311 名前:術師×騎士 1/5:2006/12/20(水) 16:11:12 ID:YCqNl4UQ0
いつかの続き。生首注意。
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森の奥深く。捕らわれの騎士は爪で壁に線を引く。日が沈むごとに。
それが10本になり20本になっても唯一望みの助けは来なかった。
術師に囚われ、胸に穿たれた焼きゴテの刻印のせいで
意識朦朧とした状態だった時期を考えてもかなりの日数がたっている。
術によってこの部屋に閉じ込められ、外部との接触は年若き術師のみ。
そして顔を合わせれば望まぬ行為を強いられる。
そんな日々は騎士を消耗させていった。
「いったい・・・・いつまで・・・・」
騎士はかすれた声で呟いた。
『死ぬまでだよ。・・・・・あなたは僕の番なんだから』
そんな幻聴が聞こえて、騎士は自分の両手で自分の耳を塞いだ。

それでも助けが来てくれると、騎士は信じていたのだ。
そしてその願いが現実となった時のことを考えもしないで。

312 名前:術師×騎士 2/5:2006/12/20(水) 16:11:58 ID:YCqNl4UQ0
「っ・・・・・ひっ」
「あんまり声出すと、聞こえちゃうかもしれませんよ」
裸にされ、壁に手を突き背後から乱暴に突かれる。
繋がったところから聞こえる卑猥な粘膜のこすれる音と、自分の喘ぐ声、
そして背後から聞こえてくる年若い術師の声。
自分より小柄で年下に見える少年から犯されているこの現状に騎士は足を振るわせた。
だが、彼が恐れているのはそれだけではない。
騎士は真っ青になりながら透過している壁の向こうにいる人間から目を逸らした。
向こうから見られているわけではないのに、羞恥に頬が染まる。
そこには森の中で何かを探している様子の男の騎士がいた。
自分の知っているその人間は、まだ騎士見習い立った頃からの友人だった。
自分を心配して一人探しに来てくれたのだろう。
こちらに気づく様子も無く周囲を見てはため息をついている友人。
それを視界の端に見て騎士は助けを呼びたくて呼べない自分にたまらず壁に爪を立てた。
それが気に入らないと騎士を犯す術師はその腰を抱いてひときわ奥を突いた。
「あうっ」
「この家は人の目に映らないよう術をかけています。
だけど、勘のいい人間なら物音を立てれば気づくでしょうね。いいんですか?
男に犯されてこんな淫らに喘ぐあなたを見て彼はなんと言うか・・・・。
聞いてみたい気もするけど」
「っ」
「最も、気づかれたら即殺しますけどね」
「!?」
何でもないことのように言うから、それが本気なのだろうと悟った。

313 名前:術師×騎士 3/5:2006/12/20(水) 16:13:01 ID:YCqNl4UQ0
どういうわけか自分を攫ってこうして日々弄りものにしている術師は
時折かわいらしい顔とは正反対の残酷性を見せる。
術師という特殊業故なのか、人里で暮らしたことのないこの幼い術師は
人の常識や論理といったものを知らず、自分なりのルールでもって暮らしていた。
それなりにたくましいと自負している自分ですら押さえ込むほどの怪力(術)と慎重さ。
日々見聞きする彼の力は自分が想像していた以上で隙をついて逃げることすら出来なかった。
自分に都合が悪ければ人一人殺して隠してしまえるほどの力はあるのだ、彼は。
騎士の心情が分かっているのか、頂点が近いのか容赦の無くなる攻めに
騎士は上げそうになる声をかみ殺した。
何度も重ねた体は自分の意識とは関係なしに貪欲に快楽を得ようとしていた。
声では拒絶をするも、穿つものに絡みつく襞がもっと中に誘い込もうといやらしくうごめく。
術師もそれに気がついていて、嬉しそうに騎士のものに触れた。
びくっと体が期待で震えるのが騎士は悔しくてならない。
唇をかみ締めたからか、口の端から血が浮かんで零れ落ちた。
それが床で先走りの精液と混じる。
「・・・・・・・・・っ」
騎士は快楽と屈辱と絶望とに首を振りながら胸のうちに溢れるものと堪えた。
助けを求めてはいけない。
声を上げてはいけない。
そうすれば殺されるのは友人の方なのだ。
それでも遠ざかる背中を見た時、絶頂に白い液を吐き出しながら声にはならない悲鳴を上げた。
「・・・・・・・・・・・・」
友人が何かに気がついたように立ち止まり振り返る。
何故だか彼と目が合ったような気がした。
驚きに目を見開く騎士は友人の名を唇に乗せようとした。
だが、目の前で友人の姿はありえないように二つに分かれた。
「・・・・・・・え」

