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第5話「ルッキング・フォー・グループ!」 |
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さて、レベルも2に上がったわけだけど、依然としてこのスチームフォント山脈周辺で倒せるモンスターは、骨(a decaying gnome skeleton)とネズミ(a large rat)の2種類しかいない。このままレベル3になるまで、さらに骨とネズミを探して狩り続けてもいいんだけど、どうにも敵の数が少ない。
うーん、この先たまに見つかる骨とネズミを殺すだけでは、いつレベル3になれるかわかったもんじゃないぞ・・・。
と思っていると、目の前で三人の冒険者が、犬人間型モンスター・コボルドの集落の前でうろうろしているではないか。どうやら彼らはグループを組んでこのコボルドの集落でキャンプ(注1)をしているらしい。僕もこのグループに参加できないだろうか。
ってなわけで、おずおずと話しかけてみる。ファーストコンタクトは緊張するな・・・。
ゼン「こんにちは。グループにまぜてもらえないでしょうか?」
ロリエ「死にまくりでよければいいですよ」
・・・不吉なことを言われた。
とはいえ、このレベルではまだ死んでも痛くもかゆくもないし(注2)、一人でやるより大勢でやった方が狩りも楽しかろう! というわけで、このグループに入れてもらうことにした。グループのメンバーは、Beuzgidさん(ハーフエルフ/パラディン)、ロリエさん(ノーム/ローグ)、Clamさん(ウッドエルフ/ドルイド)、それに私(ノーム/ウィザード)の4人。タンク、アタッカー、ヒーラー、キャスター(注3)、となかなかバランスの取れたグループといえるだろう。
コボルドの集落の一つの前で待機し、プラー(注4)がそこへコボルドを引っ張って来る。プラー以外のメンバーがそれを待ちかまえて倒す。・・・という、いわゆるキャンプというやつを彼らはしていたらしい。私が加わったあと、一旦止まっていたキャンプは、再び始まった。
が、このキャンプを始めた時点で、敵コボルドのレベルが3〜4であるのに対して、グループのメンバーのレベルは2、1、2、2。メンバー全員にとってコボルドは強すぎる相手であるといえる。そのため最初のうちは、一回戦闘をこなす度にパーティーが半壊するという、かなり凄惨なキャンプとなった。死屍累々の地獄絵図である。
しかしその分見返りも多く、コボルド1匹につき、目測でネズミ5匹分以上と思われる経験値を得ることができ、犠牲者の数がのべ20人に達する頃には、みんなもレベル3にまで成長することができていた。
その後、さらにハイエルフのクレリックとエンチャンターの二人を仲間に加え、戦力も大幅にアップした僕ら。それ以降は、さして死者を出すこともなく、順調にキャンプを続けることができた。わいわいがやがやと会話も盛り上がったキャンプは、気がつけば実時間で2時間近く続き、そのころには僕のレベルも4にまで上がっていた。
レベルも上がったことだし、キリのいいところで一旦切り上げるか。
そう思った僕は、ひとときの仲間に別れを告げ、我が町アッカノンへと戻ったのだった。
ゼン「グループ組んでくれてありがとー」
Beuzgid「またよろー」
ロリエ「いえいえこちらこそハゲ先生」
Clam「ハゲ先生またね」
ゼン「ハゲゆーな!」
変なあだ名をもらいました。
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3時間23分 |
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注釈
(注1)キャンプ:
一カ所にとどまり、そこに出現するモンスターを狩り続ける行為のこと。
(注2)死んでも痛くもかゆくもない:
エバークエストではレベル10になるまでは、死によるペナルティーは、ホームポイントへ戻らされるということ以外にはない。レベル10以上になると、死んだ場所に持ち物が残り回収する必要ができ、レベル11以上になると、死ぬ度に経験値を一定値減らされるというペナルティーを負うことになる。
(注3)タンク、アタッカー、ヒーラー、キャスター:
グループ内での役割の名称。大ざっぱに言うと、それぞれ、敵の攻撃を受け止める役、敵にダメージを与える役、味方の傷を癒やす役、敵に魔法をかける役、と言った感じ。
(注4)プラー:
Puller。Pull(引っ張る)をする人、の意。プルとはモンスターを仲間のいるところまでおびき寄せる行為を言う。釣る、引っ張る、などとも。 |
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