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ギガの動きは、自分の欲望を放つだけの今し方とは違って、今度はかなり優しい。ルドをイかすのが目的とハッキリ分かるほどに。 夢から覚めて萎えてしまったとはいえ、寸前までいったのだ。いくらルドが抵抗する気でも、若いモノはすぐに活気を取り戻した。 「やっ、やめ‥ろ‥」 封じられた体のきしみを感じながら、ルドの息があがっていく。観察する余裕のある二回目だ。ギガに弱いところが伝わってしまった。 「‥あっ‥ぁ‥んん‥」 ハイトでないと何度念じても、もうその祈りは通じなかった。ルドの中身がとろけていく。 「いっ、イヤだ‥やっ、絶対‥」 思い通りになるものかと我慢すればするほどギガを締め付ける。しかしそれは単にギガを喜ばせただけだった。 「ルド。お前はすごくいい。どんな女にも負けることはない。ずっとこうしたかった‥」 ギガが最後の攻撃を仕掛ける。急所がばれてしまったルドに防御の術はない。 中で急所を衝かれ、外で局所を擦られる。 どうやったらこれ以上耐えられるのか。 出すことだけを教育されてきたのだ。出さずに済ます術もあるのなら、習っておくべきだった。 「‥や‥あぁーっ」 ルドはとうとう降参した。 微妙な変化を感じたのだろう。ギガはすかさずそれを受け止めた。 「これでいいか?」 そばで成り行きを見守っていた老婆はそのつぼを受け取り、なにやら血の色の玉を取り出した。 荒い息を抑えられず、胸が激しく上下する状態でルドはそれを見つめた。 老婆はルドの精が入っているつぼにその玉を浸ける。ゆっくりと回すとまたそっと取り出した。 「うむ。これでよいじゃろう」 血色の玉は精と同じ色になっていた。 「この玉は自分が行くべきところを覚えた。女なら子が産まれる同じところへ押し付けなされ」 ギガは指の輪ほどの玉を受け取ると、剥き出しになっているルドの袋の下にそれを押し付けようとした。 「なっ何するんだ。止めろーっ」 ルドは危険を感じ腰を振って抵抗するが、ギガに局所を握られると、少しも動けなくなった。 大人しくなったのを見てまた同じことをする。するとそれは不思議なことに皮膚を突き破り、意志のある生き物のようにゆっくりと道を造りながら中に入ってきた。 「あっ、うああーっ!」 ルドは悲鳴と共にまた精を放っていた。今までに経験したことのない、痛いほどの刺激が直撃したのだ。燃えるように中が熱い。 「どういうことだ、これは」 不審気なギガが老婆に説明を求める。老婆は不敵に微笑むと言った。 「ギガ様の求めたとおりになっただけですわい。おのこの一番弱いところにより近くなって、想像を絶する刺激がくるようですな。試してみれば分かりましょう」 「ふむ、そうか」 ルドはまだ先ほどの刺激で体中が痺れていた。まさか自分の股に女と同じように穴が空いたとは、とてもじゃないが信じられなかった。だが中はまだ熱い。それが嘘でない証拠だった。 ギガがまた交わろうとすると、老婆が注意する。 「その中で精を放ってはなりませぬぞ。実を結ぶと閉じてしまいますからな」 実を結ぶ? ルドは痺れていた頭でも不安を覚えた。 「‥いったい‥どうなるってんだ?」 「知りたいですかな。ふっふっ、想像どおり、子ができるのじゃ」 「なっなにぃ?」 ルドは目眩がした。男の自分が子供を産むというのか。しかも日の一族のギガなんかの子を。 「私はお前を妃にする。私の姫になってくれ。そして都を守るのに力を貸してくれ」 「何を馬鹿なことを。俺は男だぞ。それにこんなことして物を頼む態度か」 「ふん、せっかく優しくしているのに。男であろうと関係ない。この魔術師、マーサにできぬことはない。さっきので分かっただろう。男でも子が産める、性別など関係ない」 「俺は月の集落に帰らなくちゃならないんだ。次の長に‥」 そこまで言いかけて止まった。やり方は腹立たしいが、ギガは自分の一族を守ることに必死だ。それに比べて自分はまだ気持ちが決まってなかった。 「まあ、お前の返事などどうでもいい。