第7章 襲われる陽子

「今でもあのことを思い出すと胸が詰まる……」
 操は脚を抱え込み、ちょうど体操座りの姿でうずくまる。うつむいた顔は陽子からよく見えなかったが、そこに潜む暗い影だけは読み取ることが出来た。
「中絶の手術をした時、看護婦さんが透明なビニル袋を持ってるの。袋の中には血管の浮いた私の赤ちゃん……私の赤ちゃんの死体が醜い姿で閉じ込められていたの。それを看護婦さんがまるで生ゴミのようにぞんざいに扱ってるのを見て、私その時ひどく気分が悪くなったのを覚えてるわ。それから数カ月ほど、何もかも嫌になって日中病室の布団に全身くるまって震えていたわ」
 陽子はひどく後悔していた。嫌なことを思い出させてしまった。
 見れば操の体はますます縮こまっていくかのように見える。
「ごめんなさい。私、何か嫌なことを思い出させてしまって――」
「気にしなくていいよ。今の自分がいるのも、その事件があったからだし」
「事件? あの、不二夫さんに――」
「違うの。中学の時にね、知らない高校生たちにレイプされたんだ」
 少し間をおいて操が事件の事を話し始めた。
「やりたくなったからやった、そうよ。暗い帰り道、私が裏道を通っているのを見計らって、数人に押さえ付けられたの。それからそのまま服をびりびりに破かれて、後は全員に公衆便所みたいに輪姦され続けたわ。たまりたまった性欲のはけ口にされちゃったわけ。避妊なんかしてないから、結局妊娠しちゃった……。つらかったけど、それ以上に悲しい妊娠だったわ。」
 操は目頭を指で押さえる。
「不二夫さんとは夏頃よ。あれは中学のときとほとんど同じだった。大学の帰りに裏道を通ってたら、突然後ろから押し倒されたの」
「それからそのまま――?」
「ううん。あの人は違った。あの人はね……」
「俺はヤリ捨ては嫌なもんでね。一度手をつけたら一生縛り付けておくんだ」
 その場にいないはずの男の声。陽子の背後からだ。
 振り返ろうにも振り返られない。もう気付いた時には、陽子は頭を腕で固められ、顎を封じられてしまった。
「うお……んう……」
 顎の動きを封じられては、口から出るのは苦悶の声だけ。
 首の動きを封じられては、周囲の状況を知るのは耳だけ。
 だが陽子には、自分の動きを封じている人間が誰だか直感でわかっていた。
 不二夫だ。
「こんな真夜中に、こんなところで子供が何をしている? もっとも子供とはいえ、育ってるところは育っているみたいだけどなぁ」
 そのまま陽子は後ろに叩き付けられた。背中をしたたかに床へ打ち付けられて動けない。
 そんな陽子の腹の上に、男――まぎれもない、不二夫がどっかりと腰を下ろす。
 醜悪な姿であった。多分普通に離れてみればなんてことない普通の男の裸なのだろうが、赤黒く隆々と勃つ象徴を間近に見せつけられては、吐き気すら覚える。
 しかし不二夫はそんな陽子の心情を全く推し量らない。いやらしい笑みを浮かべながら、服の上から陽子の胸を掴み上げる。小さな胸を、手の平全体でひねり上げるように握ってもみしだく。
「いたあああああああい!」
「そうか痛いかぁ。でもそれも、後で自分で胸もみながらオナニーして思うんだ。『不二夫さんは私のためにやってくれたんだ』ってなぁ」
 陽子の服の胸元を引きちぎる。暴かれた少女の小さな胸の大きな乳首。それを人さし指で執拗にもてあそびながら、先ほどと同じように揉みあげる。
「ひぎぃぃぃぃ!」
「へへへ、この胸も俺の手にかかればどんどんでかくなる。そのうち牛みたいに乳が出るようにもなるぜ」
「痛い! 痛い! やめて痛い!」
 体をよじらせて、不二夫の手を引き離そうと抗う陽子。だが何をやっても、不二夫の手を止めることはできない。そうこうしているうちに陽子の上半身の服は完全にはがされ、その肌を不二夫の手の平に舐め回される。
「ナイスバディだなぁええ? このウエストの細いくびれといい、縦に割れた臍といい……ああもうこの臍がたまらん!」
 不二夫の腰が浮く。だが陽子に逃げる余裕を与えることなく、腰は再び陽子の腰に打ち付けられる。
「ひ、やぁあ!」
 今まで味わったことのない無気味な感触に、陽子は腹をねじった。
 そそりたつ不二夫の亀頭が、陽子の小さな臍の穴に自身を埋めようとめり込んでいた。
「あぁあ、このままお前の体に入れてやりたいぜ、それでそのまま、腹の中にザーメン送り込んでやりてぇ」
