その後、あたしは乗り換えの電車に乗り遅れてしまった。教室についたときにはすでにホームルームは終わっていて、あたしが席につくとすぐ一時間目の授業が始まった。
 授業が始まっても、あたしはまったく授業に集中できないでいた。
 今朝の感触がまだアソコに残っていて、膝の震えが止まらない。足に力が入らなくて、
 ――あたし、また……
 ジワッとパンツの中が暖かくなった。
こんなこと……今までなかったのに
 ギュッと両足を閉じて、お腹に力をこめた。意識して我慢していないと、すぐにオシッコをちびってしまう。ホントはまだ全然我慢できた。電車の時はハズミのようなものだったし、トイレにさえ、まだ行きたくなる段階じゃなかった。
 なのに……
オチビリが止まらないなんて
 小さな子供がするように、あたしはスカートの上からアソコを押さえた。あの時からだ。あの朝の電車からあたしの中で何かが変わってしまった。
『緋奈が オシッコ ってちゃんと言えたから』
 って言われて、
(このまま洩らしちゃっても、いいや)
 って思った。本当にしてしまいそうな気がして、その時からずっと、今も……
(やっぱ、どうかしてる。頭が変に)
 プシャ……と体の中で音がして、またパンツがジンワリと濡れた。
「ふ……ぁ」
(これ以上したらスカートにシミができちゃうよ……
それでもいい?
 頭のどこかでそんな声が聞こえた。
スカート穿いたまま、パンツ穿いたまま……スカートのオシリにシミをつけて……オシッコ、もらしちゃっても
(ダメだよ。こんなことしてたら)
腰を浮かせてスカートのオシリをさわると、湿った感触がした。きっと椅子まで濡らしちゃってる。
 腰の辺りがたまらなくムズムズしてきた。体の底からもどかしさがこみ上げてくる。体中から汗がふき出してきた。あたしはギュッとスカートの上からアソコを押さえた。またパンツの中がジワッと濡れて、あたしは細く息を吐いて、ジョロロ、とパンツの中で音をたてた。
 もう何も考えられない。
『じゃ、これまで』
 と先生の声がして、あたしはハッと我に帰った。授業終了のチャイムが鳴っていた。
『きりーつ』
(ダメッ、洩れちゃう。量……多い!)
 立ち上がる時、ポタタッと床に二、三滴たれた。ツ〜と太ももを雫が垂れていく。
『れい』
 腰のあたりがゾクゾクしてきて、あたしはブルルと体を震わせた。太ももを伝うオシッコの筋が太くなる。ポタポタと床に水たまりを作り始めて……あたしはドサッと椅子の上に腰を落とした。
(洩れちゃう……全部出ちゃう。どうしよう)
 机の上につっぷして、力いっぱいアソコを押さえた。スカートの中に手を入れて、パンツの上からアソコを閉じる。
「あれ? ひーちゃん、顔赤いよ。熱ある?」
 額に手を当てられて、あたしは思わず叫びそうになった。両手をスカートの中から引き抜いて、濡れた手を見られないように机の下に隠した。ゆっくりとあたしは顔を上げた。
「麻美ちゃん……
 池澤麻美――隣の席の、小学生時代からの親友だった。
「ん、ちょっと微熱あるかな。大丈夫? 保健室行ったほうがいい?」
「ううん。大丈夫だから」
 服の上からでも充分わかる麻美ちゃんの大きな胸を見上げながら、あたしは無意識に親指の爪を噛んだ。
「あ、それ緋奈の悪い癖」
 あたしの手をピシャッとはたくと、麻美ちゃんは前髪をかきあげてあたしの額にコツン、とあわせた。
「やっぱり熱あるよ〜」
「大丈夫だって」

(こうすると臭うよ。緋奈のオシッコのニオイ)

 ふと、朝の電車での言葉を思い出した。
 あたしはさりげなく麻美ちゃんから身をひくと、席をたった。
「無理しちゃ、こじらせちゃうよ」
「大丈夫だって――ちょっとトイレ行ってくる」
椅子の座面が少しだけ濡れて光っていた。やっぱり行かなきゃ……

 トイレの個室に入るとフゥーとあたしは息をついた。と、またパンツの中がジワッとして、パタタッと床に雫が垂れた。
「ダメっ、まだ」
 パンツを膝まで下げると、ピュー、とオシッコが飛び出してきた。
 あたしはあわててしゃがみこんだ。
『ジョロロロ……
 便器の中に飛沫を上げながら、膝のあたりで丸まってるパンツを広げてみた。案の定、オシリのほうまで濡れて、黄色くなっている。スカートのオシリを触ってみると、ジトっと湿った感触が伝わってきた。
……
 あたしは途中でオシッコを止めると立ち上がってパンツを穿いた。少し迷ってからスカートも穿いて、ホックも閉じた。
 スゥーと息を吸い込んで止める。蒸れたオシッコの匂いがツンと鼻をついた。ゆっくりと息をはいて、お腹にこめた力を抜いていくと……ポッとオシリが暖かく濡れて、ポシャポシャと便器の中で音をたてた。暖かいものが太ももを伝ってソックスに黄色く染みていく……
(なにやってるんだろう。どうしちゃったんだろう)
 膝がガクガク揺れて、立っていられなくなって、あたしはまたしゃがみこんだ。パンツの濡れたオシリからポタポタと雫が垂れてる。
……
 トイレットペーパーを巻き上げて、濡れた足を拭いた。しゃがんだまま、そっと個室の扉を開けてみる。
 誰もいない。
 パンツからはまだポタポタと雫が垂れていて、あたしはしばらくじっとしていた。チラッとトイレットペーパーに目をやった。まだ雫が垂れたままのパンツを、手で触ってみる。まだ暖かい……無性に人恋しくなって、あたしはオシッコで濡れた手を見つめた。その手をソッと胸にあてる。白いブラウスに少しだけ濡れ染みがついた。
 あたしはゆっくりとため息をついて、個室を出た。
 ツー、とオシッコが筋になって、太ももを垂れていく……


 二時間目、三時間目……六時間目と続く間、あたしはずっとオシッコをちびり続けていた。スカートのオシリには大きく丸いシミがついてしまったけど、それはよく見ないと分からなかったし、ソックスはすっかり黄色く汚れてしまってたけど、誰にも気づかれなかった。
 ――椅子の下に小さな水たまりができていた。あたしは物を拾うふりとしてハンカチをその上に落とした。白いハンカチがサッと水たまりを吸って、薄い黄色に濡れていく。あたしはハンカチを拾って鼻に当てた。匂いを嗅ぐと目をとじて、また少しだけオシッコをチビってみる。濡れた感触を楽しみながら、あたしはこれからのことをぼんやりと考えた。
 言われた場所に行くかどうかは、もうとっくに決まっていた。一応、見聞きしたことから「続きをしてあげる」っていうのがどういうことかくらいは知っていたから、ある程度こころの準備はできている。たぶん、そういうのが 大人 ってことなのかもしれないし……一回くらい経験してみるのもいいかもしれない。
 それにあの子はあたしの秘密を知っている。結局のところ、選択の余地はないってことだし。それに……
『やっぱり、ぜったいおかしい!』
 あたしは思った。朝からずっと、あたしがあたしじゃないみたいな感じが続いてる。こんなのはあたしじゃない。あの女の子だ。あの子が何かやったに違いない。
問いたださないと……

 授業終了のチャイムが鳴ると同時に、あたしは鞄を持って席を立った。



 
 

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