2001年12月30日

 浴室のスツールに、スレンダーな白い両太ももをほぼ百八十度に開いてりなは座っている。彼女の前には湯舟があり、大司氏がその中に体を沈めて肘を縁に掛けて見つめている。
 白い泡が、りなの股間に厚く柔らかく塗りたくられている。
 大司氏の目は無言でりなを促していた。
 彼女の右手に握りしめられたT字剃刀が、股間の白い泡にあてがわれた。
 ……じょり……。
 わずかに青く生えていた陰毛を剃る硬く小さな音がシェービングフォームに埋もれてくぐもって浴室に響く。股間の敏感な剃り跡に冷たい刺激が追い掛けてくる。
「ぅあっ……ああっ……」
 どれだけしみても、剃り続けなければいけなかった。大司氏に命令されたわけではない。強迫概念に苛まれているのかもしれないが、違うかもしれない。ではいったいなんなのだろう?
 生えかけの陰毛を丹念に剃り上げたのを見ると、大司氏はシャワーで彼女の股間にシャワーを浴びせかける。
 クリトリスにシャワーの熱い水流が強く当たる。
「ぅああっ!」
 びくんと体を跳ね上げて、すかさず両手で股間を押さえた。
「はぁ……ぁあ、かけるならかけるって……言って下さいですぅ」
「毎日の事ながら面白いコだなぁ、りなは」
 泡を全て洗い流したのをその目で確認すると、大司氏は両手を差し伸べてりなを湯舟に招き入れる。石鹸の泡が溢れる湯水の中に、太もも、尻、腰のくびれ、脇、乳房の谷間、肩、鎖骨を撫で回しながら――熱くねっとりと湿る肉襞と唇に軽くキスをするのも忘れない。
 撫でられるくすぐったさに小さく肩をすくませて、りなは体は肩までゆっくり湯に沈めていく。ちょうど大司氏とりなが湯舟の中で向かい合う形になる。
 すると大司氏は、湯の中でぴっちりと閉じ合わせていた彼女の脚を両手で開かせようとした。
「ぅあ、やっ、やあっ!」
「おとなしく股を開くんだ。水の中のオマンコがちゃんと湯に浸かるようにな」
「ああ、やだっ、そんなっ、あ――きゃあっ!」
 膝が駄目とみるや、大司氏はりなの両足首を掴んで水中から持ち上げたのだ。思いきりバランスを失ってあわや顔まで湯に沈められそうになったりなは、両肘を湯舟の縁にかけて何とか持ちこたえた。だが彼女の股は大司氏の目の前で大きく開かれてしまった。白い泡にまみれた赤い肉鮑が湯の水面でひたひたと濡れている。湯温が赤く染まった肉襞を柔らかく優しく撫で上げる。わずかに太ももが震え、鼻から切ない小声をもらした。
 りなの両足首も湯舟の縁に置くと、大司氏は泡だらけのりなの肉唇をすすった。さらに舌を奥に潜らせて膣温を物色する。
 ずっず、すずっ、じゅぷっ。
「あはぁっ、ああっ、あぅあっ」
 大司氏がりなの水中花をすする音はねちっこく、湯舟の水の音ではないようであった。
(……もしかして湯の中でも私のアソコが濡れているの?)