314 名前:術師×騎士 4/5:2006/12/20(水) 16:13:37 ID:YCqNl4UQ0
「・・・・・・・え」
首から上の頭がその体から離れたのを見た。
そしてその頭が消える。
残された体はまるで糸の切れた人形のように地面に倒れた。
「・・・・・・・・・・・・・」
騎士はそれを呆然と見る。
「シュヴァルツ。体の処分を」
背後で術師が自分の使い魔に命令を出すその声が、騎士の体をこわばらせた。
術師は呆然として倒れた友人から目を離せないでいる騎士の体を支えてベットに横たわらせた。
そしてベットサイドテーブルにごとりと何かを置いた。
それを見た騎士はテーブルの上に置かれた小さくなった『友人』と目が合った。
「・・・・・ひっ・・・・・・・あ・・・・・ああああああああああ!!!!!!」
今見たことは現実なのだと。
自分が殺したのだと。
友人の目が恨みがましいものに見えて、それでも目が離せなかった。
首に向かって手を伸ばす騎士に術師がそれを絡め取る。
そして騎士の片足を掴んで押し広げると、さっきの行為で濡れたままのそこに
自分のものを突き立てて押し入らせた。
「ひっあああああっ!!!!」
これまでに無く激しい抵抗をする騎士の姿に術師は酷薄な笑みを浮かべる。
「見られたかったんでしょう・・・・?だから、彼を呼んだんでしょう?
あなたが望むなら彼にも見せてあげましょう。僕は心が広いから」
「違っ・・・・・嫌だっ、やめろ!!!いやだっ・・・あうっ・・・ああっ!あああっ」
最後は言葉にならないままに、それまで抑えていた涙が青灰色の瞳から零れ落ちた。
心の中で何かが崩れていくかのような喪失感が騎士を襲う。
これまでどんなに攻めても屈服させようとしても見せることのなかった彼の涙をみて、
術師は殊更に興奮した。
「んっ・・・・・すごくきつい・・・・っ。『彼』に見られて興奮してるんですか・・・?」
騎士は極度の緊張と絶望に意識を半分飛ばしたように嫌だとうわごとのように繰りかえす。
その目から落ちる涙とその胸にある術師の刻印に術師は満足そうに微笑んだ。
所有印というべきそれに口付けながら、術師は騎士の体に歯を立てて
何度もその体の奥に自分のものを飲み込ませた。

315 名前:術師×騎士 5/5:2006/12/20(水) 16:14:06 ID:YCqNl4UQ0
使い魔に騎士の体を清めてもらって、自分も風呂に入ってきた術師は
疲れ果てて眠る騎士の傍らに座った。
涙で赤く腫れた騎士の瞼に触れて、術師は嬉しそうに微笑んだ。
その微笑は天使のように無邪気なものだった。
そしてふとテーブルの上に乗ったものに視線を向ける。
「・・・・・・・・どうでした?すごくいい声で鳴くでしょう、彼は」
問いかけに答える声は無い。
術師はそれに目を細めて手をその首に掲げる。
そこから読み取った情報は術師が大体想像していた通りのものだった。
先日術師はこの国の守護役をかってでることと引き換えに
先刻攫った騎士は預かると国王に取引を持ちかけた。
世界有数の魔導師の力を借りることとの引き換えが人一人なら安いものだ。
国王はそれに是と返答を返したのだ。もちろんそれは人道から反れること、公にされるものではない。
が、この男はそれを察して生贄のごとく国から差し出された騎士を一人助けにここまで来た。
読み取った男の思念の中に騎士への恋慕を感じ取った術師は薄暗い笑みを浮かべた。
「でも彼は僕のだからもう返さない」
一瞬でその首は掻き消えた。
術師は何も無かったように青白い顔をした騎士を腕に抱きかかえて自分も眠りに入る。

起きたら教えてあげよう。
せっかくだから感想を聞いたんだけど、彼は何も答えてくれませんでした、と。
この騎士はいったいどんな反応を返すだろう。
術師は腕の中の温もりに微笑みながら目を閉じた。
・・・・・後は安らかな寝息が立つばかり。



316 名前:風と木の名無しさん:2006/12/20(水) 19:27:56 ID:f1N8qKYN0
柿手タン、GJ!
雰囲気に陰影が滲んでて好きだ。
続きがwktkだ!

焼き鏝タン(と勝手に呼ぶ)、お帰り!
大切な人の遺体の前で、その死を汚すように陵辱されるってシチュに萌え。
騎士が自分を責めて苦しむのが(・∀・)イイ!


317 名前:風と木の名無しさん:2006/12/20(水) 20:25:09 ID:3jhx1Lc6O
柿手さん、術師×騎士さん乙です!も…萌えたw

318 名前:風と木の名無しさん:2006/12/20(水) 23:03:14 ID:5NFiBylh0
red.ribbon.to

暫定で19thしおりとログ

319 名前:風と木の名無しさん:2006/12/20(水) 23:35:29 ID:wxJwwVBG0
>>318
ありがとー! マジありがとー!

320 名前:風と木の名無しさん:2006/12/21(木) 00:13:08 ID:Q0JNEWVl0
>>318
乙華麗

柿手タンと術×騎タン乙


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