|
|
|
|
第41話「パンダを探しに」 |
|
すっかり日課になったベリオス大陸での狩りを続け、レベルを36まで上げた僕。この間の狩り場はおおむねクリスタルの洞窟ばっかりで、Ry'gorrやドワーフの村の奧にいるイカ(a stalag terror等)を倒す日々を送っていた。
とはいえ、さすがに毎日氷原と洞窟ばかり見ていては、心身共に堪えるというもの。なにか息抜きはないかな、と思っていたときにちょうど知人とこんな会話をした。
ゼン 「こんにちは。そこはどこですか?」
(「/who」コマンドに表示される地名を見たことがなかった)
知人 「ストーンブラント山脈です。ワレンズの先にあります」
ゼン 「ほほー。そこで狩りですか?」
知人 「いや、クエストやってます。ヘイストアイテム(注1)が運がいいと出るので」
ゼン 「なるほどー」
知人 「パンダもいますよ」
ゼン 「なぬ!パンダ! そんなもんがいるんですかー」
ということで、息抜きもかねてブラブラと元祖癒やし系動物、パンダを見に行くことにしました。
ストーンブラント山脈は、オデュス大陸の外れにあるいわば辺境の地。普通なら行くだけでも大変なところだけど、そこはウィザードの特権、Gateの魔法がある。
トックスリア・フォレストまではGateでひとっ飛びなので、そこから邪悪なネクロマンサーの街ペイニールをかすめて、ワレンズというダンジョンへ入り、そのワレンズの最奥部まで抜ければ、ストーンブラント山脈に着くことができる。ゾーン数で言えば3つでしかない。
トックスリア・フォレストまでGateの魔法で飛び、ペイニールを通ってワレンズに入る。
ワレンズはコボルドが主なモンスターとなるダンジョンで、レベル帯で言えばおよそ10台から20台前半向けといった感じなのだろうか。どちらにせよ、レベル36の僕からすると、全てのモンスターが緑で、近づいてもほとんど襲われることすらない。 道に迷うこと以外は、ここもすでに安全なゾーンとなってしまったようだ。
一応念のためにInvisibilityをかけてから、あっさりとワレンズを突破する。
ワレンズを抜けると、山肌に穿たれた洞窟からストーンブラント山脈に出ることができた。ストーンブラント山脈は、三つの旧大陸の一つ、オデュス大陸にあるにもかかわらず、風景のモデルが新大陸のように細かいものになっている。前に少しだけ行ったことのある、クナーク大陸に雰囲気は似ている感じだ。
さて、パンダを見る以外に目的もなく来たけど、どうしようかな。とりあえず引き続きInvisibilityをかけつつ、走り回ってみるか。
走り回ると、思いのほか広い。名前の感じから、自分でも気がつかないうちに、故郷のスチームフォント山脈と同じようなゾーンではないかと決めつけていたんだけど、どうもだいぶ違う感じだ。ゾーン内の高低差が激しく、モンスターも特殊で、なにより広い。
パンダを発見する前に、とりあえずウサギを発見した。これも初めてみるタイプのモンスターだ。
モンスター・・・なのだろうか。かわいいぞ。
殺すには忍びないので、そのまま放置してさらに走り回ることにする。
他にもゴリラやら、虎やら、やたらでかい蛇やら、赤や黄色や緑のウィスプやら、色々なモンスターに遭遇する。
そして、ついに目的のパンダにも遭遇!
ドーン!
・・・ ・・・ ・・・・・・パンダ?
かわいくない。というか、怖い。
全然癒やされん。
ベリオスで狩りをした熊もどきと同じ形だ。どうせなら普通の熊をパンダ柄にすればいいものを、わざわざ不気味な熊もどきをパンダ柄にしおって。
腹立たしいので、とりあえず一匹倒す。色は青なので、周囲からのちょっかいに気をつければなんとかなるレベルだ。噂によれば、たまに弱い爪型武器(注2)を出すらしいけど、今回は戦利品もなかった。返す返すも腹立たしい。
このまま帰るのもしゃくなので、知人の言っていたクエストをくれるというNPCがいる猫人間の村を見物して、やるつもりもないのにクエストを引き受けたあと、やっと僕はこの地をあとにすることにしたのだった。
|
10日8時間56分 |
|
|
|
|
注釈
(注1)ヘイストアイテム:
攻撃間隔を短くすることの出来るアイテム。基本的にはそのアイテムを装備しているだけで、全ての武器の攻撃間隔が短縮される。前衛職にとっては非常に大きな戦力アップを見込める、重要なアイテムのタイプ。ガック下層でとれるFlowing Black Silk Sashが有名。
(注2)弱い爪型武器:
Panda Claws。ダメージ7、攻撃間隔30、片手剣。
|
|
|
|
|
|