2001年12月26日

 不本意のロストバージンから数えて二つの夜を数えた。
 夕べ恥毛なき秘裂をひたすらに指でいじり回された感触が、眠っている最中にも残っていた。まるで夢の中でも大司氏に弄ばれているかのようだ。
 そんな悪夢さながらの感覚にさいなまれたせいなのか、りなにはわからない。
 だが彼女は真っ暗な部屋で目が醒めてしまった。
 大きなベッドの置かれた寝室。そのベッドの真ん中に、ツインテールのりなが一人。
 ……一人?
 この部屋のどこにも彼の姿がない。大司氏はどこに行ってしまったのだろうか?
 しかしこれは逃げるチャンスかもしれない! そう考えるとりなは掛け布団を蹴り上げて早速行動にうつる。
 まず、部屋のカーテンをばっと開いた。
 ガラス戸の向こうはまだ暗かった。空には星が輝いている。しかしよく見るとどこか空が赤紫を帯びて明るくなっているような気がする。
 外からのわずかな光をたよりに寝室の壁に掛けられた時計を見てみると、二つの針は午前五時を指していた。
 高さからしてこの寝室は屋敷の二階にあるようだ。ガラス戸から覗ける限りで見渡すと、ベランダの端に非常用の梯子を収納した箱がある。あれで下に降りれば、あとはそのまま屋敷の門を開けて路地に出てしまえばいい。
 再び寝室を眺めるが、着るものはない。ベッドの上にある毛布がかろうじて服のかわりに体を覆うことができるかもしれない。
 早速その裸体に毛布をすっぽり被ると、りなは思いきってガラス戸を開けた。
「――ぁうっ」
 ベランダに一歩出た途端に、外の冷気が一瞬で彼女の士気を凍てつかせてしまった。実際、毛布を被っただけの裸体に外の気温は冷た過ぎた。りなは思わず動きを固まらせる。これでは梯子を伝って降りることすら困難だ。
 ――こうして彼女の作戦はもろくも失敗した。
 見にまとった毛布をぎゅっと握りしめ、今度は外気の寒さから部屋に逃げ込む。
 しかしそんな彼女の頭にまた作戦が思い浮かぶ。このまま寝室から出て屋敷の中の電話を探した方がいいかもしれない。そうだ、きっとどこかに電話があるはずだ。不思議なことに、こんな大きな屋敷にもかかわらず、いるのはあの男と自分しかいない。一旦寝室を出て彼のもとから離
れてしまえば見つけ出されにくいだろう。
 しかしその彼女の目の前に、黒いブリーブを履いた大司氏が仁王立していた。
「……ぅあ」
「こんな寒い時に部屋の窓を開けて、どういうつもりだ」
 もとから凍っているかのような顔はそれだけでも怖い。
 思わずりなは寒いベランダに後ろ一歩さがって彼から離れようとする。だが手を握られてそのまま強い力で引っ張られ、つんのめって床に倒れる。
 ぴしゃりと荒々しくガラス戸が閉められ、りなの体を覆っていた毛布が剥ぎ取られる。
「全く。ちょっと目を離した隙にとんでもないことをしてやらかすな」
 有無を言わさぬ大司氏の強い口調に、りなはただ圧倒されるだけであった。
「何てことだ、せっかく暖まっていた部屋がまた冷えてしまったではないか。……これはお仕置きが必要だなりな。うん?」
「あ……ああぁ……」
 ブリーブを脱いで、大司氏はりなの目の前にそそり立つペニスを突き立ててみせる。もう何度となくその禍々しい容貌を見ているが、決して見慣れることはない。あれが自分のバージンを破り抜いたと思うだけで、秘裂の奥が熱を伴って鈍く疼いてくる。
「さあ。ベッドに横になるんだ」
 またも腕を強く掴まれて、そのままベッドに転がされる。そのまま大司氏もりなの上に覆い被さるのかと思ったら、彼はベッドの向いに置かれた小さな机の引き出しから何かを取り出した。
 大股でそのままベッドに乗った大司氏が手に持っていたものは――デジタルカメラ。
 その丸いレンズを前に悲痛の情を含ませて目を大きく見開くりなに、カメラのシャッターが強く瞬く。
「ぅあっ!」
「――ふふ、なかなかいい感じで映ったぞ。まるでどこかの風俗嬢みたいだ」
「何で撮るですか……?」信じられないといった表情で顔を左右に振り、りなはデジカメに飛びかかる「消してっ、今撮った写真のデータ消してっ!」
