルと石鹸を渡す。自分は浴室の隅に行って壁にもたれて様子を見ている。
 口元をにわかにほころばせて、さも満足そうな表情で彼はりなを見つめる。同じように彼のペニスもりなにその赤い頭を大きく膨らませてそそり立っている。夕べ何度も何度も彼女の中に射精したというのに。
 彼を見ているだけで発狂しそうになる。りなは大司氏に背を向けてタオルに石鹸を泡立てはじめる。それから最初にそれを自分の股間にもっていく。
 綺麗に洗いたかった。自分の大切な場所。
 やらしい自分の体液ももちろんであったが、ロストバージンの血も、あの男の忌わしい精液も洗い落とさないといけなかった。
 この屋敷に来る前のように綺麗に洗わないといけない。
 子宮に散々出された気持ち悪い精液を全て出し切らないといけない。
 そうあれこれと考えながら、彼女はひたすら自分の股間をこすり続けていた。
「ふ……うっ、ぐぅ……ううぅ……」
 だがりなにはわかっていた。いくら綺麗に洗おうとも、奪われたバージンは戻って来ないし、子宮の中の精液は洗いきれない。
 何もかも手後れなのだ。
「ううぅ……」
 タオルで股間をヒステリックにこすりながら顔をくしゃくしゃにして、湯の雨の中でうなだれる。
 にやにや笑いながら、見かねたように大司氏が言う。
「ほら、股ばかりこすってないで他の部分も洗うんだ」
「うるさい……うるさいっ、この人でなし!」
 憎悪の一念でりなは手にとった洗面器を投げ付けた。さらにそのまま立ち上がって大司氏に飛びかかる。
「ヘンタイ! 悪魔! ゴーカン魔! 鬼! ケダモノ!」
 思い付く限りの罵言を吐き散らし、大司氏の胸板に拳をぶつけ続ける。しかし憎悪煮えたぎっているとはいえ、所詮深い絶望と悲しみにくれたか弱い女の腕はひどく力がか弱い。全く彼に効いていない。
 逆に彼女は自分の胸を鷲掴みにされ、揉みしだかれる。
「いやぁっ!」
「こんなかわいいおっぱいしているくせに、全くじゃじゃ馬だな、おまえは」
 指を食い込ませ、やりたい放題にりなの胸の形をその手のひらの中で歪ませる。
「や、いやあっ! やめろぉ! 離せ、手を離せぇ!」
「あーキンキンうるさい。騒いでないでアヘアヘ感じていたらいいんだ」
 大司氏の両人さし指が、それぞれの手に掴んでいる乳房の頂きにある肉豆をピンと弾く。
「ふんぅ!」
 りなの体が電撃を受けたかのようにビクンとはね、脱力する。
 それで終わるわけがない。大司氏は味をしめたかのように彼女の乳首をピンピン弾き続ける。しこる両乳首は彼の指になされるがままにはずむ。
 止めようとする手も、彼の指の動きすら封じ込められぬまま、ただ腕に掴まるのがやっと。
「なんだなんだ。口では偉そうに言う割に、実はまんざらでもないようだな」
「そん……うぁ……ちが、ちが、あああぁあ」
 必死に耐えようとしていても、足はがくがくと震え、自分自身で立っていられなくなる。
「まぁいいさ。このままそんな感じでスケベになっていたらいいんだ。どうせもう以前の生活には戻れないんだ。これから君はこの屋敷にずっと閉じ込められたままなんだよ。毎日毎日がセックスだらけ、私のスペルマ便器としての生活がこれから始まるんだ。少しでもいい生活がしたいなら、せいぜい私のペニスに忠誠を誓うんだな」
「ひ、い――」この屋敷の中に閉じ込められるなんて、聞いてはいない。こんな下劣な男と。いやな夢なら醒めてほしい、りなは心からそう思った。「いやああああああああああ!」
 だが腹底からの悲鳴も悲惨な現実を打ち消してはくれない。男の手はまるでおもちゃのように乳房をこね回し、そのすぐ下でドクドクと脈打った彼のペニスが首をもたげている。
 しかし大司氏も胸を揉むのに飽きたのか、手を離した後でその片乳に一発軽く平手打ちする。
「いい加減わめくのをやめろ。ほら、椅子に座れ。代わりに洗ってやる」
 そう言ってりなをもといたところに座らせると、彼はタオルを奪い、彼女の体を洗い始めた。しかしもちろん普通に洗うわけがなかった。その手つきはまるでりなの肌触りをタオル越しに味わおうとしているようで、まるで大きななめくじを這わせているかのようだ。特に丸みを帯びた部分に差し掛かった時はやたら執拗である。肩、乳房、太もも、尻……。その丸みを磨くかのように――いや、むしろ丸みを堪能しているかのように手を動かしているのだ。
