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第32話「ドラゴンの住処」 |
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ハイ・キープやら、ソルセックの眼(通称solA)やらでレベル上げに励む日々。このころは、1人になるとソルセックの眼へ行き、LFGしては空きがあったら入れてもらう、というようなことをしていた。
この日も例によってソルセックの眼でグループを探していたところ、こんな返答がかえってきた。
「solBに行こうと思うんですけど、それでよければどうですか?」
ほほう。solBですか。
solB、すなわちナガフェンの寝室といえば、ソルセックの眼(solA)に隣接するダンジョンで、総じてソルセックの眼よりもモンスターのレベルが高い場所だったはずだ。
僕のこのときのレベルは32とかだったかな。このレベルだとちょっとナガフェンの寝室に行くには低いかな? ぎりぎりかな? という感じ。
でもせっかくのお誘いなので、結局、お言葉に甘えてご一緒させてもらうことにしたのだった。
ナガフェンの寝室に入るには、(1)ラヴァストーム山脈の入口からはいる、(2)ソルセックの眼の入口からはいる、の二種類があって、なおかつソルセックの眼からの入口は数カ所にあるため、合計のゾーン入口数は数ヶ所におよぶ。
今回はそのうち、ソルセックの眼からの入口、その中でも一番ラヴァストーム山脈に近いところからナガフェンの寝室へ入ることにした。
ナガフェンの寝室にゾーンすると、早速モンスターに襲われる。相手はグレーター・コボルド(greater kobold)だ。
レベル一桁の時にさんざんスチームフォント山脈で戦ったコボルドの、激しく強まったタイプのようだ。たかがコボルドだろー、と思って「/con」をしてみると、表示された色は黄色や赤ではないか。普通だったらかなり強敵なのだ。
幸い今回は僕よりレベルの高い人たちばかりと組ませてもらったので、僕から見たら強敵でも、他のメンバーからするとそうでもないらしく、割と簡単にコボルドを倒していく。
あまつさえ「コボルドはヒットポイント少なくていいねー」とかおっしゃってあらせられる始末。・・・もしやお荷物か、僕?
ともあれ、そんな風にして数匹のコボルドを倒しつつ進んでいくと、通称ウィンドウ・ルーム、と呼ばれる部屋にたどり着いた。この部屋は二階層に分かれていてロフトのような部分があり、そのロフトの部分の壁に窓のような穴が開いているのでそう呼ばれているようだ。
しばらくはこのウィンドウ・ルームで、キャンプを続けることするようだ。
ここにプラーが右から左からと、次々とコボルドを引っ張ってきては、エンチャンターが寝かしまくり、みんなで一匹づつ撃破するという、教科書通りの戦いを続ける。
ところが、このウィンドウ・ルームは、巡回型のコボルド(注1)の通り道になっているらしく、時間を計って計算通りにモンスターをさばく、ということがしにくい。
そのため僕らも、予想外の大軍に襲われ(3匹プルして来たところに、巡回が2匹来たのかな?)、一度ソルセックの眼までの撤退を余儀なくされてしまった。
そこで、今度はキャンプをする場所を変更して、再度ナガフェンの寝室へ侵攻を開始することにした。
「ウィンドウ・ルームは巡回が邪魔ですな」
「プール・ルームいってみますか」
ってなわけで、今度はプール・ルームと呼ばれるところへ向かうことになった。
名前の通りプール・ルームは部屋の中央に穴が開いていて、非常に透明度の高い水でその中が満たされている、という部屋だ。
キャンプの合間にこのプールで泳いだり、吹っ飛ばし魔法(注2)でコボルドをプールに落としたりして遊ぶこともできる、ナイスな部屋でもある(そしてグループメンバーの失笑を買うゼン爺・・・)。
この部屋はどうやらあまり巡回型のコボルドが来ないらしく、非常に安定したキャンプを続けることが出来た。ただ、この部屋の周辺のコボルドは必ず複数匹セットになっている場合が多いので、MEZ(注3)の出来る職業がいない場合は、ウィンドウ・ルームよりつらいのかもしれない。
うまくやれば1、2匹づつだけど、巡回というイレギュラーが怖いウィンドウ・ルーム。複数来ることが多いけど、不確定要素の少ないプール・ルーム、という印象を受けた。まぁ、数時間程度の印象だから、どの程度の信憑性があるかはあやしいものだけど。
かくして、数時間にわたるキャンプを終えた僕らは、ラヴァストーム山脈にあるドルイド・リング(注4)で戦利品を売り払って分配し、解散と相成ったのであった。
さすがにこのレベルのダンジョンになってくると、戦利品も数十pp単位になってきて、金銭的な苦労がなくなってきたな。うくく・・・。
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7日3時間26分 |
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注釈
(注1)巡回型のモンスター:
巡回型のモンスターは巡回コースがランダムに変動するため、リ・ポップしてからプレイヤーに遭遇し倒されるまでの時間が、どういった経路で動くかによって毎回変わってしまう。そのため、戦闘中でないときに巡回型モンスターに遭遇すれば簡単に倒せるし、激しい戦闘中に巡回型モンスターが加わってさらに戦況が悪くなったりもする。とかく不確定要素になりがちなタイプといえる。
(注2)吹っ飛ばし魔法:
文字通り対象を吹っ飛ばすことの出来る魔法。どの方向にどの程度吹っ飛ばすかは魔法の種類によって異なる。強力な魔法になると、遙か上空まで対象をはじき飛ばす事もできる。
(注3)MEZ:
Mesmerizeの略。モンスターを寝かし、一時的に無力化させる魔法全般を指す。MEZの出来る職業は、エンチャンター、バード、ネクロマンサーが一般的。
(注4)ドルイド・リング:
DRU (Stone) Ring。各地にあるドルイドのいる遺跡のようなもの。石柱が環状に並んでいるのでそう呼ぶようだ。ドルイドのグループ・ゲートの到着点でもあるので、ドルイドのGGP(グループ・ゲート・ポイント)などとも言う。
ちなみにウィザードのGGPは、ウィザード・スパイアー(WIZ Spire)とか、ウィザード・ピラミッド(WIZ Pyramid)などという。ウィザード・リングとは普通言わない。 |
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