「今撮った写真は、君のホームページの扉絵に飾ろう。これから毎日沢山の写真を撮ってホームページに飾ってやろう。『クリスマス・イヴにやってきたエロ女・穴賀りな』という題名でな」
 りなの顔から一気に血の気が引くのが、早朝の薄暗闇でも明らかに分かった。
 さっきより必死になって、彼女はデジカメに飛びかかる。
「いやっ! インターネットで私の恥ずかしい格好見せびらかさないで! お願いやめてっ! 写真のデータ消してっ!」
「別に構わないじゃないか。君は有名になれるんだぞ。ネットの淫乱アイドルとしてな」
「そんなのいや、いやああああぁ!」
 大司氏の胸板に拳を叩き付けて泣きじゃくるりな。
 彼はりなの片胸を一方の手で荒々しく掴むとそのまま押し倒した。
「さあお仕置きだ。精一杯アヘアヘ悶えるんだぞ」
 えらを大きく開いた赤い亀頭が、秘裂から少し飛び出ていたクリトリスを撫でる。
「! ――んぅんっ」
 さらに熱くたぎるペニスの茎が深く強く秘裂を擦り付けた後、肉襞はじわりと汁気を帯びる。すかさず大司氏は指でいじる。それを遮ろうと慌ててりなが両手を股間に持っていこうとすると、彼の片手で阻まれてしまう。
 そこにフラッシュ一閃。
「……おお、きれいに映ったぞ、ほらりな、見るがいい」
 デジカメの小型液晶モニタには、つややかな桃色を帯びたりなの肉花弁が大写しになっていた。
「や、いやあああっ――あうっんっ!」
 画面から目を反らすりなの陰唇に、大司氏がずぶりと奥深く人さし指を突っ込んだ。
 それがゆっくりと出たり入ったりするたびに、りなは背をわずかにのけ反らせて腹の辺りの筋肉をぴくぴくと痙攣させる。
「なんだ、いやいや言う割にはえらく敏感に感じてるではないか。いやよいやよも好きのうちとはこのことか」
「うあぁ、そんな、ちが――あああああああああぁっ!!」
 大司氏が激しく指を動かすと、膣肉はますます燃え盛って指を包み込み、さらにじわじわと液を湧かせる。
 雫垂れるほどに愛液を分泌して、わずかな光にてらてらと輝く肉襞にまたもフラッシュ一閃。
「ああああ、い、いやぁっ! 撮らないで、撮らないでぇえ!」
「ああ、言われなくてもじゃんじゃん撮ってやるとも。インターネットにたくさん写真張り付けて、沢山の人に見てもらおうな」
 なまめかしく伸びる腹の筋に。性楽にふるふると震える乳房に。涙を流しながらも時折恍惚の表情を見せる彼女の顔に。
 たくさんのフラッシュがりなの裸体に襲い掛かる。
「やめて……うぁん、やめてください……。おっぱいも、お尻も、オマンコも大切な私のからだ――ひあああああっん!」
 りなの言葉に耳すら貸さず、大司氏のペニスが肉裂をかき分けた。
 石英の表情とはうらはらに、その動きは獣欲そのものであった。ひたすらに膣肉を抉り、子宮を貫こうとする。濡れそぼったりなの肉襞はその動きを止められず、ただ太い肉茎に力なく絡んで翻弄されるだけである。
 もうりなの口から言葉は出ない。ぱくぱくさせた口から出て来るのは、どれも子宮を襲う性感に突き上げられたような甘酸っぱい嬌声だけ。こらえようのない、胸の奥底からこぼれ出てくる本能のうめき。
「んああぁ、あぁっ、……ぁやぁっ!」
 太く熱いペニスに膣を貫かれるままに体をいいように揺さぶられるりなに、カメラのフラッシュは容赦なく襲いかかる。揺れる胸や結合した陰部をひたすら映すその執拗さは愛撫にも似ていやらしい。
「すごいぞりな、いいアングルで撮れてるよ。こいつはみんな喜ぶぞ!」
「ひぃ、いや、いやはぁ、あぁあ、あああぁ!」
 フラッシュから身を守るように両腕で顔を隠すりな。
 大司氏はそれさえも写真に収めると、ひたすらピストン運動に徹していた腰を止めて半分ほどペニスを引き抜いた。そこから、くちゅくちゅと音を立ててゆっくり円を描くように動かし始めた。
「あ、あああいやぁあああ! こんな、こんな……」
 出すか出さないかのところで焦らされているのが、りなにはたまらなかった。再びペニスを深々突き立てられるのも嫌だったが、かといって今ペニスを完全に抜かれるのも嫌だ。
