成長日記 冒険記
ゼン爺の成長日記
  第18話「ハイパス・ホールド:オークサイド」
物見遊山の旅も終え、心機一転、再びハイパス・ホールドにこもってレベル上げをしている日々。
 
今まではずっとノールのいる東カラナ平原側で、キャンプをしていた。
 
レベル的に見て、こちら側の方がキシコールの森側のオークよりも若干低く、狩りに適していたからだ。

結局、数レベルの間ノールを倒し続けた結果、Cracked Darkwood Shield(注1)やら、Polished Granite Tomahawk(注2)やらといったレアアイテムも出たりして、経験値・アイテム共においしい狩りをすることが出来た。
 
どちらのアイテムもタンクやヒーラー向けのアイテムで、使うことが出来ないウィザードの僕としては必要のないものなのだろうけれど、Cracked Darkwood Shieldに至っては、僕を含めたグループメンバー全員分が出てしまい(つまり6枚)、使えないというのに貰ってしまった。
 
うーむ、誰かに売るしかないかな?
 
さて、さすがにCracked Darkwood Shieldが6枚も出るほどノールキャンプを続けていると、レベルもだいぶ上がってくる。
 
もうノールキャンプでは歯ごたえがなくなってしまった。

そこで、ノールよりも若干強いとされるオークのいる側へ行って、グループに入れてもらうことにした。
 
ハイ・キープからInvisibilityの魔法を使ってオークのいるキシコールの森側のゾーンへ向かってみる。そのときは比較的人の少ない時間帯だったためか、そこにグループはいたけれど人数は満員ではないようだ。チャンス!
 
ゼン 「こんにちはー。グループ空きないでしょうか?」
 
返事 「ありますよー」

 
OK。グループ、ゲッツ!
 
ってなわけで、こうして僕のハイパス・ホールド生活の第二幕、オークキャンプの日々が始まったのである。
 
ハイパス・ホールドのオークは全ノーラス的に見てもなかなか歯ごたえのある連中で、雑魚キャラとしてのイメージが浸透しているオーク一族の中では、エリートの部類と言える。
 
しかも中にはバックスタブ(注3)をしてくるヤツまでがいて、うっかり背中から攻撃されると、下手をすると三桁のダメージを食らうこともある。
 
今のレベルでは侮れない相手だ。

とはいえ、さすがにグループで挑めば勝てない相手でもない。いざとなればすぐにキシコールの森へゾーンして逃げることも出来るので、犠牲者を出すこともなく、順調に狩りを続けることが出来た。
 
ところで、このオーク側にも、ノール側でCracked Darkwood ShieldやPolished Granite Tomahawkが出るように、レアアイテムを出すレアモンスターが稀に出現する。
 
感覚的にはノールのレアモンスターよりもレア度が高いような感じがするが、とにかく出るのだ。
 
その日も、いつものようにオークを狩り続けていたところ、いつもオークが出現する場所に、姿はオークながら名前の違うモンスターが出現した。
 
「Recfek Shralok でたー」
 
「きたー」

 
順調ながらも平坦だったキャンプにわき起こる一瞬の興奮。

プラーが引っ張って来た固有名詞付きオークRecfek Shralok(注4)を、一対六で一斉に攻撃する。・・・見方によってはタダのいじめではあるが、涙を呑んで悪は滅ぼそう。うむうむ。
 
そしてRecfek Shralokを倒すと、戦利品としてShralok Packという、中に入れたものの重さを25%軽減出来る魔法のカバンを手に入れることが出来た。
 
この品物はどの職業でも使えるので、誰が貰うべきという指標もこれと言ってなく、ここはみんな公平にいこうと言うことで、にわかに「カバン争奪ランダム大会」が行われることになった。
 
「ランダム(注5)」というのは「/random」というコマンドで行う一種のジャンケン。
 
「/random」と入力すると、0から100までの数字のどれか一つがランダムに選択されて表示される。

これをみんなで行って、一番数字の高い人がそのアイテムを貰う、という約束事だ。
 
さて、このランダムの結果、運良く僕は一番高い数字を叩き出し(97だった)、見事Shralok Packを手に入れることが出来たのだった。
 
鎧も軽いものしか装備出来ないせいか、筋力がないわりに、あまり重量オーバーで困ったことはないけれど、いいお土産を貰えたと思ってありがたく頂いておこう。
 
ありがとう、グループのみんな。
 
そんな風にしてオークを狩り続けた僕は、数回のオークキャンプを経て、レベルを19まで上げた僕は、だんだんオークさえも物足りなく感じるようになるのであった。
 
ゼン爺の合計プレイ時間 2日17時間5分

注釈
(注1)Cracked Darkwood Shield:
ハイパス・ホールドのノール側にまれに出現するノール、Vexven Mucktailを倒すと得られる魔法の盾。AC:12、STR:+9。通称CDS。
 
(注2)Polished Granite Tomahawk:
ハイパス・ホールドのノール側に稀に出現するノール、Grenix Mucktailを倒すと得られる魔法の斧。スキル:片手剣、攻撃間隔:26、ダメージ:6、エフェクト:Berserker Strength(戦闘中)。通称PGT。
 
(注3)バックスタブ:
背後から攻撃することで通常の数倍のダメージを与えることが出来るスキル。プレイヤー・キャラクターではローグを職業に選択した場合に、刺突剣を装備しているときに限り使うことが出来るが、モンスターが使ってくる場合は素手でもバックスタブをしてくる。ちょっぴり卑怯である。
 
(注4)固有名詞付きオークRecfek Shralok:
固有名詞付き、のモンスターのことを「named」などとも言う。通常のモンスターの出現する場所に稀に出現し、通常のモンスターと見た目は似ているが、名前や能力、そして戦利品が違う、というパターンが多い。
 
(注5)ランダム:
「/random」のコマンドで0から100までの乱数を出すことを言う。またこのコマンドはパラメーターを変えることによって、乱数の範囲を変動させることが出来る。たとえば「/random 500」と打てば0から500までに、「/random 500 1000」と打てば500から1000にすることが出来る。ランダムを行うことを「ロール(roll:サイコロを振る)」とか「ロット(lot:くじを引く)」とも言う。


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