「本当にいい体をしているな、りなは」
 さも気持ち良さそうに、かすれた声で大司氏はささやく。
「……呼び捨てにしないで、私には『穴賀』って名字があるんだから――」
「『穴が』どうしたって?」
 大司氏の声の響きに、りなは心の中で怯えを覚えた。
「うん? 前の穴か後ろの穴かどっちがどうしたんだ?」
「そんな意味で言って――ひゃっ!」
 泡だらけの彼の指がりなの秘襞をかき分ける。
「そうか、ここも洗ってほしいのか。ロストバージンの血なんが洗い流して、たくさんセックスしたいものな」
「ちが、ちが……んああぁあっ」
 石鹸にまみれた指は秘襞のすみずみに滑り込んで粘膜を甘く刺激していく。
 こらえようとしても、りなは自分の性器からじわじわと愛液が沸き出すのをいやでも感じてしまう。
「口ではどんなことを言ってても、体は正直なものだ。ほら、りなのアソコがこんなに濡れているぞ」
「いやっ! いやあっ! こんなのいやあぁっ!」
「君もいい加減素直になるんだ。何をするのにも、気持ちいい方がいいだろう?」
「ひううぅ――?! んぐぁっ」
 秘襞を掻き乱した指が、りなの口に潜り込んだ。ほのかに淫臭をふくませた生暖かい無味の粘液がりなの舌に触れる。
「どうだ自分のマンコの味は? とろけるようにおいしいだろ」
「……おいしくない……。こんなの、おいしくないです」
「君にもいずれ分かるさ。わからせてみせる。バージンなくなったんだから、これから遠慮なく私と楽しくセックスできるんだしな。する度する度、君のこのいやらしい汁もどんどんおいしくなってくるんだよ。そのうちいずれ、君は私にたくさんこの汁を飲んでほしくてたまらなくなるんだ」
「やめて! そんなことありっこない!」
 両耳を押さえてうずくまるりな。
「こんなのいや……。私はいやらしい女なんかじゃないです。私はスターを目指して頑張ってるです。それをあんたは――」
「おいおい、待ちたまえ」呪詛を唱えるような小声で呟くりなを笑ってさえぎる大司氏。「芸能界の女なんかみんなヤリまくりではないか」
「あんた私の中に出したじゃないですかっ!」
 りなはきっと大司氏を睨んで怒鳴る。
「しかもそれをまるで当然みたいに言いやがって! それがどういうことか……ああいやぁ……私、私ニンシンしちゃう……」
 顔に手を当てて再びりなは嗚咽する。
 だがそんな彼女に浴びせた大司氏の言葉はあまりに残酷であった。
「そんなこと知ったことか。さっきも言ったがお前は私のスペルマ便所なんだ。君は私のスペルマが自分の体の中に注がれるのを喜んでいたらいいんだ」
 りなの泣き声が一層大きくなった。
 椅子から腰を滑らせ、じかにタイルの上で足を正座するように畳んで縮こまってしまった。絶望にくれて涙を流す顔は両腕で覆い隠し、大司氏に覗き込ませようとしない。
 しかし彼には罪悪感のひとかけらもない。シャワーにその背を打ち付けられるままの彼女のその裸体を見てそそりたつペニスをさらに強く脈打たせて、彼はにんまり笑っていた。

 泣き止んだのを見計らって、大司氏は彼女を立たせて共に浴室を出た。
 赤く目を泣き腫らしたりなを、洗面台の前に立たせる。そこに取り付けられた大きな鏡に、彼女の股間から上が映る。
 りなの体は絶妙なラインを持っている――大司氏は彼女の体つきを見て今さらながらに思った。確かにセックスをしている間も彼女の体と面向かっていたわけだが、今鏡に映っているその裸体はセックスの時とは別の趣きを放っていた。単純な話、セックスしている時には体の「味」を堪能していただけだったのだが、今大司氏は彼女の体の「色彩」の部分を味わっているのだ。
 りなはさほど官能的なプロポーションを持っているわけではない。だがその肌はどうか。隅々までそのきめ細かさが行き届いている。それが彼女のさり気ない体に魅力の光をまとわせているのだ。
 その体に存分に触れ、いじり回した大司氏にとって、そんな彼女の姿がエロチックに映る。自分は彼女の無垢を頂き、その眩しい肌の体の中に自分の白いスペルマをたくさん注ぎ込んだのだ!