 強すぎる不二夫の腰の反復。
「やめ……ぐぇ、えぅ、へぅ」
 もちろん臍の穴が男の隆々とした肉棒を飲み込めるわけがない。だがそれが入り口で地団駄を踏めば踏むほど、陽子の体の奥に鈍い苦痛が伝わってくる。そして圧迫される腹、硬度と弾力と温度で迫ってくる不二夫の怒張の感触。
「ひぃ、ひいいいぃい! ごめんなさい、ごめんなさい!」
「何謝ってんだ?」
「ここであったことは何も言いませんからぁ! もう許してぇ!」
「ああ許してやるよ、お前も奴隷妻になったらなぁ!」
 不二夫が腰を強く突き立てる。
「はぐぁ!」
 小さな臍の穴全体に、圧迫感と熱感。
 陽子の臍の穴から、不二夫の精液が放射線状にだらりとこぼれる。
 白濁を醜く萎えた陰茎から垂れ流したまま、ゆっくりと不二夫が腰を離す。
(――犯された……)
 陽子の目尻から涙がこぼれる。顔を手で覆い、彼女はかすれた声を漏らして泣く。
 だが不二夫は容赦ない。
「おら、後始末をするんだ、ほら」
 泣く陽子の上体を起こし、顔を覆う手を引き離すと、自分の陰茎を押し付ける。顔をしかめる陽子の頬に陰茎から垂れていた白い精液がなすりつけられ、つたう涙に交わる。
「い、いやっ」
「何言ってんだよ、これからいやってほど舐めなきゃいけねぇんだよ、ほらしゃぶれ」
 不二夫は無理矢理陽子の唇を押し分けて陰茎を入れる。
「おい、お前だけのじゃないんだからな、噛んだら目ぇつぶすぞ」
 口の中に青臭い肉棒を押し込まれ、陽子はくぐもった悲鳴をあげる。
「よおし、舌でちろちろ舐めてみろ、早く!」
 きつい口調で不二夫は命令する。陽子はいやいやながらも、舌を動かしはじめる。おそるおそる不二夫の陰茎に触り、おどおどしながら舐める。かすかな塩味、少しの苦味、強い臭味。
(こんなのを、美咲さんと操さんはぺろぺろ舐めているのね……)
 こんな時に、男の汚い一物を口に押し込まれているというのに、陽子はその時、自分でもわからないくらい落ち着いていた。
 もちろんくわえられている不二夫も、彼女の変化を陰茎で感じた。
「大人しくなりやがって、そんなに俺のナニが気に入ったか?」
 それを聞いて陽子は我に返ったように口から陰茎を吐き出さんとする。しかし不二夫に押さえ付けられて結局口を離せない。
「舐めろ! おいしいんだろ! うまいもん舐めても誰も止めやしねーよ。うん?」
 怒鳴るというよりは、まるで子供をいさめるような口調で不二夫は陽子に言う。
「ほら、犬みたいにぺちゃぺちゃ舐めるんだ。嬉しかったら声出していいんだぞ?」
 不二夫に押さえ付けられてもなお離れようと抵抗し続ける陽子。不二夫の腰を突き、脚を殴り、手を引っ掻く。
 しかし陽子の口の中で、不二夫の陰茎が次第にその大きさと固さを増して来た。
「……ぐむう! むぐうぅ!」
 陽子は再び涙を流して悲鳴をあげる。
「おぉおぉ、大きくなってますます嬉しいんかぁ。よしよし、ちょっと動かしてやるな」
 喉奥を貫かんばかりに不二夫は腰を動かす。陽子はますますくぐもった悲鳴をあげる。もうその時には、陽子の口の端からおびただしい涎がこぼれ、細い首を伝い、窪む鎖骨の辺りをさらにながれて胸元に至っている。
 ねぴ、ぷちゅ。いやらしい音が、くぐもった悲鳴を漏らし続ける陽子の唇と、そこを無理矢理出入りする不二夫の陰茎の合わさる所から湧き出てくる。
 壮絶な、イマラチオの光景であった。
 それを目の前に、操は目をぼんやりとさせて甘い息を吐く。
「あぁ……私もこんなだった、私も……ああっ」
 固くなった乳首を自分の片手の五本の指でつま弾き、それから乳房をぎゅっと握りしめた。片手の小指をくわえこみ、舌で包み込むように舐める。それから、唾液で光るそれを、自分のクレバスに近付けた。
 濡れた小指が、精液と自分自身の体液でぬめった操の膣の入り口に吸い込まれる。
「ぐ、く、んん、んう」
 声を押し殺しつつも、操は体に沸き起こった快楽に鳥肌を立たせる。
「私と……一緒、私と一緒……あ、ああっ」
 操は起き上がるように、その上体をのけ反らせた。電撃的な快感が上り詰めてくるたび、何度も、何度も。そして絶頂寸前の朦朧とした意識の中で、言葉にならぬ言葉を漏らしながら、不二夫と陽子の姿を見つめ続けている。 

 

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