 そう、どっちも嫌だった。
 だからりなは何もせずにただ切ない泣き声をあげるだけ。
「やぁ、やぁあ!」
 何より、濡れそぼった秘襞をねちっこい音を立てていじられるのがたまらない。まるで耳にペニスを挿入されているような恥辱感がりなに覆い被さる。
 その恥辱感が彼女の意識を体の内から揺さぶりはじめる。
 再び大司氏がペニスを奥深く突き回し始めた時、りなの意識は揺さぶられ、やもすれば吹き飛びそうになる。眉間に小皺を寄せてなんとか堪えようとするが、否応無しに瞬くフラッシュの愛撫が煽る。
「ああ、あぁっ……!」
 りながどれだけ健気に性感に耐えようとしても、もう身体は限界であった。弓なりに反った背筋をビクンビクンと弾ませて、両胸はその先を硬く尖らせて桃色に染まる。
 それ以上に膣肉が、りな自身の意志に反して大司氏のペニスを強く締め付けていく。
 たまらなそうなりなの表情を見て、大司氏の声。
「ふふ、イキそうか? ……イク時はちゃんとイクっていうんだぞ。こっちは準備OKだ、ほら、もっと動かしてやろう。ヴァギナを燃え上がらせてやるからな」
「ぐうぅぅ……」
 言っちゃ駄目だ! りなは思った。だが必死に抵抗するその意識もペニスの衝撃にすっかり翻弄されていて、今にも吹き飛んでしまいそうなくらいに弱々しい。
 屈するのは火を見るより明らかだった。
「ぅあああ……い……イク……イクです……ぅう……」
 動きを速めた大司氏の腰の動きに華奢な身体を揺さぶられながら、りなはいまわの時を迎える。
 膣肉はペニスを熱っぽくしゃぶりつきながら大きくうねる。
「あっ――!」
 あつかましく身体をまさぐるフラッシュの光の中で。
 声なき絶叫を上げて、りなの意識はエクスタシーの次元に放り込まれた。
 それに合わせて、大司氏は肉壷に大量のスペルマを注ぎ込む。粘っこく中に流れ込むそれを感じたのか、恍惚で半開きになったりなの口から「ぅあ」とかすれた声が漏れた。
 出し切ったあとでペニスを抜くと、肉壷から溢れ出たスペルマがこぽりと肉唇からベッドに垂れ落ちる。時折身体をピクンと痙攣させ、ただだらしなく大の字になってセックスの余韻に恍惚とするりな。
 彼女の姿を一枚、白濁流れ落ちる秘裂をアップで一枚撮ると、大司氏は彼女の傍らに腰掛けて囁く。
「よくわかったよりな。やっぱり君はみんなに自分の身体を見られたくて仕方ないんだ。でもプライドがその欲求を邪魔してる。君はいい素質があるのに、もったいないことだ」
 ツインテールにした髪の生え際をそっとかきあげてやりながら、大司氏は続ける。
「私は、君がもっと輝くようにしてあげよう」
 彼の指は再びりなの肉裂に潜り込み、ぬめぬめとした愛液に濡れそぼったクリトリスを探り当てた。嵌められた間中、この肉真珠も包皮を飛び出して、大司氏のペニスに擦られて大きく赤々と膨らんでいたにちがいない。実際指の腹でしこってみれば、包皮の中まで濡れているのがわかった。
「……ぅあんっ」
 あれほど激しいセックスをして果てた後だというのに、りなは再度の愛撫に身体をピクンと弾ませた。
「ぁあ、ぁああ、やああぁんっ! ああぁ……」
「まだお仕置きが終わったわけじゃない。部屋はまだ寒いままだ。完全に部屋が暖かくなるまで身体を火照らせるんだ。さあほら、精出して乱れまくれ、この淫乱娘」
 そう言って大司氏は再びカメラを構える。
「ひぃぃぃ! いやぁ! カメラいやぁあ!」
 艶かしく上半身をよじらせるりなの白い肌を容赦なくフラッシュが舐めあげていく。
 白濁と愛液に濡れそぼっていたりなの秘裂が、さらに輪をかけてぬめぬめといやらしい液体を分泌し始める。
「……喜んでるじゃないか……」
 独りそう呟いて、大司氏は充血して大きくなり始めた肉真珠を指で弾く。
「ひぁうっ!」
 大きく弓なりになったりなに大司氏の身体が覆い被さる。
 カメラを脇に放り、その華奢な身体を両手に抱き締めると、彼は再びそそり立ったペニスをりなの身体に突き立てた――。

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