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第4話「修行開始」 |
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前回までで、戦闘をするまでの準備を周到なまでにした僕。あとは狩りを開始するのみである。これからはビシバシとモンスターをシバいて、経験値を稼ぐのだ。
ってなわけで街をあとにして、スチームフォント山脈へと飛び出した僕。すると、街の入り口すぐのところに、同じような姿のノームの魔法使い達が、群れをなしてなにやら話しているではないか。ここは早速僕も混ざって、コミュニケーションをとっておくしかあるまい。
ゼン「やぁ」
ノームA「やぁ、ゼン」
ノームB「やぁ、ゼン」
ノームC「やぁ、ゼン」
みんなそろって[H]キー(注1)。「やぁ」連呼大会開催。手抜き? いやいや、便利な機能と言っていただきたい。会話は続く。
ゼン「ノームがいっぱいですねー(当たり前だ)」
ノームB「ですねー」
ゼン「みんなそろって何を?」
ノームA「これからまったりとGFay(注2)に行って来ます」
ゼン「ほっほー、旅ですか。いってらっしゃーい」
ということで、あっと言う間に皆さん行ってしまわれた。ああいう団体旅行も楽しそうだけど、僕はしばらくこのスチームフォント山脈で修行をする予定だったので、今回は見送りだ。再会を願いつつ、「さようなら」と手を振った僕は(注3)、いよいよ修行を始めることにした。
さて、エバークエストにおける狩りの手順の基本は、
1)モンスターを見つける
2)見つけたモンスターの強さを[C]キーで調べる(注4)
3)勝てそうな相手だったらブッ飛ばす
と言うふうになっている。「強さを調べて、勝てる相手に挑む」と言うのが重要だ。勝てない相手には100回挑んでも勝てない。
ってなわけで、街の周辺を駆け回り、モンスターを見つけては[C]キーで強さを調べる。レベル1のうちは、調べた結果が白い文字で表示されるモンスターを狙っていこう(注5)。・・・うーん、手に負えなそうな相手が多いな。勝てそうな相手は、 a decaying gnome skeleton(骨)と a large rat(ネズミ)くらいしかいない。かといって、勝てない相手に挑んでも殺されちゃうだけなので、頑張ってこの二種類に的を絞って狩りをしていこう。
骨、またはネズミを発見するなり、遠距離から攻撃魔法をぶち込む。怒って近づいてきた相手を、スキルを上げてある短剣でぶすぶすぶすぶすと刺す。
見つける、魔法発射、刺す。
見つける、魔法発射、刺す。
見つける、魔法発射、刺す。
そんなことを繰り返すこと十数回。開始した頃は明るかった空も、すっかり暗くなり、何匹目かの骨を倒したとき、ついに!
経験値を得た!!
レベルアップした! レベル 2 にようこそ!
びいいいいいいいん!という効果音と共に、レベルが上がった!
勢い余った僕は、この喜びをゾーン全体に報告してみる。
ゼン「(Shout)DING!(注6)」
・・・
・・・
・・・
(あれ、無反応?・・・・あうあうあう)
・・・
「(Shout)Gratz(注7)」
ふー。危ういところで、わずかに祝福を受けることができた。無反応だと悲しいところだったので、とりあえず反応してくれたあなた、ありがとう。今後は空気を読んで叫ぼう・・・。
ともあれ、初の修行開始から順調にレベルを2に上げることができた。この調子でどんどんレベルを上げていきたいものである。
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56分 |
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注釈
(注1)みんなそろって[H]キー:
[H]キーを押すと、「やぁ」という挨拶を簡単に発言することができる。誰かをターゲットした状態で[H]キーを押せば、「やぁ、(誰か)」となる。
(注2)GFay:
Greater Faydarkの略。日本語版で言うゾーン「グレーター・フェイダーク」のこと。グレーター・フェイダークはウッドエルフの街ケレティンがあり、また、ハイエルフの街フェルウィズ、オークの巣窟クラッシュボーンと隣接しているため、フェイダー大陸随一の人口密集地帯として知られている。いわば都会。
(注3)「さようなら」と手を振った僕:
「/bye」コマンドで、「さようなら」と手を振るジェスチャー(ボディーランゲージ)をすることができる。
(注4)モンスターの強さを[C]キーで調べる:
モンスターをターゲットして、[C]キーを押す。または「/c」コマンドを入力する。またはモンスターを右クリックする。このいずれかを行うことで、モンスターの自分から見た相対的なレベルを計ることができる。レベルは、これを行ったときに表示されるメッセージの色によって大まかに判別でき、弱い順に、緑、水色、青、白、黄色、赤、と表示色が変わる。表示されるメッセージが白いモンスターが自分と同じくらいの強さであり、それより上の色になると一対一ではほとんど勝てない。
なお緑のモンスターを倒しても経験値は入らない。
(注5)レベル1のうちは、白い敵を狙っていこう:
レベル1では自分より下のレベルのモンスターがいないので、[C]の結果が白い文字で表示されるモンスターを狙う。レベル2以降は青いモンスターを狙うほうが無難。
(注6)DING!:
レベルアップ!の意。エバークエストではレベルアップ時に「ビーン」とか「ディーン」とか聞こえる効果音が鳴る。その効果音を英語の擬音語で表記すると「DING」となるらしく、転じてそれが「レベルアップしたよ!」と報告する用語になった。
(注7)Gratz:
Congratulationsの略。「おめでとう!」の意。 |
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