- 581 名前:風と木の名無しさん:2006/11/22(水) 00:44:31 ID:Lgb0gqw1O
- クリフタンは壊れちゃったの?
絶望した、くらいだと思ってたんだが…(´・ω・`)
再下剋上の成功を祈る!
- 582 名前:リレー 577から分岐ED 1/3:2006/11/22(水) 00:44:30 ID:m+1CzzIy0
- 帰宅したこの屋敷の主人を出迎えた男は、あれらはどうしているという問いに申し訳ございませぬと
平伏した。
「まだ戯れの最中にございます。あれが中々離れようとしませんで」
「頃合いを見て、引き離しておけと申しつけておいたろうが」
「申し訳ございません。ですが引き離すと暴れて手に負えませぬ」
「猿ぐつわをかまして縄で括っておけばよい。
あれの身体を壊されでもしたらいかがする。接待が目前なのだぞ」
主人は、留守を任せたはずの男の不手際に舌打ちをすると、大股で奥へと向かった。
聞こえてきた獣のようなあえぎ声に顔をしかめ、乱暴に襖を開け放つと、二人の男が絡み合っていた。
いや、絡み合っているというのは正しくはない。
一人は四つんばいの格好で尻を後ろの男に預けているが、興味なさげなつまらなそうな顔で手に持ったものを
いじくり回して遊んでいる。
対して、後ろの男は萎えることのない陰茎を飽きずに出し入れさせ、腰を振り続けている。
その顔はだらしなく緩み、口元から涎を垂らし、あうあうと薄気味の悪い声を上げたり、ひひひと笑ったり。
後ろの男の見苦しい姿に主人は苛立ち、その身体を思い切り蹴り上げた。
「がっ!」
吹き飛んだ拍子に床の間の柱に頭をぶつけて一瞬大人しくなった男を、屈強な家来たちが素早く拘束していく。
彼らが主人の供をして出かけていたために、この男を押さえられる者がいなかったのだから仕方がないと
思いながらも、苛立ちがおさまらない。
「元通り座敷牢に放り込んでおけ。大声で騒ぐようなら眠らせてしまうのだ」
「はぁぁっ!──ぎ、ぎぃぃ!」
まともな言葉も話せぬ様子の男が楽しみを取り上げられて暴れるのを、手慣れた様子で家来たちは
更に奥にある座敷牢へと引きずっていった。
ため息をついて主人が振り返ると、残された方の男は主人の顔を見て嬉しそうに笑った。
「あにさま」
- 583 名前:リレー 577から分岐ED 2/3:2006/11/22(水) 00:45:58 ID:m+1CzzIy0
- 御前と従兄の責めに侍が狂った後、従兄はこの屋敷に居を置いて、御前の命ずるがままに侍を抱き
また御前に抱かれた。
その合間に密かに隠し持っていた例のご禁制の薬を御前に盛った。粒を砕いて粉にしたものをごく
少量水に溶いて下帯にしみこませておいたのだ。
陰茎の粘膜から吸収された薬は徐々に蓄積され、御前の身体を、特に頭を蝕んだ。
物の分別が付きにくくなった頃合いに、従兄は御前の養子となり、完全に狂ったところで当主が
病に伏したという名目で家督相続の手続きをした。
あの老獪な御前相手にこのはかりごとがうまく行くだろうかと肝を冷やしていたが、侍がよほど
気に入ったのだろう、警戒されることなく企みを成就させることができた。
周囲への根回しを終えるまでは、怪しまれぬために御前を生かしておかねばならなかったが、近くある
大目付の接待が成功すれば、もう用はない。
やっとお荷物を片付けられるとほっとして、機嫌良く従兄は侍の身体を膝に乗せて頭を撫でてやった。
「よい子にしておったか?」
はいと、幼子のようなたどたどしい口調で答える侍に、従兄は愛おしげに目を細めた。
狂い果て、侍への憎悪を駆り立てる物を全て失った姿は、従兄の胸から憎悪を消し去り、愛しさだけを
残した。何の思惑も下心もなく、あにさまあにさまと慕ってくる侍を、犬猫を愛らしく思うような
心持ちで従兄は愛でている。
そして、接待の席の何よりの餌となるこの身体を愛でている。
狂ったことで抱かれることを喜ぶようになった侍を、従兄は上役たちにたびたび抱かせていた。
あの責めの中で身に覚えさせられた手管は、彼らを満足させ、従兄の役に立っている。
- 584 名前:リレー 577から分岐ED 3/3:2006/11/22(水) 00:47:19 ID:m+1CzzIy0
- 侍の噂を聞きつけて賞味したいと漏らした相手。
これがうまくいけば、今後は安泰だとほくそ笑みながら、頭に置いていた手を胸に滑らせた。
それに気持ちよさそうな顔をしながら、侍は従兄に尋ねる。
「今度の『お仕事』がうまくできたら、またご褒美をくださりますか?」
「なんだ、相手の方が気持ちよいことをしてくれるというにまだ足りぬのか?}
「だって……」
子供のように口を尖らせて、纏っていた襦袢の袖をいじりながら、侍は呟いた。
「あにさまにしていただく方が気持ちがよいから……」
「可愛いことを。──分かっておる、いつものように『お仕事』をきちんとできたら、好きなだけ
褒美をやろう」
言いながら従兄は侍の身体を横たえると、下帯を解き、勃ちあがった陰茎を侍の後孔に咥えさせた。
