俺と鉄腕能力・後編 (2004 / 10 / 07) |
今日も元気に対戦していますか? 前回に引き続いて「速攻生徒会」の役に立たないレビューをお送りしております、 解説は私、早川県です。 ところでいきなりですが、皆さんはキン肉マンの作中に出てくる超人パワーという設定を御存知でしょうか? これはドラゴンボールにおけるスカウター測定値などにも見られるジャンプ漫画の伝統で、 要するにそれぞれのキャラの強さの目安と言うやつです。 初期の頃のキン肉マンやテリーマンは95万パワーで、 ちょっと高めのウォーズマンは100万パワー。 悪魔超人編に入るといきなりケタが狂ってバッファローマンが1000万パワーなどというフザケタ数値を叩き出しますが、 対するキン肉マンの方も話の後半では超人パワー1億を突破してしまいます。 またこれらの強さは必ずしも数値化される必要は無く、要はジャンプの主な購読層である馬鹿にも理解できるくらい分かりやすければ良いだけなので、 聖闘士星矢のように金・銀・銅などと、色とかでランク分けがなされる場合もあります。 当然、最弱ランクである筈の主人公たちが強大な敵を次々と打ち倒していくといういつものパターンになるわけですが。 つまりは、その程度のいい加減な設定だと思って下さい。 で、ここで取り上げる「速攻生徒会」にも同じような設定が存在します。 常人には持ち得ない超戦闘能力を便宜的に「鉄腕能力」と呼び、 それを数値化したものを「鉄腕値」とする、と言うものです。
これを真に受けると主人公はなんとインドゾウ8000頭分の戦闘力を持ってる事になりますが、 しばらくして作者がこの設定を投げてしまったのか、その後、鉄腕値という数字でキャラの強さが語られる事はありませんでした。 まあ好意的に解釈すると、ジャンプ系漫画にありがちなパワーインフレが避けられた事を喜ぶべきなのでしょう。ホントか? つか、どうでもいい事ですね。次行きます、次。 番外編などを除けば、この漫画は基本的に3部構成です。 主要メンバー4人+おまけ1人が出揃うまでの第1部。 主人公達率いる迅速高校生徒会がライバルとなる一閃高校生徒会と戦う第2部、 通称「戦闘帝国編」。 主人公達が同じ学校内の風紀委員会と戦う第3部、 通称「鉄腕師団編」。
さて、基本的には非常にオーソドックスな少年マンガの展開を見せるこの作品ですが、 ストーリーとは全然関係ない所でちょっと気になる点があります。 それは主人公達が着ている制服です。
なんてコストパフォーマンスの悪い学校なんだ! もっとも、最初の衣替えには「生徒会の人間は専用の制服を着る」という理由が。 2回目のにも、「今年から採用の新制服」という設定が一応付いてはいます。 しかし、いまいち腑に落ちません。 そもそも生徒会専用の制服があるなら、 他の生徒が衣替えした所で自分たちだけ元の服を着てても構わん気がするのですけど。 これがテレビアニメならオモチャを売る為のテコ入れという事で簡単に納得できるのですが、 そういうマルチメディア戦略は取らなかった今作品に関しては、その真意が未だ不明のままです。 まあ、恐らくは作者の単なる気紛れによる産物なんでしょうけどね。 そうそう、マルチメディア戦略と言えば、この作品も連載当時にいろいろとやっていたんですよ。
あと私は未確認ですが、新声社のZ文庫で小説にもなってるようです。 作者曰く、「とてもいい展開にはならなかった」そうですので多分見る価値は無いと思いますが、 読んだ事のある方は感想聞かせて下さい。 ちなみにドラマCDの出来はと言いますと、 豪華な声優陣が安定した演技を見せてる事もあり、テンポも軽快で個人的にはかなり評価できるレベルでした。 (配役リストはこちら。キャラの名前が最初から声優を意識してるのが分かる) ただし、オチは最悪です。 ドラマCDは写真のブツの他にもう1枚出てるのですが、 あのオチのおかげで当時の私はもう片方を購入する気が失せてしまいました。 それぐらいヒドイ。一言で説明すると、石田が発狂する話なんですけど。 ゲームの方の出来はまあ、普通。 声の出演はドラマCDからそっくり引き継がれている声優陣にセガールの中の人が加わるという豪華なものながら、 キャラのグラフィックがかなり小さい事も含め、格ゲーとしてはレベル的に中の下。 正直、単なるキャラクターものの域を出ていません。 まあ出してる所がバンプレストですし。 …えーと、あと他に何か書く事あったかな? あ、本編のマンガのオチはドラマCDのそれよりも更に解せないものとなってます。 連載当初から提示されているものの全容がさっぱり不明な「速攻生徒会計画」に続き、 「鉄腕師団計画」なる人類補完計画のパチもん臭い話が出てきたと思ったら、 何故か全員でバトルロワイヤルして終わりです。 マジで。 話の無軌道ぶりここに極まれりといった感じですが、 これはなにも作者本人だけの問題ではなく、 何かにつけてテンパりやすい漫画家という人種をまともに制御出来なかったコミゲ編集部にも多少なりと責任があるような気がします。 否、あるいは第3部終盤の頃には既に会社が倒産秒読みである事を編集サイドが自覚してて、 ヤケクソからわざと作者を野放しにしていたのでしょうか? だとしたら小川氏も、無修正●●描くくらいの冒険をしてくれれば面白かったのに。
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