481 名前:風と木の名無しさん:2007/01/15(月) 15:12:01 ID:M53f9FX20
テュランさん乙です。
過去編も現在編も、先の展開を楽しみにして待ってます。

482 名前:風と木の名無しさん:2007/01/15(月) 15:30:59 ID:yyJRuv11O
テュランタンキテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
待ってた、待ってたよ〜。
すんげぇ嬉しい!

やはし藤吾の目的は過去への復讐なのかな…。
国山少年が気になるぞ。

続き超期待!


483 名前:風と木の名無しさん:2007/01/15(月) 19:00:51 ID:7QBRJlaH0
テュランタン待ってたー!
一体何がどうなって藤吾がああなったのか、早く知りたい!
そして、クリフ&智士がんがれ!

484 名前:風と木の名無しさん:2007/01/15(月) 21:39:12 ID:5WlIs2q6O
テュランタソ待ってました!!!
クリフ

485 名前:風と木の名無しさん:2007/01/15(月) 21:46:57 ID:5WlIs2q6O
テュランタソ待ってました!!!
クリフ&智士の関係も気になるところ

486 名前:風と木の名無しさん:2007/01/15(月) 23:06:15 ID:8BrzAOa10
テュランタソキター!
クリフと智士のさわやか二人組みが
とてもいとおしいです…

487 名前:柿手:2007/01/16(火) 01:48:06 ID:YBc3vYDI0
>>450
「指を少し曲げてみよ」
荒い息を吐く清一郎を見下ろしながら、長椅子の男が、
悪戯を思いついた子供のような笑みを浮かべて、平太に告げた。
「あの、この程度でよろしいでしょうか」
平太は心持ち指を曲げ、鰹節を削るような仕草で指を出し入れしてみせた。
「ああ、なかなか飲み込みがはやい」
満足そうに頷いた男の後を、カワホリが引き継ぐ。
「少し掘り進んだ所に、小さなしこりがあるはずです」
 そこが患部ですので、指で何度も丁寧にこすって薬を塗ってあげてください」
「なっ」
カワホリの言葉に、清一郎の唇から掠れた悲鳴が漏れた。
「平太、違う、そこは……」
「ほら、セイイチロウさまが痛がっておいでです、早く患部を見つけてあげてください」
ひどく切迫した清一郎の声を訝しく思ったものの、
カワホリに急き立てられ、平太はわけもわからず指を闇雲に動かした。
「……あっ!」
他の部分とは明らかに違う小さな硬い膨らみに平太が手を触れた刹那、
平太と清一郎の口から同時に声が漏れた。
「ここだな、待ってろ、今、薬を塗ってやるから」
探し当てた場所に軟膏を塗りこめるように、指で何度もこすると、
清一郎の背がのけぞり、膝ががくがくと震えだした。
「やっ、だめ……だ、待て……ああっ、やっ……」
普段の落ち着いた清一郎からは想像もできない、甲高い悲鳴がこぼれる。
平太は顔をしかめた。
日本男児たるもの、どんな痛みや困難も歯を食いしばって堪え、
みだりに騒いだり泣き言を言ってはならない。
常日頃、そう言って己を律してきたのは清一郎自身なのに。
肺病を患って吐血した時だとて、毅然とした態度で弱音一つ吐かなかったのに。
なのに、たかが痔の薬を塗るだけのことに、こんな情けない声を発するとは。
「……っ、おねが……平……太、そこは……」
清一郎が漏らす途切れ途切れの哀願が、平太の気持ちを更に不快にさせた。

488 名前:柿手:2007/01/16(火) 01:48:50 ID:YBc3vYDI0
「みっともない声をあげるなよ」
押さえようとしても声が尖るのを止められなかった。
「痛いのは当たり前だ。少しぐらい我慢したらどうだ」
無様な清一郎の態度に落胆を禁じえない。
高潔で誇り高い清一郎は、戦禍で何もかも無くしてしまった平太の唯一の自慢だったのに。
自分でも正体のわからぬ憤りをそのままに、わざと乱暴に指を動かす。
清一郎が呻き声をあげたが、平太は構わずぐいぐいと指でしこりを押した。
くすりと背後から忍び笑いが漏れた。
「おやおや、セイイチロウ様のご友人は、マスターに劣らず手厳しいご性格のようで」
からかうようなカワホリの声音に、男は不満げに鼻を鳴らした。
「我は、気に入りのものに対しては、それなりに甘やかしてやるほうだぞ」
「セイイチロウさまへの仕打ちはとてもそうは見えませんが」
「それはセイイチロウが。……我に対してもあんな声で縋ってみせれば、我だとて」
そう言いかけて、どこか悔しそうに口を噤む。
そんな男を苦笑交じりに見やったカワホリが、平太に視線を移した。
「充分ほぐれた頃合ですので、もうそろそろよろしいですよ」
「は、はい」
平太が清一郎の中から指を引き抜くと、清一郎が安堵したように息を吐き出した。
カワホリがワゴンの上の箱を開けながら、小さく笑った。
「まだ終わりではありませんよ、セイイチロウさま」
小指程度の紡錘状の塊を取り出して、男に見せるように並べていく。
「マスター、坐薬はどれにいたしましょう?」
「ざやく?」
聞きなれない言葉に首を傾げる平太に、カワホリが傍へ来るようにと手招きをする。
「この国ではまだ馴染みのない薬でしたね。尻穴に入れて使う薬ですよ」
「尻にって……。でも、それ固形ですよ、そんなものを入れたら」
「植物性の樹脂を使っているので、人肌で蕩けて患部を包み込むんですよ」
半信半疑で、平太はワゴンの上に並べられた小さな塊を見つめた。
「これを全部入れるんですか?」
「まさか。いくらセイイチロウさまの穴がゆるくてもそれは無理ですよ」
マスターが選んだものを一つだけ使用するのだと、カワホリは笑いながら告げた。
「で、どれになさいますか? マスター」

