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第52話「霧の古代都市」 |
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レベル40も越えると狩り場として選べるダンジョンも多くて、行ったことのない適性レベルのダンジョンというのも、当然多くなってくる。そんな未踏のダンジョンの一つ、「霧の古代都市」へ今回は行ってきた。
霧の古代都市は、クナーク大陸のエメラルド・ジャングルにその入口を持つ、アウトドアのダンジョン（注1）だ。エメラルド・ジャングルまでは、レベル39で覚えるEVACの魔法で飛ぶことが出来るので、交通の便は悪くない。
若干危険なエメラルド・ジャングルを、どうにか走り抜けた僕ら一行は、僕にとっては初めてのエメラルド・ジャングルへ足を踏み入れたのだった。
中は苔やら蔦やらの生えた石造の都市の廃墟、といった風情で、スケルトンや半透明の幽霊、ゴーレムなどの、非生物型モンスターが目立つ。
いかにも滅び去った都市といった感じだ。
とりあえず一行は、入口近辺から順に退治しつつ前進していくことにした。
入口すぐの二匹を倒し、その先の門にいる三匹を倒し、前に進んで休憩し、またその先のを倒し、・・・という風に進んでいく。
ゾーン内には僕らしかいないようで、貸し切りでダンジョン侵攻イベントを行っている感じだ。未踏の地を倒し倒し進むというのもなかなか楽しい。
途中、噴水のある中庭のようなところで、ナイス・プラー様が七匹ものモンスターを引っ張ってきて、EVACによる撤退をしたりという、心温まるアクシデントを織り交ぜつつも、まぁ、順調に進んでいく。
やがて、大きな建物のあるあたりまで着いた。だんだん、進むのがめんどくさく・・・じゃなくて、恐ろしくなってくる。そこそこ進んだし、周囲にいるモンスターも青ばかりになったし、そろそろ移動はやめますか。
というわけで、前進もここまで。これからはこの場所に陣取って、キャンプをすることにした。
まずは目の前の大きな建物の中から、モンスターを引っ張ろう。
この建物の中には、ナメクジと言おうか、スライムと言おうか、そんな感じの軟体生物が三匹ほど棲んでいる。そのうちの一匹は僕から見て、赤や黄色という強いナメクジだ。他の二匹は青とはいえ、全部がいっぺんに来たら少々やばいことになりそうだ。
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| ナメクジさん |
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| ゴーレムさん |
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先ほどの7INC（注2）の後遺症もあってか、慎重になった我々は、他の二体にきっちりLull系の魔法（注3）をかけてから、強い一体を引っ張り、これをまず始末してしまう。さらに残った二匹のナメクジも、各個撃破して、無事この建物を制圧できた。
ここからはひたすら建物の脇に陣取り、プラーが連れてくるゴーレムやら骨やらを退治し続けるだけだ。
先ほどの慎重さはどこへやら、結局ENC任せの複数INCをバシバシかましつつも、順調に狩りは進む。
アウトドアのゾーンだからSoWが使えるので、プル自体は快適に出来るようだ。それでも時折豪快なINCをするのは、モンスターの経路が変に遠回りになるからだ、とプラー氏は言い訳をしていた。たぶんその通りなのだろう。
SoWの速さにモノを言わせて、遠距離で矢を放ち、一目散に陣へと帰ると、モンスターはうろうろと遠回りをしたあげくに、大量の味方を引き連れて、ゆっくり陣までやってくるのだ。恐ろしいことこの上ない。
そんな感じなので、せっかくのSoWがあっても、結局モンスターにある程度接近した距離を保ちながら、時には殴られつつ引っ張ってくるプラー氏。うむ、ご苦労様である。
と、まぁそんなこんなで、とりあえずは安定した狩りを続けた僕ら。結局最後まで貸し切り状態のまま、霧の古代都市をあとにする頃には、結構な量の経験値が溜まっていた。
交通の便も悪くなく、経験値もそこそこなのに、このゾーンがこんなにすいているのは、あまり良いアイテムがでないからだろうか。そんなことを思いつつ、明るいアントニカへ帰る僕なのであった。
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15日14時間17分 |
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注釈
（注1）アウトドアのダンジョン：
屋外扱いのダンジョンのこと。今回の霧の古代都市の他、ブラックバロウ、クラン・クラッシュボーン、カジック・シュール等々がそれにあたる。インドアのダンジョン、すなわち屋内扱いのダンジョンとの最大の違いは、アウトドア限定の魔法（ドルイドの魔法に多い）を使うことが出来る点だろう。
（注2）7INC：
INCは、Incomingの略。Incomingは、「モンスターが来た」ほどの意味。7INCで「七匹もモンスターが来た、プラーなにやっとんねーん」ほどの意味。
（注3）Lull系の魔法：
モンスターのリンクする範囲を狭める魔法。「Aに矢を撃つと、Bもこっちに来る」というモンスターの配置の時、BにLullを入れておけば、「Aに矢を撃っても、Bがこっちに来ない」という形に持っていくことが出来る。
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