- 101 :剣聖の虜@:2007/02/08(木) 07:24:44 ID:Ge1e8s1jO
- 夕闇が満ちる頃、黒い平服で現れる。
長く、反りもつけられずに真直ぐと、薄刃に鍛えられた剣。使い手を選ぶ造りに未だに溜め息をつかされる。もっとも、実用ではなく功労の報いとして賜ったものだ。首切り役人の青年には長剣より、長刃の斧の方が手に馴染む。
「心外だ」黒い平服の、大して上背の変わらない青年は静かに云った。「おまえのような若造に委ねられて、持て余しているのは私の方だ」「……」今日は罪人の首を切り落としてきた手だ。安っぽい自己保身に溺れたまま、この美しい長剣に触れたくない。
- 102 :剣聖の虜A:2007/02/08(木) 07:55:54 ID:Ge1e8s1jO
- 時折日没の後に姿を現す私の長剣は、挑発とはいかないまでも、横柄な口を利きにくる。「欲してみよ、私は祭礼の飾りとは違う」長剣は自らである黒鞘の長剣を手にすると、私に示して見せた。
「私が気に入らぬのなら、どうだ?私を斬って自由を得ればいい」前合わせの服を開いて「構わない。その刃がどう肉を滑るのかわかるしな!」なげやりに返答する。実際私は名剣を塩漬けにしている罪人だ。
「良い覚悟だ、我が主よ」そう告げると、刀身で勢いよく押された。
- 103 :剣聖の虜B:2007/02/08(木) 08:56:41 ID:Ge1e8s1jO
- 寝台に薄暗い天井、長剣の刃のような長い銀髪が裸の胸に届いている。「痛みの無い熱が与えられるだけだ、おまえの手なら‥」スウッと刃先で喉元から腹までなぞられる。
「!!」刃物で切った時の痛みはしない。「‥私の手なら、なんだというのだ?」骨張った長い指が胸の赤い線を滲ませる。
- 104 :剣聖の虜C:2007/02/08(木) 09:08:34 ID:Ge1e8s1jO
- 「我が使い手でありながら騎士と剣士に許された生殺与奪を嫌い、斬るのは罪人の首ばかり。ふふ、おまえが狂う時を見てみたい」「‥‥そのまま刺せばいい。ここだ。最後くらい無様に暴れるさ」目を閉じてくるであろう衝撃に息を呑む。
- 105 :風と木の名無しさん:2007/02/08(木) 09:09:16 ID:27owQ4N60
- もしかして、書きながら投下してます?
- 106 :風と木の名無しさん:2007/02/08(木) 10:18:02 ID:1pALi9sN0
- 剣聖さん
とりあえずどこかで改行お願い
それから○に数字もできれば止めて
- 107 :風と木の名無しさん:2007/02/08(木) 10:27:22 ID:Ge1e8s1jO
- >>105>>106
いろいろ済みません。書きながらではないのですが、携帯からなので長文続きだとエラーが出てしまう為、間をあけていました。
- 108 :風と木の名無しさん:2007/02/08(木) 11:26:10 ID:1N0gSoj9O
- 萎え
- 109 :風と木の名無しさん:2007/02/08(木) 13:42:48 ID:eV6wAx6h0
- 剣聖さん次の投下に期待
- 110 :風と木の名無しさん:2007/02/08(木) 15:30:29 ID:5gKMivAxO
- いいねぇ〜!!
皆さんGJです
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