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第49話「達人たちとゆく、ガック下層の旅」 |
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その日、ナガフェンの寝室へ行って「/OOC」でグループを探している旨を公言すると、ウォーリアとドルイドの二人組から「今は二人だけですけど、それでよければどうですか?」というお誘いを受けた。これに喜んで承諾した僕は、ナガフェンの寝室の入口付近で、その二人と合流することにした。
待つことしばし。
「やぁ、ゼン」
お、きたきた・・・って、え!?
そこに現れたのは、なんとレベル56のウォーリアとドルイドだった。この時、僕のレベルは41。格が二つも三つも違う世界の住人ではないか。こんな天上人と組んでは、僕ごときは足手まといではないのだろうか。
そう思って、その旨を伺ってみたが、「別に平気ですよ」とアバウトな返事を頂き、結局グループを組ませてもらうことになった。レベルが高いと気位も高いのではと思ってしまうが、実に親切かつ柔らかい印象で一安心だ。ここは一つ、甘えてしまうことにしよう。
さすがにレベル56ともなると、装備しているアイテム一つとっても、僕の知人のウォーリア達とは全然違う。ついついジロジロと装備を覗いてしまう僕。
おそらく強烈なアイテムなのだろうけど、まったく見たことのないアイテムばかりだ。いつかこんなアイテムを自力で取れる日が来るのだろうか。
そんなことを思っているうちにも、今後の方針について話は固まっていく。最終的に、「もう少し人数を増やして、ガック下層へ行こう」と言うことに決定したようだ。
明言はしてなかったけど、どうも僕のために新しいローブを取りにいってみよう、というつもりもあるらしい。・・・たぶん。ありがたいやら、申し訳ないやら・・・。
ということで、手練れた二人の先導のもと、スイスイとガック下層を突き進み、MagiとかMagusとか呼ばれるキャンプポイントに到着した。ここは、the ghoul arch magusという名前のレア・モンスターが出現するポイントで、運がよければ、こいつからキャスター用のローブを取れるらしいのだ。
そしてキャンプが始まる。モンスターがプルされてくる端から、レベル56のウォーリアによって叩きのめされていく。
あまりにもモンスターがあっさりと倒されていくので、もう僕が魔法を撃つ必要性を全然感じられないほどだ。
いつもは非表示ににしている「他人の攻撃」を、試しに表示してみると、とんでもない勢いでダメージがモンスターに叩き込まれているのがわかる。
これがレベル56の世界か・・・。感嘆することしきりだ。
そんな風なので、モンスターを倒す速度が非常に速い。キャンプポイントであるarch magusだけでなく、その隣の部屋のhand、さらには奥の方にいる、ガック下層デッドサイドのボス、the ghoul lordまで狙っていく予定のようだ。
handというのは、the reanimated handという名前のモンスターのことで、「巨大な手」という形態のモンスターだ。
はっきり言って、ややグロテスク。よくよく見てみると、手のひらの部分には口があったりして、実際に遭遇した場面を想像すると、不気味なことおびただしい。
こいつからは、AGIやDEXのあがる腕輪が手にはいったけど、あまり欲しがられるアイテムではないらしい。
さらにしばらく狩りを続けていると、このダンジョンのボス、the ghoul lordも、難の苦もなく引っ張られてくる。こんなあっさりとガック下層のボスとのファーストコンタクトを果たしてしまっていいのだろうか。
そんなあっさり感を感じつつ、これも速やかに退治する。こいつは当たりなら、Short Sword of the Ykesha(注1)という有名な片手剣を持っているんだけど、今回は剣は持ってなかったようだ。
そして、僕にとって最も期待すべきモンスター、the ghoul arch magusもついに現れる。名前から想像できる通り、キャスター型のアンデッド・フロッグロックだ。
強いのかどうかは、正直わからない。ご多分に漏れず、この哀れなキャスターも、気合いを入れた僕のDDと、いつも通りの容赦ないウォーリア氏の格闘によって、あっさりと昇天してしまったからだ。
そして、お楽しみの戦利品チェック!
・・・でた! ローブ!
グループのみなさんの好意によって、優先的に所有権を譲渡された僕は、手に入れたばかりのこのローブに早速着替える。
紫色の綺麗なローブ(注2)だ。見た目だけではなく、このローブは性能も素晴らしく、特に詠唱時間の短縮効果は特筆に値するだろう。
見た目も代わり、魔法の連射性能をアップさせた僕は、レベルまで42に上げ、これ以上ない成果を抱えて、ガック下層を後にしたのであった。
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14日8時間17分 |
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注釈
(注1)Short Sword of the Ykesha:
ダメージ8、攻撃速度24、Ykesha、片手剣。
Planeや拡張パック導入前のエバークエスト英語版において、一グループの戦力で手に入れることの出来る最強の武器の一つだった有名な剣。しかし、その後の拡張パックやパッチにより登場した、多くの強力な武器の数々によってその地位は揺らぎ、今では「レベルアップの過程で手に入れるそこそこ優秀な武器」に成り下がってしまっている。
(注2)紫色のローブ:
Shining Metallic Robes。AC10、INT+9、耐ファイア+8、耐コールド+8、Spell Haste II。
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