「あ……ああ……あにさま……気持ちいい」
かつて御前と呼ばれた男に突かれていた時とは違い、足を従兄の腰に絡ませて侍は熱心に腰を振る。
もっと突いてくださいとねだる声に、従兄は陰茎を膨らませ、口を吸い合い、侍の欲しがるだけ
突いてやる。
負けた鬼が牢の奥から叫ぶ声を聞きながら、勝った鬼と狂った人形はいつまでも交わり続けていた。
- 585 名前:風と木の名無しさん:2006/11/22(水) 00:49:17 ID:m+1CzzIy0
- リローは大事だよー orz
スンマソン
- 586 名前:風と木の名無しさん:2006/11/22(水) 01:07:46 ID:52l2cs7DO
- >>582
いいんだよ。終わり萌えればすべて良し。
下克上ばんじゃーい∩(・ω・)∩
- 587 名前:風と木の名無しさん:2006/11/22(水) 01:27:51 ID:BZWF/3dX0
- ホント、下克上いいねー。
ついでに堕ちた御前についても読みたいなぁ。
- 588 名前:リレー 477から分岐ED 1:2006/11/22(水) 03:04:24 ID:0J0aSIgt0
- 淫らな宴は終わり、侍は次の宴に備えるべく静かな部屋に寝かされていた。
「夕餉を持ってきた」
従兄は膳を枕元においた。応えはなかった。
夕闇が迫っていた。闇は潮のように床を壁を侵食していく。
それは、あたかも侍を飲み込もうとしているかのようだった。従兄は微かに身震いした。
従兄は、行灯の火をつけた。
暖色の光の中に、侍の顔が浮かび上がった。
侍はただ荒い息をして、天井をうつろな目で眺めているだけだった。
その瞳には灯火も従兄も夕餉も映っていなかった。
従兄はことさら声を大きくして、再び語りかけた。
「腹をすかせているのだろう」
やはり、応えはなかった。
昨夜、従兄のののしりに対抗して、勇ましく怒鳴っていたのが嘘のようだった。
一夜にして何もかもが変わってしまった。
奇妙に艶やかな唇がかすかに動いて言葉を紡いだ。従兄は侍の口元に耳を近づけて必死に聞き取ろうとした。
「あにさま、あにさま……」
従兄は眉をひそめた。ある一時から侍はこの言葉しか口にしなくなった。
そして、今もまた。
- 589 名前:リレー 477から分岐ED 2:2006/11/22(水) 03:05:02 ID:0J0aSIgt0
- 従兄の脳裏にほんの数日前の会話が蘇った。
宴の行われた部屋で、従兄は御前にひれ伏してた。御前は寝そべって、従兄を見下ろしてた。
「あれは、一昔前に生まれていたら良かったような男です。
色気もなければ、気の利いた話もできぬ。
身体の具合も、稚児のようなわけには参りますまい。
はたして、御前の御楽しみの役に立ちましょうか。
たってのご所望とあらば、喜んで用立てますが、
あてが外れましても私目をお恨み下さいますな」
従兄を御前は笑った。
「人はたやすく変わるものよ。現にその方も、出世と金の匂いをかぎつけたら
あっさり身内を売る気になったではないか。
金や権力のあるほうに人はあっさりなびく。昨日の友も敵となる。
いかようにも方策はある。己が思うておるほど人は強くないによってな。
だからこそ、己を強いと思うている者、正しいと思うている者は壊しがいがあるのだが」
従兄は、あにさま、あにさまと壊れたように繰り返す侍を見て思った。御前は正しかった。
- 590 名前:リレー 477から分岐ED 3:2006/11/22(水) 03:05:33 ID:0J0aSIgt0
- 従兄は御前の言う様に侍が変わるとは考えていなかった。
幼いころから、侍を知っていた。
それゆえ、あの堅強さは御前ごときの手管でどうになるものではないと思っていたのだ。
御前はあれのことを詳しく知らぬ、一番わかっているのは自分だと、腹の底であざ笑っていたのだった。
たくらみに乗ったのは、軽い気持ちだった。いけ好かなかった分家筋に恥をかかせてその矜持をへし折る。
ついでに自分は出世と金を手に入れる。それ以上のことは考えていなかった。
「私だ、わかるか、私だ、私だ」
従兄は布団の上から侍にのしかかると、襟首をつかんで揺さぶった。
「あにさま、あにさま」
侍の口の端から一筋のよだれがこぼれていた。
「あにさまとやらに会いたいのか、会えば、元に戻るのか」
宴のさなか、侍を御前に強いられて犯したときの感情が蘇ってきた。
目を背けたくなるほど憎らしくて、けれど目を離すことができなかった。
従兄は失ったものの大きさと、その意味を初めて悟った。
いや、いまだ完全に失われたと判断するには早い。たった一夜のことではないか。
まだ、望みはあるはずだった。従兄は、掛け布団をはぐと、侍の身体を背に担いだ。
自分より大きくて重い肉体の重みに、従兄はよろけた。肩がきしんだ。
だが、従兄は歯を食いしばってこらえた。この重みは罪の重みだった。
彼が耐えなければならないものだった。従兄はよろめきながら、一歩を踏み出した。
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