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第14話「砂漠のオアシス」 |
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アントニカ大陸へ移住し、ウィスプを一人で狩り終えた僕。そんなこんなでレベルは14まで上がったもののソロはつらいなと痛感。
やっぱりグループにまぜてもらおうと思い、先にアントニカ大陸へ渡っているフェイダー大陸時代の知り合いに声をかけてみることにした。
ゼン 「こんにちは。グループ空きないでしょうか?(すでに定型句)」
返事 「死んでもいいならあるよー」
・・・なんかどっかで聞いた返事だな (前にこのセリフを言った人とは別人です)。
ゼン 「・・・え、っと、はい、死なないように頑張るのでよろしくー」
ということで、僕はグループに入れてもらえることになった。
グループはこれからフリーポートの南にあるマーのオアシスへ行く予定らしい。僕はフリーポート東区にある南門を出て、ロー砂漠北部へ向かい、待ち合わせ場所へ急行した。
夜の砂漠を走ること数分、オアシスのゾーンのすぐ近く、というところまで行くと、今回のグループのみんなが待っていてくれた。合流完了だ。
さて、オアシスと言えばワニ(a caiman、a crocodile等)というほど、オアシスはワニ狩りの名所としてレベル10台の冒険者には有名だ。
しかし、ここ数日のオアシスにはワニが少なく、かわりにサンド・ジャイアント(a sand giant、通称SG)が多いと言う。
いつも以上の危険地帯(注1)になっているらしい。
サンド・ジャイアントはコモンランドのヒル・ジャイアント同様、レベル10台や20台の冒険者にとっては、「攻撃される=死ぬ」というほどに危険な相手なのだ。
このことが冒頭の「死んでもいいなら」と前置きした理由らしい。
そのため我々も、今回はオアシスのワニではなく、オアシスの海沿い南端(注2)にあるオークキャンプを狙ってみることにした。
ワニが徘徊しているはずの場所は、いまやサンド・ジャイアントの散歩道になっているからだ。
オアシスへゾーンし、夜明け前のオアシスを海沿いに南下する。
噂通り、オアシスには大量のサンド・ジャイアントたちが闊歩している。時には泳いだりしてサンド・ジャイアントを避けながら、南のオークキャンプを目指す。
オークキャンプが見えるところまで来てみると、だんだん空も白んできて明るくなってきた。ここでオーク(an orc warrior等)を狩るのだ。オークはレベル14の僕からだと、赤から青というレベル。なかなか厳しそうだ。
いつものようにタンクがモンスターを殴っているところへ、ボコボコとDDを撃ち込む。さすがに赤いモンスターはしばしば僕のDDをレジストするな(注3)。
レジストされるとウィザードとしては全く役立たずもいいところなので悲しい。
とはいえ、全く倒せないというほどでもないようだ。苦戦はするものの、死の危険を感じるほどでもなく倒すことが出来た。
さらに我々は着実にオークを倒し続け、時々やってくるワニもついでに倒す。
うん、悪くない感じだ。経験値も順調に増えているぞ。
ところが・・・。
砂丘のむこうから、ドシーン、ドシーン足音を響かせつつ、アラブ風のターバンがもっそり登場。
「SG!」
「激ヤバ!」
あわてて海へ飛び込み待避する一行。
そんな我々を意にも介さず、さっきまで我々のいたところで悠々と仁王立ちするサンド・ジャイアントさん。35歳(推定)。
「・・・ここ、危ないね」
「・・・そうだね」
「・・・別の狩り場に行こうか」
「うん」 「うん」 「ですね」
そんなわけで、サンド・ジャイアントの急襲に恐れをなした我々は、オアシスでの狩りを一時間弱ほどで切り上げ、尻尾を巻いて逃げ・・・別の狩り場目指して旅立ったのであった。
ま、死ななくてよかったってトコですか。
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1日16時間26分 |
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注釈
(注1)いつも以上の危険地帯:
マーのオアシスはもともと危険と隣り合わせのゾーンである。サンド・ジャイアントの他にも、Lockjaw(通称LJ)という巨大ワニも稀に現れては、レベル10台の冒険者をなぎ倒してゆく。ここでの狩りはいかに迅速にこれらを発見し避難できるかというところにかかっているのである。
(注2)オアシスの海沿い南端:
マーのオアシスのゾーンには、東に海が、中央にオアシスがある。目につきやすいためこれがオアシスかと勘違いされやすいが、東の砂浜はオアシスの岸辺ではなく、大海原への海岸線なのである。マーのオアシスという名前に騙されてはいけない。つまり「オアシスの海沿い南端」とは「オアシスと言う名前のゾーンにある海岸線の南端」である。
(注3)レジストする:
魔法に抵抗する、ということ。完全にレジストした場合、その魔法は全くその対象に効果を発揮しない。DDであればダメージを与えることが出来ないし、Rootであれば足止め失敗ということになる。 |
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