「お疲れ様でしたー」
「京子さん、小道具はお土産に持って行って良いですよ」
「ありがとうございます。着替えてきますね」
今日は、来年用カレンダーの撮影。最初は、モー子さんも一緒に撮って貰う予定だったけど予定が合わなくて一人での撮影になった。
「モー子さんとなら別にトナカイの衣装でも嬉しかったのにな」ぷうっと頬を膨らませる。
まあ、赤鼻を付けなくて良かったのはありがたいかもしれないけど…
楽屋に向かう所で、向こうから妙に感覚の空いた足音が聞こえてくる…
「おはようございます、敦賀さん」
「最上さん?…どうしたの?…その…」
「あぁ、すみません。お目汚ししてしまって。来年のカレンダー撮影で12月担当でして」
格好もだけど、丈が…
「あ、だから…撮影は誰が?」
「○○さんです。昨年も担当して評判だったとかで。」
「あの人だったら腕も確かだし、色々と安心だよ」
蓮:うん、色々と…後で社さんに写真のコピーを貰う様に頼んでおこう
「それも撮影に使ったの?」
ピンクのハートを指差して尋ねる
「えぇ、小道具だったんです。何でもサプライズプレゼントが入ってるとかで…」
「へぇ、粋な計らいをするスタッフだね」
「敦賀さんは、これからお仕事ですか?」
「うん、30分ほど空くからどっかで時間つぶして来いって社さんがね…」
「それじゃあ、私の控え室で宜しかったらお飲み物とかお出ししますよ?」
「それじゃあ、御言葉に甘えさせて頂きます、お嬢さん」
二人は、キョーコの楽屋に向かって歩き回る始めた…
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