2001年1月5日

 セックスで汗を流し、トイレで浣腸をして、庭で四つん這いになって散歩をして――。
 恥辱の日課も今ではりなにとっては歓喜に満ちあふれたものになっていた。
 自分が大司氏から離れられない体になってしまったと分かった途端、りなはすっかり変わってしまった。今度は逆にりなの方から調教をねだるようになっていた。
「体が大司さんのこと忘れられなくなっちゃったです。ほら、私のおっぱい見て下さい。痛いくらいにピンピンになってるですぅ。ねぇ、大司さん……こんな私にエッチなおしおきしてください。前やってたみたいに指で乳首ピンピンして下さい。痛いくらいにおっぱいこね回して下さい。もう私にもこのやらしい体を止めることが出来ないんですぅ。止められるのは……大司さんだけ」
 そんな調子で、りなは昼間中のろけたように調教をねだっていた。そして彼女の望む通りにしてやると、すっかり喜んで明るい嬌声を上げ、犬が喜んで尻尾を振るのと同様、激しく体をくねらせて快楽に浸る。
 彼女はすっかり「痴女」に変貌を遂げてしまっていた。
 しかし大司氏はそんな彼女に熱いキスの嵐を送るのを忘れない。彼とて、それを望んで今まで数々の調教を施してきたのだ。今そこにいるりなは、今までのものを全てぬぐい去り、無垢の状態にあるのだ。今その状態でいるりなが可愛く、同時に美しく大司氏の目に写っている。
 だがそれで終わったわけではない。いよいよりなを自分のものにするために綺麗に仕上げていかなければならない。

