231 名前:リレー:2006/11/08(水) 13:26:18 ID:eYt8wIIp0
武芸においては人後に落ちぬと自負する侍も、こと閨事に関しては未だ修行中と言って
差し支えがない。他者と交わるにしろ自ら慰めるにしろ、それは猛りを鎮めるために
行うものであった。抑え込もうと煽り立てようと鎮まることのない猛りは、
侍にとって、適わぬ相手に挑み続け、負け続けているようなものである。
侍の男根の先の、世に生まれたばかりの瑞々しい丸みは、恐怖に拍車をかけた。
かつて知らぬ類の疼きが腰を見舞うのだ。男の指先は、柔らかな泡を間に置いて、
そこを花びらが掠めるかのような動きでいらう。腰を押さえられただけで
動くことすらままならないのは、疲れのせいなのか、悦楽に逆らえぬからか。
睨み付けるはずの目は固く閉ざされ、最初こそ男を拒もうとした侍の指は、
今は寝具に食い込んで深い皺を作るばかりである。
「おう…おう…いかぬ、それはいかぬ…!」
言葉では拒んでも、腰は男の指に合わせて揺れる。熱い塊が体の底から
押し寄せ、侍を天空へと持ち上げる。だが、そこで弾けるはずの塊は、衰えを
知らずに膨れ上がるのだ。それをもう今日一日で侍は思い知っている。
「駄目じゃ、もう駄目じゃ! 手を放せ! もうこれ以上は無理じゃ!」
慌てて目を開き、侍はぎょっと身を竦ませた。そこに、いつの間にか従兄弟が
戻って来ていた。従兄弟だけではない、数人の武士たちも一緒である。

232 名前:リレー:2006/11/08(水) 13:27:05 ID:eYt8wIIp0
見られていたのだと知り、侍の体がいっそうの熱さで燃え上がった。
「なんのためにそれがしをこのような目に合わせる!」
恥を怒りで誤魔化そうと怒鳴ったが、従兄弟はそれにたいしては応えを寄越さず、
侍の股間に目をやって薄く笑った。
「幼子のようじゃ。まあ、貴殿にはお似合いと言えような」
かっとして怒鳴り返そうとした侍は、代わりに野太い悲鳴を上げて仰け反った。
鈴口をくじられたのだ。もがき、手を伸ばして叫ぶ。
「無理じゃ、やめてくれ、いけぬ、決していけぬのだ!」
男たちが周りに膝をつき、侍の手を、脚を、大きく広げて押さえつけた。
「いけぬからこそ楽しめる。これは男の理、遠慮めさるな」
「ぐう、ふぐううう! やめ…やめ…っ…! あぐ、あぐううう!」
蟻にたかられた芋虫のように身悶えながら、侍が人語とは言えぬ声を発した。
男たちの手が、侍の体のそこかしこに伸び、柔らかな愛撫を加え始めたのだ。

(本文が長すぎます!と叱られたので分けました。続きよろしく)

233 名前:A dog and his lord 24 :2006/11/08(水) 14:33:41 ID:u4AuV/yc0
それからどれくらい経ったのか。多分僅かの時間だったに違いない。
僕はご主人様の往復ビンタで目を覚ました。
「お前という犬はっ! バカ犬め! バカ犬め! バカ犬め!」
顔を打つ手が、平手から拳に変る。
鼻血が流れ、唇が切れ、左目も開けられなくなった。
それでも収まらないご主人様は、足下に転がったステッキを取ってそれも振るわれる。
背に、尻に、腕に、幾度も幾度もステッキが振り下ろされた。
「ジュンとリューに傷を付けていたら、どうなっていたと思うんだ。この愚か者が!」
ご主人様が僕の目の前に差し出されたのは、青あざになったご自身の左腕。
まさか、僕はご主人様に向けてステッキを――
いや、違う。ご主人様が身をもってリューとジュンを庇われたのだ。
綺麗な2匹の身体は、それほどに大事なのか。
ならば、せめて毛一筋の傷でも残してやりたかった。
見捨てられた醜いバカ犬の記憶として。
「役立たずのバカ犬の分際で!」
今度はステッキの先で脇腹を突かれる。
「この穀潰しがっ! 引き取り手もない厄介者のお前に反抗されるいわれはないぞ!」
尻と右肩に渾身の2発。僕はついにがくりと絨毯の上に突っ伏した。
「売り物に傷を付けて私を路頭に迷わせるつもりか!」
耳を叩かれ、ひどい耳鳴りが襲ってくる。
が、頭の中で木霊しているのは耳鳴りの音ではない。