489 名前:柿手:2007/01/16(火) 01:49:23 ID:YBc3vYDI0
男はしばらく考える素振りをしたあと、平太に向かって顎をしゃくった。
「これに選ばせてみよ」
平太は慌てて首を振った。
「ちょっと待ってください。なんで俺なんですか」
「おまえが選んだ薬なら、セイイチロウは否やは言うまい」
「でも、俺、そんな薬の種類なんてわかりません」
「構わん。副作用に多少の違いがあるだけで、治癒効果には変わりはない」
「かしこまりました、マスター」
困惑も露な平太を他所に、カワホリが男に恭しく一礼した。
カワホリは平太に向き直ると、並べられた薬を指差しながら、順に薬の名前を告げていく。
平太は目を白黒させた。
舌を噛みそうな長ったらしい外国の薬の名前など教えられても、
何がなにやら、平太にはさっぱりわからない。
先ほどの話しでは坐薬は植物性の樹脂からできていると言っていた。
ならば体に良さそうな植物のものを選べばいいのだろうと思うのだが、
肝心な言葉が全く聞き取れないのだからどうしようもない。
どれになさいますかと促されて、平太は辛うじて聞き取れた一つをおずおずと指差した。
「あの……これ、えっと、『ヒノキの』って名前の……」
日本のひのきと同じものとは限らないが、もしもひのきであれば体にも害はないはずだ。
平太が選んだ薬をみて、男は訝しげに片眉をつりあげた。
「はて、これは何処で手に入れたものだったか?」
男の問いに、カワホリの表情が緩んだ。
「フィレンツェへ行かれた際に郊外の貴族の館で譲り受けられたものでございます。
 嘘ばかりつく木偶の少年を調教するために用いたとの逸話をいたく気に入られて」
ああ、と男は頷いた。
「なるほど、あの呪か。……これはいい、セイイチロウにはぴったりではないか」
「ええ、さすがご友人ですね。セイイチロウの様のことをよくわかっていらっしゃる」
カワホリは平太が選んだ一つをピンセットでそっと摘むと、清一郎の前にしゃがみこんだ。
紡錘状の薬の先を清一郎の入口にあてがうと、ぐにゃりと薬が不自然に歪んだ。
ひしゃげた薬は、まるでそれ自身が意思を持つて這うかのごとく、
ずるりずるりと清一郎の中へと入っていく。
平太は目をしばたいた。

490 名前:柿手:2007/01/16(火) 01:50:06 ID:YBc3vYDI0
(なんだ、あれ、まるでナメクジみたいな……気持ち悪い)
ぞわりと鳥肌がたった。
見間違いだ。
カワホリが摘んで押し込んだだけだ。
それがたまたま変なふうに見えただけだ。
平太の理性は、己が見たものをそう解釈する。
だが、その一方で、本能的な感覚が全身で嫌悪を訴える。
あんな得たいのしれないものを体に埋め込まれて清一郎は平気なのだろうか。
清一郎は、先ほど声をあげたことを平太が咎めだててから一言も発していない。
上半身を曲げて臀部を突き出したままの姿勢を保ち、俯いたままの表情は不明だ。
「清一郎、大丈夫か? まだ痛むか?」
背中を撫でながらおずおずとそう問いかけると、清一郎は心持ち顔をあげ微笑した。
「心配かけてごめん平太。大丈夫、平太が塗ってくれた薬がとてもよく効いて、
 もうどこも痛みなんてない、ありがとう、平太のおかげ……だ……っ……くっ」
いつもの穏やかな口調で語り始めた清一郎の声が、突然途切れた。
訝しむ平太の目の前で、清一郎の体が瘧のように戦慄き、背中が弓なりにしなる。
「……やっ、なっ……っ」
腰をくねらせ、首をのけぞらせて、何かから逃れるように清一郎はもがき出す。
「どうしたんだ、清一郎?」
突然の清一郎の狂態に、平太はどうしてよいかわからず、
縋るように背後の男たちをふりかえった。
「大変です、清一郎が……」
言いかけた平太の舌が凍った。
二人は哂っていた。
まるで、街で評判の出し物を観賞するような眼差しで、清一郎を見つめながら。
「セイイチロウ、その体勢では辛いだろう。もう好きに体を動かしていいぞ」
男の言葉とともに、清一郎が両膝を床についた。
四つんばいのまま、尻を突き出すように揺らして清一郎は獣のように喘ぐ。
そんな清一郎を眺めながら、男は心配する素振りも見せず、
長椅子に体を埋め、肩を揺らして哄笑している。
「嘘をおつきになるからですよ、セイイチロウさま」
笑みを佩いたまま、カワホリが窘めるように清一郎に告げた。<続>


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