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第59話「デュラック湾の洞窟」 |
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LoYゾーン解禁後というもの、連日のLoYゾーン探訪が続いている。
今回は、ガンサク湾からスタートし、前回行ったナドックスの地下聖堂ではなく、デュラック湾へ向かい、そこでキャンプをする予定だ。
今やLoYゾーン冒険者の前線基地としてすっかり定着した、ガンサク湾の港の灯台前へと集合した僕らは、Invisibilityの魔法でガンサク湾を抜け、デュラック湾へと向かうことにする。
港湾から港湾への移動だけど、片や前線基地、片や敵地と、その色合いは好対照といえるだろう。
デュラック湾は、以前に軽く触れたように造船所や船舶が立ち並ぶ、港湾都市状のゾーン。街のような形態ではあるけど、徘徊するNPCは軒並み敵対的で危険な連中なので、油断は禁物だ。
そのデュラック湾に入った僕ら一行は、入って左手にある隠し通路を通って、その先に広がる洞窟へと進んでいった。今回は、この洞窟の中でキャンプをしよう、という計画になっているのだ。
これが初めてのデュラック湾でのキャンプとなる僕は、すでにここで何回かキャンプをしているという、経験者の先導に従うようにして、恐る恐る歩を進めていった。
洞窟をしばらく行くと、橋がかかっている場所に出た。この橋は一見して踏み外すと奈落の底、といった外観でありながらも、実は墜落する危険のない橋のようで、橋の端(シャレではない)からはみ出ようとしても、はみ出ることは出来ない。安心半分、冒険心を損なわれて残念半分、といったところか。
「ト」の字状になっている橋を、下から右へ進み、橋を渡りきったあたりからキャンプの開始だ。この周辺に出る、固有名詞付きのモンスターから、高品質なマジック・アイテムを手に入れることが出来るらしく、今回はそれを狙いながらのキャンプということになる。
キャンプポイントに到着してみると、なんと目当てのレア・モンスターが出現しているではないか。ラッキー!
ということで、早速これを退治するべく、周囲の雑魚モンスターから倒し始める。
目的のモンスターは、その名も「an enraged soulstealer」という。ローブを着たアンデッド、といった風情のモンスターで、LoYゾーンに広く分布するタイプの外見だ。なお、これがアンデッドなのか、そうじゃないのかは、僕は知らない。まぁ、とにかく不気味なヤツなのだ。
雑魚退治が終わり、万全の体勢でsoulstealerとの戦闘が始まった。さすがに、他の雑魚モンスターと比べると歯ごたえのあるモンスターだったけど、それでも僕ら6人がかりの前では、飛んで火に入る夏の虫。ガリガリとヒットポイントを削られたsoulstealerは、敢えなく地に伏したのであった。
soulstealerの死体からは、ダメージ15、攻撃間隔23という、とんでもないスペックのヒーラー用片手棍が手に入った。うーん、LoYゾーンのアイテムは、ますます強さのインフレに磨きがかかってるなぁ。嬉しいやら、少し空しいやら。
そんなこんなで、このsoulstealerのいた周囲をうろうろしつつ、キャンプを続ける。いいキャンプポイントを模索すべく、モンスターを倒しながら行ったり来たりしつつの、地に足が着かないキャンプだ。それでも、順調にキャンプは続き、経験値もなかなかいい感じで増えてゆく。
そして、そんなキャンプを続けること数時間。ついに僕のレベルは49になった。レベル49といえば、ウィザードの新しい魔法が習得できるレベルである。しかも! レベル49といえば、憧れのあの魔法が使えるのだ!
キャンプのさなかにレベルが上がった僕は、レベルが上がったことを仲間に宣言せずにおいた。溢れ出す笑みを押さえ込むように、こっそりと魔法書に「あの魔法」を書き込む。そしておもむろに、使って、驚かすのだ!
「アイス・コメット!!(注1)」
突如、空中から現れた氷の隕石が、モンスターの頭上に降りかかる!
突然の派手なグラフィックに、
「おおお!」
「レベル上がってたのか!」
と、驚きの声を上げるグループメンバーのみなさん。固有のグラフィックと、強力な威力を持つ魔法、そして仲間の反応に、大満足の僕。
ふっふっふ、してやったり。
そんなこんなで、僕のレベルも上がり、強力な片手棍も二本手に入れた僕ら。数時間のキャンプを終え、それぞれに相応の戦果を抱えつつ、この地を去ったのであった。
アイス・コメット、格好いい!
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19日11時間0分 |
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注釈
(注1)アイス・コメット:
ウィザードのレベル49の魔法、Ice Cometのこと。1100前後の氷系ダメージを標的に与える魔法で、固有の派手なエフェクトを持っている、ウィザードをやっていて良かった、と思える魔法の一つ。
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