234 名前:A dog and his lord 25 :2006/11/08(水) 14:34:43 ID:u4AuV/yc0
『売り物』
『路頭に迷う』
混乱した僕の頭は、その意味を解すのに更にステッキを3発も浴びなければならなかった。
「ジュンとリューは今日で最後なんだぞ!」
ジュンとリューは……
「明日の朝には引き渡さなければならないというのに、
疵物にして今更断られたらどうするんだ!」
ジュンとリューは……
「最後の日だというのに! 最後の日だというのに!」
ジュンとリューは明日売られていくのだ。
ああ、知らぬこととはいえ、僕は何ということを……
暗く沈む気持ちを奮い、僕はステッキの雨の中で身体を起こした。
座って頭を床になすりつける。
「申し訳ございません。申し訳ございません。申し訳ございません……」
口をきくお許しはなかったが、どうしてもお詫びしなければならない。
「お気の済むまで折檻して下さい。殺されても仕方ありません。存分にお打ち下さい」
僕にできる唯一の償いを申し出ると、ご主人様は快く聞き届けて下さった。
ご主人様に対し、とんでもない振る舞いをした僕を、見捨てずに償いをお許し下さった。
僕を打って打って打ちまくって……
だからまだ僕は見捨てられていない。まだご主人様の犬なのだ。
僕は感謝と敬愛を込めてご主人様を仰ぎ見た。
愛犬との最後のお別れを中断して僕を折檻して下さっているのだ。
ありがたい。ありがたい。僕は幸せな犬だ。


235 名前:A dog and his lord 26 :2006/11/08(水) 14:35:25 ID:u4AuV/yc0
ご主人様は事業に失敗され、全てを失われたのだった。
僕たちは、ご主人様の手に残った唯一の金目のものだ。
こんな時、喜んで売られていくのが犬の役目だ。
どんなに悲しくとも最後の最後にご主人様のお役に立つのが犬の役目だ。
僕だって、ちゃんと覚悟は出来ている。けれど――
真っ先に買い手が付いたのはもちろんジュンだ。
それを知らされたジュンは、泣きながら懸命に最後のご奉仕をしていたのだ。
僕に対抗していたわけではもちろんない。そんなことあるはずがなかった。
歳がネックになっていたリューは、3日間貸し出してようやく買い手が付いた。
あの3日間だ。
そして僕は、どうしても買い手が付かなかったのだという。
結局1匹だけご主人様の許に残ることになっていたのだ。

ほんの数分僕をお打ちになると、ご主人様ははぁはぁと息を乱された。
お疲れが溜まっておられるのだろうか。
ああ、よくよく拝見すれば、随分とおやつれになった。
こんな時こそ、辛いお気持ちを僕にぶつけて頂くところなのに。
なのに、僕はご主人様の一大事に気づきもせず、
自分の身勝手な欲求に夢中だったのだ。
不意に、ご主人様の手が止まった。
お疲れになったのだろう。
僕は深く頭を下げた。
ありがとうございました。もう十分でございます。
どうか、あちらにお戻りになって下さい。
僕はじっと頭を下げたまま、ベッドに戻られるご主人様を見送った。