 大司氏にとってりなは、捕われた天使である。
 しかし同時に、彼女を「天使」と表現しきるにはまだ不十分だと彼は思っていた。
 目を赤く腫らしたまま虚ろな視線でただ鏡の自分を眺めるりなの恥毛に、大司氏は直接シェービングフォームを吹き付けた。
「ひゃっ!」
 逃げられないように腰のくびれに片腕で抱き着くと、もう一方の手にT字剃刀を持つ。
「ここも剃っておこうか。りなの体をもっと可愛くするために、ね」
「そんな、やめてっ! 恥ずかしいですっ!」
「恥ずかしいものか。むしろこれが綺麗な君の体を台なしにしてるんだ」
「台なしになんかしてないから、やめて下さいぃ!」
「ほら動くな! そんなにじたばたしたら大事なところにも傷がつくだろ!」
 そう言われた以外にもT字剃刀の刃が下腹部の肌に当てがわれたのもあってか、りなは体を揺すって抵抗するのをぴたりと止めた。しかし恥毛を剃られるのはいやであることに変わりはない。怯えた小声で「いや……いやです……」と恥じらいの言葉を漏らす。
 しかしそんな彼女の様子を全く気にせぬ様子で、大司氏はゆっくりT字剃刀を滑らせる。
 ず、じょり……。
 湿り気を帯びた小さな音。だがりなにはそれが大きく聞こえた。
「あ、ああぁーっ!」
 女の秘所が丸見えになってしまうことへの恥じらいと剃られる喪失感とがないまぜになった悲鳴。
 あっという間に恥毛のほとんどを白い泡ごと剃り落としてしまっていた。地肌があらわになった部分が、そこだけ寒風にあたったかのように冷たく感じる。
 T字剃刀はさらにすみずみまで剃り上げていく。鏡に映っていた恥毛は、塗りたくられた白い泡とともにすっかり削ぎ落とされてしまった。
 幼い少女のような秘肉の割れ目が丸見えになった。
 あらかた剃り終わった時、突然りなは腰をふるふると震わせて叫ぶ。
「あ、あああ、しみる……泡がしみるですっ!」
 見れば、割れ目に潜んでいたりなのクリトリスにシェービングフォームがまとわりついている。しかもそれは目に分かるように膨らんでいく。
 手でおさえようとするのだが、大司氏にことごとく遮られる。クリトリスをしめつける痛いとも痒いともつかない感覚に、りなはただ耐えるしかない。そのためには股間を開き、尻肉にえくぼをつくってもじもじと腰を動かすしか方法はなかった。
「ふふ、見事なクリトリスだ」
 ぴん、と指で弾かれて声なき短い悲鳴をあげるりな。痛さに再び両手で股間を押さえようとしたが、大司氏はそれを邪魔しようとしなかった。
 代わりに彼の手は彼女の髪に伸びた。
「あ、何するですかっ! 人の髪になれなれしく触らないで……あ……」
 あっという間であった。髪止め用の地味な色したゴムでりなの髪は左右に束ねられる。
 ツインテールにされた彼女は、恥毛を剃られた陰部の割れ目もあいまって、本当に少女の姿さながらである。
 りな自身も、鏡に映る自分の姿を見てはからずもこうつぶやいてしまった。
「かわいい……」
 その言葉を聞いて大司氏はにっとぎこちなく笑うと、おもむろに手頃なりなの乳房を両手で掴んで揉みしだきはじめた。
「ひゃっ、あ……あっ、やぁ、あんっ」
「ふふ、格好によく合うかわいい声で鳴くじゃないか」
 りなの喘ぎが相当気に入ったのか、大司氏はりなのうなじにキスの雨を降らせた。
 その感触に鳥肌を立たせながら、りなは自分の中に認めたくない感覚が沸き起こって来るのを感じた。
 気持ち悪く生暖かく、しかし同時に甘美でとろけるような感覚が。

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