成長日記 冒険記
ゼン爺の成長日記
  第29話「コンビニエンス・狩り場」
「コンビニエンス・狩り場」
 
そんな言葉がふさわしいところ。それが今回ご紹介のハイ・キープである。今まであえて避けてきたけど、とうとう行ってまいりました。
 
ハイ・キープといえば、レベル10台の頃にさんざんお世話になった、ハイパス・ホールドの真ん中にそびえ立つ要塞だ。
 
ハイ・キープはそれ単体でかなり充足してしまうゾーンで、お店あり、食料品あり、銀行あり、ウィザードギルドあり、そしてダンジョンまであるという、まさに何でもありの便利ゾーンなのである。
ハイ・キープに入って地下へ下りると、きれいな白い大理石風だった壁面が、青黒く小汚い壁面に変わる。
 
このエリアには銀行員や商人がいて、戦闘後の戦利品処理をするのにもってこいだ。さらにここから地下に下れば、ハイ・キープの小さなダンジョンにたどり着くことが出来る。
 
ハイ・キープのダンジョンは、他の純粋なダンジョンゾーンに比べると、ほんのちっぽけなダンジョンでしかない。
基本的には、ゴブリンのいるエリアに入ってすぐの「階段下」と呼ばれるポイントと、そこから少し奥に進んだところにある「WR(Warrior Room)」と呼ばれるポイントの、2つのキャンプポイントしかないという本当に小さな規模なのである。
 
よほど混雑している時をのぞけば、ダンジョン自体のキャパシティーは、せいぜい2グループ、12人といった程度のところだ。
 
しかも、ここに出没するモンスターは特においしいアイテムを出すわけでもなく、せいぜいブロンズ製の鎧(注1)と、お金を出す程度でしかない。にもかかわらず、ハイ・キープは常に人気のスポットで、いつ行っても満員御礼なのである。
 
理由は単純で、「簡単に、経験値が多く入る」からなのである。モンスターはほどほどの強さ。いざというときにはガードのいる場所まで逃げることが出来る。戦利品はすぐに同一ゾーン内で売り、銀行に預けることができる。
 
そしてなによりも、モンスター1匹当たりの経験値が非常に多い。これだけの好条件がそろえば、人気スポットになるのも当たり前というものである。
 
さて、今回はそんな人気スポット、ハイ・キープのウォーリア・ルーム、通称WRへ行って来た。
 
WRはハイ・キープの2つのキャンプポイントのうち、レベル的には高いほうのポイントである。
 
WRにいるゴブリン(A Pickclaw Warrior)はレベル30強。レベル25前後の僕にとってはかなりの強敵だ。
幸い、他のメンバーの人たちが僕よりもレベルの高い人ばかりだったので、その人達におんぶにだっこしながら、テクテクとついていくことにする。さほど広くないハイ・キープのこと、銀行からわずか数十秒でWR前まで到着してしまった。
 
階段下でキャンプしている人たちが、そこまでの道のりにいるゴブリンを掃討してしまっていたので、途中にはなんの障害もない。すでに掃除されているWRの前で、WRの周辺や内部にいるゴブリンを始末してから、WRの中でのキャンプを開始することにした。
 
そして、キャンプ開始数十分後。
 
おいしいおいしいと噂には聞いていたが、本当にとんでもないですな、ここは。恐ろしい勢いで増えてゆく自分の経験値。一匹倒すごとに、この経験値のゲージが目に見えて増えていくのだ。
 
結局、ここでのキャンプを二時間余り続け、苦もなくレベルを上げることができた僕は、ハイ・キープの真価を堪能してこの日の修行を終えたのだった。
 
ああ、一回ここの経験値の上昇ペースに慣れてしまうと、今後、他の場所での修行がつらく感じそうで怖い・・・。
ゼン爺の合計プレイ時間 6日4時間09分

注釈
(注1)ブロンズ製の鎧:
ブロンズ製の鎧は、アーマークラス(AC)が、NPCの売っているプレート・アーマーと同等で、重量が非常に重い、という代物である。プレート・アーマーを着用できる職業にとっては、なかなかに防御力が高い鎧なので、初心者アーマークエストの鎧から、より高等な鎧への、つなぎの鎧として、重宝されることも多い。なお、ブロンズ・アーマーは通常のプレート・アーマー同様、サイズが三種類あり、種族に応じたサイズのものしか使用できない点は注意が必要である。ハイ・キープで取れるのは、主にスモールサイズとミディアムサイズ。


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