 受け入れがたい事実であった。
「ひゃあぁっ、ぁあっ、やめてぇっ!」
 きゅっと目を閉じて、湯で桃色に火照り始めた体をうねらせるりな。泡浮かぶ水面に柔乳と臍が踊る。しかしなお大司氏はしゃぶり続ける。
 ようやく口を離したと思ったら、彼は赤く燃え上がる秘裂に恥辱に満ちた声を吹き込む。
「久々のお風呂に男と入ってオマンコ嬉しくってしょうがないんだな、りなは」
「ちがっ、ちがあっ、あっ……!」
 大司氏の言葉はりなの膣を貫き、子宮にほどばしり、炸裂する。
「全然違わないじゃないか。嬉しいからそんなにうねうね体動かすんだろ?」
「ひうっん、違う、ちがうったら――きひぃっ!」
 りなの体を電撃のように官能が貫く。びくんと背筋を反らして痙攣させ、一瞬自分の意識を白く霞ませた。
「こんなにクリトリスピンピンにしておいて、何が違うのかな?」
「あひっ、ひゃっ、あ……や、やめ、あああああっ!」
「皮をむいてやったら赤々と大きく腫れちゃってるよ、りなのクリトリス。ちょうど今の格好なら見えるんじゃないか? ……見えないなら私の舌で起こして見えるようにしてやるよ。……ほら、ほらっ」
 クリトリスの裏側の辺りを大司氏のざらついた舌先がちろちろと舐めたくる。体の中が風呂の湯以上に熱く燃え上がり、ねっとりとした愛液がじわじわとめどなく湧いてくるのをりなは嫌でも感じざるをえない。
 それでも彼女は唇を噛んで、自然と漏れる自分のいやらしい声を健気に堪えようとする。
「ふうううううぅっ、ひううん、ふぐぅうっ!」
「何をそんなに我慢するんだ? 感じてるんなら遠慮なくアンアン声出していいんだよ。ほら、クリトリスもっといじってほしいんだろ? 『もっとして』っていってごらん」
 腰を持ち上げる尻でやさしく臀肉を撫で回しながら大司氏は説得する。
 さらに彼の指は尻の谷間をなぞり、菊門をくすぐる。
「っんううううううっ!」
 きゅっと強く肛門をすぼめ、クリトリスの愛撫とアヌスのくすぐり責めに挟まれてりなの腰が悩ましく暴れる。
「こうやって自分の恥ずかしいところいじくり回されるのが好きなんだろ? ほら、そのお口で大きく『好きです』って言ってごらん」
 噛んでいた唇が解けてぷるんと弾む。その口から漏れる、どこか切なさを秘めた悲鳴。
「やああああぁあっ!」
 すっかり赤くなった顔は、風呂水の湯気とは別に自分の汗で濡れていた。それがさらにりなの顔を艶やかに映す。
 しかしそれほどの状態だから、すっかりのぼせて頭が朦朧とし始めたのだろう。涼しいところに出たい一心でかりなはゆっくりと立ち上がる。風呂の泡が彼女の白い肌にまとわりつき、虹色の彩りを加える。
 そのまま湯舟からでようとするりなの両脚に大司氏の両腕が巻き付く。
「こうやって下から見ると、ますますりなの体が綺麗に見えるよ」
「い、いやっ、離して……もう、熱いです……」
「だめだ」
 両脚を抱き寄せてそのままりなの体を再び湯舟に引き込んだ。彼女の耳もとに唇を寄せ、大司氏がささやく。
「失神するまで出してやらないよ。もっとも、僕への忠誠を誓うんなら考えてやってもいいけど」
「誓いますぅっ、誓いますからもう上がらせてっ!」
「誓うなら誓うでもっとちゃんとした言い方があるだろう?」
 片乳の乳首を強くねじる。
「きひぃっ!」
「さあ、丁寧な言葉で私に経緯を払いながら言うんだ」
「私っ、あらひぃい、大司さんのいうこと何でも聞きますぅっ」
「そんなのでは駄目だ!」
 再び硬く尖った乳首をねじられて、りなは目から涙をにじませる。
「ひいぃっ! ……もう熱い、我慢できないですぅ!」
 彼女の切実な悲鳴のとおり、りなはもう限界に差し掛かっていた。すっかり赤々と染まった顔や体、絶え絶えの息。とてもじゃないがまともにものを考えられるような状況ではない。
 それ以上の責めが厳しいと見て取った大司氏。だが何か考えが思い付いたのか、その唇を笑みでほころばせる。
「じゃあ私のいうことをリピートするんだ」
 再びりなの耳もとで彼はささやいた。
 りなの口がオウム返しに動き出す。破廉恥な言葉をいうまいと抵抗する意志は、早くこの湯舟から出て体を冷ましたいという本能的な欲求の前に屈してしまっていた。
「私は……大司さんせんぞ……くの……た、あ、種付けアイドル……れす。わた……しのアソコは……大司さんの……ス、ペ、……スペルマ求めて……はぁはぁ、あ……いつ、いつも火照ってヒクヒクしてま……す。毎日……おっぱいやオマンコをいじ……いじられるとすごき……凄く気持ちいいですぅ……。どうか……このスケベなり……りなを可愛がってくだ……さぇ」
 言葉の最後に、りなは口角からだらしなくよだれをこぼして湯舟に垂らした。熱さのあまり既に彼女の頭は回らなくなり始めていた。
 よく言ったとばかりに大司氏が首筋にキスの雨を降らせる間に、彼女の意識はすぅっと消えていった――。

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