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第58話「ナドックスの地下聖堂」 |
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レガシー・オブ・イキーシャ(以下LoY)発売後、多くの冒険者、特にレベル40以上の冒険者達が、ストーンブラント山脈から行くことの出来る、LoYで追加された新ゾーンに押し寄せている。経験値もよく、難易度もそこそこ、そしてLoYで追加された種々の新アイテムを手に入れることが出来るというのが、強力な牽引車となっているのだ。
ってなわけで、僕もグループを募り、LoYのゾーンを攻略しに行ってみることにした。
LoYの新機能、「染め」(注1)によってローブの色を鮮やかな青色に染めてご機嫌な僕。
一回だけ、Invisibilityで駆け抜けたことはあっても、本格的な戦闘はしたことのないLoYゾーンに、この日いよいよ初挑戦ということで、いやがうえにもテンションは上がる。
LoYゾーンの入口とも言うべき、ガンサク湾の港に集合した僕らは、例によってInvisibilityの魔法で姿を消して、ガンサク湾にある洞窟を進んでいくことにする。
一度通ったことのある僕が道案内役を買って出て、洞窟をがんがん進んでいく。曲がり角を右へ、右へと進んでいくと、やがてBroken Skull一族の集落に出た。ここからナドックスの地下聖堂、デュラック湾、の二つのゾーンへと行くことができる。
この日は、ナドックスの地下聖堂に行ってみよう、ということになっていたので、そちらへみんなを先導していった。
ナドックスの地下聖堂に到着すると、まずは入口すぐそばのモンスターをチェックしてみる。ここは隠し通路の中という位置づけなので、遠くからはモンスターをターゲット出来ない。かといって近づけば、モンスターが反応してしまうので、僕お得意の目玉召喚魔法で、モンスターを調べてみることにした。
モンスターを調べてみると、入口そばの段階で、すでに赤いのや黄色いのが混じっているではないか。
以前、軽く散歩で来たときにも思ったけど、やはりこのゾーンはレベルが高い。「/who」コマンドをしてみると、ゾーン内にいるのはレベル50を越えたプレイヤーばかりだ。さもありなん、といったところか。
これは、先に進むのは危険だ。そう判断した僕らは、早くも侵攻を断念し、ゾーン際をキャンプポイントに定めて、狩りを開始することにした。
お決まりの戦闘準備を整え終えると、いよいよプラーが一匹目のモンスターを引っ張ってきた。記念すべき、初の本格的なLoYゾーンでの戦闘だ。
引っ張られてきたのは、巨大なトロルの格好をしたモンスター。なんだ、トロルか、と侮っていたら、これがまたえらい目にあった。とりあえず手探りにプルをしてみたら、いきなり二匹やってきた。その上、想像以上にタフで、しかも攻撃力も高かったのだ。
エンチャンターなしだった今回のグループでは、Rootによるパーキングで複数INCを捌くしかないので、僕がRootをいれたところ、これが敢えなくレジスト。
そのままRootによってモンスターに嫌われた僕は、あまりにも強烈なモンスターの攻撃をまともに受けてしまい、気がついたらフリーポートにたたずんでいたのだった。
どうやら、あっと言う間に殺されたらしい。とほほ。
その後、僕を蘇らせ、再び体制を整えた僕らは、
「こいつは、慎重にやらねばいかんぞ」
と再認識。ていねいにクレリックによるLullを駆使し、極力一匹づつ引っ張るという、いわば基本に立ち返った作戦を採ることにしたのだった。
これが功を奏したのか、その後の狩りは比較的安定し、LoY特有の各種武器や、そこそこのお金、経験値を稼ぎ出すことが出来たのだった。最初のつまづきを除けば、まぁまぁの成果だった。
でも、ちょっとここの敵は手応えありすぎたかな?どう? カーノア城の犬人間くらいの強さだった?
グループの戦士「カーノア城より全然強いですよ!」
そ、そうでしたか。
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18日17時間3分 |
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注釈
(注1)染め:
LoYを導入すると使用することの出来る機能。ガンサク湾で売られている原料を、醸造スキルと陶芸スキルをつかって組み合わせることで、染料を作成することができる。そして、この染料を使うことで、各部位の鎧を好みの色に染め上げることができる。染料の作成には醸造スキル、陶芸スキルが各数十ポイントと、40pp弱の資金が必要。
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