   *   *

 夕食時になると、りなは大司氏を後において先に食堂に入っていった。
 いつもならテーブルの上に豪華な料理が並んでいる。一体誰が作っているのかはわからなかったが、セックスと調教に明け暮れたりなには、もうそんなことはどうでもよくなっていた。とにかく一日三食、しっかりと食事をとれることだけはすっかりりなの頭の中に刷り込まれてしまっていた。
 だが、今日テーブルの上に食事はなかった。食事が盛られているどころか、皿の一枚も出ていない。
 不思議に思ってりなは後からやってきた大司氏にそのことを話した。
「あ、そうか」大司氏ははっと思い出したかのように手を打つ。「コックが早帰りで、今日夕食がないんだよ」
「そ、そんなぁ。いつもちゃんとお食事がテーブルに並んでるのに……何で代わりとか呼ばなかったんですか?」
 心底がっかりしたように訴えるりなに、大司氏は黙って首を横に振る。
「私は今日の夕食をりなに作ってもらおうと思っていたのだよ」
「えっ! そんな……そんな、私料理なんか作れないですぅ」
「嘘だろうりな。普通誰でも簡単な料理は作れるものだ」
「……本当に、私料理作れないですぅ……」
 ばつが悪そうに肩をすくませてりなは弱々しく答えた。
 実際本当の事であった。中学校の時に調理実習を二、三度ほどした位で、りなは今まで自分からキッチンに立ったことがなかった。精々その日に食べる米を洗うのが精一杯で、あとはコンビニやスーパー等で買って来た惣菜で済ませてきたのだ。
「……全くなんてことだ。私の僕ともあろうものが料理が作れないとはな」
「そんなぁ、大司さんひどいですぅ。第一そんな話今始めて聞いたんですよ」
「普通料理なんかできるだろうが。お前はセックスでよがること以外に能はないのか」
 その言葉に、なの目が凍ったように固まった。それから少しづつそのまなざしに哀しさを帯びる。
「……何でそんなこと言うですか……」
「おっぱい揉まれてアヘアヘ言って、オマンコ貫かれてイクイク言って、お前は四六時中発情することしか頭にないのか。いっぱしの人間なら、何か他にできることがあるだろう? それとも何か、お前は私の精液便所か?」
「そんな……精液便所なんて……ひっぐ……ひどいぃ……」
 その場にへたり込んで、りなは目から止めどなく涙をこぼす。
「そんなにくやしいなら料理作ってみろよ!」
「ふぐぅ……ぅぅぅ……」
 頭を抱えてぶるぶる横に激しく振りながら、りなは涙を床に落とし続ける。
「ほら、作れ! 早く料理を作れって言ってるだろ! とっとと作れこの牝犬っ!」
 バチィィィっ!
 りなの尻を思いきり強く蹴飛ばした。
「ひぃぃぃぃ! 痛ああああああ!」
「全くトロい女だなお前はこの――!」
 バチィィィっ!
「痛いぃ! やめてください、お願いですから――」
「だったらとっとと食事を作れぇ!」
 バチィィィっ!
「ひうぅぅぅぅ!」
 どれだけ尻を蹴られても、りなはただ顔を真っ赤にして泣きじゃくるだけだった。
「くそ、これだけやってもわからないなら、もっと別の罰が必要だな……」
 憎々し気にそう言うと、大司氏は突如ズボンのベルトを外した。金具のところを握ると、大きく振りかぶり、りなの白い尻に打ちおろす。
 ビシぃぃぃぃぃ!
「ひぃぃぃぃぃぃ!」
 乾いた音を立てて、りなの尻に赤い筋を引く。一本だけでは済まさない、大司氏は立て続けにベルトを鞭にしてりなの両臀に赤い筋を刻み込む。
 あまりもの痛さにりなはただ泣きじゃくることしかできない。今まで痛いことはいろいろされてきたが、このベルト鞭の痛みには大司氏の愛を感じない。それは純粋に罰だった。
「やめてください、やめてください……やめてえええええ!」
 ひたすら許しを乞うて叫ぶりな。だが無情にも大司氏の鞭は立て続けに打ちおろされる。
 かくしてりなの尻は赤く染まり、にわかに熱もこもるようになった。
「ひうぅ……何で、何でこんなひどいことするですか? ねえ、大司さん……」
 鼻をすすってなおべそをかきながら大司氏に甘えた声を出すりな。
「お前がとっとと食事を作らないからだ! さあ、作れないなら屋敷の外に出ていけ!」
「そ、そんなぁ。もう外は寒くて――」
「うるさい! どうせその体はやらしく火照って熱いくらいなんだろ。ちょうどいいじゃないか、すこし寒い風に当たって冷やしてこい!」
 無表情を装って大声でまくし立てながら、蹴り転がしてりなを追い立てる。
「ほら、作れ! 作れよ!」
「だって作れないんだもん、作れないもぉん!」
「じゃあとっとと出ていってしまえ!」
 りなの腕を握りしめると、そのままぐいぐいと玄関まで引っ張っていく。
「あぁっ、いやっ、いやっやめてっ!」
「うるさい、とっとと外に出てしまえ!」
 玄関の扉を開けると、外の寒い空気がりなの体を撫でる。
 大司氏は力一杯りなを突き飛ばして外に放り出した。戻ろうとするりなをほふらんばかりに、そのまま勢い良く扉を閉めてしまった。
 屋敷の外に、りなは一人石畳にへたり込んでうつむいていた。叩かれた尻が冷たい地面に冷まされて疼きになる。撫でればごわごわとした感触で、それがとても気持ちよく感じる。
(私ったら、なんでこうなっちゃうんだろうね……)
 小さく縮こまり、哀しみで冷えきった心の中で自己懍憫に浸る。
 彼女自身、もうこの屋敷以外どこへも出歩けないのだ。裸同然の格好で、自分の住んでいた街になど戻れるわけがない。仮に安心できる場所にかくまわれたとしても、体は大司氏を求めて淫らに疼くだろう。そうなればきっと自分はこの屋敷に戻ってくるに違いない。
 たとえ大司氏が気分を損ねたとしても、自分はここに居続けざるをえないのだ。
 そんな弱々しく哀しい自分が、りなは愛おしくてならない。欲情さえしてしまう。

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