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第54話「KPC」 |
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クナーク大陸や、ベリオス大陸に行ってばかりで、すっかりご無沙汰になっていた旧大陸のダンジョン、ナガフェンの寝室へ行った。今回は、ナガフェンの寝室のコボルドの居住区の中では最難関の狩り場を目指すのだ。
目指す場所は、レア・ポップのキング(Solusek Kobold King)、プリースト(Kobold Priest)、チャンピオン(Kobold Champion)という三種のレア・モンスターに加え、常時ポップのガーディアン(a kobold guardian)、アドバイザー(a kobold advisor)という二種の名前付きまで出るという、まさにコボルドの総本山と行った感じの場所だ。
キャンプチェック(注1)等で狩り場を呼ぶときは、三種のレア・モンスターのイニシャルをとって「KPC」といったり、それぞれの部屋が並んでいることから「3ルーム」といったり、お偉方が多いので「VIP」と呼ばれたりする。
ナガフェンの寝室の入口前で集合した僕らは、シャーマンに体のサイズを大小させられたりしつつ、KPCを目指して内部へと侵攻していった。
コボルドエリアの最難関とは言うものの、入口からKPCまでは実はさほど遠くない。最短で4、5匹ほどのコボルドを倒せば、もうKPCに到着するといった具合だ。僕ら一行も、遭遇するコボルドを倒し倒し進み、KPC手前の部屋まで移動する。
ここからがKPC攻略では少し手間取るところだ。KPCの入口には、でーんとガーディアンが立ちふさがっていて、普通に行くとこのガーディアンに加え、2、3匹のコボルドが一気に押し寄せてくる。ただでさえ強めのガーディアンに加えて、コボルドが数体来られては少ししんどい。
そこで、グループのバードが先行して、CharmやLullの呪歌を駆使して、なんとか安全なプルをすることになった。何度か失敗してバードさんだけゾーンをしたりしつつも、結局成功したらしい。少しずつコボルドが手前の部屋で待つ僕らのところへ引っ張られてきては、退治されていった。
何匹か倒したところで、移動OKの指示がバードさんから出る。どうやらKPCの周辺を掃除できたようだ。ぞろぞろと移動する一行。KPCの三つの部屋のうち、チャンピオンの部屋に乗り込んで、そこに陣取る計画のようだ。チャンピオンの部屋の前で、バードが部屋の内部から連れてくるコボルドを、さらに数匹退治する。
雑魚を殲滅し、残る障害はアドバイザーを残すのみとなったチャンピオンの部屋に、僕ら一行は一気に駆け込む。そして、アドバイザーをも退治して、ついにチャンピオンの部屋にキャンプの足場を確保することに成功したのであった。
こうなれば、キャンプの難しい部分は9割方終わったも同然だ。少しの休憩を挟んで、続いて隣のプリーストやキングの部屋からもコボルドを引っ張ってきて、これを各個撃破する。
KPCの三つの部屋は、入口こそ分かれているものの、溶岩の池を通してそれぞれの部屋が見渡せるという、いわば「入口だけ男女別の混浴温泉」のような様相を呈していて、チャンピオンの部屋にいながらにして、プリーストとキングの部屋の様子もチェックできるようになっている。
なので、チャンピオンの部屋にのほほんと居座りながら、三つの部屋を同時に処理していくことが出来るのだ。
とはいっても、さほど「のほほん」とばかりもしていられない。三つの部屋と部屋の前のコボルドは、合わせて10匹を優に越える。これらをPOPが一巡するまでに回していかなければならないので、実は割と忙しいのだ。
回復したと思ったらすぐ消費されるマナを、何とかやりくりしながら、カツカツ状態のままキャンプを進めていく。時にはキングとプリーストが同時に出現したりもして、苦肉の策でバードさんがプリーストをCharmの呪歌でペットにして、キングを攻撃させるなどの曲芸を披露しながらも、どうにかこうにかキャンプは進行していき、数時間後、成功裏に幕を閉じたのであった。
これで、僕のレベルは44。また新しい魔法も覚えられるし、なかなかよかったかな。
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16日2時間24分 |
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注釈
(注1)キャンプチェック:
「/OOC」コマンド等で、ゾーン全体に対し、ゾーン内のキャンプ地のキャンプ状況を訊ねる行為。普通そのゾーンにやってきた人やグループが行い、すでにそのゾーンでキャンプしている人が自分のキャンプ地名を言うことで応える。
(例:ナガフェンの寝室にてキャンプチェックをする)
A: キャンプチェックお願いします
B: KPC
C: コウモリ
D: プール
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A: ありがとうございました。ではWindow向かいます
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