236 名前:A dog and his lord 27:2006/11/08(水) 14:36:48 ID:u4AuV/yc0
目の前で、ご主人様と2匹の最後の宴が繰り広げられていた。
横たわったご主人様の上で、リューが優雅に踊る。
金髪を波打たせ、肌は既にピンク色に染まっている。
「あぁ……ご主人様……ご主人様……」
久々に聞くリューの声。深く滑らかなリューの声。
ご主人様の横にかがみ込んだジュンは、一生懸命何をしているのか。
もしかしたら、僕が付けてしまった左腕の痣を舐めて差し上げているのかもしれない。
ご主人様が「そそる」と仰る小ぶりな尻が揺れている。
ご主人様の手が伸びて、ジュンの頭を愛おしげになぜられた。
ジュンはたちまち泣き出した。嗚咽に背が激しく揺れる。
「かわいくない泣き方はするな」
ご主人様が仰ると、ジュンは必死に声を押し殺し、
「えっ、えっ、えっ……」としゃくり上げた。
やがて、ご主人様の上で力尽きたリューが倒れ込んでいく。
2匹をしっかりと胸に抱いて、ご主人様は長い間じっと何かを噛みしめておられた。
ご主人様と愛犬2匹の世界。
僕には決して踏み込めない世界。
僕はただ見せられるだけ。
血だらけ傷だらけになって、床に這い蹲り、冷たい嫉妬を抱えて、見ているだけ。
これが僕のポジション。
いつまでも変わらない、けれどご主人様に許されたポジション。


237 名前:A dog and his lord 28:2006/11/08(水) 14:39:14 ID:u4AuV/yc0
ゆっくりと、ゆったりと、最後の宴は過ぎていった。
2匹は、その指と舌とであらん限りのご奉仕をし、
ご主人様はお身体の続く限り2匹を愛された。
そして、その長い1日を、僕は「頑丈な犬」にふさわしく、目を逸らさずに見届けた。
明日から、僕1匹でご主人様をお慰めしなければならない。
この身体ひとつで、ご主人様の全てを受け止めるのだ。
愛らしいさも優美さも持ち合わせていない僕は、
ひたすら憂さをこの身体にぶつけて頂くしかない。
こんなことに傷ついてはいられない。
僕は「頑丈な犬」なのだ。




完結です。
1レス目sage忘れてしまいました。
申し訳ありませんでした。

238 名前:風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 15:42:53 ID:vcjUp5h40
A dog and his lord
お疲れさまでした。
ダン、ご主人様を独り占めできても立場が変わらなさそう。
それもまた幸福? 狂っちゃってる激愛にカンパイだ。

リレー
楽しんでます。
できたら、このまま後ろを使ってのリンカーンに突入せず、
いっぺん失神KOして翌日まで持ち越しをキボンヌ。

239 名前:リレー:2006/11/08(水) 16:12:31 ID:CjOPvP2VO
限界を越えている躰に快感が降り積もる。
下卑た男たちと端麗な従兄弟に弄ばれ、侍の躰は悲鳴を上げた。
両胸、腰、陰茎、後孔の淵。あらゆる秘部を、同時に責められ、侍は淫らに乱れた。
夜明けから蓄積された快感が体内を駆け巡り、逃れられない快楽に侍は喘ぐ。
複数とはいえ手で躰をまさぐられているだけの、
まだ陰湿な凌辱と呼ぶにはぬるい悪さも、薬に蝕まれている躰には堪えるらしい。
イクほどの快感を甘受しながらも、イキ果てることが出来ず、侍は激しくもがいた。
うなじや背中を舐められ肌が粟立つ。陰茎や尻を揉まれ、恥辱と快感で肢体が跳ねる。
蓄積された快感に躰を占領され、躰の反応に侍の頭はついていけない。
喘ぎ、仰け反り、快楽責めに悶えながら、侍は先走りを漏らした。
ずる剥けにされた裸の陰茎は、ますます過敏に反応し粗野な男達を喜ばす。
その敏感な陰茎を口に含まれ、先端を吸われた刹那!侍の体内に過大な快流が流れ、神の経が焼き切れた。
遠ざかる意識の中、侍は極彩色の地獄を見た。
更なる恥辱と苦痛と快楽が、この先に待っている事を侍はまだ知らない……。
続きお願いします。

240 名前:風と木の名無しさん:2006/11/08(水) 20:12:00 ID:vPjhWORq0
ワンコを転売、虐待とは…
ご主人様の風上にもおけぬw

しかしながら、>>237タン乙でした!


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