王になる私に逆らえる者は誰もいない」 何という言いぐさだろう、恩を仇で返すとはこのことだ。 「お前なんか助けてやらなきゃよかったぜ」 「いや、こうして貰って良かったと思えるように私が絶頂を味わわせてやるよ」 ルドに嫌みなほどの笑みを向けると、ギガは自分のモノを新しくできたところへ合わせた。 少し先端が入っただけでルドは震えた。若いモノは硬くなり、放出の準備を整える。 ギガはまた顎をしゃくるとつぼを受け取る。 「何に使われるので?」 「ルドの精は魔除けの力を持っているんだ。しかし時間が経つと薄れていく。お前の魔術でそれをくい止めてくれ。たくさん採って武器に塗り、魔王に対抗するんだ」 「そうなると相当要りますな。ひっひっひ。こちらの月の方が耐えられるかどうか」 ルドを見て笑う。頭に血が上るほど腹が立ったが、違う血が駆けめぐっていて怒れない。まだ先端が入っているだけなのに。 「さあ、待たしたな。快楽の世界へつれていってやる」 ギガは陽気に言うとまた少しルドの中へ進めた。まるで初めて性交渉を行う女を扱うように。しかしそれは正解だった。そこは今できたばかりなのだ。当然初めてなのである。 ルドは動かされたことによってまた震えた。 「これだけでそんなに感じてくれるとはね。楽しませてもらえそうだな」 ギガは少しずつ挿入してく。微々たる摩擦が続いた、その時点でもうガクガクと腰が揺れていた。擦れる感触で肌が粟立つ。 「あっ、ああ‥やっ止め‥っ」 一番奥まで入ったと思ったら、すでに放出していた。ギガは抜け目なくそれを受ける。 なんて刺激だろう。入った物の長さ分の摩擦だけでイってしまうのだ。 ギガは続けて引き抜きにかかった。 「うう‥わあっ、動か‥すな」 「ほほう、そんなに私のモノが気に入ったかい? 繋がったままがいいとはね」 ギガは相変わらず憎らしいことしか言わない。抜かれる摩擦だけでまたイってしまうだろう。それより少し間が空かないと、どうにかなってしまいそうなのだ。 「それならご希望に添ってそのままにしといてやろう」 ギガはそう言うとルドの中でゆっくりと、しかし小刻みに動き出した。まるでさざ波がくるように。 「‥あっ、あっ、うあぁ‥」 ほんの少しの距離を二、三度往復しただけでルドは精を吐き出した。足のつま先まで力が入る。 「女とも違うな。私も初めて味わわせて貰うよ。この中は素晴らしくいい。水分をたっぷり含んだ軟体動物のようだ」 ギガは気持ちよさそうに擦り続ける。 「‥はぁ‥‥ぁ‥くっ‥ん‥っ」 ‥‥短時間にどれほどの回数を昇りつめたのか。いや。頂点にずっと立たされているのだろうか。 「‥もっ、やっ‥やめ‥」 「そうだな、私ももう我慢できない」 ギガが一気に引き抜くとまたルドは痙攣する。しかし体がひどく振動するだけで、もう出る物はなかった。 そしてそのまま意識を手放してしまった。 出入り口に立ち、全てを見ていた腹心の家来に放ったギガの言葉を聞くこともなく。 「これから朝昼晩とルドから精を採る。私がこれないときは、お前たちがやるんだ。しかしこれは私の妃にする相手だ。分かってるとは思うが、くれぐれも自分のモノを突っ込んだりするなよ」 § § § 「ハイトさ‥ま、わた‥くし、もうっ」 その相手の女性が、達するすんでの所でハイトは動きを止めた。 「ハっハイト‥さま‥?」 激しい息と共に疑問も吐き出す。 「先ほどの私のお願いを聞いていただけますか?」 女性とは比べものにならぬほどの平静さでハイトも尋ねる。 「こんな時に‥‥ハイト様って‥実は卑怯者でらしたんですね」 女性はハイトの逞しい体に手を絡め、仕草で続きを促す。 「それは了解の意味に取らせて頂いてよろしいのですね」 「ぅんっ、早く‥。私の‥月の闘神」 都へ来てから十日が過ぎていた。 ルドが厳しい快楽の責苦に遭ってるころ、ハイトも随分違う、こちらは気持ちがいいだけの本当の快楽を与えられていた。しかしルドの様子も分からない状態では、精神的に厳しかったであろうことが想像される。一日たりとも離れていたことはないのだ。 |